皆さんにとって読みやすく、そして楽しめるように仕上がっているといいです。
それじゃいっちょ暴れちゃってください、オリ主マキマさん。
※一部の文章を修正しました。大まかなストーリーは変わっていませんが、伏線(言っていいのかな……)を貼り直しました。
<マキマ>
私の不意打ち攻撃で顔面を丸齧りされた魔女が苦痛に堪えかねて暴れている。
しばらく襲ってはこないだろうと思い、私の隣で足に力が入らなくて立ち上がれない様子のマミちゃんに笑いかけた。
「危ないところだったね、マミちゃん。あとは私たちに任せて。」
「あ……あぁ…………」
私に助けられたことで、マミちゃんはようやく命の危機が迫っていたことを実感してきたらしい。自身の肩を掻き抱いてブルブルと震え出した。
(も、もうちょっと早く出てきても良かったかなぁ……。いやいや!これも作戦の一つだから!一時の情に流されちゃダメだよね!!)
私の考えた作戦のせいでマミちゃんに怖い思いをさせてしまったことを申し訳なく思うけど、……まあ、一般人を魔女との戦いに巻き込んだ罰だと思ってもらおう。うん、そうしよう!
そんな言い訳を頭の中に並べ立てながら、傍で控えていたほむらちゃんに指示を出す。
「ほむらちゃん、マミちゃん達のこと、守ってあげて。」
「了解したわ。」
呼ばれたほむらちゃんは綺麗な黒髪をファサッと靡かせながら、私の指示に応えてマミちゃん達を背に庇った。
……その髪ファサッてするの、カッコイイな。私もやってみようかな。
あ、三つ編みにしてるから無理か。残念……。
「何をしょんぼりしているの?魔女が動くわよ。」
「ごめんごめん!真面目にやるね。」
呆れた様子のほむらちゃんの言う通り、顔を再生させた魔女がまなじりを吊り上げて、大きな口を開けて襲い掛かってきた。
うお!?遠目から見てたから知ってるけど、やっぱり速いな!
初速から最高速度で突っ込んでくる魔女に驚きつつも、人差し指、中指、薬指を並べて立てて前へ突き出して「コン」と唱えた。
直後、私のすぐ隣を巨大な獣の爪が風を切り裂いていった。
人体を容易に真っ二つにできそうなほどの大きくて鋭利な爪が、突撃してきた魔女に向かって振り下ろされる。
しかし、さっきの不意打ちと違って正面からの攻撃だったからか、魔女は振り上げられた爪を横に回り込むことで回避して見せた。
魔女の顔が大人を揶揄う子供のように喜色で歪む。あの一撃を避けられただけでかなり得意げになっているようだ。
だけど残念!
君がどっちに逃げるのかはとっくに
「___ッwww…………ッ!?」
嘲笑していた魔女の顔が、いつの間にか目の前にいた私に驚いてハッと目を見開いた。
さっきの攻撃__キツネちゃんはフェイントだ。
本命は私だよ!
鋭い牙がズラリと生え揃った大口をぐわっと開いた魔女が、私に噛みついてくる。
私はソレを上に跳んで回避し、堅く握りしめた右拳を魔女の脳天に振り下ろした。
「おすわり!」
ドゴンッ!!!!!
もろに私の拳を受けた魔女の頭が大きく陥没する。衝撃の余波が周囲にまで及び、周りにあった巨大なお菓子が音を立てて崩れていく。
魔女はそのまま凹んだ頭を地面に減り込ませていた。
キツネちゃんの攻撃を回避した時の勢いに加え、私の自慢の怪力に沈められたことで、魔女の半身が深く地面に突き刺さっているようだ。ぴくぴくと痙攣した後、意識を取り戻した様子の魔女が穴から抜け出すのに苦労している。
(へ~、まだ動く元気があるんだ。ほむらちゃんの言う通り、それなりに強い魔女みたいだね。)
前にほむらちゃんがファミレスで言っていたことを思い出す。この頑丈さ、ただタフなだけではないような気がするな。
まあでも、私もエンジンかかってきたし、あと1,2発殴ってある程度弱らせたら捕まえよう。
そんなことを考えていたら、やっと穴から抜け出せた魔女が私を見つけ、牙をむき出しにして襲い掛かってきた。
……さっきからそればっかりだね。
「芸が無いよ。」
至近距離からの魔女の噛みつきを屈んで回避し、顎を拳で叩き上げて無理矢理閉じさせる。そして頭が揺れている様子の魔女の横っ面をグーで殴り飛ばした。
バキィィ!!!!
