サクラ大戦 貴水玄治物語   作:無月

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⑯正月休暇

太正十五年 睦月

 

『明けましておめでとうございます』

 

 年が明けた元旦、楽屋には花組全員と米田とかえで、ラチェット、玄治が勢揃いし、例年通り新年会が開かれる。

 隊員それぞれが挨拶を交わす中、新年会に初参加である玄治はその光景を後方から見守り、ラチェットもすみれとカンナが新年早々喧嘩を始めようとするところでマリアが諫める様子に笑みを零す。

 

「さて、ウチはここらで新作の『もちつきくん』を・・・」

 

「正月から大爆発はやめてくれよ、紅蘭」

 

「いつもなら『餅の代わりに大神はんをどついたろうか』っちゅうとこやけど、今回はなんと!」

 

「俺も制作に協力してるから安心安全の保証付きだ」

 

 苦笑する大神に紅蘭はババンと後ろに座っていた玄治を指し示せば、当の本人もノリノリで応える。

 だが安心してはいけない。こいつは用心のためと言って警棒にとんでもない威力を付加させたり、疲労困憊で判断が覚束ない時に手掛けた料理は毒にすらなるマッドサイエンティストであり、爆発物を作り上げる紅蘭の兄弟子である。

 

「いや、玄治が協力してるのもそれはそれで不安なんだけど・・・」

 

 他の面々の想いを代表するように大神が口にすれば他の者達も頷いたり、苦笑したりと肯定する者が多い。

 

「失礼な。赤チビ一人でやったら爆発一択だったが、俺も参加してるからきちんと餅に出来るようになってるぞ」

 

「玄兄も一言余計やっちゅうねん!」

 

 そう言って中庭に誘うがほとんどの者が安全のために室内からの見学を希望し、マリアやラチェット、そして風組で唯一残ったかすみは厨房にて餅につける材料の準備へと向かった。

 そして、中庭にいるのは制作者である玄治と紅蘭、そして生贄の大神である。

 

「で玄治、このもちつきくんはどう使うんだ?」

 

 既に生贄になることを諦めた大神は、ノリノリで装置を触って楽しそうにしている技術者兄妹に問いかける。

 

「よくぞ聞いてくれた、大神!

 さてこちらにとりだしたるは精米された餅米」

 

「それをこのもちつきくんに入れてスイッチオン! そうしてしばらく待つとあら不思議!」

 

『米が無事蒸しあがりました!』

 

 ノリノリで装置から蒸された米を取り出す技術者兄妹にしばし沈黙が流れ、そこから先がないことを誰もが確信したのち、見ていたアイリスが首を傾げる。

 

「それだけー?」

 

「それだけや!」

 

 堂々と答える紅蘭に、中庭入り口に用意して置いた杵と臼を中庭中央に持ってきた玄治が補足する。

 

「それだけなんていうが本来餅を作るには米を一晩水につけ蒸し器を用意して蒸しあげるまで相当時間がかかる。しかしこの装置を使えば、米を入れるだけですぐに餅つきが出来る状態になるんだ」

 

「その、凄い技術だっていうことはわかるんですけど・・・」

 

「いや、そこまでやれんならつくとこまでやってくれってことだぞ。玄さん」

 

「技術としても、調理過程としても中途半端ではありませんこと?」

 

 凄いだろうとばかりに自慢げにする玄治に対しても、他からのブーイングが尽きない。

 だが、技術者兄妹はカンナの言葉に同時に首を傾げた。

 

『なんで()? 餅つきは餅つくとこが一番楽しいとこだろ(やろ)?』

 

「・・・ちょっと待ってくれ。

 二人とも、もしかして餅つきの経験ないのか?」

 

 装置がいい仕事をしたとばかりに褒める二人に、大神がまさかと思って問えば二人は揃って腕を組んでドヤ顔で胸を張る。

 

「大神はん、ウチの生まれは中国やで?

 小麦粉から作られたもんは全て餅! それがウチの生まれ故郷や!」

 

 余談だが米粉から作るものはまた別の名称を持ち、調理法によって名称の最初の一字が変わるため様々な餅があるのはこのためである。

 

「対降魔部隊の時は勿論、数年地下に潜ってた俺に餅つきの経験なんてあると思うのか?

