「私と契約して魔法少女になりなさい」   作:NARです。

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キャラクターの心理描写って、難しいですね……。
深刻なキャラ崩壊が起こってなかったらいいのですが........。

どうぞ温かい目で見てやってください。


夢は追いかけるもの

 

<暁美ほむら>

 

マキマの手を取り協力関係を結んだ私たちは、「今日はめでたい日だから!」と言い出したマキマの厚意で、ファミレスでそのまま夕食を食べていた。

数日前までは病院食を、学校に行くようになってからは飲料ゼリーをという食事しかしてこなかった私は、久方ぶりのしっかりとした食事の温かみで肩に入っていた力が抜けていくのを感じた。

しかし、こうしている間にも時間は流れるように進んでいく。私は来る時に備えて、行動を起こさなくてはならない。

食事の手を止めた私は、対面に座るマキマに向けて話を切り出した。

 

「早速なのだけれど、あなたたちの力を私に貸してほしいの。」

 

私はそう言って、マキマの目を見つめた。

私の言葉を聞いたマキマは一瞬キョトンとしていたけれど、真面目な話をしているのだと気づいたのか、食事の手を止めて私に向き直った。

 

「いいよ。私たちは何をすればいいのかな?」

「……まだ何をするのかも話していないのだけれど、いいの?」

「良いに決まってるよ!せっかく君の方から頼ってきてくれたんだから、喜んで手伝わせてもらうよ。」

 

マキマはさも当然のようにそう言い切った。

普段の彼女は目も当てられないようなドジを踏むポンコツだが、こういう時は妙な安心感を感じられる。

それに僅かな頼もしさを感じながらも、私は気を引き締めてこの先に起こる未来について話し出す。

 

「3日後、見滝原総合病院の敷地内で強力な魔女が現れる可能性が高いわ。私一人でも勝つことは難しくないけれど、犠牲を一人も出さずにというのは難しいかもしれない。だから、あなたたちに協力してほしいの。」

「病院に魔女が、ね。あり得ない話ではないね。でも、ほむらちゃんは、そこに魔女が現れることを確信しているんだよね。何か根拠があるのかな?」

「……統計的に考えた結果よ。ソースについては、……申し訳ないのだけれど話すことはできないわ。」

「……そっか。分かった。こっちで人員を手配するよ。」

「……信じてくれるの?」

「もちろん。」

 

マキマはそう言って、目を細めて笑った。

こんな真正面から私の話を信じてもらえたことなんて、今まで一度もなかった。そのせいか、なんと返事をすればいいのか分からず、思わず目を逸らしてしまった。

 

「あ~!マキマさんがまた女の子を誑し込んでる!悪い人だ~!」

「うるさいよ酔っ払い。」

「まだ酔ってませんよ~だ!」

 

アルコールの匂いを纏いながらケラケラと笑う姫野先輩を雑にあしらいつつ、マキマは溜息を小さく吐いた。

 

「とにかく、魔女の件について話を詰めようか。どんな魔女が現れるのかとかは分かるかな?」

「えぇ。動きが早い上に、しぶとい生命力を持つ厄介な魔女よ。倒したと思って油断していると、あっという間に接近されて嚙みつかれてしまうわ。」

「なるほどね……。なら、今回はあの子を連れていくとして、念のためサクラちゃんも連れて行って___。」

 

そうして、私とマキマは明日の戦いに向けて段取りを決めていく。

途中、マキマの考えた大胆な作戦に呆れつつも彼女の案に賛成し、十分話し合った私たちは、その日は解散となった。

 

マキマが運転する車に乗せられ、私は家まで送ってもらった。後ろの席から姫野先輩のいびきと魔人たちの垂れ流される文句を聞き流しながら、私は助手席で窓の外を眺めていた。

 

(明日が勝負所ね。)

 

最初の難関__お菓子の魔女との戦い。

それに思いを馳せていると、不意にマキマが声をかけてきた。

 

「ほむらちゃん、大丈夫。きっと上手くいくよ。」

 

その言葉は、まるで私の心を見透かしているかのようだった。

 

だけど___

 

 

「__えぇ。そうなることを祈ってるわ。」

 

 

不思議と、悪い気はしなかった。

 

 

 

 

<鹿目まどか>

 

