サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!!   作:DestinyImpulse

29 / 55
マグマ迸るバトルとようくんポケモン

 

「それじゃ、この【あごの化石】はお預かりします」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 あれから数日…俺達は遂にグレンタウンにやって来た。此処に来た目的はジムと化石の復元だ。グレンタウンのポケモン研究所には化石を復元する復元装置があり、研究所に化石を預ければ数時間後には化石ポケモンが誕生する訳だ。

 

「何が誕生するか楽しみだねサトシ」

 

「トプス…」

 

 化石を預けた俺をリーフが出迎える。その腕には彼女が掘り当てた【たての化石】から誕生したタテトプスが抱かれていた。リーフも化石の復元の為にグレンタウンに来ており、さっき合流したのだ。

 

「可愛いー!私も掘ればよかったな」

 

「ああ、やっぱり化石ポケモンはロマンだな」

 

 カスミとタケシも復元されたタテトプスを珍しそうに眺めている。化石の復元には時間が掛かるので、その間にジム戦に挑む事にする。

 

「ごめんね。ジム戦の応援に行きたかったんだけど、お父さんに呼ばれてて、もう行かなきゃならないんだ」

 

「なに気にすんなよ。オジサンによろしくな」

 

「うん、ジム戦、頑張ってね」

 

 リーフと別れて、ジムがある場所まで来たのだが、ジムはもはや廃墟と化していた。わーおー、これは酷い。そんな時に一人の爺さんが、此処は温泉目当ての観光客が観光ついでにジムの挑戦をする腑抜けばかりで、ジムリーダーが嫌気をさして止めたと教えてくれる。

 

「確かに化石の復元も目的の一つだったが、本気でジムに挑みに来たのも目的だ」

 

 しかしオレは観光目当てなどではない。

 その事を証明するべく合計6つのジムバッジを見せる。遊びで挑戦するのでなくマジで挑戦をするのだ。

 

「………成る程、君がリーフ君が言っていたサトシ君か…着いて来なさい」

 

 熱意が伝わったのか爺さん……ジムリーダーのカツラさんが道案内をしてくれる。実はジムの事はリーフから聞いていた。

 リーフもジムが潰れていて愕然としたが、俺達の様に潰れたと説明しに来たカツラさんに、観光では無くジム戦が目的と真剣に伝え、その熱意に感銘したカツラさんが正体を明かしバトルしてくれて、リーフは無事にバッジをゲットした。

 

 どうやら潰れた様に見せているのは腑抜けたトレーナーではなく、真剣なトレーナーの挑戦を受ける為であり、ああやってジムの前に現れては値踏みをしていたらしい。

 

 どうやら俺の事はリーフから伝わっていた様で、「聞いた通り熱い挑戦者で良かったよ」と言ってくる。マチスの時同様にリーフの顔に泥を塗らなくて良かった。

 

 そうして辿り着いたバトルフィールドは、まさかの火山内部、下にはマグマが流れており、熱気が凄くて俺達は汗だくだ。

 

「ふふ、熱いバトルをしようじゃないか!使用ポケモン3体のシングルバトル、交代はチャレンジャーのみだ!いけ、ギャロップ!」

 

「ヒヒーン!」

 

「身も心も焼けそうだ!ミロカロス、君に決めた!」

 

「ミロロ!!」

 

 カツラがギャロップを繰り出すので俺はミロカロスに先発を任せる。色違いのミロカロスに、「ほほう、いいモノを見せてくれる」と感心していた。そしてバトルが始まり先手はもらうと“なみのり”を指示するが……

 

「ギャロップ!ソーラービーム!!」

 

「なっ!?」

 

 ギャロップから“ソーラービーム”が発射されミロカロスが叩き落とされる。馬鹿な、“ソーラービーム”は溜めが必要な技…フィールドが“ひでり”状態でもない限り……っ!