 いやない、あるわけがないだろう! 大神!」

 

 玄治がまた笑えないことをさらっと言ってのけるが、大神に水で濡らした杵を渡して杵同様に濡らした臼へと蒸された米を投入する。

 

「それにこれなら皆で出来る、ワイワイやった方が楽しいだろ?」

 

「玄治・・・」

 

「あとまぁ、生まれが違いすぎて雑煮とか地域色強いもんが出せないからな。

 餅なら味付けに自由が利くし、甘味にも食事にもなる。それに余っても保存したり、おかきにも出来る」

 

 手渡された杵で餅をある程度形作る大神に、玄治は合いの手で餅を返す。その間に紅蘭が見学をしていた面子を呼んで順に並ばせていけば餅つき行列の完成である。

 

「カンナさん、あなたの馬鹿力で臼を割ったりしないようにしてくださいな?」

 

「誰が割るか、この蛇女。お前こそ手ぇ滑らして杵をその辺にぶん投げんじゃねぇぞ、すみれ」

 

「私、餅つきなんて初めてやりまーす!」

 

「僕もだ」

 

「アイリスもー!」

 

 すみれとカンナが再びじゃれ合いを始める中、三人が興味深そうに臼の中にある餅を覗く。

 何度か順番についていくのを見ながら、厨房からきな粉や餡子、砂糖醤油に大根おろしなどを持ってきたマリア達が参加し、皆で出来立ての餅を頬張る。

 その場にいる全員に餅がいきわたったのを確認してから、玄治は三つの皿をもって輪から離れ、まずはかえでと米田へと餡子餅の乗った皿を渡していく。

 

「かえでさん、米田さんもどうぞ」

 

「おう、すまねぇな」

 

「ありがとう、玄治くん」

 

 礼に腕をあげて応えつつ玄治はきな粉餅の乗った皿を手にして、中庭の隅へと向かった。途中フントが合流してきたが、静かに花組のところに向かうように指し示せば頭のいい彼はすぐにレニ達の元へとじゃれに行った。

 いつの間にか社に覆われた石碑の前に餅を置いて、手も合わせず、何か語りかけるわけでもなく、玄治は石碑の隣に腰を下ろしてそこから花組の面々を見る。

 大食いをして喉に詰まらせるカンナの周りでさくらが慌て、紅蘭が水を飲ませている。その横でなかなか噛みきれずに餅を伸ばしているすみれと織姫をラチェットが笑い、アイリスとレニは次に何をつけるかを迷って、大神は追加の餅を用意しようと装置を動かし始めている。

(なぁ、見えるだろ?)

 声には出さずに、そこに居ればいいと願う彼女を思い浮かべる。

 しっとりと濡れた烏の羽のような黒髪と、海を映し込んだような目を持つ彼女。

 敵としてしか見れなかったが、思えば容姿は玄治自身とよく似ていた。もしかしたら、その生まれも近しいものだったのかもしれない。

 最初に出会ったのが京極か、山崎か。たったそれだけの違いが二人の運命を分けた。

 

「玄治」 「玄治さん」

 

「マリア、かすみ」

 

 否、最初だけではない。傍にいた存在が、仲間との出会いが、全部が違った。

 

「サキさんの分ですか?」

 

「あぁ、狐と言ったら油揚げ。油揚げから豆繋がりできな粉餅をな」

 

「なるほどね」

 

 そう言って二人もサキに挨拶するように手を合わせ、皆に向けるのと変わらない目で石碑を見つめた。

(遅すぎることなんてないんだ。

 なぁ? サキ)

 生まれも、育ちも、それどころか彼女の好物一つ知ることはなかった。

 しかし、玄治が言わずとも石碑に置かれた花も、水も、綺麗に保たれている周囲も、そしていつの間にか作られた雨除けの社も、全部彼女(影山サキ)へと向けられた愛そのものだった。

 

 

 

 

「で? お前らはこの後どうする予定なんだ?」

 

 マリア達と共に輪に戻り、七輪で餅を焼きつつ聞けば砂糖醤油をつけた餅を頬張ってカンナが拳をあげた。

 

「あたいはちょっくら沖縄に墓参りに行ってくるぜ」

 

「ウチもぱーっと神戸行ってホワードはんに挨拶してくるわ」

 

「うん、お前ら翔鯨丸に乗りすぎて距離感狂ってんだな。どっちもちょっとの距離じゃねーぞ? つーか、送り迎えに翔鯨丸使えってか?」

 

 ちょっと買い物行ってくるとばかりに遠方に帰省しようとする二人の距離感覚のなさに、いろいろと物申したい。四月にも沖縄に修行に繰り出すカンナと、轟雷号やら蒸気バイクを使ってホイホイ移動してしまう紅蘭には本当に困ったものである。

 

「アイリスはねー、横浜の港にパパとママが来てくれるの!」

 

「私もアイリスと同じでーす。ようやくパパとママが再会出来るのでこの休みは家族と過ごしまーす」

 

「そっか、二人とも本当によかったなぁ」

 

 大神の言葉に、二人の笑みは深まった。

 フランスとイタリア、遠い海の向こうから家族のために時間を作ってやってくる二人の両親に花組の面子の表情は柔らかい。

 

「私は実家に顔を出してきますわ」

 

「おいすみれ、正気か?