歴史科目の授業中、ノートに板書を取っていると、ふと脳裏に昨晩の光景が蘇る。

 

マミさんの魔法少女体験コースに参加した帰り。

魔法少女になるための願い事をどうしようか悩んでいた私たちに、マミさんは自身の経験を基に話してくれた。

 

 

『選択の余地がある子には、きちんと考えたうえで決めてほしいの。』

 

『他人の願いを叶えるのなら、なおのこと自分の望みをはっきりさせておかないと……。』

 

 

(私の望み、かぁ……。)

 

ノートを取る手が止まって、マキマ先生の解説に意識が向く。

今日もマキマ先生の支配者うんちくは絶好調で、歴史の中に登場した王様や政治家の思想を分かりやすく解説してくれている。

それを聞いていると、昔の人たちにもいろんな願いがあったんだというのが分かってくる。

政治のトップに立って国を動かしたい、国を豊かにしたい、大陸を統一したい、名を世界に知らしめたい……どれも途方もなく大きな夢で、モノによっては実現できるとは思えないような壮大すぎる夢ばかりだった。

だけど、誰もその夢を諦めたり投げ出したりなんかしなかった。みんな、自分の夢が実現できるものだって、心の底から信じて疑わなかったんだ。

 

だって、そこにはそれぞれが信じた正義があったから。

 

何が正しくて、何が間違っているかなんて、そんなことは問題じゃなかったんだ。

 

(私は魔法少女になって、どうしたいんだろ?)

 

①魔女から街の人たちを守りたい?

②魔法少女としての功績をみんなに褒めてもらいたい?

③それとも、「私がみんなを守っている」っていう自己満足に浸りたい?

 

私は迷わず①を選ぶと思う。だけど、他二つも間違っているとは限らない。いや、分からない。

だって、それもまた願いであることには変わらないから。

願いというものは、誰かに否定されるものではないと思うし、否定されたところで諦められるものでもないと思う。

だって、夢を追いかけて散っていった昔の人たちがそうだったのだから。

 

(私は、魔法少女になって、それから……それから…………。)

 

「__かちゃん、__まどか、ちゃん、__まどかちゃん?」

「……へ、あっ!はい!?」

 

ふと誰かに呼ばれている気がして、ボーっとしていた意識が現実に戻ってくる。

自分を呼ぶ声を探すと、教壇に立つマキマ先生と目が合った。

 

「まどかちゃん、大丈夫?体調が悪いなら保健室に行く?」

「いや、えっと、その……だ、大丈夫、です。」

「そう?無理はしちゃだめだからね?」

 

マキマ先生は心配そうに眉尻を下げてそう言った。私は顔が熱くなるような感覚に襲われながら、気を引き締め直してペンを握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン……

 

授業終わりのチャイムが鳴った。

マキマ先生が課題の説明をし、それが終わると休憩時間に入った。

私は開いていたノートと教科書を閉じながら「はぁ」とため息を吐いた。そのタイミングで、さやかちゃんがやって来てポンッと私の肩を叩いた。

 

「まどか、さっきの授業どうしたの?ボーッとしちゃって、あんたらしくないっていうか……。」

「えへへ、ちょっと考え事してて……。」

『大方、願い事をどうするかってこととか考えてたんじゃないの?』

 

意地悪そうな目で私のことを見ながら、念話に切り替えて図星を突いてくる。

 

会話の途中で念話に切り替えられるなんて、さやかちゃんってば器用ダナー。

 

『そいつはどうも。心の声ダダ漏れになってるからね?あと、さすがにこんだけ念話使ってたら、いい加減慣れるって!』

『あはは、そんなものかな?』

『それと、論点を勝手にすり替えるんじゃないの!授業は真面目に受けなさーい!』

「いひゃひゃひゃひゃ!?」

 

さやかちゃんが念話を使ってお説教しながら、私の頬をみょいーんと引っ張ってくる!

