「……ムム、聞こえてる?」
私はパートナーであるムムの、ゴワゴワとした灰色の背中にそっと掌を這わせた。
逆立った毛が指の間をくすぐりながら逃げるようにして潜っていく。軽く押し込めば、触れた奥から伝わる鼓動と、生き物の熱が肌にじわりと滲みこんでいく。
これは毎日のように行っていた動作。ただそうしたいからそうしていた、ゲームの行動としてはまったく意味のない動きのはずだった。
それなのに、ただ当たり前のように刺激が返ってくるだけで、心に安らぎを覚えて不安が解けていくような気持ちになるのはなぜだろうか。
ユグドラシルをはじめとする体験型ゲームは、利用者の精神に強い影響を及ぼす危険性から、五感へのフィードバックが大きく制限されていた。にもかかわらず、現実と虚構の境界が曖昧になる病は後を絶たず、現代病の一つとして挙げられているほどだ。
けれど今、目の前のムムは生きている。想像力で補う必要などまったくない。確かに触れ息づく存在として、ここにいる。私はずっと渇望していたものを手に入れてしまったのだ。
かつてのギルドでパートナーと一緒に暮らせるならと幾度も話が盛り上がった。家の形は広さはこうじゃないとダメとか、食費がどうとか、人間が主食のパートナーはどうすればとか。あのときはただの与太話として面白おかしく語り合った。そんな夢として語った世界が現実となっていたのだ。
「……ああ、レーション。聞こえている。私も驚いていたのだ……ここは、セーフティエリアに似て安全なようだが、ユグドラシルの空気とは少し違うように感じられる」
ムムの声は想像と違っていたが、見た目通りに威厳があり落ち着いていて、耳心地が良く馴染み深いものだった。
「……そうだね。私もこんな世界は見たことがないよ」
「ここが、この世界が何かと聞かれると……やはり、答えに窮する他ない……」
「そっか……いや、ごめんね。変な質問しちゃった」
申し訳なさそうに項垂れる姿に、悪いことをしてしまったと謝罪の言葉をかけた。精神が不安定なまま、思いつきで投げてしまった言葉だったからだ。
ムムの答えは少し落ち着いて考えれば予想できたはずだ。
しかしながら、いつも私の傍にいてくれたムムなら、何か知っているかもしれない。そんな淡い期待が、思考の片隅にあったのも事実だ。
もちろん、そんな都合よく進むはずもないのは分かっていた。
ムムの落ち着いた声を聞き、少しだけ冷静さを取り戻した私は、代わりに別の質問を投げかけてみることにした。
「なら、ムムは私のことをレーション、って呼んだけど……それはユグドラシルのアバターの名前で、本当は私が人間で別の名前があるって知ったら、どう思う?」
「……ふむ」
自分でも、少し意地悪な質問だと思う。
まるでムムの信用を試しているかのようにも聞こえるだろう。後悔もあったが、これは避けては通れない問題だ。私とムムの間で唯一絶対に交わることのない場所なのだから。
私の問いに、ムムは怪訝そうに眉を寄せる。
それでも、責めるような色はまったくない。静かに瞼を閉じ、真剣に考え込んでいる。
「……正直に言おうか。私はお前のことをスキュラという異形種族のレーションとしか見ていない。私はユグドラシルの "焦熱地獄" の最下層で、お前にテイムされてから九十年間、お前と歩んできた……そして魂の連環を交し合ってから六十二年もの間、レーションの精神に寄り添ってきた」
真面目な顔してなんてことを言うのだろうか。
デリケートな話題を出したのは私のほうだが、まさか、こんな返しをされるとは考えてもいなかった。
「ゆえに正体が人間だろうと私は、その状態のお前の姿しか見たことがないのだ。その上で、お前を評するならば──ユグドラシルの頃と今のお前は何も変わってはいない」
「……本当?」
「嘘をつく必要がない」
熱のない身体が火照っていく。
ああ、本当に私はムムの言葉に救われている。
「………そっかぁ……ふふ、ムムが居てくれて、本当に良かった……」
