サクラ大戦 貴水玄治物語   作:無月

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⑭柵に囲まれし島 突入中

 巴里上空に現れた空中浮遊物体と、それによって襲った突然の攻撃に巴里華撃団は作戦指令室に集合した。

 

「敵の空中砲台による攻撃は展開された都市エネルギー結界により分散、吸収され消滅。巴里市街への被害は零です」

 

「奇跡ですぅ。まさかあんな攻撃を受けて被害が零なんて」

 

 報告するメルに驚くシーにグラン・マが胸をなでおろし、壁を背にして立つ玄治に感謝を述べる。

 

「ドクトル、よくやってくれたね。感謝するよ」

 

「いえ、前々から仕込んでいた物がようやく役に立ったようでよかった」

 

「ヨカッタ! ヨカッタ!」

 

「玄治、俺からも礼を言わせてくれ。巴里の街を守ってくれてありがとう」

 

「やめろよ、大神。俺は鳥組としての使命を果たしているだけだ」

 

 そう言って互いに笑うが、そんな二人をグリシーヌが現実に引き戻す。

 

「被害が零だったのは幸いだが、油断は出来ぬ。

 またいつあの砲撃が襲ってくるかわからん」

 

「グリシーヌの言う通りだよ。

 あんな凄い武器をまたいつ使ってくるかもわからないし、ここを攻撃してくるかもわからないよ」

 

「それは安心していいよ、このシャノワールは前の襲撃を受けた教訓として霊的結界を供して置いたのさ」

 

「それにあの威力なら何度攻撃されても、巴里の街を守り切ることは出来る」

 

 コクリコの懸念をグラン・マと玄治が安心させれば、花火も胸をなでおろした。

 

「そうだったのですか・・・」

 

「ったく、本当にアンタを敵に回すと厄介だよな。ドクトル」

 

「でも、あんな砲台、どうしたらいいんですか?」

 

「そうだな・・・」

 

 大神が少し考えていると、作戦指令室をノックする音に全員が扉に視線を向ける。

 

「失礼します」

 

「諦めるのはまだ早いでーす! 情報集めはしたですかー?」

 

「正確な情報を収集し、的確な分析を加え、明確な方針を立てれば・・・」

 

「勝利なんてイージーでーす」

 

「そして、私達はそれを補うためにここに来たのよ」

 

「そ、その声は・・・」

 

「来たな、三人とも」

 

「ラチェット! レニ! オリヒメ!」

 

 数々の言葉と共に入室してくる三人に、玄治は優しく微笑んだ。

 

「お久し振りですねー、はるばる帝都からやってきたソレッタ・織姫でーす」

 

「レニ・ミルヒシュトラーセ、一五四〇、到着。ハカセ、隊長、久しぶりだね」

 

「ラチェット・アルタイル、着任しました。

 玄治、大神隊長、今よりあなた達の援護につくわ」

 

「織姫くん、レニ、ラチェット! 三人とも来てくれたのか!」

 

 大神が満面の笑みを浮かべて三人を歓迎すれば、三人もまたそれに応える。

 

「当然でーす! 困ったときはお互い様ですからねー!」

 

「それに・・・ 隊長はどこにいても僕達の隊長だから。」

 

「仲間を助けるのは当然、でしょう?」

 

 三人が微笑む姿に玄治が腕をあげれば、ラチェットが嬉しそうに駆けよっていく。それと入れ違いでエリカがラチェットの居たところにすっ飛んでいき、織姫が抱き着かれる。

 

「きゃあぁーーー! 織姫さん、レニさん、ラチェットさん、巴里華撃団のエリカ・フォンティーヌです」

 

「危なかったな。ラチェット、大丈夫か?」

 

「アブナイ! アブナイ!」

 

「えぇ、危なかったわね」

 

「ドットーレ、ラチェット! 私のことも守ってくださーい!」

 

「だ、大丈夫かい? 織姫くん、エリカくん」

 

「あーん、中尉さーん。私の味方は中尉さんだけでーす」

 

 どさくさに紛れて大神に抱き着く織姫を、レニが素通りして玄治の前にいく。

 

「ハカセ、怪我の調子は?」

 