 お前のじーさん仮病使うわ、強制的に見合いの話は持ってくるわ、去年はマジでろくなことしてないぞ」

 

「げ、玄治、それは言いすぎじゃ・・・」

 

「少尉、かまいませんわ。

 お爺様がやったことは事実ですし、私も含め花組は散々な目にあいましたもの。その辺りはきっちりと話し合い、今後は花組と敵対することのないよう言質を取りましたわ。

 それから私の結婚相手についても口出し無用、婿となるに相応しい殿方は私自らが連れてくると宣言いたしましたの」

 

 きっぱりと告げる姿はすみれらしいといえばすみれらしいが、未だ男尊女卑の強い風潮のある時代の中にはあまりに異常。ましてや相手は一代にして神崎重工を築き上げた猛者なのだ、それと渡り合うすみれに玄治はやや冷や汗をかき苦笑いする。

 

「そ、そうか。

 だとさ大神、頑張れよ」

 

「げ、玄治! どうしてそこで俺なんだ!?」

 

「大神、考えても見ろ?

 見合いに襲撃を掛けたのは確かに花組だが、かえでさんに聞いたが見合い会場に突っ込んでったのはお前とカンナだったんだろ? その時点で責任取るならお前かカンナになるわけだが、いくらそこらの男よりも男らしくてもカンナは女だから無理だ」

 

「ぐっ・・・」

 

「カンナさんは論外ですし、少尉の気持ちは今後私がどうとでもしますから気にしませんわ。

 それに私も年に何度も見合いに呼ばれるのも面倒ですし、神崎の名を背負っている以上断るのもあれやこれやと理由が必要でしたもの。貴さんがお爺様に送った警告文はやりすぎだと思いましたけど」

 

「へっ、神崎の技術の根本が誰のもので、それを形にしたのを誰か忘れてるようだから思い出させてやっただけだっつの」

 

 『警告文』の言葉に何人かが玄治に視線を向けるが、玄治は舌を出して悪びれようともしない。

 

「す、すみれさん! 婿ってどういう・・・!」

 

「ふふふ、私と少尉の将来の話ですわ」

 

「すみれ、抜け駆け禁止ー!」

 

「まったく妄想はほどほどにしてくださーい、カンナさんとの未来の間違いでしょ?」

 

「おいこら織姫、あたいを巻き込むんじゃねーよ」

 

「おーおー、ほなウチも参戦しとこかな」

 

 すみれの言葉を拾ったさくらを発端に再び大神の取り合いが始まり、霊力が集まり始めたのを感じ取った玄治が空になって開いてる鍋を打ち鳴らす。

 

「おいお前ら、正月休み前に劇場壊す気か?

 大体大神がまだまだ決められないことはお前らもよくわかって・・・『四股野郎は黙ってなさい!!』 はい・・・」

 

 注意しようと動いた玄治を参戦していた者数名が揃って叫んだ一言が黙らせる。いつもなら止めに入る関係者四人もそれぞれが頬を赤らめたり、目を逸らしたりと止められる者はいなかった。

 結局、このじゃれ合いは頃合いを見計らった米田とかえでによって納められることとなった。

 

 

 

 

 

 帰省や県外へと出かける面子を玄関で見送り、劇場に残ったのは米田、かえで、フントと玄治とマリアら四名である。といっても、玄治らは既に外出用の服に着替えており、どこかに出掛ける準備を整えてある。

 

「じゃ、米田さん、かえでさん、俺達も行ってきます」

 

「おーおー行ってこい、花小路伯によろしくな」

 

「四人とも、せっかく横浜まで行くんだから少しは羽を伸ばしてきていいのよ?」

 

「俺もせっかくの正月だからどこか出かけようと思ったんですけど、四人が・・・」

 

 そう言って玄治が『本当に良いのか?』とばかりに視線を向ければ、四人は笑みを浮かべる。

 

「四人で決めたんだ、ハカセと皆で初めて過ごす正月だから部屋でゆっくり過ごしたいって」

 

「日本でも年の終わりと初めは家族で過ごすものでしょう?

 私達はこの五人で、家族として共に過ごしたいのよ」

 

「私の両親に挨拶という案も出たんですけど、流石にそれは気が早すぎると思いましたし・・・ 花小路伯には昨年、資金援助の折とクーデターの際にお世話になりましたから」

 

「それに挨拶を終えて戻ってくると言っても、休日として五人でのんびり過ごすだけですから心配しなくても平気ですよ」

 

 四人の言葉に米田達も引き下がって笑顔で五人を送り出し、五人は横浜の花小路伯の屋敷まで向かった。

 

 

 

 

(花小路伯、か)

 横浜までの道の途中、玄治は己の知る限りの花小路のことを思い出していた。

 米田、神崎忠義と共に花組結成に尽力をした者であり、貴族院議員の伯爵。同時にかえでの所属する賢人機関のメンバーの一人。そして、大神を花組隊長に推薦したのも彼である。またマリアの身元引受人でもあり、花組と深く関わっているがために昨年起こったクーデターにおいても襲撃を受けることとなった。