ムムの言葉は、心の底へ静かに染み込む波紋だ。
不安定だった私の輪郭をそっとなぞり、形を取り戻させていく。水底で不規則に舞い上がった泥の粒が、ひとつの流れへ収まっていくように、私の内側に秩序が戻ってくるのが分かる。
「そもそも魂の連環によって、お前の感情は手に取るようにわかるのだ。そこから心の機微を察することはそう難しいことではない。お前もそうなのだろう?」
ムムが私の知らないことを言っている。思わず首をかしげてしまった。
スキルや位階魔法を使えば似たようなことはできるものの、そんな機能はユグドラシルには無いはずだ。
「私、ムムの感情なんて分からないよ? 表情から察することはできるけど、なんかスキルでもあるの?」
ムムの片眉が吊り上がり、続けざまに驚愕の表情に塗り替えられた。背中の毛が少しばかり逆立っている。
私が冗談を言っていないことが分かったのだろう。
「何もそこまで驚かなくても……」
ムムの言う魂の連環とは、刺青型装身具の連環の契りのことだろう。契りを結んだNPCとプレイヤーに強力な補正が与えられるが、代償があまりに重く、私のような物好きしか取得しない装備アイテムだ。ちなみにこれがギルドの参加券になるが、今は関係ない。
「……冗談ではないことは分かった、が……その様子から察するに、始めからか?」
「そうだけど……そんなに違うの?」
「ああ、違う。魂の連環を結ぶ前は、お前の……表情に乏しい人間の顔から読み取るのは、非常に難儀した。声色などから察せられるが、時間がかかるうえに大雑把にしか分からん」
「それは、なんか……ごめん」
「謝るようなことではない。レーション。お前は違うのか?」
「どうだろう……ムムと同じように大雑把にしか分からなかったけど、確度は高かったように思えるよ?」
ムムの
「なるほど……お前は共感力、あるいは察する力というべき力が優れているのだな」
「そうなのかな……」
人間なら誰しも持っている力じゃないだろうか。つまりプレイヤーならという意味だ。
ユグドラシルのアバターの表情は固定だったため、声色やエモーションから想像し判断する他なく、自然と鍛えられていたのかもしれない。
「先ほど、お前の正体は人間だと言っていたが、それは確かなようだ。少なくともお前と同じ種族で、そういった存在は見たことがない」
「まあ……そうだね」
「しかし、お前は人間ではない。純粋な異形種だろう? 呪いの類か何かなのか?」
呪い。その視点は私にはなかった。突然、記憶にない世界へ転移し、アバターの姿になり、人間だと言い切れなくなった。それが説明できない事象ならば、呪いと言っていいのではないだろうか。
「……そうか。これは、呪いか……あぁ確かに、それなら色々と……納得がいく気がする」
怪物の姿に変えられた人間の物語なんていくらでもあった。まさか創作の中の当事者になるとは思いもしなかったが。
「あー、でもねムム。私が人間なのは呪いとは関係がないんだ。ユグドラシルに居た頃……私のこの身体、アバターは、ユグドラシルの外の世界から人間が操っていたんだよ」
「ふむ……それは他のプレイヤーも同じというわけか?」
「そうだよ。他の存在を苦も無く殺せて、死んでも死なない無限の命を持つ特別な強さを持った存在は、みんな同じ」
「……神のような存在だな」
「神か。どうだろうね……大体何でもできるけど、全知全能でも自由でもないし」
「レーション……神に夢を見すぎだ。ならば、以前のお前が愚痴を言っていた運営という存在が、お前の想像する神に近いのだろうか」
「運営が……?」
確かに運営なら、やろうと思えば本当に何でもできるだろう。
しかしながら、それはユグドラシルという世界の中だけの話であって、何もかも無制限というわけではない。物語で書かれるような神ではないのだ。そこにはシステムを開発・運営するコストがあって、営利で動く企業なのだから。
(……この世界は現実なんかではなく、ゲーム世界?)