 

「………このバトルフィールドの特性か!」

 

「その通り、ここはグレン島の火山の中…その熱気と熱エネルギーによってバトルフィールドは常時“ひでり”状態となるのだ!」

 

 成程、如何にも炎タイプのジムにうってつけのバトルフィールドだ。炎の弱点を突きに水タイプを出してきたトレーナーを水半減や速射“ソーラービーム”で返り討ちって策だ。

 

「大丈夫か、ミロカロス?」

 

「ミロロ!」

 

 ミロカロスが立ち上がる、“ソーラービーム”とはいえタイプ不一致ならミロカロスの耐久は貫けない。此処は素直に“クイックターン”で交代する事にしてドサイドンにお願いする。

 

 カツラも「ほう、ドサイドンとは珍しい」と言いつつ、やはりミロカロスと一貫して弱点の“ソーラービーム”を撃ってくる。“あなをほる”で躱したいが下がマグマなので無理。

 

「ドサイドン、ヒートスタンプ!」

 

「なに!?」

 

 だったら、このバトルフィールドの特性を利用するまでだ。“ヒートスタンプ”は相手の体重がこっちよりも軽い程に威力を上げる技、ドサイドンとギャロップでは約三倍の差だ。更に“ひでり”も合わさり威力は増加。

 

「ドッサイ!」

 

「ヒヒッン!?」

 

 それにギャロップは物理よりで特殊が高い訳ではない。故に炎を纏ったドサイドンが“ソーラービーム”を掻き消してギャロップを叩き伏せる。そのまま“ストーンエッジ”でギャロップを戦闘不能にする。

 

「フィールドの特性を即座に利用してきたか……やるな、サトシ君。燃えて来たぞ」

 

 ギャロップが倒れ、カツラもエンジンがかかってきたらしい。次に出してきたのは、ウインディだった。特性は“いかく”でドサイドンの攻撃が下がってしまった。

 

 開幕と同時に“しんそく”で瞬く間にドサイドンに飛びかかり“ばかぢから”を叩き込んできた。特性“ハードロック”でダメージを減らせるが、流石に弱点の大技を喰らってはドサイドンも苦しそうだ。

 

 しかし、向こうも攻撃と防御が一段階下がった。この場は技の速度を重視して“シャドークロー”で攻撃直後で無防備のウインディを殴り飛ばす。

 

「ドサイドン、“がんせきほう”だ!!」

 

 

 攻撃直後で無防備の時に殴られて受け身の取れないウインディに“がんせきほう”を指示する。“がんせきほう”は強力な分、“はかいこうせん”同様に硬直が長い。

 

 しかし、受け身を取れずに動きがワンテンポ遅れるウインディには躱せまい。よしんば“しんそく”で回避したとしても、移動できて左右、その時には“がんせきほう”の硬直も消えてる。

 

「ウインディ、“オーバーヒート”だ!!」

 

 しかし、カツラは炎の大技“オーバーヒート”を指示した。体勢は立て直せずとも顔を向かせたウインディの口から放たれた“オーバーヒート”が“がんせきほう”とぶつかり合い大爆発を引き起こす。

 

「ど……さい…」

 

「……でぃ」

 

 舞い上がった爆煙が晴れるとドサイドンとウインディが目を回して倒れていた…相打ちだな、お疲れ様ドサイドン。

 

「よくやったウインディ……見た目に反して多才なドサイドンだねサトシくん」

 

「ヒットアンドアウェイで、“しんそく”と“ばかぢから”のコンボをもう一度やられたらマズイんでね。技の速度を取らせてもらいました」

 

 実際、最初のコンボをもう一度喰らったら幾らドサイドンでも耐えられなかった。故に技の発生が速い“シャドークロー”で崩したのだ。

 

「ふ、見事だ。ならば私の三体目を見せよう。いでよ、ブーバー!!」

 

「ブーバー!!」

 

 カツラの呼び声にマグマの中からブーバーが飛び出して来た。どうやら先にボールから出して待機させていたらしい。……俺のピカチュウみたいなもんか。

 

「これが私の切り札だ」

 

「切り札ならこっちにも!リザードン、君に決めた!!」

 

「グォオオンンン!!」

 

 相手が切り札を出してきたのなら出し惜しみはしない。リザードンを繰り出せば、歯応えのある相手が見つかったと燃え上がり高らかと咆哮すると、相手のブーバーの目付きも変わっていき、互いに臨戦態勢に入る。

 

「控えにはミロカロスが居るが、ここで勝つぞ!リザードン、“かえんほうしゃ”だ!!」

 

「いい心構えだ!ブーバー、“だいもんじ”だ!!」

 

 リザードンの“かえんほうしゃ”とブーバーの“だいもんじ”が激しくぶつかり合い大爆発を起こす。舞い上がる爆煙を突き破りブーバーが“マッハパンチ”で近づきリザードンをブン殴る。しかしこっちも負けじと“かみなりパンチ”を叩き込む。