それを何とか引き剥がしつつ、普段の談笑に戻ろうとした時だった。

 

「まどかちゃん、ちょっと今いいかな?」

「マ、マキマ先生!?」

 

呼ばれて振り向くと、そこにはマキマ先生が立っていた。

 

(もしかして、さっきの授業のことで叱られるのかな……。)

 

自分が悪いという自覚はある。授業そっちのけで考え事をしていたのは事実だから。

だけど、だからといって叱られるのは普通に怖い訳で…………。

私は緊張で身体を強ばらせながら、先生が何を言うのかをじっと待った。

 

だけど、見上げた先生の顔は、私の思っていたのとは全然違っていた。

先生の顔には、とても心配そうな表情が浮かんでいた。

 

「まどかちゃん、さっきの授業中のことだけど、本当にどこも悪くなかった?それとも、私の授業が分かりにくかったかな?」

「え……、あ、いえ、私は大丈夫です!授業もちゃんとついていけてます!」

「そう?本当に何も無いならいいんだけど……いつも真面目に授業を受けてくれてるまどかちゃんがボーッとしてるなんて初めて見たから、何かあったのかなって思ったんだけど……大丈夫なんだね?」

 

マキマ先生の言葉に私は頷く。先生は私を叱りに来た訳じゃなくて、ただ心配して様子を見に来てくれただけらしかった。

 

本当に、マキマ先生は優しい人だ。ほかの先生なら「授業中はちゃんと集中しなさい」って注意するのだろうけれど、マキマ先生は私の体調を心配してくれた。それも、普段の私を覚えていたうえで何かがおかしいって気づいてくれたんだ。

そこまで気にかけてくれていたんだと思うと、それに嬉しいと思うのと同じくらい、心配を掛けさせてしまったことに申し訳なく思ってしまう。

特に、こんなに気にかけてくれる先生に打ち明けられない悩みがあることを隠しているのは、私の胸の奥で重りとなって感じてしまった。

 

「先生、私は、大丈夫です。」

「……そっか。それならいいんだ。もし何か気になったり悩みがあったりしたら、他の先生でもいいから相談してね!私達が難しいなら、家族に話すのもアリだね。1人で抱え込まずに、大人の人達を頼ってね。」

「はい……。」

「ごめんね、急に声かけちゃって。それじゃ、次の授業も頑張ってね!」

 

マキマ先生はそう言うと、私達に背を向けて去ろうとした。

 

その瞬間、私の口から「あの!」と呼び止める言葉が不意に漏れた。それが立ち去ろうとしていた先生を引き留めてしまう。

「ん?どうしたの?」と振り返って聞いてくる先生に、私は続く言葉を止められず、そのまま先生に吐き出してしまった。

 

「もし、なんでも一つ願いが叶うって言われたら、先生なら何を願いますか?」

「……願い?」

 

そこまで言ってハッと口を押さえたけれど、言ってしまったものは取り消せない。

なんとか誤魔化さないと……タラリと背筋に冷汗を流しながら、私は言葉を必死に探した。

 

「あぁ、えっと、すみません。やっぱりなんでも______」

「願い事、か。そうだな〜。」

 

さっきの言葉を取り消そうと思っていたら、意外にも先生は「うーん」と唸りながら考え始めた。

そんなマキマ先生に声を掛けるのは気が引けて、代わりに先生がどんな願いを言うのかが気になってしまった。それはさやかちゃんも同じみたいで、私の隣で『何言ってんの、まどか!?』と念話で慌てていたのに、今は先生の答えを待ってゴクリと唾を飲み込んでいた。

 

そして、何を言うか決まったらしいマキマ先生が、ゆっくりと口を開いた。

 

「願いって言うよりも、私にあるのは夢かな。」

「夢、ですか?」

「そう、夢。私の夢は、たくさんの人達に頼られる人になることかな!」

 

たくさんの人達に頼られる人?

なんとなく私が思い描く「皆の役に立てる自分」と似ているような、だけど少し違うような気がして、先生の言っている言葉の意味が理解できなくて首を傾げてしまう。

すると、さやかちゃんも同じことを思ったのか、それを口に出して先生に聞いていた。

 

「それってつまり、たくさんの人の役に立ちたいってことですか?」

「ん~、それも間違いではないけど、ちょっと違うかな。なんて言ったらいいんだろ……困っている人がいたら、その人が真っ先に助けを求めるのが私でありたいというか。そんな感じかな?」

 

マキマ先生はそう言うと「なんだかややこしくてごめんね」と申し訳なさそうに笑った。

確かに、先生の言うことを上手く噛み砕こうとしても、喉でつっかえて呑み込めないまま口をもごもごしてしまう。そんな感覚を感じていて、先生の夢が何なのか理解できた気はあまりしなかった。