いや、考えすぎだ。飛躍しすぎている。
五感をフルフィードバックすれば現実になると言われている。ただそれは、限りなく現実に近くなるだろうという理論上の話だ。現時点で脳科学は発展途上ゆえに、フルフィードバックの実現すらできていない。軍用ですらまだ六割が限界と小耳に挟んだことがある。
仮にそれが実現できたとしても、それは五感のみ。目の前に広がる自然の表現は別問題だ。それを全て解決した場合として試算すると、大型アーコロジー複数をゲーム機として運用するほどの処理能力と電力消費が必要となるらしい。
目の前に広がる自然。
そしてムムを見れば分かるだろう。
一本一本の毛の細かさ。
皮膚、その奥に宿る熱と鼓動。
湿り気を帯びた鼻先に、口元とその弾力。
唇をそっとめくって、歯列に指の腹を添わせて感じる、硬質な感触。
ムムの吐息が肌に当たって、その部分が湿り気を帯びて照り返している。
「何をしている……」
白磁のような犬歯を、先端から根元までゆっくりと舌でなぞる。
見た目通りつるりとしていて味はなく、匂いも薄い。
思っていたような生臭さも感じなかった。
大きく口を開けて、分厚く黒い唇を甘噛みしてみる。
「……レーション」
「……やっぱり、虚構なんてありえない……」
「それはそうだろう。どこに虚構と感じられる部分がある?」
「ユグドラシルが、虚構の……作られた世界だったから」
私の回答を聞いたムムの顔が、一瞬歪んだ。
「……ああ。そうか……すまない。私にとって今の状況は異なる世界に来ただけで、他は何も変わらぬのだ」
「いいよ。気にしてない……ムムには分かりにくいと思うから」
気まずい空気が流れるが、仕方のないことだ。
この話題について、ムムと本当の意味で理解し合うことはできないのだから。
「ねぇ、ムム」
「どうした」
「……ムムは、私が……このレーションの身体を操作していた人間に戻りたいと考えていると知って、どう思う?」
「何を聞きたいのか分からぬが、そうだな……もう一度言おうか。ユグドラシルの頃とお前は何も変わっていないのだ。精神的な面では何もな」
「……異形種のスキュラとしての残虐な行為を何とも思わなくても? 人間なら嫌悪が来る行為をそれが当たり前だと思っていても?」
ムムの視線が非難めいたものになったのは気のせいだろうか。
「お前は金策だと、嬉々として隠れハイエルフの里を襲っていたではないか。今更何を言っている」
「うっ……いや、あれは、ゲームの世界だからで、現実じゃないからで……」
「頭蓋を何度も砕いて、魔力純度の高い瞳がドロップしないと愚痴っていたのはどこの誰だ?」
「えっあ……いや、だから、だって! 私だってどうかと思ったけどッ! でも、そうしないと装備更新に必要な資金が足らないんだもん! ルートボックスにした運営が全部悪い!!」
次世代の有用なデータクリスタルを作成するために必要な高価値アイテム。それを期間限定ダンジョンの目玉にするのは良くあったことだ。
ただし、それが「平和な隠れ里を襲いましょう」という内容でなければの話だ。
イベントダンジョン内に配置された資料を集めて読むうちに、「実は悪の組織だった」と判明することもある。だが今回はそうした展開ではなく、子供が描いたような絵日記や祭りの予定表、壁に留められた料理のレシピ、手編み途中のセーターなど、穏やかで平和な日常を感じさせるものばかりだった。
ユグドラシルがダークファンタジー寄りとはいえ、あの運営の悪辣な采配には、流石の私もドン引きした。
それでも、背に腹は代えられず、期限中は毎日潜り続けた。
日を追うごとに慣れていき、最後には愚痴をこぼしながら淡々と殺し続けていた。