 

「水ポケモンの対策もしてるな……しかし、それは此方も同じ事、ブーバー!“かみなりパンチ“!!」

 

 それを見たカツラもブーバーに“かみなりパンチ”を指示し、“マッハパンチ”と組み合わせて回転率を上げて此方よりも多く拳を振るう。

 

「接近戦は此方が上!そのまま逃すーー「そいつはどうかな!!」ーー…なに!?」

 

 接近戦は此方が上とカツラが言うが、そいつは違うとリザードンはブーバーを掴み、空中をグルグルと回りながら飛ぶ。目が回って頭が働かないブーバーをグルリグルリと円を描く様に飛んで一気にバトルフィールドに叩きつける。

 

 

「リザードン、“ちきゅうなげ”だ!!」

 

「グオォォォォ!!!」

 

 これぞ、朧げな俺の記憶でも覚えている、アニメサトシのリザードンの十八番である“ちきゅうなげ”だ!

 

 叩きつけられたブーバーは戦闘不能になり俺達の勝利が確定した。カツラもブーバーをボールに戻すと、こちらに向き直って、俺達の勝利を祝福してくれる。

 

「見事だ、サトシ君。熱く、燃え上がる様なバトルをありがとう。受け取りたまえクリムゾンバッジだ!」

 

「ありがとうございます。よーし、クリムゾンバッジ、ゲットだぜ!!」

 

「ピッ、ピカチュウ!!」

 

「グォオオンンン!!」

 

 渡されたクリムゾンバッジを受け取る。これでバッジは七つ、リーグ出場まで後一つだ!

 

 その後、バトルと火山の熱気で汗を流しまくった身体を温泉で癒すと良いとカツラに温泉に案内されたので有り難く身体を休ませてもらう……。いや、サッパリしたと温泉上がりのコーヒー牛乳を飲んで最高の気分でいるとポケモン研究所から連絡が届く、どうやら俺が預けた化石の復元が終わった様だ。

 

 こうしちゃいられないと研究所に直行すれば……

 

「チゴー!!」

 

「おめでとうございます。立派なチゴラスですよ!」

 

 小さなティラノサウルスの姿をした顎が特徴的な化石ポケモン…ようくんポケモンのチゴラスが俺達を待っていた。

 

「わー!この子も可愛いじゃない〜!」

 

「ああ、育て甲斐のあるポケモンだな」

 

「ピッカ、ピッカチュウ!」

 

「チョゲ!チョゲ!」

 

「チゴ?チゴー!」

 

 カスミとタケシも良いポケモンだと笑みを浮かべ、ピカチュウとトゲピーも嬉しそうにチゴラスと触れ合う。岩とドラゴンタイプのポケモンか…良いな!それにティラノサウルスのポケモンなんてロマンの塊だぜ。

 

 早速、ゲットしようとモンスターボールを取り出した時だった。何だかんだとロケット団の連中が現れてチゴラスを奪いにきやがった。

 

「お前ら、誰のお陰でオムスターとカブトプスをゲットできたと思ってるんだよ」

 

「そうよそうよ!水系の化石ポケモンなんてゲットして、ズルいわよ!」

 

「お黙りジャリンコ。そのチゴラスも献上すればボスは大喜びなんだよ」

 

「その通り!ピカチュウもろともゲットして我らの評価も鰻登りさ!」

 

「おミャーのポケモン達がジム戦で疲れている今が絶好のチャンスにゃ!」

 

 オムスターとカブトプスをゲットした事に味を占めた様だな…しかも、リザードン達がジム戦の傷を癒す為にポケモンセンターで治療中のタイミングを狙いやがって…。

 

 だがよ…俺一人ならともかく、タケシとカスミ(ジムリーダー二人)がいるんだぞ?毎回俺にボコられて忘れてないか?