言葉を補足しようと、先生は再び口を開いた。

 

「さやかちゃんの言う通り、誰かの役に立ちたいっていう気持ちはあるよ。だけどそれ以上に、誰かに必要とされたいって気持ちの方が強いんだ。だから、私が目指す姿はみんなを助ける自分じゃなくて、みんなに頼られる自分なんだ。」

「あ、なんとなく分かった気がします。私も、誰かの役に立ちたいなって思いますし、そんな自分になりたいなって思います。」

「へぇ!まどかちゃんも同じなんだ!じゃあお揃いだね、私達!」

「あはは、そうですね。」

 

マキマ先生は、まるで同志を得たかのように目をキラキラさせて言った。

その食い付きように少し驚きつつも、私の夢を理解してくれる人がいることに、なんだか胸が温かくなったような気がした。

その時、さやかちゃんがやや納得がいっていないような表情で「う~ん?」と唸り、先生に質問した。

 

「先生、思ったんだけど、それって願いと何が違うの?一緒なんじゃないんですか?」

「私は違うと思ってるよ。これは私の持論なんだけどね、夢は追いかけるもので、願いは祈るものだと思うんだ。」

「はぁ……。」

「あまりピンと来てなさそうだね。夢っていうのは、『こうだったらいいな~!』って理想を思い浮かべてそれに向かって突き進むものだと思うんだ。要するに、夢は目標と同じだね。その目標を実現するために自分で努力を積み重ねていくんだ。それに対して願いは、自分じゃ叶えられないような、まさに魔法や奇跡みたいなものだと思うんだ。どうしようもないときに神頼みってするでしょ?あれと同じで、自分じゃ叶えられないから別の誰かにお願いをする。それが願いだと思うんだ。」

 

マキマ先生はそう自分の考えを分かりやすく説明してくれた。

それにはさやかちゃんも一応納得したのか、「ほうほう」と頷いている。

 

「つまり先生は、『皆に頼られる人になりたい!』っていうのは自分の力で叶えたいって思ってるってことですか?」

「そういうこと。そのために私は今まで色んな事に挑戦してきたんだ。いつどこで誰に助けを求められても良いように、常に万全の状態で助けられるようにね!」

 

「これでも格闘技にも自信があったりするんだよ~!」と、マキマ先生は力こぶを作ってアピールしてくる。

 

へ~、先生って実は強いんだ。モデルさんみたいに綺麗な人だから、そういうのとは無縁なのかと思ってたなぁ。

でも先生、スーツ越しだから力こぶ見せられても分かりにくいですよ……。

 

先生の意外な特技に驚いたり、お茶目な仕草に苦笑したりしていると、途端に落ち着きを取り戻した先生が徐に口を開いた。

 

「二人にも、きっと叶えたい夢や願いってあると思うけれど、それを追い続けている内に挫折や困難には必ずぶつかると思う。だけど、夢を追いかけるっていうのはそういうもので、何十年っていう長い人生をかけて進む旅だから。だから寄り道をしてもいいし遠回りをしてもいい、別の夢を追いかけてみてもいい。それもまた旅の醍醐味で、人生を彩る楽しみだから。だけどその代わり、楽な道に逃げるってことだけはしちゃダメだよ。」

「楽な道?」

「うん。例えば、自分の夢はとっても叶えるのが難しいからって、別の誰かに叶えてもらおうとすることとか。だってそれは、今までの自分の努力を裏切る行為だからね。」

 

その言葉に、思わず心臓がドキリと跳ねた気がした。

同時に思い浮かんだのは、「どんな願いも叶えてあげるよ!」と言ってきたキュゥべえの姿だった。

 

(もしかして、キュゥべえに不思議な力で願いを叶えてもらうのは、実はよくないことなのかな?)