 これほどまでに米田とも、花組とも深く関わっているにもかかわらず玄治はこれまで一度も花小路と対談をしたことがなかった。

(公に出るようになってから何度かすれ違いはしたが、機会がなくて挨拶をし損ねていたんだよな・・・ いや、むしろ伯爵が公の場で俺と話すことを避けているようにすら見えた。

 といっても、マリアの身元引受人である彼に交際していることを伝えること。そして、大神を隊長に推薦してくれたことについても礼を言わなきゃないけないのは事実だ)

 

「玄治? もうつくわよ」

 

「あ、あぁ」

 

「駅からは花小路伯爵が迎えの馬車を用意してくれたわ」

 

「それは助かるわね、アメリカの女優の私と違ってマリアとレニは目立つもの」

 

「ラチェットがそう言うと嫌味だ」

 

「フフッ、むしろ綺麗な女優さんの中にいる私が浮いてしまうかもしれませんね」

 

「そんなことないだろ、四人の美女に囲まれた男の俺が一番悪目立ちする」

 

 玄治の言葉に五人で笑っていれば、迎えの馬車に声を掛けられて花小路の屋敷へと向かった。

 屋敷について真っ直ぐ花小路のいる部屋へと案内され、伯爵は椅子に座ったまま穏やかな笑みで五人を迎えた。

 

「お久しぶりです、花小路伯。

 謹んで新春のお祝い申し上げます」

 

 マリアがすぐに立ち上がり花小路へ挨拶すれば、かすみ、ラチェット、レニもそれに続き、玄治が一歩前に出て頭を下げた。

 

「お初にお目にかかる花小路伯爵、ご存知かと思うが改めて自己紹介を。

 俺は貴水玄治。現在は神崎重工お抱えの技術者であり、山崎真之介の後継者だ。そして、帝国華撃団鳥組の隊長を務めている。

 今日は新春祝いに加え二つあなたにお伝えしたいことがあってこちらへ伺った」

 

「ほぅ、何かな? 貴水博士」

 

 玄治の突然の言葉にかすみを除いた面々がわずかに戸惑いを見せるが、かすみは『やっぱり』とばかりに微笑む。

 

「まず三年前、大神を花組へと導いてくれたことについて、感謝の言葉を。

 大神を隊長に推薦してくれたこと、なんとお礼を言っていいかわからない。大神がいたからこそ多くは救われ、俺は今、ここに立っていると言っても過言ではない」

 

「大神くんを推薦したのはこちらとしても考えあってことだ、故その件について感謝は不要。

と言っても、君はそれを受け取ってくれないだろうな」

 

 玄治の言葉に花小路は少しばかり困ったように笑うが、玄治は意志を曲げるつもりはない。

 大神がいたから玄治は玄治の信念を貫き、過ちを気づかされ、仲間と共に手を取り合うことが出来るようになった。そして、師の真意を、願いを理解することが出来たのだ。

 大神への感謝では足りず、その感謝は大神を花組隊長へと推薦した花小路に向けられるのは自然である。

 

「君の感謝、確かに受け取った。

 それからもう一つとはなんだね?」

 

「俺はここにいるマリア・橘、藤井かすみ、ラチェット・アルタイル、レニ・ミルヒシュトラーセの四名と昨年のクリスマスから結婚前提で交際をしている。

 マリアの身元引受人であるあなたはこの国における義理の父と同義だと判断し、ご挨拶に伺った」

 

 これにはその場にいる全員が目を丸くし、驚愕の目を向ける。

 かすみはマリアの身元引受人である花小路への挨拶までは想定していたが、まさか全員を恋人だと宣言することも、それも『結婚前提』などと口走ることなど予想できるはずもなかった。

 そして、その痛いほどの沈黙を破ったのは花小路の明るい笑い声だった。

 

「これは驚かされた。

 まさか君からこんなめでたいことを報告される日が来るとはね」

 

「どういうことです? 花小路伯。

 玄治からは以前、対談したことはないと聞いていたのですが」

 

 未だやや混乱気味のマリアが早口問えば、花小路はその通りだとばかりに頷いた。

 

「あぁそうだとも、私と彼が面と向かってこうして言葉を交わすのは正真正銘今回が初めてだ。

 けれど貴水博士・・・ 私は確かに君に一度会っているんだ」

 

 言われた玄治も可能な限り記憶を思い返すが、やはり心当たりがなく首を傾げる。

 

「パーティですれ違っていた以外で、ですか?」

 