「もう大分経ってるんだ、大丈夫だよ」

 

「マリアから右肩が上がらないと聞いている」

 

「それは・・・」

 

「言い淀むのは大丈夫とは言わない」

 

 レニに言及されてたじたじになる玄治に、逃がさないとばかりにラチェットに右腕を掴まれる。

 

「私達がいないからって無茶をしすぎなのよ、あなたは」

 

「悪かったよ」

 

 二人がそんなやり取りをしてる間に、グリシーヌは織姫を見ていた。

 

「貴殿がソレッタ家の織姫か。噂は聞いているぞ、赤い貴族」

 

「ふ~ん、あなたがグリシーヌですか。

 ブルーメール家のヒトですね。な~るほど、噂通りのジャジャホースみたいですね~」

 

「どういう意味だ? イタリア貴族風情が・・・」

 

「またかよ・・・ 貴族って喧嘩するのが趣味だったりしないか?」

 

 織姫が挑発するように言えば、グリシーヌは面白いほど突っかかり、玄治は呆れる。

 

「何か言ったか? ドクトル貴水」

 

「織姫くん、グリシーヌ、勘弁してくれよ」

 

「ちょっとふざけてただけでーす、あれは貴族流の挨拶でーす」

 

「あぁそうだな、決闘もまた貴族の挨拶だな」

 

「やっぱり喧嘩が趣味だろ、貴族」

 

「ドットーレ、聞こえてますからねー?」

 

 『ハイハイ、怖い怖い』と適当に返せば、大神がようやく本題を切り出した。

 

「ところで織姫くん、どうしてシャノワールにいるんだい?」

 

「この三人はあたしが呼んだのさ。こっちに来てるっていうんで、情報を集めてもらってたんだよ。

 早速で悪いけど、怪人どもの情報を教えておくれでないかい?」

 

「昼間に巴里を攻撃した兵器は空中砲台・オプスキュールっていうらしいでーす。しかも、あの空中砲台は明日の日の出と共に巴里を総攻撃してきまーす」

 

「なんだと!? それは真か?」

 

 大神の問いにグラン・マが答え、織姫によって例の兵器の名前と予定が明らかとなる。

 

「その攻撃が実行されれば、巴里は壊滅する」

 

「つい先程の攻撃を受け流されたことを怪人は相当警戒して、妖力を充填するつもりのようね。

 玄治、結界はあと何回持つの?」

 

「さっきの威力ならばもう何度か耐えられる筈だ。だが向こうもそれを見越してあれ以上の威力を出す可能性が高い、そうなると厳しいな」

 

「もう使えないってことかい・・・」

 

「俺もこの後、機器の確認しに行くつもりではあるが・・・ それ以外にもう一つ、同じか、それ以上の攻撃を防ぐ手立ては用意してある」

 

「いずれにせよ、明日の日の出までにあの空中砲台を破壊しなければならないのか・・・」

 

「それにしてもそんな重要な情報、どうやって入手されたんですか?」

 

 状況の確認を終え、エリカが素朴な疑問を向ければ織姫がニヤリと笑う。

 

「レニが双眼鏡で怪人の会話を見ていたでーす。あの怪人、無防備ですねー」

 

「会話を見ていた? どういうことだい?」

 

「読唇術を使ったんだ、難しいことじゃないよ」

 

「どくしんじゅつ? ねぇイチロー、それ何?」

 

 コクリコがよくわからずに聞けば、大神が丁寧に答えた。

 

「読唇術とは・・・唇の動きで話の内容を読むんだ。離れた人の会話を知ることも出来るんだ」

 

「へぇー、そうなんだ。イチロー、物知りなんだね」

 

「とにかく、貴重な情報感謝するよ」

 

「なにウォーター臭いこと言ってるですかー? こんなのはまだ序の口でーす!」

 

「私達はシテ島に侵入して、もっと重要な情報を手に入れてくるつもりよ」

 

 織姫とラチェットの発言に大神と玄治が目をむき、反対する。

 

「それは危険だ! あそこは敵の本拠地なんだぞ!」

 

「却下だ、却下。

 お前ら、俺じゃないんだから生身で突っ込むなんて馬鹿なことはやめろ」

 

