サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!! 作:DestinyImpulse
前回からの沢山の評価ありがとうございます!
シルフカンパニーの事件から数日後、俺達はトキワシティにやって来た。道中でハナダジムの水中ショーの手助けをして、俺のミロカロスとリーフのラプラスを頂戴とせがまれたりと……まぁ、イベントが多かった。
「全く、妹が妹なら姉も姉だな……我儘なのは同じだ」
「ちょっと、そんな言い方しなくても良いじゃない!」
「あははは……ねぇ、トキワジムってカントーでも指折りの強さって聞くけど…」
「ああ、トキワジムのジムリーダーは地面タイプのエキスパート。だけど、素顔を見た人は一人も居ない。同じジムリーダーでも素性を知る人は居ないんだ」
あの時のポケモンセンターを懐かしいなーと見つつトキワジムに向かうと、ジムの前にシゲルが居た…珍しくガールフレンド達を連れておらず一人でだ。
「………シゲル?」
「ん、やぁやぁ…誰かと思えばサートシ君じゃないか。此処にはジム戦にかい?」
「ああ、最後のジムだ。そう言うお前は?いつものガールフレンド達は居ないが?」
「彼女達はマサラタウンで休ませてるよ……“サトシ”、悪い事は言わない、他のジムに行くんだ」
………お前がサートシなんて言わずに名前を呼ぶって事は本気か…。リーフもシゲルが真剣に俺の名を呼ぶ事に目を見開いている。
「ちょ、ちょっと、いきなり何よ?」
「僕がトキワジムで負けた事は知ってるだろ」
「ああ、最後の正体不明のポケモンに負けたと……」
「……そう、最後のポケモンに僕は手も足も出なかった。三対三のバトルと言うのに「ボウヤのポケモンを全てを出してもいいぞ」と舐められ後悔させてやるとポケモンを繰り出した……カメックスもニドクインもウインディもフーディンもエレブーもプテラも!皆んな次の瞬間には、地に這い蹲るしかなかった!」
「……そんな、シゲルのカメックスやプテラが…」
「……リベンジだって此処に来ても、勝てるビジョンが浮かばない。…アイツは強過ぎる…僕で無理って事はサトシ!君だって無理だって事だ!」
どうやら、相当ヤバい奴の様だ。
……しかし、ポケモンリーグも近づいて来ている。此処以外のジムは遠く、此処のバッジをゲットするしかない。
「……………」
「あ、サトシ!」
無言を貫きジムへと入る俺を慌てて皆んなが追いかける。不思議な事に案内がなく不審に思いつつも先に進むと薄暗いバトルフィールドに辿り着く、特に変わった所は無い普通のフィールドだ。
「……やはり此処に来たか、待っていたぞ」
「っ!?」
その時、つい最近聞いた声が耳に入り声の方に振り向けば二階の玉座に腰を置き、ペルシアンを撫でながら見下ろすように俺を見ているサカキの姿があった。
「うそ!どうしてロケット団のボスがジムに!?」
「決まっているだろうお嬢さん。…私がトキワジムのジムリーダーだからだよ」
追いかけて来たリーフが信じられないと驚愕しタケシ達も愕然とする。事前に調べた情報だと、トキワジムのジムリーダーは2階の玉座に座りチャレンジャーを迎え撃ち、ライトの光の位置で顔に影ができて素顔を明かさない事で有名だった。
「明かさない訳だ!ジムリーダーがロケット団のボスなんだから!」
「その通りよジャリボーイ達」
「ッ!その声は!」
「その声は!と聞かれたら…」
「答えてあげるが世の情けだが」
「サカキ様の御前だから自粛するニャー」
タケシの言葉に反応する様に、いつものムサシ達が現れる。……サカキがジムリーダーって事は此処はロケット団の基地って事だ……最悪だ。
「ジャリボーイにジャリガール2号…私達が任務に行ってる間に随分と舐めた真似をしてくれたわね」
「だが、マヌケにも此処に来た以上……お前達はお終いさ」
その言葉に反応する様にロケット団の下っ端達が現れて壁沿いに整列する。………どうする、伝説の超マサラ人の超パワーで無茶すればいけるか?