運営の悪意あるイベントであろうと、殺したからといってスプラッタな表現になるわけでもなく、ゲーム的な光に溶けていく一般的なものだ。結局は「おいおい運営様もひでぇことしやがる」程度でしかないのだ。
罪悪感を煽るような演出はこれが初めてではなく、その慣れもあって影響は限定的だったのだろう。加えて「所詮はゲームだ」という意識が強く、一時的に心情が揺れただけで、プレイヤーの反応も沈静化するのが早かった。
もちろんムムの言う通り、現実に置き換えればとんでもない話なのだが、なんだか釈然としない。
「ご丁寧にカルマまで下がる仕様でさ、聖女や聖騎士クラス持ちの人が愚痴ってたよ。また盗賊狩り生活かーって」
ただ、一部の特にエルフを選んだプレイヤーたちは運営に強く反発し続けていて、そこにゴブリンやスケルトンといった、普段は討伐対象にされやすい亜人種と異形種のプレイヤーが煽り立てた。その結果、しばらく沈静化していた亜人・異形種狩りが再燃し、非常に厄介な事態になったのを覚えている。
「……まあ話が逸れたがな、元よりお前は残虐なのだ。ゆえに、気にする必要はないと言いたかった」
「残虐……いや、分かるよ。ムムが言いたいことは分かるんだけど……」
おそらくムムは、ユグドラシルで私が行ったすべてを現実として見てきたのだろう。
そう考えると、私が行ってきたことは悪そのものだ。それは私のカルマの数値が邪悪を示していることからも明らかだった。
(だからと言って、現実でそれができるわけじゃない)
相手の表情や声、肌で感じるその場の空気。本物の命を目の前にして、果たして同じことができるだろうか。
そう自身に問いかけたとき、人間の精神ならきっとできないはずで、異形の精神なら必要とあらば躊躇なくできてしまうのだろう。そんな自己分析ができてしまう私自身が嫌だった。
「納得できなくとも構わない。私に変な期待をしているようだからはっきり言おう。私は、人間というものを理解できていない。思考の原点が異なるために、おそらく理解もできない」
ムムの黄金色の双眸が、まっすぐにこちらを射抜く。
「だから、これはお前自身で解決しなければならないことなのだろう」
結局はそこに辿り着いてしまうだろうか。
人間だった私が、人間を理解しているはずの私が向き合うしかない問題なのだと。
そもそも、解決方法があるかどうかも不確かだった。
例えば、一番良いのはこれはただの夢であることだが、これは除外するしかない。
次点で良いのは、この呪いをかけた人物を見つけ出すこと。その人物が人格者であれば、まだ円満解決の余地はあるかもしれない。
しかし、とてもそうは思えなかった。こんなことを仕出かす相手が、まともな性格をしているとは到底思えない。
(……今何を考えても、情報がなさ過ぎて想像の域をでない)
精神的な疲れが押し寄せ、ムムの広い背に倒れ掛かるが、微動だにしない。
私と違う、強く、芯の通った暖かい背中だった。
「ねえムム……私は、どうしたらいいと思う?」
「レーションの好きにすればいい。何をしようと肯定しよう。今までと同じように」
「……好きにすればって、具体的に何すればいいのよ」
「そうだな、新しい世界に降り立ったとき、お前は初めに何をしていた?」
「……地図埋め」
「なるほど、では、どう埋めていたのだ?」
「目立つものがあるから、そこを線で結ぶように……あとは適当に、気分次第で……」
「そうか、なら目立つ目標を決めなくてはな」
「作られた世界じゃないから、そんなのないよ」
「……あの雪を被った山脈はどうだ?」
ムムの視線は、遠い地平線に広がる白い峰々へ向けられていた。
「………」
「レーション?」
「……悪くはない、けど……ムムはどう思う? 私の抱える問題について、やっぱり時間しか、解決する手段はないのかな……」
「そうだな……」
ムムは静かに目を閉じ、しばし考え込む。
