Re:転生ライダーinキヴォトス   作:KIARU

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マルクトお姉さま、まっ平かと思ったら少し”ある”…


墓穴堀のプロ

「どうしよう、ナビルー。俺達どんな顔して登校すればいいんだ?顔合わせた瞬間発砲とかシャレになんないぞ」

 

「ごめん相棒…まさかあんな怒るとは思わなくて…ツンデレは女の子の魅力の一つって書いてあったのになあ」

 

「ナビルー…」

 

 これはまた別の問題が出てきたな。かと言ってナビルーにネットを禁じさせても中途半端な知識のまま止まってしまう。もう突き詰めさせた方がいいかもしれない。日常会話にネットミームや語録を使いだしたら止めよう。

 

「…梔子先輩にも謝らないといけないし、ずっと家にいるわけにはいかないからな。覚悟を決めよう」

 

「そうだな…」

 

 憂鬱な気分でナビルーと共に家を出れば、なんとそこにはぶすっとした顔の小鳥遊が待ち構えていた。家を出れば美少女が出迎えてくれるなんてウレシイナー。クソがよ。

 

「…昨日私をあれだけ怒らせておきながら登校する気があるのは尊敬しますよ。もっとも、許す気はないですが」

 

「うっ…ごめん」

 

「ナビルーに悪気がなかったとはいえ、嫌な思いをさせたならごめん」

 

 悪いことをしたなら謝る。その当然の事ができない奴もいるし、謝ったからと言って相手が必ず許してくれるわけでもない。それでも、謝罪をするしないでは天と地ほどの差がある。

 ま、今回は小鳥遊が「許す気はない」って言ってるから完全に自己満だな!

 

「はぁ…許す気はないとは言いましたが、一日経ってまだ怒りが収まらないほど私は狭量ではありません。許す気はないですが、謝罪も受け取りましたし普通に接する分には構いません。…いつまで頭を下げてるんですか。さっさと行きますよ」

 

「おう!ありがとな!」

 

「行くって…どこへ?」

 

「何言ってるんですか。今日は自由登校日じゃありませんよ。学校に決まってるでしょう」

 

 許しはされなかったが怒りは収めてもらえた…が、一緒に登校とはどういう風の吹き回しだろうか。ええんか?男子生徒と登校とか噂されちゃうよ?ここ限界集落だから噂広まるのとか一瞬だよ?

 

「立ち止まってないで早く歩いてください。遅刻しますよ。あなたに聞きたいことも色々あるんですから」

 

「…はい」

 

 小鳥遊はそういうの気にしないようだ。なら俺があれこれ気にするのも無粋というモノだろう。俺は大人しく小鳥遊の隣を歩く。

 

「それで?俺に聞きたいことって?」

 

「あなたが乗っていたあの赤いドラゴン。あれはなんですか」

 

 うえ、見られてたのかアレ。入学式の時にガン飛ばされてたのはそのせいか。ってことはそこそこ前からレウスに関しては小鳥遊にバレてたんだな。次からもっと周り見とくか。

 

「あれはなぁ…多分、俺に備わった能力だろう。偶に異能とも呼べる能力を持った生徒っているだろ?俺の場合はこの異空間ポケットと高スペックな体、それとオトモンって呼ばれる頼もしいモンスターを計6種類呼び出せる。俺は大分外れ値だろうけどな」

 

 そう言って俺はポケットから絶対に収まりきらない程の大剣、ミラブレイドを取り出して見せしまう。

 ナビルーが俺が異能とか言い出した時点でジト目でこっちを見てる気がするが気のせいだろう。

 

「…なるほど。理解はしました。それならばヘイローもないのにあの異常な身体能力にも説明がつきます。荒唐無稽な話だという点を除けばですが」

 

「あれぇ?」

 

「でもまあ…信じましょう。あなたの顔を見るに的外れでもなさそうですから」

 

 やっぱツンデr…殺気が飛んできたな。考えるのをやめよう。

 

「それで?昨日はどこまで逃げに行ってたんですか?」

 

「…ちょっとトリニティまでケーキを食べに」

 

「…へー。怒り狂う私を宥めるユメ先輩を置いて行って自分は暢気にケーキを食べに行ってたんですか。そうですか」

 

「いやケーキを食べたって言うのは結果的にそうなったってだけで声をかけられた女の子に連れ込まれてっていうか」

 

「逆ナンにほいほいついていったわけですね」

 

「やべえ墓穴しか掘ってねぇ」

 

 好感度がゴリゴリ減っていくのを感じる。もうどう取り繕っても俺は”自分で怒らせた相手を先輩に任せてケーキを食ってきたクズ”にしかならない。終わりだ。保存の効くクッキーも多めにお土産に買ってきたのに、今小鳥遊に渡したらまるで許してもらうためにクッキーを差し出してるみたいじゃないか。

 

「…トリニティまで行ってきたんですから、お土産の一つや二つくらいあるんですよね?」

 

 ありがとう小鳥遊。俺は君の優しさを一生忘れない。

 無言でポケットからそこそこの大きさのクッキーの包みを取り出し小鳥遊に渡す。

 

「本当にあるとは思いませんでしたが、受け取っておきましょう。当然、ユメ先輩の分もあるんですよね?」

 

「はい…って、あれ?小鳥遊、いつの間に梔子先輩の事”ユメ先輩”って呼ぶようになったんだ?」

 

 昨日は確かに”梔子ユメ会長”って呼んでたはずだ。いつそんな急接近を?昨日俺がいない間に何があったんだ?梔子先輩の善のオーラに当てられたか?

 

「…あなたに話すことはありません」

 

「そっかぁ」

 

 梔子先輩の懐柔が進んでいるならなによりだ。役職も小鳥遊が入ってから決めたほうがいいだろうし、当分は生徒会の仕事は手伝いの域を出ないだろう。

 

「小鳥遊は責任感強そうだし、副生徒会長かな」

 

「はぁ?急に何を言ってるんですか」

 

「生徒会の話。小鳥遊が入るのも時間の問題かなと思ってな」

 

「…私は入りませんから。ほら、まずユメ先輩のところに行きますよ。授業まではまだ少し時間があります」

 

 うん、絶対に時間の問題だと思う。

 

 この後、俺とナビルーはユメ先輩にお土産を渡したが昨日の一件は普通に叱られた。

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