「この戦いにやり直しはない。どこに怪人がいるか、正確な情報が必要だ」

 

「どこかの誰かと違って、私達は怪人と直接戦うことは徹底的に避けるつもりよ。流石に怪人相手に光武なしに戦えるなんて思っていないわ」

 

「それでももし、カルマールに見つかったりしたら?」

 

 最大の懸念であることをエリカが口にすれば、レニは首を振る。

 

「そんな心配などいらない。必要なのは怪人の情報、ただそれだけ」

 

「ま、あーんなイカ、私がイカ墨のスパゲティにしてあげるでーす!」

 

「貴水隊長、大神隊長、命令を」

 

 最後にラチェットが締めくくれば、大神は渋々頷く。

 

「わかった、偵察任務を命じる。

 織姫くん、レニ、シテ島に潜入し、怪人の情報を入手してくるんだ」

 

「了解でーす、任せてくださーい!」

 

「了解」

 

「大神! 正気か!」

 

「玄治、情報が欲しいのは事実だ」

 

「・・・チッ、わかった。

 ラチェット、あくまで偵察任務だ。絶対に突撃するなよ」

 

「わかっているわよ」

 

 自分のことは棚上げして念押しする玄治に周囲の視線がブーメランとばかりに突き刺さるが、本人は気にしない。

 

「報告が届き次第、シテ島への総攻撃を開始する。皆は戦いに備えて休むんだ」

 

『了解』

 

「私達は準備が整ったらシテ島に向かうわ」

 

「僕は道具室で使えそうなものを探してくる」

 

「レニ、私も手伝うわ」

 

「私は楽屋で一休みしてくるでーす。チャオ、中尉さん」

 

「よろしく頼む、三人とも準備を怠るなよ」

 

 そう言って部屋を出ていく面々を見届け、大神はメルに日の出時間を確認する。

 

「メル君、明日の日の出時間は?」

 

「午前五時三十二分、今から約十三時間後です」

 

「わかった、ありがとう。

 玄治はこれからどうするんだ?」

 

「あぁ、俺はレニとラチェットの手伝いをしてから少し二人と話そうと思う」

 

「じゃぁ、俺は織姫くんを見てくるよ」

 

「あぁ、わかった」

 

 二人も別れ、玄治はまっすぐ道具室に向かえばそこには思ったより大勢の人がいた。レニとラチェットの他にエリカとコクリコ、ロベリアがおり、使えそうな道具を袋にまとめていた。

 

「レニ、ラチェット。準備はどうだ?」

 

「順調よ。私達が心配で見に来てくれたのかしら?」

 

「そりゃ、な。

 まぁこんだけ手伝ってる奴がいるんだから、俺は不要だったかもな」

 

「ゲンジ、フヨウ?」

 

「繰り返してくれるな、アル。傷つく」

 

「そんなことない。ハカセが来てくれて、とても嬉しい」

 

 そう言ったレニの笑顔に全員が目を丸くし、その笑顔に見惚れる。

 

「レニさんの笑顔、とってもチャーミングですね」

 

「うん、凄い可愛い」

 

「ほぉ、こりゃ大したもんだ」

 

 全員がレニに夢中になってる間にラチェットは静かに玄治の右側に寄り添い、右腕のシャツをめくる。そこにはくっきり残った傷跡があり、彼女は顔をしかめた。

 

「聞いてはいたけれど・・・ 酷いわね」

 

「反省は多少してる、後悔はしてない」

 

「でしょうね、あなたらしいわ。

 ・・・さっき言っていたもう一つの手立てのことについて、聞いても?」

 

「俺はお前達が出発した後、結界機器の調整に行くつもりだ。そのことだよ」

 

「あなた、嘘ついているでしょう?」

 

 見透かすようにラチェットに見つめられても、玄治は首を振って否定する。

 

「嘘ではないぞ」

 

「嘘『では』ね。

 では質問を変えましょうか、何を隠しているの?」

 

「それなら交換条件だ。お前らが偵察任務をやめてくれたら素直に答えよう、どうだ?」

 

「交渉決裂ね、この話は終わりだわ」

 

 話を切り上げられ、ラチェットはレニと替わるように荷物を詰めていく。レニとは違い、一見人当たりのいい笑顔でやり取りするラチェットを見守りながら、玄治は溜息を零した。

 

「ハカセ、今回は僕ら三人が偵察任務に就かなければならない事態だということを理解してもらいたい。

 ハカセがこれだけの怪我を負ったんだ、僕らも油断はするつもりはない」

 

「頭ではわかってるさ。でも、誰が好きこのんでそんなところに生身で仲間を向かわせる?