「君が覚えていないのも無理はない。私と君が出会ったのは一馬くんが亡くなり、山崎くんが失踪した直後のことだ。

 あの時の君は・・・ 声をかけるのを躊躇うほどに目から光を失い、怒りと喪失から何をしでかすかわからない凶暴性を宿らせていたからね。それに私は米田くんの元に対降魔部隊の今後について話し合うために訪れ、本来ならば気にかけるべき存在だった君を遠目で見ただけで挨拶もしなかったから『出会った』というのも烏滸がましいだろう」

 

 笑いを収めた花小路は苦笑い気味だが、その目は変わらぬ真剣みを帯びていた。

 

「君の持つ山崎くん譲りの高い技術、降魔と戦った実績、そして向ける場所を見つけたら今にも暴れ出しそうな狂気は危険でしかなかった。当然、当時の軍の内部では処分すべきだという意見も出ていた。だが、山崎くんが失踪した直後、彼の残した技術を再現出来るのは山崎くんの師同然だった米田くんを除けば君だけ。

 幸いなことに君は己の全てを隠し、狂気を押さえつけるように彼の残した物を形にすることを選んだ。そのため、君は陸軍中将である米田くんの管理下に置くという条件で処分は先送りにされた」

 

 淡々と語られる存在していた事実を前にしても玄治が顔をゆがめることはなく、むしろ予想していたとばかりに頷く。もっとも話を聞いて状況を理解しても、玄治の隣に並ぶ四人は複雑そうな表情へと変わってしまうが。

 

「そして一昨年の事件だ。特に葵叉丹の正体が山崎くんだと判明した直後、君は姿をくらました。正直、私は君が山崎くんの側につくだろうと思っていたよ。

 私達は国を生かすためなら時に都すら捨てることを選び、多くが守られるならばと必要な犠牲を払ってきた。そして君はその犠牲の代表と言ってもいい。国を、軍を、私達賢人機関を憎むだけの明確な理由を持っている」

 

「花小路伯!」

 

 マリアが咎めるように呼び、マリア以外の三名も花小路へと向ける目は厳しいものになる。だが、そんな四人を玄治の手が制止する。

 

「先生は堕ちてなお、俺が隣に立つことなんて望んでいませんでした。

 それにあの時の俺はただ自暴自棄になって、身勝手に全てを終わらせようとしただけですよ」

 

「米田くんから聞いているよ。しかし、それでも君は変わっていた。

 マリアくん達との日々が、大神くんとの出会いが、君の狂気を払っていた。もし君があの日見かけたままの君であったなら、隣に立つことを拒まれていたとしても自らの手で上層部の者達を斬り殺して彼の前に並べていただろう?」

 

 花小路の言葉に咄嗟に返す言葉が出ず、それは肯定と同義であった。

 

「あんなことになってしまったが・・・ 私も米田くんも、山崎くんには期待していたんだ。

 我々人類はなんらかの影響で霊脈近郊から出現する降魔をいつの時代も多大な犠牲を払って倒す、あるいは術者の命をもって大規模な封印や結界を施すことで対処してきた。だがこのやり方ではいずれ限界が生じる・・・ いや、結界を施した存在が敵として現れたことを考えれば、既に限界に達しているとも言っていい。

 現状の通説である人々の営みによって生じた悪意によって降魔が現れているとしても、我々は『発展するな』とは言えない。そして、もし仮に我々の生活が石器時代に戻ったとしても降魔が出ないという保証はどこにもない」

 

 花小路は溜息をついて、一度言葉を切った。

 

「降魔が何故現れるのか、どんな存在なのか、どうして人々を襲うのか、我々は未だ無知なのだ。それらの原因究明に加え、これまでとは違う新たな解決の糸口を掴める希望を持っていたのが山崎くんだった」

 

 花小路の言葉は事実であり、これまでの戦いにおいて花組は勿論米田ですら敵の正体を掴むことも出来ず、乱れた霊脈・解放された封印によって噴き出した降魔を倒すことでしか対処が出来ていなかった。そして、山崎の研究は霊子甲冑を始め多くは降魔への対抗策であり、降魔の解析は現在玄治の手に渡って続けられている。

 だが、降魔が何故現れるのかについて、仮説はたってもその仮説が事実であるということが証明できず、どうした存在であるかもわからないままなのだ。

 

「だが、それを時が許さなかった。

 山崎くんは一馬くんを失ったことに加え、彼の生み出した霊子甲冑という力に人々は魅入られ、人間同士の争いに使用してしまった」

 

 その言葉に玄治は拳を握りしめる。

 人々を守るために、自ら礎となることを選んだ戦友の望みを果たすために作り上げた希望を、人々は最低の形で踏みにじった。

 

「先生は守りたかった、ずっとそれだけでしたよ」

 

「あぁ、知っているとも」

 

「間違ってなおも・・・ 誰かが犠牲にならなきゃ救われない世界をなくしたかった。これまで起こってしまった悲劇が繰り返されないことを望んでいた」

 