「ふ、いきなり潰すのも味気ない。君はジム戦に来たのだろう?私とてジムリーダーの自覚はある。君の挑戦を受けようじゃないか」
「………カスミ、トゲピーとチゴラスのボールを頼む」
「だ、ダメよサトシ!危険過ぎる!」
トゲピーとチゴラスをボールに戻し、そのボールをカスミに預けてバトルフィールドに向かおうとすればカスミに腕を掴まれる。その顔は不安で一杯だった。しかし、此処は行くしかあるまい…
「タケシ……万が一は」
「ああ、分かってる。……気をつけろよ」
万が一は強行突破するとタケシと目線で会話してバトルフィールドに立つと鎖付きの拘束具が俺の左腕に繋がれバトルフィールドから逃げられない様になる。
「サトシ!」
「おっと、ジャリガール2号……下手な真似はしない方が利口よ」
それを見たリーフが飛び出そうとするが、いつの間にか他のロケット団とそのポケモン達が包囲しており、動くに動けなくなった。
「さて、始めようか…使用ポケモンは三体。交代はチャレンジャーのみが認められる。…ゆけ、ダグトリオ!」
「「「ダグダグ!」」」
サカキが繰り出したのはダグトリオ…しかし、まるでチャラ男の様に金髪ヘアーであり俺達の知るダグトリオではなかった。
「驚いたかね?コイツはアローラ地方に生息するダグトリオのリージョンフォーム……さぁ、君のポケモンを出したまえ」
「……ミロカロス、君に決めた!!」
「ミロロー!!」
リージョンフォーム……オーキド博士から聞いた事があるな。しかし、今はバトルだ…俺はミロカロスを繰り出せばミロカロスは優雅に現れ任せろと雄叫びをあげる。
バトルが開始され、先手必勝と“ねっとう”を指示して弱点を攻める。リージョンだろうが、じめんは消えていない筈だ。しかし、向こうも“あなをほる”で見事に躱して下からミロカロスを吹き飛ばす。
「ッ、ぐぁぁぁぁ!?」
次の瞬間、拘束具から電流が流れる、不意の電撃を受けたせいか、俺は大声を上げてしまい膝をつく。
俺が電撃を受けた事で、ミロカロスやリーフ達も激しく動揺する。
「ミロロ!?」
「ピカピ!?」
「「「「サトシ!?」」」」
「ふーははは!今回限定のトキワジムのスペシャルルール。チャレンジャーはポケモンが攻撃を受けた瞬間に電撃を受けるのニャ!」
喧しく笑うニャースの声が響く、罠だと思っていたが此処まで露骨とはな…だったら!
「イレイザーキャノン(仮)!!」
イレイザーキャノン(仮)を拘束具が飛び出る場所に叩き込めば激しい爆発と共に拘束具の大元は抉れたフィールドと共にスクラップになり、唯の飾りとなった拘束具を引き千切り、その辺に放り投げる。
「………随分とふざけた事をしてくれるな?」
「……成程な、一流の格闘トレーナーの如き強靭な肉体にサイキッカーの様な特殊な力……お前達の報告は真実だったのか」
「そ、その通りなんですボス!」
「あ、アイツ、ポケモン相手にだって殴り勝つんですよ!?」
「キチガイだニャー!」
ギロリと睨めばサカキは特に動揺する事なく俺の肉体と波導について興味深そうに思考する……と言うかムサシ達、俺の事まで報告していたのか。
「ミロロ…」
「心配すんなミロカロス。リーフ達も……こんなのピカチュウの電撃に比べたら大した事ない」
ミロカロスが心配そうに擦り寄るので、心配要らないと笑みを浮かべれば頷いてくれてバトルに戻ってくれる。リーフたちも俺がピンピンしているのを見て、取り敢えず止まってくれる。
再開だとミロカロスに“ねっとう”を指示すれば、再び“あなをほる”で躱される。これでは先程の繰り返しだ……故に!