 お前らが怪人相手に生身で突っ込むなんて初めてなんだぞ、不安で仕方がない」

 

「その気持ちを、僕らはハカセの傷の数だけ体感している」

 

「うぐぅ、それを言われるとこっちも黙るしかねぇ」

 

「・・・お願いだから、もう生死不明になるようなことだけはしないで」

 

 涙をこらえるように俯くレニの頭に手を乗せて撫で、精一杯優しい声で告げる。

 

「お前達の元に必ず帰る、約束する」

 

「っ・・・! ハカセは正直者だけど、嘘つきだ」

 

「最近、よくそう言われるなぁ」

 

 そう言ってしばらく寄り添っていればラチェットも準備を終えたらしく、玄治の元に戻ってきた。

 

「準備完了よ。織姫と合流して、任務に向かうわ」

 

「これも持っていけ」

 

 そういってラチェットとレニの手に渡したのは掌大ほどの石のような機器であり、人数分なのか三つ渡される。

 

「玄治、これは?」

 

「中央のボタンを捻って投げれば、中の霊力が膨れ上がって爆発する。簡易の爆弾だ」

 

「試作品?」

 

「いや、これは紅蘭のちびロボ達で既に実用されてる。あれをより軽量化したものがこれだと思ってくれ。今後はこのサイズで結界や得物に転じられるような物が作れるといいんだが・・・ 結界となるとまだ厳しいものがあってな。

 まぁとにかく護身用兼目くらまし用だと思ってくれ」

 

「大切に使うわ」

 

「ありがとう、ハカセ」

 

「本当はもっと量を作りたかったんだけどな・・・」

 

「あまり多いと荷物になるから一つで十分よ、極力戦闘を避けると言ったでしょう?」

 

「ラチェットの言う通りだ」

 

 まだ納得してないという玄治の顔にラチェットが両手で頬を挟むように包む混み、子どもに言い聞かせるように口にする。

 

「私達はあなたの元に帰ってくる。だから、安心して頂戴」

 

「ハカセの止まり木が僕らであるように、僕らの夜空はハカセだよ」

 

「わかった・・・ 気をつけて行ってきてくれ」

 

「えぇ、行ってきます」

 

「行ってきます、ハカセ」

 

 二人を送り出し、花組がそれぞれ休憩するのを見てから玄治はアルセーヌと共に巴里の街を巡って機器を確認する。

 

「案外問題ないもんだな、流石俺」

 

 最後に自分の家に向かって時間になるまで待ちつつ、神威の最終調整を終えてから、モニターにてラチェット達からの報告を待つことにした。

 

 

 

 

 

 玄治がモニターと睨めっこしてる間、大神が夜明け前四時間前に二人を隊長に任命するという珍事を起こし、報告を受けた玄治がモニターに紅茶を噴き出した。

 

「大神・・・ お前、本気で何やってんだ・・・?」

 

「いやその・・・ グリシーヌとコクリコで迷ってしまって・・・」

 

「似たような答えを出してクリスマス公演で絞められたのは、お前にとっては記憶の彼方なのか?」

 

「ふ、二人とも副隊長でもしっかりしてるから問題ないし、部隊を分けた時も問題ないと思って!」

 

「まぁ、あの二人なら仲もいいから問題ないと思うが、お前反省しねぇな」

 

「玄治には言われたくないなぁ」

 

 互いにわずかに黙りつつ、玄治はどうしたものかと考える。

 

「花組のことはお前が何とかしてくれ。

 それで? ラチェット達からはまだ報告は来ないのか?」

 

「あぁ、まだだ。玄治はそっちで待機するのか?」

 

「あぁ、俺はここからの方が動きやすい。モニターにも張り付いてられるしな」

 