 山崎の願いの大元はは大神と同じであり、何も失わずに全てを守り抜きたい、正義を貫きたい。ただそれだけだった。

 だが、失ってきた玄治にはやはりそうは思えなかった。

 人々を守る者達に世界はあまりにも無慈悲で、冷淡で、薄情だった。

 己の利を求め、欲を優先し、彼らが守った平和を嘲笑うように命を踏みにじり、我が物顔で築いた技術を利用した。

 一馬の命を代償にし、師を狂わせ、なおも努力する米田らを苦しめて、都合の悪くなった時だけはその力を欲した。

 そんな者達を玄治は守りたいなどとは思えない。彼らのために貫く正義など抱けない。

 正義を突き進む大神が傍にいるから、己の身を投げ出して立ち向かっていく花組がいるから、人々のために己を顧みぬ彼らを守りたいのだ。

 

「それは綺麗事で理想論なのだよ、貴水博士。

 本当は誰もがその綺麗事を望んでいながら、実現することが叶わなかった。天才と言われた君の師すらもね」

 

「その綺麗事を叶えるために諦めずに立ち向かい、誰もがわかっていながら選べなかったことをする男をあなたは導いてくれた」

 

 遠い目をして諦めを口にする花小路に向かって、玄治はしっかりと前を向いて告げる。花小路の目が驚きで開くのを見ながら、それでも続ける。

 

「だから俺も諦めない。

 先生すらも成し遂げられなかった降魔の多くを突き詰め、俺達は綺麗事を現実にする」

 

 それこそが山崎が選べなかった道であり、師の行いを間違っていると断じた弟子の答えだった。

 

「君は・・・ 本当に彼らの弟子で、大神くんと同じ隊長なのだね」

 

 花小路は目元を指で拭ってから、玄治を見ていた。

 

「いいえ、俺は『弟子』と『隊長』というだけだったらこの答えを出せませんでしたよ」

 

 そう言って玄治は共に並ぶ四人へと視線を送り、ここにいる四人の内の誰か一人でも欠けていたら、今の答えを出せなかったと無言で語っていた。

 

「それすらも君の力だ。

 過去に囚われ、失うことを恐れ、任務や仕事を言い訳に家族を作ることを拒んだ私や米田くんにはない強さなのだよ」

 

「花小路伯、そのようなことは・・・!」

 

「会話中失礼、花小路伯爵」

 

 花小路の言葉をマリアが否定しようとするが、ラチェットとレニはアイコンタクトしあって会話に割り込んだ。

 

「玄治はマリアの身元引受人であるあなたをマリアの父と判断して挨拶に伺ったわ、つまりあなたは既に私達の家族の一人ということ」

 

「それに司令だってそうだ。

 僕にとって帝国華撃団は一つの家で、司令は僕らを見守ってくれてる父みたいなものだと思う」

 

 ラチェットとレニの言葉に、マリアも、かすみも、玄治も声に出さずに笑い、呆気にとられた花小路を見る。

 

「ふふっ、私達は結婚したらとんでもない大家族になってしまいますね」

 

「それはいいな、最高に楽しそうだ。

 一人で悩み事なんて抱え込んでる暇もなくなるくらい、笑い合える家族がいい」

 

「これは困りましたね、花小路伯・・・ いいえ、お義父様?」

 

 暗い雰囲気を吹き飛ばすように告げられた言葉の数々に、花小路が堪えていた涙は溢れていった。

 

 

 

 

 

 花小路邸を後にした玄治達は寄り道することなく真っ直ぐ帝国劇場に戻り、外出着から普段着へと着替えてから遊戯室にて一息ついていた。

 今はまだ遊戯室に並ぶ何かに触れるつもりはなく、レコードをかけることもなく、それぞれが立っていたり、ソファに座っていたりと自由に過ごしていれば紅茶やコーヒー、ほうじ茶などをもってかすみが入ってくる。

 

「皆さん、お待たせしました」

 

 それぞれがお礼を言って受け取り、飲み物を口にすれば全員がどこか力が抜けたように溜息を零し、顔を見合わせて笑いあう。

 

「やっぱり・・・ ここが一番落ち着くな」

 

「そうね、サロンは皆で集まる場所という印象があるし、普段はすみれが居着いているから」

 

「私は玄治の部屋も好きよ? 欲を言えばもう少し陽がさせばとは思うけど」

 

「私は厨房が玄治さんを感じて好きです、いつも一緒に食事しているからでしょうか」

 

「僕は中庭、ハカセがたまに昼寝してるから」

 

 かすみが茶と共に持ってきたお菓子を摘まみながら交わされる言葉は普段の真面目な話とは程遠いもので、遊戯室にはいる日差しも優しい。

 玄治が手遊びにとオセロとトランプを手にすれば、その手からラチェットがトランプを奪い、何を言うわけでもなくそれぞれに五枚ずつカードを配ってポーカーの準備を整えていく。