「今だミロカロス、アクアテール!!」
「ミロロー!!」
「「「ダッダグー!?」」」
「なに?」
ダグトリオが飛び出す瞬間に“アクアテール”でフィールドを叩けば、フィールドに衝撃が広がりダグトリオが苦しそうに這い出てくる。地面の下に隠れた状態で“じしん”の様なフィールド全体を揺らす技を使用されると、約二倍のダメージとなって苦しむ事になる。
これはそれを再現した上級テクだ。伝説の超マサラ人の超感覚を駆使すれば“あなをほる”で飛び出す瞬間を音や僅かな地面の揺れで察知するなど容易い。
少し驚きつつもサカキが“アイアンヘッド”を指示するが、先に“あやしいひかり”を当てて混乱させる。混乱で動きの鈍いダグトリオに至近距離で“ねっとう”を叩き込んで戦闘不能にする。
「戻れ……やはり良いポケモンだ、強さと美しさを兼ね揃えている。…ゆけ、ドサイドン」
「ドサァ!」
「……違う、僕の時は全然違う!」
ミロカロスを褒め称えるサカキ……完全に俺からぶん取る気だ。そんなサカキが次に繰り出したのはドサイドン。それを見たシゲルが自分の時とは明らかに違うと叫ぶ。
「当然だよボウヤ。君の時とは違って今は本気だからな」
「なに!?」
「君も確かに天才の分類だろう。繰り出したポケモンはよく育てられていて見事だった。しかし…そこのニビジムのジムリーダーを除けば、サトシが君達の誰よりも強い。それは今までのテクニックやミロカロスが証明している」
「っっ…!」
ハッキリとお前は下だとサカキに言われたシゲルは苦痛に表情を歪める。何か言ってやりたいが、すまんが今はバトルに集中させてくれ…。
ドサイドンが“じしん”で攻めてくるので、“アクアテール”を地面に叩きつけた反動で空に浮かび回避するが、分かっていた様に“がんせきほう”が飛んできてミロカロスに直撃する。
「なっ!」
「ふふ、やはり空に逃げるか…上級者にとって“じしん”をジャンプで躱すなど前提行為だ。ミロカロスでどう飛ぶか興味があったが…成程、面白い手段だ」
「っ、ミロカロス!“ねっとう”だ!!」
“じしん”を飛んで躱す事を逆手に取られたが耐久自慢のミロカロスはギリギリ耐えている。反動で動けないドサイドンに“ねっとう”を当てるが、特性は“ハードロック”だろう、倒すには至らずに返しの“じしん”で倒されてしまう。
「ありがとうミロカロス……いくぞ、ピカチュウ!君に決めた!!」
「ピッカ!!」
ミロカロスを戻してピカチュウを呼び出す。ピカチュウも俺を傷つけたロケット団に怒り心頭、やってやるぜと電気をバチバチに迸らせる。ドサイドンと相性最悪のピカチュウを出した事にサカキが眉を顰める。
「“なみのり”だ、ピカチュウ!」
「ピッカー!!」
「なに…?」
“なみのり”を指示して弱点を突く。
サカキもピカチュウが“なみのり”を使う事に驚愕しつつも“じしん”でフィールドを揺らしてピカチュウを落とそうとするが、先に“でんこうせっか”で飛び出して揺らさせるのを回避。更に“アイアンテール”でドサイドンの脳天に叩き込めば、急所に当たったドサイドンが苦痛の声を出す。
「薙ぎ払え、ドサイドン!“アームハンマー”だ!!」
「回れピカチュウ!」
ドサイドンが“アームハンマー”で薙ぎ払うがピカチュウは身体を丸めて回転、振るわれたドサイドンの剛腕の勢いが、体重が軽く更に空気抵抗の低い体勢になったピカチュウを呑み込み、肝心の“アームハンマー”から下に流してしまう。
舞う葉っぱや羽毛に勢いよく手を振っても、振った勢いに流されて肝心の手に当たらない現象と同じだ。