 

「「「……あ」」」

 

「あって何よ!?お転婆人魚の力を見せてやるわよ!いけ、シードラ!」

 

「ドラー!」

 

「頼むぞ、ゴルバット!」

 

「ゴルバッ!!」

 

 何だかんで二人も俺と旅の道中でバトルをしているのでポケモン達のレベルも上がっており、カスミのタッツーはシードラに、タケシのズバットはゴルバットに進化している。

 

 ロケット団もポケモンを出して応戦するが、やはりジムリーダー二人に勝てる筈もなく追い詰められていく。

 

「おミャーら何をやってるニャー!」

 

「チゴ?」

 

「ん?おミャー、ニャーに興味があるのかニャ?なかなか目の付け所があるヤツだニャ!」

 

 ボコられる二人に非力で戦えないニャースがどの面で悪態を吐くが、そんなニャースに近づくチゴラス……

 

「チゴー!」

 

「あ…」

 

次の瞬間、チゴラスは大きな顎を開いてニャースを“ガブリンチョ”して噛みついた。ニャースの頭が丸々、チゴラスの口の中に収まってしまい、その様は中々にシュールだ。

 

「ピッカ!」

 

【チゴラス、ようくんポケモン。まだ小さい子供なれど凄まじいパワーを持ったポケモンで、特に大きな顎の力は、自動車も簡単にバリバリとかじって壊してしまう程】

 

「ーーーー!!!!????」

 

 それを見たピカチュウが俺の図鑑のスイッチを押してチゴラスの説明音声を流す。自動車もバリバリと壊す顎の説明があり、頭が口の中でも聞こえていたのかニャースがメチャクチャ慌てて手足をバタつかせる様をピカチュウは清々しい笑みを浮かべて見ていた。

 

 ……ウチのピカチュウってニャースが相手だと中々エグい事するからな。

 

「チゴー♪」

 

 それを面白がってチゴラスがニャースを咥えた状態で頭を振りニャースを壁や地面に叩きつける。まるで玩具を振り回す子供の様だ……まぁチゴラスは生まれたばかりのベイビーだからな。

 

「……………」

 

「チゴ?」

 

 暫くして力尽きたのか壊れた玩具の様に動かなくなったニャースに飽きたのかチゴラスがニャースをムサシ目掛けて吐き捨て激突させる。タケシとカスミもムサシとコジロウをギタギタにして勝利したのでピカチュウの“10まんボルト”でいつもの様に『やなかんじ〜』して一件落着。

 

「さてと、改めてこれから宜しくなチゴラス」

 

「チゴー!!」

 

 これで邪魔は居ないと、俺が差し出したモンスターボールに勢いよく頭をぶつけてゲットされるチゴラス。元気一杯な奴だな。

 

「チゴラス、ゲットだぜ!!」

 

「ピ、ピカチュウ!!」

 

「チョ、チョゲー!」

 

 

 ロマンに溢れる化石ポケモンの初ゲットに内心大喜びの俺だったが、このグレン島での出会いがもう一つある事を…この時は知る由もなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 火山によって温められた温泉により観光地としての側面が大きくなったグレン島。

 連日、人が集まる故に船の出入りも多く様々な地方との繋がりがある。それ故に人や荷物に紛れて、別の地方のポケモンが紛れ込み、ちょっとした騒ぎが起こる例もある。

 

「……………」

 

 しかし、今回の来訪者は一味も二味も違った。

 青黒く鋭角かつ重厚な身体…歩く度にその重厚さが伝わる様で有りながら、まるで幽霊の様に不確かで、誰も気づかれずに船を降り、目的地へと進む。

 

「………ソル」

 

 それはグレン火山…聳え立つそれを見上げて来訪者は進む……己を強くする為に…

 





・リーフはタテトプスを手に入れた

 グレン島でタテトプスを復元、ゲットした。シゲルは来てはおらず、とあるジムに挑戦しに行ってる。

・カツラに勝利した。

 常時“ひでり”で下はマグマのヤバいバトルフィールドだったが無事に勝利した。

・進化した二人のポケモン

 旅の道中でバトルをしているので二人のポケモンもレベルが上がっているのでタケシのズバットがゴルバットに、カスミのタッツーがシードラに進化している。


・チゴラスをゲット。

 【あごの化石】から復元したチゴラス。ガチゴラスになるのが楽しみだ。




【ゲットしたポケモン】

・ピカチュウ

・バタフリー(離脱)

・ミロカロス(色違い)

・ドサイドン

・フシギダネ

・ リザードン

・ゼニガメ

・クラブ

・ゲンガー

・オコリザル

・親分ベトベトン

・ジバコイル

・ケンタロス

・ストライク

・トゲピー

・あごの化石 → チゴラス


 次回は頂いたポケモンの案を使ったオリジナル回です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。