次の日、さくら達を再びシャノワールに呼び出されて戻ってくれば、何やらまた血気盛んな状態になって戻ってきた。
「どうかしたんですか? 皆さん」
聞きたくない玄治と聞きづらいメルに代わってかすみが聞けば、すみれがよくぞ聞いてくれたとばかりに鼻息荒く答えた。
「巴里花組の皆さんに私達の実力を見せつける機会を得ましたわ」
「といいますと?」
「大神さんがダンスコンテストのチラシを持ってきて、巴里花組の皆さんと結果を競うことになったんです」
「アイリス、ぜーったい負けないもん!」
「・・・加山の馬鹿野郎、逆効果じゃねぇか」
玄治が頭を抱えるが、メルも大神に対して呆れて頭痛がしたのか眉間に手を当てている。
「貴さん、かすみさん、しっかりサポートしてくださいな」
「私達はこれから練習に入りますから、地下をお借りしますね。玄治兄さん」
「アイリス、頑張る!」
良いも悪いも言うよりも早く地下へと練習に向かう三人を見送るしか出来ず、アルセーヌも面白がって三人について行ってしまい、かすみが玄治を見る。
「どうしますか? 玄治さん」
「とりあえず、何を踊るか確認して衣装用意するぞ。あとはなんだ? 食事とかか?」
「衣装はシャノワールの方でも用意できますので、貴水さんは療養を優先してください。私はシャノワールに戻って大神さんに詳細を聞いてきます」
シャノワールへと走るメルを見送り、かすみと二人っきりになったところで苦笑いする。
「まったく、巴里までに来て喧嘩にダンスコンテスト・・・ 何しに来たかわからんな」
「さくらさん達は大神さんに、私はあなたに会いに来たんですよ」
「おいおいかすみ、お前まで本音と建前を逆にしないでくれ。
さくらの二十歳の祝いもしてる暇がないな・・・」
「そうですね、ダンスコンテストの日まではのんびり過ごすとしましょうか」
「だな、せっかくだからのんびり過ごすか」
そうこうしてダンスコンテストの日までのひと時の平和を過ごし、あっという間にダンスコンテスト当日、玄治は見物客の一人としてかすみとメルと共に人混みに紛れ込んでいた。見事なダンスをする巴里花組に対し、舞台袖から順番を待つ帝都花組の視線は厳しく、大神に何やら呟いている。
「ダンス! ダンス!」
「流石に芸歴の長いすみれとアイリスの見る目は厳しいな・・・」
「特にすみれさんは自分が役者であることに誇りを持っていますから、さくらさんの時もそうですが他にも厳しくなりがちです」
「大神さんがおっしゃっていたチームワーク、ですか」
「あぁ、まぁ帝都花組のダンスを見てればわかるさ」
そう言って巴里花組と入れ違いで舞台へと立つ帝都花組が同じフレンチカンカンを踊りだせば、ダンス中にアイリスの靴のかかとが割れる。
「あっ、アイリスさんが・・・」
「大丈夫だ、見ていてくれ」
アイリスの緊急事態にいち早く気づいたすみれとさくらがお客から壁となり、アイリスが靴を脱ぐ隙を作る。
これは常に仲間を気に掛けていなければできない、チームワークそのものであった。
「凄い・・・」
メルの言葉に玄治とかすみが得意げに微笑んでいるとダンスは無事終わり、残すは結果発表というところで突然会場が騒ぎ出す。
玄治が動き出そうと立ち上がろうとすれば、怪我をしている右肩を強く掴む手に止められる。
「かすみ!」
「今回ばかりは私はあなたを優先します」
「かすみさんの言う通りです。貴水さんの安全が確保され次第、私も巴里花組に合流します」
改めて怪我人である自分は一般人以下を突きつけられ、玄治は苦い思いをしつつハッと気づく。
「俺もダストシュートを使って指令室に行く。そうすればかすみもメルさんも次の行動に移れるだろう?」
そう言われて渋々ながらも玄治がダストシュートに入るのを見届けてから、二人は次の行動に移った。
その後、怪人がシゾーとピトンであることをわかり、帝都花組、巴里花組が戦闘においても同じ舞台に立つことになった。さくら達と共に巴里に運ばれて聞いた光武・改が巴里の街にデビューし、巴里花組が苦戦していた強化されていたポーンも物ともせずに両断し、大神の指示がなくとも撃退していく姿は見事である。
大神にシゾーの撃破を頼まれ、すみれが『いつものあれ』を大神にリクエストすれば大神もいつものように刀を構えて宣言する。
「帝国華撃団、出撃せよ!」
その声に三人の『了解』の返事を聞き、プレリュードへ向かっていく。巴里花組も見違えるほどのチームワークを発揮し、ベルスーズとの戦い終え、帝都花組と健闘を称え合った。
そして、巴里でも勝利のポーズをやっていることを笑って、巴里花組とさくら達が共に映った集合写真は皆笑顔の素晴らしい一枚となった。
特別コーチか、 誰が来るんだろうな
安心しろ どう組んでも三人よりまともなのは確かだ
げ、玄治 そういうところが三人を怒らせてるんだぞ
次回 『特別コーチ 着任』
愛の御旗のもとに
さぁ マリア デートしようか