そのまま下に逃げたピカチュウは“でんこうせっか”で飛び出して“アイアンテール”でドサイドンの顎をカチ上げる。顔という人体の急所に二度も重い一撃を喰らったドサイドンは脳が揺れて動きが鈍い。
これでトドメと“なみのり”を決めれば地響きを上げてドサイドンが戦闘不能になる。
これで残りは一体……そう思っているとサカキの拍手の音が響く。
「見事だサトシ。ポケモンの育成力、信頼、戦略と発想……紛れもなく才ある者だ。普段のお遊びとは違い本気でやっていて私が先に追い詰められるとは…。ムサシ、コジロウ。失敗の多い、お前達の評価を元に戻すとしよう。幹部であるラムダやアポロを倒し、これ程の実力を持つトレーナーが邪魔をするなら、エリートのお前達が失敗続きなのも頷ける」
「あ、ありがとうございますサカキ様!」
「寛大なご配慮感謝します!」
「まぁ、ニャー達も時には出し抜いたりもしてますがニャー」
「ふ、化石ポケモンを大量に献上した件か…あれはご苦労だった」
「何が本気だ、嘘つきが…アンタには勝利を掴む気迫が無い。幾らポケモンのレベルがピカチュウ達より高くても、そんな腑抜けに負けるかよ」
勝手にムサシ達と会話するサカキに、嘘つきがと俺は吐き捨てる。ダグトリオもドサイドンも俺のポケモンよりもレベルが高かった。それでも俺達が先に追い詰めたのはサカキの問題だ。
サカキには勝利を求める気概が無い。そんな奴に負ける筈がないだろ…
「ふふ、これは手厳しいご意見だ。勝利を求める気迫が無い……ああ、その通りだ、なんせ最初から勝利が確定しているのだ……わざわざ求める事などしない」
サカキがそう言うと、俺達の目の前の壁が上がっていき、中から…機械の拘束具の様な物を身につけたポケモンがこちらへ歩いて来た
ポケモン図鑑を取り出すと、データ無しと表示される。シゲルに視線を移せば顔を青くして震えている……どうやらアイツが例のポケモンの様だ。
「………」
「ぴ?ピッカ!?」
謎のポケモンが手を翳すとピカチュウが次の瞬間には宙に浮き、地面に叩きつけられる。
「ピカチュウ!?」
「お遊びは此処までだ…サトシ、お前には絶対の力による本当の恐怖を見せてやる」
さぁ、始めようか、と何処ぞの宇宙最強の兄みたいな言葉を言うサカキ……これは本気で不味いかもしれない。
冷や汗を流す俺は、この時は気づいてはいなかった……首に下げたネックレスに収納された“虹色の羽”が光っていた事に…
・トキワのジムリーダー、サカキ
サトシが此処に来るだろうと待ち構えていた。サトシ達のポケモンをぶん取るつもりで部下を配置するが、腐ってもジムリーダーなのでバトルを受けてくれる。
シゲルとのバトルはアニメと同じで、ほぼ遊び。今回のサトシとのバトルは本気のポケモンを繰り出すが、サカキ自身が最強のミュウツーの強さに心酔してるので、トレーナーとしての力量が落ち、勝ちを確信してるので、勝利への執念が無いので、ミロカロスとピカチュウに負けた。
もしも、ミュウツーに心酔する前の最強のトキワジムリーダーの状態だったら、勝てなかった。
・現れた最強
遂に現れたミュウツー…想像以上にやばい事を直感してサトシも冷や汗を流す。故に“虹色の羽”が光ってる事に気づいてない……
【ゲットしたポケモン】
・ピカチュウ
・バタフリー(離脱)
・ミロカロス(色違い)
・ドサイドン
・フシギダネ
・ リザードン
・ゼニガメ
・クラブ
・ゲンガー
・オコリザル
・親分ベトベトン
・ジバコイル
・ケンタロス
・ストライク
・トゲピー
・チゴラス