痛々しい音が鳴り響き、幾本もの歯が折れた魔女は巨大なショートケーキの山に向かって吹き飛んでいった。
目をぐるぐると回し、ぴくぴくと体を震わせている魔女に近づく。
傍にまで来た私に気づいた魔女がハッと意識を取り戻し、こちらを見上げた。
魔女と、私の目が互いに交わる。
へぇ、君も私と似たような眼をしているんだね。カラフルでとっても可愛いなぁ。
そんなどうでもいいことを考えていると、魔女が私と目を合わせたままガクガクと体を震わせ始めた。
さっきまでの生意気そうな子供の笑みは消え、眉を八の字にして欠けた歯をガチガチと鳴らしている。目尻には大粒な水滴さえ浮かんでいた。
不思議だなぁ。なんでそんなに怖がっているのかな?
私は君を助けに来たんだよ?
「さっきは痛くしてごめんね。辛かったね、苦しかったね。でももう大丈夫。私が君を助けてあげる。何も心配することは無いよ。」
すっかり怯えてしまった魔女の顔を覗き込みながら、優しく、丁寧に、包み込むように語り掛ける。
特異課に来たら、好きなものをいっぱい食べさせてあげるよ。
友達も紹介してあげる。
遊びにも連れて行ってあげる。
それにいい子にできたら、ちゃんと餌(チーズ)もあげるよ。
ほら、何も怖いことなんてないでしょ?
「だからおいで、百江なぎさちゃん。」
「___ッ!?!?!?」
突如、魔女が結界を揺るがすほどの絶叫を上げ、大きく口を開いた。
しかしそれは捕食行動ではなく、この魔女特有の能力を発動するための予備動作。
顎が外れるほどに開いた口から新しい身体を吐き出した魔女が、古い肉体を捨てて宙に飛び出した。
そして、完全回復した魔女は私に向かって突進をしてきた。
私はすぐさま拳を構えて迎撃の姿勢を取る。
しかし、魔女は猛スピードで私の頭上すれすれを通過していった。
振り返れば、魔女は結界のてっぺんに向かって高速で飛んで行った。
「…………逃げた。」
まさかの逃走である。
あの状況で逃げられると思っていなかった私は、遠くなっていく魔女の背中を見つめながら一瞬呆けてしまった。
その時、私に駆け寄ってきたほむらちゃんが声を張り上げて私を呼んだ。
「マキマ!魔女が逃げるわ!早くしないと取り逃すわよ!」
「んんっ、ごめん。大丈夫だよ、ほむらちゃん。こんな時のための奥の手がちゃんとあるから。」
焦りを見せていたほむらちゃんは、私の言葉を聞いて訝し気に首を傾げた。既に親指ほどのサイズになるまで遠くへ逃げてしまった魔女を捕まえる手段が本当にあるのかと、ほむらちゃんはそう言いたいのだろう。
大丈夫だよ、ほむらちゃん。さっきも言ったけど、私には奥の手がある。万が一のために連れてきていた魔人ちゃんが、あの魔女を捕まえてくれるよ。
「力を借りるね、サクラちゃん。」
支配の力を使い、私の懐の中で眠っている魔人ちゃん__サクラちゃんの能力を引き出す。
その力を魔女に向けて構えた右手に集約させ、左手でしっかりと固定して狙いを定め____
___引き金を
「ばん」
バチュンッ!!!
「___ッ!?」
直後、逃げていた魔女の胴体に風穴が空いた。
身体が半分に千切れてしまいそうなほどの大穴が空き、大ダメージを負った魔女がくたりと力を失って落下していく。
見るからに致命傷だ。だけど、さっきみたいに傷ついた体を脱ぎ捨てて体力を回復させてしまうかもしれない。
そうなる前に、さっさと回収してしまおう。
私はそう思い、重力に引き寄せられるままに落ちていく魔女を、再び右手で象った狐の口の中に納めて「コン」と唱えた。
するとどこからともなく現れた巨大なキツネちゃんの頭が、今度こそ魔女の全身を口の中に取り込んだ。
ごめんね、なぎさちゃん。でも、言うことが聞けない子には躾をしなくちゃいけないから。
悪く思わないでね。
(ふぅ、とりあえず、魔女の捕獲任務は成功、だね。)
私は無事に魔女を捕獲できたことに安堵し、密かに胸を撫で下ろした。
だけど、まだ仕事は終わっていない。
(次は、子供たちに説明をしなくちゃいけないね。)
振り返り、マミちゃん、まどかちゃん、さやかちゃんの方へと視線を向ける。
ある意味、ここからが私達にとっての本番かもしれないね。
それはそうと、さやかちゃんがめちゃくちゃ私を睨んでくるんだが!?