少し湿った風がムムの灰色の毛並みを揺らし、夕日を反射して瞬いていた。
「……問題解決とは絡み合った毛糸球を解くようなもの、そう私は考えている。集中して丁寧に解きほぐしていくのも良し、暇を見つけ時間をかけて解くのも良し……面倒だと捨て置いて、気が付けば勝手に解けていることもあるだろう」
ムムがこちらに顔を向けて、穏やかに微笑んだ。
「肝要なのは、根を詰めて結び目を固くしないことにある」
「つまり……?」
「レーション。お前がそれでいいと思ったのなら、それが、一番良いということだ。お前の考えた解決方法が間違っているとも思わない。それに、強制されて解決するような単純な問題ではないのだろう?」
「そう、だね……ちょっとだけ、すっきりしたよ。ムム、ありがとう」
私が一番いいと思うことを。
人間とか異形とか関係なく、ただ正しいと思うことをしていけばいい。
その言葉はするりと心に染み入り、絡み合っていた思考が解けていくように感じた。
「気にする必要はない。私はお前に寄り添い賛同者となることはできても、救済者となることはできないのだから」
「何言ってるのムム。そんなことはないって……ムムはもう十分に私を救ってくれてる」
ああ。私がうじうじと悩んでいたらムムは心配するばかりなのだ。
簡単に解決できる問題でないことは、もう十分に分かっていた。ムムの言葉のおかげで、一度棚上げして、気長に行こうと思える。今だけは、それで良いではないか。
それに異形種の寿命はユグドラシルの設定では無限に等しい。この身体もそうだとは言い切れないけれど、人間よりもずっと長い時間を生きて、考える余裕はあるはずだ。
「じゃあさ、まずはムムが指し示してくれた、あの山の、一番高い山頂へ行こうよ」
少しだけ、私の声がうわずっていた。
「そろそろ日も沈むが、今から行くか?」
「あー。なら日が昇ったら行こうか。夜道を歩くのはまた今度で」
まず初めに、あの山の頂へ登り、この世界を見下ろそう。
その次は、また、その時考えれば良い。
地図のない世界はどれほど広いのだろう。
沈んでいた心の反動なのか、初めて見る世界を巡るという興奮が抑えきれないのか。なんだか調子が狂うほどに、気分が軽い。
そうだ、私はムムと世界を旅するのが好きだったのだ。<転移>や<飛行>で駆け足に行くのではなく、自分の足でのんびりと時間をかけて巡ることが。ユグドラシルの世界はそれに答えてくれた。スポットごとに散りばめられたコレクションアイテムは、今も私のアイテムボックスに眠っていた。
この世界は私に何をみせてくれるのだろうか。
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翌日。旅立ちの日は曇天だった。
今日の天気は曇りのち雨。湿った草と土の濃厚な匂いが風に乗って運ばれてきている。
やがて大粒の雨が降り注ぎ、私とムム、そして乾いた大地を濡らしていく。
しかしながら、暗い情景を思わせる雨だが何もかもが新鮮で晴れ晴れとした爽やかな気分だった。冷たい雫が頬を打つ心地よさ、立ちこめるもったりとした土の匂い、ぬかるんだ泥に塗れた触腕。両腕を広げ天を仰ぐようにして雨天を堪能する。
「私は今日、恵みの雨の一つを見た!」
人間だった頃の世界において、いわゆる自然現象というものは壊れてしまっていた。
痛々しいと表現されるような、あらゆるものに牙を向く自然しか残っていない。穏やかな自然は古い映画や史料からでしか思い描くことはできないのだ。
私はこれからこの貴重な体験を嫌というほど経験できるのだろう。
そうした経験の先で自然が嫌いになってしまわないだろうかと少し心配だったが、きっと杞憂に終わるはずだ。これから様々な場所を廻る私の目に映る光景は、同じものなど一つとしてないのだから。