 

「皆に伝えておかなくちゃいけないことがある」

 

 ポーカーをやりながら、四人は黙って玄治の声に耳を傾ける。

 

「俺は近いうちに巴里に行くことになる。今のところ、向こうにどれくらい滞在するかの目処はたっていないが、おそらく一年は向こうから帰ってこれないだろう」

 

「それは前に言っていた紐育に華撃団を置くのと関係しているの?」

 

「むしろ着想としては巴里の方が先だった。

 もう既にあちらの協力者であるライラック夫人と迫水大使によって隊員探しは始まっているし、俺と赤チビで向こうとの技術協力も行われている」

 

「近いうちなんて曖昧だけど、いつからか決まっているのかしら?」

 

「帝都の一件が片付いてからだな。

 そしておそらく、その時は俺だけじゃなく大神も巴里に行くことになる」

 

「隊長もとなると、軍からの指示なんだね」

 

「大神はそうなるだろうな、本人に辞令が下るのは今回の一件が完全に終息してからになるだろうから、ここだけの話にしてくれ。

 俺も形としては技術協力ということになるが、目的は帝都以外での霊的事件について知り、それらの根本たる原因究明および対処の検討を行うことだ」

 

「つまり玄治さんは巴里で発足される華撃団に所属せず、個人で動くということですか?」

 

「あぁ。技術協力ということになっていても、将来のことを考えれば帝都に頼りっきりというわけにはいかない。

 それに軍属の大神はどうとでも言い繕えるが、俺が所属するのは厄介ごとが付きまとう」

 

 やれやれと肩をすくめれば、玄治は役無しのカードを中央へと放る。

 

「そうとわかっていながらあなたを帝都から呼び寄せなければいけないのね」

 

 マリアはフラッシュ。

 

「しかも、たまたま巴里に滞在していると装って」

 

 ラチェットはツーペア。

 

「個人的にということは本来『貴水博士』として付けるべき警護等もつけずにですか」

 

 かすみは玄治同様役無し。

 

「心配だ」

 

 レニはフルハウス。よってレニの勝ちでゲームが終わり、今度は玄治がカードを拾って切っていく。

 

「それほどの事態ということもあるだろうが、俺個人としても今後のことを考えれば各国でのこうした事象に触れ、現地で原因究明に動くことは必要なことだ。

 まぁ四人の心配は、俺が一人で行動することだろうがな」

 

「わかっているようで何よりだわ」

 

 今まで散々迷惑をかけてきた筆頭のマリアに鋭く睨み付けられ、他三名からも似たり寄ったりな視線が寄せられる。

 

「悪いな、いつも」

 

 だが、そんな視線に罪悪感を込めて苦笑いはするが、行動を改める気はなさそうだ。

 当然、そんな玄治に四人は溜息をついて、困った顔をするばかり。

 

「私がついていくのは無理ね・・・」

 

「大神がいない花組をまとめられるのはマリアしかいないからな。

 任せたぞ、花組副隊長」

 

「ということは、僕も無理・・・」

 

「そうだな、数少ない男役が減るわけにはいかない。

 赤チビは花やしき支部と行ったり来たりするだろうから、役者不足は必須だ」

 

「私が抜けるわけにはいきませんし、ついていっても役に立ちません」

 

「風組隊長かつ事務局のまとめ役がいなくなったら、劇場が回らなくなるぞ。

 それにもしもの時、巴里と帝都を繋ぐ役目を担うのは風組だろ」

 

「私はついていけるのだけど?」

 

「おいおい、俺がいない間マリアの補佐を誰がするんだ? 本来はカンナやすみれの古参組がしなきゃいけないってのに、修行バカと駆け出しの新人と喧嘩するようなベテラン様だぞ。

 それに今回の一件を終えたら俺は本気でお前を鳥組副隊長にするよう申し出るつもりだ、俺の留守の間花組の補佐は頼んだぞ」

 

 ついていこうとしたり、諦めたりする面々を断りつつ、それでも玄治に向けられる不安や心配の視線は変わらない。

 花組のためなら身を投げ出し、己の命の危険すら顧みない。その信念は『正義』と『花組』こそ入れ替わっているが対降魔部隊から受け継いでしまった悪習であり、そんな玄治を支えたいと願ったのもマリア達だ。

 どうしようもないのはお互い様で、だからこそ傍で支えることが出来なくなる巴里への出張には不安が尽きない。

 

『心配だわ(です、ね、だ)』

 

 声を揃えて言われるそれを、善処することが出来ない玄治は受け止めることが義務である。

 

「無茶しないと約束できなくて悪いな」

 

 対する玄治も『無事に帰ってくる』ということすら約束しないあたり正直だ。

 

「そういえば玄治、さっきの話で一つ確認したいのだけど・・・ 大神隊長に辞令が下るのは今回の件が完全に終息してからと言ったわね。昨年の戦い以後目立った戦闘もなく、首謀者だった京極元帥も自決したことで片が付いたと判断すべきでしょう?