これは、早いとこ誤解を解いた方がいいかもしれない……。
私は動揺をみんなに悟られないように表情を取り繕いながら撤収準備を始めるのだった。。
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<暁美ほむら>
巴マミを殺しかけた魔女は、マキマの手によって捕獲された。
最後は危うく取り逃してしまいそうになったけれど、用意周到に準備していたマキマの”奥の手”とやらによって仕留められた。
……相変わらず出鱈目な力ね。マキマが呼び出したキツネという魔人も、本質的には魔女と変わらないらしいけれど、それにしては能力が無法すぎる。手で狙いを付ければいきなり死角から強襲できるなんて、理不尽もいい所ね。
それに、マキマが戦闘中に見せたあの表情…………。
魔女を一方的に攻撃することに何も感じていないような、感情の抜け落ちた顔。
(あんなに魔女も保護対象だって言っていたのに…………。)
食い違う彼女の二面性に、思わずぶるりと背筋が震えた。
まあ当の本人は、さっきから美樹さやかをチラチラ見ながらウンウン唸っているわけだけど……。
(もう、どっちがあなたの素なのか、分からないわ…………。)
そんなことを考えていると、キツネの頭が地面に降りてきて、眉間に深い皺を刻んで考え込んでいるマキマに話しかけていた。
「こいつはお菓子の魔女だね。口の中が甘ったるくて仕方が無いよ。」
「キツネちゃん!今回は来てくれてありがとうね!」
「早くこいつを処理してちょうだい。」
「えーっとね、まだやらなきゃいけないことがあるから……しばらくはキツネちゃんの口の中にしまっといてくれない?」
「……しばらくって、どれくらい?」
「うーん…………今度の土日まで?」
「長い。」
「ごめんね!でもお願い!キツネちゃんの仕事は他の子に頼んでおくから!ね、この通り!!」
マキマが両手を合わせて「神様仏様お稲荷様!!」とキツネに拝み倒している。
それを見たキツネは深いため息をつくと、煙に紛れて姿を消した。
「油揚げ、用意しておいてね。」
「もちろんですとも!」
「ありがとうキツネちゃん!」と手を振って、マキマはキツネを見送った。
一段落ついたらしいマキマに近づく。
「マキマ、そろそろまどか達に説明するわよ。」
「あ、うん、そうだね。」
そうこうしているうちに、魔女の結界が崩壊して現実世界に戻ってきた。
病院前に放り出された私達だが、それなりに大所帯だ。マキマが事前に手配してくれたおかげか、周囲に一般人の姿は一つも見られないが、このままのんびりしていると目立ってしまって仕方がない。
私とマキマ、まどかと肩を貸してもらっている巴マミ、何故か警戒を通り越して敵意まで滲み出している美樹さやか。
そして______
「あー疲れた!マミちゃん強かったねー。」
______無傷の姿で現れた姫野先輩。
彼女の登場で、まどか達3人が目を見開いて固まった。
「うそ……マミさんがあんなにボコボコにしてたのに……無傷?」
「まあね~。言ったでしょ?これでも先輩のプライドはあるから、簡単に負ける訳にはいかないのさ。」
ことも無さげに姫野先輩はそう言うが、彼女もまた強力な魔法少女だ。
私は既に彼女の手の内を教えてもらっているから分かるが、そうではないまどか達はどうして無傷で立っているのかが不思議でならないのだろう。
とにかく、これで全員揃った。
私はマキマに視線を送り、作戦の最終段階に進むように促す。
マキマはすぐさま仮面を被ると、こほんと咳払いをしてその場の注目を集めた。
「えー、3人とも、色々と聞きたいことがあると思うから、私の方から説明させてもらってもいいかな?」
マキマの問いかけに、まどかと巴マミは頷き、美樹さやかは僅かに逡巡した後に首を縦に振った。
全員の同意を得たマキマは安心したように頷く。
「ありがとう。それじゃあとりあえず、場所を移そうか。私の家においで。そこで全部、君たちに打ち明けるよ。」
マキマは3人を見渡した後、最後に私にまで視線を移してウィンクした。
(どうやら、ようやく彼女の秘密を知ることができそうね。)
ふいっとマキマのウィンクを受け流し、車が停めてあるという駐車場に向かいながら、今現在の状況を思う。
何度やり直しても高確率で巴マミが死んでいた今日の魔女戦。
それをマキマは、いとも簡単に攻略して見せた。それもおそらく、まだ私も知らない彼女自身の力を使ってだ。
相変わらず、底が知れないと思う。彼女が操れる力の限界がどこまでなのか、まるで見当がつかない。
だけど、少なくとも誰も欠けることなく今日を乗り越えることができたのは確かだ。まどかを救うためにも、使える人数は多い方が都合がいい。
その分、不確定要素が増えてしまうけれど、マキマがいる時点でそんなことはいくら考えたところでどうしようもない。その時その時で、上手く彼女を使って対処するしかないだろう。
(この時間軸で、私は全てを終わらせる。そのためにも……最大限利用させてもらうわよ、マキマ。)
私はそんな思いを胸に、マキマの背を見つめるのだった。
…………ん?ちょっと待って。
さっきから妙に静かだと思っていたけれど____
____キュゥべえはどこに行ったの?
マキマメモ その7
オリ主マキマは今回のお菓子の魔女戦で計3体の魔人の力を使っている。
ここで紹介するにはまだ顔出し率が少なすぎるので見送るが、皆さんは全てに気づけただろうか?
ヒント:オリ主マキマの身体能力の高さは素である。
オリ主マキマが使った魔人の能力は?
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