 

そんなことを思っていると、肩の上にポンッと何かが置かれる感覚がした。

気が付くと、マキマ先生の両手が私とさやかちゃんの肩に優しく置かれていた。

 

「まあ、さっきも言った通り、これはあくまで私の考えだから。無理矢理私の言ってることを飲み込もうとする必要は無いからね。なにより一番大事なのは、自分がどうしたいかだから。それさえ見失わないのなら、どんな道を歩んでも、それが君たちにとっての正解だと思うよ。」

「先生……。」

「あっ、だからって犯罪に手を染めるのはダメだからね!?」

「わ、分かってますよ!先生はアタシ達の事なんだと思ってるんですか!?」

「あはは……。」

 

「心外だ!」と抗議するさやかちゃんと、その猛攻から逃げるマキマ先生。

さっきまでちょっぴり難しい雰囲気があったはずだけど、それももうどこかに飛んで行ってしまった。

 

なぜかそのまま取っ組み合いを始めてしまった二人を眺めながら、さっきのマキマ先生の言葉を思い出す。

 

 

___一番大事なのは、自分がどうしたいか。

 

 

(私は、私がしたいことは_____。)

 

まだ見ぬ未来に想いを馳せる。

夢を叶えるということは、これからの長い人生を歩くということ。

まだ私がどんな自分になりたいかなんて、ハッキリ思い浮かべることはできないけれど、今までみたいに不安を感じることは無かった。

 

(まずは、私がなりたい自分を見つけることから始めようかな……。)

 

今まで足元さえ見えなかった暗闇の中に、いくつもの道が見えた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

<美樹さやか>

 

「待ちなよ先生~~!!」

 

先程失礼なことを言いやがったマキマ先生を追いかけたけど、先生は器用に私の追撃を躱して「ごめ~ん!」と謝りながら教室を出て行った。

先生の背中が見えなくなって、ぐわっと掲げていた両手をそっと降ろした。

 

「とても、信じられないな……。」

 

ポツリと口から洩れた言葉は、教室の喧騒に呑まれて消えて行った。

脳裏に、昨晩の光景が浮かび上がる。

 

昨日の夜、キュゥべえが突然私の枕元に現れて、たった一つ忠告を残していった。

 

 

 

『暁美ほむらとマキマという教師は、互いに協力関係にあるようだ。そして、何かを企んでいるらしい。』

 

 

 

『気を付けた方がいいよ。』とアイツは言って、私が詳しく聞く前にそのまま夜の闇に消えて行った。

 

マキマ先生はとてもフレンドリーな先生だ。普通の教師と生徒の距離感からすると、近所に住むお姉さんくらいの近さで接してくる。そんな先生の顔に浮かぶ表情は裏表のない綺麗な笑顔で、私にはどうしても”演技”には見えなかった。

 

だから、昨日の夜、キュゥべえが話していたことは、きっとつまらない冗談なんだとしか思ってなかった。

 

その、はずなのに…………。

 

(キュゥべえが、そんな噓をつく?いったい何のために?)

 

分からない。

思えば、マキマ先生のことを私は詳しく知らない。

先生が見滝原中に赴任してきたばかりの頃、全然違う場所でマキマ先生を二人見たとか、何もない場所に向かって喋っているところを見たとか、そんな奇妙な噂を聞くことはあったけれど、所詮は噂だと思って聞き流していた。

 

だけど、時々思うんだ。

 

マキマ先生の私たちを見ているときの()が、なんだか変だって。

 

(さっきの目も……先生は、本当に私たちを見ていたのかな?)

 

私は昔から思い込みが激しい癖があった。

だから、これもきっと気のせいのはずなんだ。

 

でも、一度膨らんだ違和感は私の目を段々と曇らせていって______

 

______今はもう、髪を耳に掛けるような何気ない仕草まで、全部が不自然に見えてしまう。

 

(わたしは、どうしたらいいんだろ…………。)

 

もう私の目には、先生の笑っている姿が不気味に思えて仕方なかった。




マキマメモ その5
【チェンソーマン】原作でパワーちゃんが言っていたセリフ

「悪魔は嘘をつけない」

あのパワーちゃんがそう言うんだから、当然オリ主マキマも嘘をついてるはずがないよね!
まさか「みんなに頼られる人になりたい」って言った夢がただの誤魔化しなわけないよね!


以下、真の後書き

心理描写ムズいてぇ……(2回目)。
「思春期真っ盛りな女子中学生の心の内を書け」なんて、心が汚れちまった儂には難問すぎるてぇ……。
まだ戦闘描写書いてる方が、筆が進む……(上手いとは口が裂けても言えない)。

次、次こそは、次こそは書いてやるぞ……。
セルフ国語のテストで煮詰まった頭を、つよつよムーブしてるマキマさんで発散してやる!
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