 それとも上は未だにそう判断していないの?」

 

 遠回しに政府や軍を疑うような発言をラチェットがするが、玄治は首を振った。

 

「これは上じゃなく、俺や米田さん、かえでさんの判断だよ。

 建前としては辞令を降すのにちょうどいい年度末を区切りにするようにいっているが、五行衆の内二名と鬼王の死亡の確認は取れず、京極の遺体もあくまで陸軍が確認回収している以上信用ならん。なら、せめて三月までは警戒を怠りたくなかった。

 上が金食い虫であるウチを、いつまでも稼働できるような状態にしておきたいわけないだろ?」

 

「なるほど」

 

「司令やかえでさんが劇場に控えてくれているのはそう言った理由もあるのね・・・」

 

 尋ねたラチェットのみならず他の面々も納得した表情で頷き、玄治はさらに付け加える。

 

「それに今は大神や花組隊員のみならず、月組隊長の加山と薔薇組の面々も正月休暇を満喫中だ。月組副隊長や隊員が警戒してくれているとはいえ情報不足は否めな・・・」

 

 玄治が言葉を言い切るよりも早く遊戯室の扉が荒々しく開き、そこには話に上がろうとしていた加山雄一が立っていた。

 が、扉が荒々しく開いたにもかかわらず、そこに居た誰も驚かずに視線はカードに固定されたままだった。そんな中で唯一、玄治だけが加山へと軽く腕をあげた。

 

「よぉ加山、あけましておめでとう。

 随分と早い帰還だが、薔薇組との楽しい熱海旅行はどうしたんだ? 良い骨休めになったか?」

 

「行きの電車でも距離感が近いわ、手作りのお弁当を手ずから口に運ばれるわ、風呂に入ってもねっとりとした視線にさらされるあんな状況下で休めるか! それとあけましておめでとう!!」

 

「大神さんになさろうとしたことがご自分に返ってきただけではないでしょうか?」

 

「自業自得」

 

「軍人としても優秀な上、料理も出来るなんて優良物件ね? 加山隊長、お付き合いなさったらどう?」

 

「式には呼んでください」

 

「ぐほぉ」

 

 容赦ない言葉の連撃に加山が撃沈し、その様子を玄治は楽し気に見ていた。

 

「それでお前だけ早くに帰還した理由は? 建前ぐらいは用意してきたんだろ?」

 

「あぁ、もちろんだとも!

 俺は『共に過ごす』とは言ったが『泊まる』のは約束していないし、言っていない!」

 

「それは建前じゃなく、ただの屁理屈だ。

 薔薇組は可哀想に、一緒に来た友人が途中で帰るなんてさぞ心配してるだろうな?」

 

「それに俺は月組隊長、花や風、鳥が体を休めている今こそ俺達が働かずにどうする?

『治に居て乱を忘れず』を心に刻み、俺は隊長として帝都の平和を守るために偵察任務に就こうと思う!!

 ではこれにてドロン!」

 

 これ以上手痛い反論やいじりが来る前に偵察へと向かった(逃亡をはかった)加山は煙を残してその場から消え、すぐさま室内の換気をするためにマリア達が窓を開け放った。

 

「まったく・・・ あいつは実家にも帰らず、大切な人とも過ごさずに何やってんだか」

 

 心底呆れたように呟く玄治に苦笑したり、同意したり、楽し気に笑う四人は再びお茶のおかわりを入れてからポーカーを始める。

 いつもと変わらない穏やかな時間は玄治にとって初めて過ごす恋人達との正月であり、失われた記憶の中にも確かにあったであろう家族との時間そのものだった。

 

 

 

 このまま五人でダラダラと過ごし、お腹が空いたら用意していたお節を食べて、夜も次の日には忘れてしまうようなとりとめのない話を日付が変わる頃までして、次の日はこの五人らしくもなく揃って寝坊するなんて、普段はあり得ないような時間を過ごすのもきっと悪くない。そうきっと、悪くない。

 

 

 

 だが、彼らの寝坊は許されることはなく、五人は劇場に響いた警報で目を覚ますことになる。

 




はぁ・・・ 正月だってのに忙しいったらないな
あらあら玄治がそんなことを言うなんて珍しいわね
そう言ってくれるな ラチェット
それにしても大神とは連絡が取れないとなると まさか大神はあそこに行ってるのか
次回 『鬼王の正体』
太正桜に浪漫の嵐!
なぁ あなたなんだろ 一馬さん
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