「ラチェット達が偵察任務を出して心配なのはわかるけど少しは休んでくれよ、玄治」

 

「・・・嫌な予感がするんだよ。

 こんなもんじゃ済まないような、この奥に何かがあるような気持ち悪さを感じる」

 

「・・・なぁ玄治、道化師が夢に出たりはしないか?」

 

 玄治の言葉に大神も真剣な表情で聞けば、彼は首を傾げる。

 

「道化師? いや見てないが、どうかしたのか?」

 

「いやあまり覚えてないんだが、カルマール達がシャンゼリゼに責めてくる前に夢に出て来たんだ。

 その道化師は言ったんだ、『巴里は大地の怨念で滅びる』と」

 

「大地の怨念? そんな言葉、特に文献からは見当たらなかったが・・・ わかった、時間までもう一度調べてみよう」

 

「すまない、かえって仕事を増やしてしまって」

 

「気にするな。霊力の高い者の夢は正夢の可能性がある、調べる価値には十分すぎる。

 大神、お前は前線に出るんだ。時間までしっかり休め」

 

「あぁ、ありがとう」

 

 そこで通信を切り、玄治は一度は目を通した文献の写本に目を移しつつ、モニターからの音を聞き洩らさないように神経をとがらせる。

 

「ゲンジ、ヘーキ?」

 

「・・・あぁ、大丈夫だ。ずっと心配してるよりかは気がまぎれる」

 

「オレハネル!」

 

「そうしてくれ」

 

 

 

 

 

 その三時間後、ラチェットらとの連絡が取れたとの報告を受け、大神の制止の声も聞かずに任務を続行。報告を受けた花組が出撃をしていたことを知らされた玄治は、今すぐ出撃しようとする自分の足を必死に抑えていた。

 そんな時、キネマトロンに通信が入った。

 

「戦いはいいなぁ~。俺、前線に立たないけど」

 

「切るぞ」

 

「ま、待て待て、玄治。

 こんな状況下で俺がふざけて連絡すると思うのか」

 

「思うな。お前ならやりかねん」

 

「俺の信頼のなさぁ! お前にとっての俺ってどうしてそんなにちゃらんぽらんのアンポンタンなんだ?」

 

「実際そうだからな。

 それでなんだ? いつもならお前がやるような任務をラチェット達にやらせておいて、どうして今俺に通信してくる? 張り飛ばすぞ」

 

「落ち着け、玄治。

 ラチェットさん達は今、人質にとられてる」

 

「殺すぞ、お前。

 そんな時に呑気に通信とは本当にいい度胸してるな」

 

 玄治の声も沸点も三割増しに低くなって、視線だけで加山を殺さんばかりに睨みつける。

 

「まぁまぁ落ち着け、玄治。

 ラチェットさん達の救出は俺が動く。だから、オプスキュールの砲撃を防ぐことは出来るか?」

 

「・・・二度なら可能だ。

 三度、同じ威力が落ちたら厳しいと思え」

 

「その厳しいって、どの意味でだ?」

 

 加山の鋭い一言に玄治は答えず、愛刀と共に神威へと向かう。

 

「加山、絶対にラチェット達を救出しろ。

 俺はオプスキュールによる被害を防ぐことに全力を尽くす」

 

「ま、待て待て! 玄治! ラチェットさん達を助けられてもお前が無事じゃなかったら、俺が華撃団に殺される!

 何をする気なのか、俺には教えてくれよ!」

 

「何をするか? そんなもん、簡単だ」

 

 玄治が立ち上がりながら神威が安置されている倉庫の明かりをつければ、何故か投げ槍を二本背負っている神威の隣に並べられた帝国華撃団の紋が描かれた特注の大盾が並んでいた。

 

「そっくりそのまま返すんだよ、あいつらの砲撃を」

 




加山 お前 失敗なんかしてみろ 殺すぞ
今までのどの瞬間よりもお前から明確な殺意を感じるんだが!?
そもそもお前が偵察任務やってりゃ こんなことならなかったんだよクソが
次回 『柵に囲まれし島 突入後』
愛の御旗のもとに
ったく アタシらより無茶する奴が多すぎだろ この組織
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