サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!! 作:DestinyImpulse
Q・現状では絶対に勝てない相手と遭遇した時は?
果たしてサトシの解答は…
「無事か、ピカチュウ!?」
「ピッ…カ!」
サカキが最後に繰り出した謎のポケモン…そいつの恐らく“サイコキネシス”でピカチュウが地に叩き伏せられる。しかし、直ぐに立ち上がりバリバリと頬から電気を迸らせる。
「さぁ何処からでも、掛かってきたまえ。この【ミュウツー】には通じないがな」
「……ミュウツー?」
「そのポケモンの名前だ。そしてミュウツーのその力は
……伝説のポケモン。成程な、ミュウツーから感じるプレッシャーは常軌を逸脱している。
「やめろサトシ!勝てる訳がない!相手は伝説のポケモンなんだぞ!?」
シゲルの悲鳴が聞こえる。見れば膝を突き、全身をガクガクと震え、もはや常に自信に溢れたシゲルはそこにいない。
直接戦い、そして今は第三者の視点でミュウツーを見ている。たった二回ではあるが、それだけでミュウツーの強さを理解してしまった。
一度目で分かっていた、勝てるはずもない実力の差を素直に受け入れてしまった。
サカキは俺より下と舐め腐っていたが、シゲルは疑いの余地なくポケモンの天才だ。
だからこそ、否が応でも理解してしまうのだ自分達と相手の間にある差が。頭の中が真っ白になり、もう何も考える事が出来ない。それほどにミュウツーという存在は大きすぎた。
だが、既に退路は無い…周りはロケット団員達に囲まれており、そもそもミュウツーから逃げられる訳がない。…打ち破る以外の道がない。
ピカチュウに“10まんボルト”を指示して電撃を放てば、“サイコキネシス”で片手で受け止められ跳ね返される、“でんこうせっか”で即座に回避するが……くそ、遠距離では勝ち目がない!
「ピカチュウ、“10まんボルト”を維持して突っ込め!」
「ピッカ!」
「ふん、くだらん…“サイコキネシス”だ」
ピカチュウが“10まんボルト”を維持した状態でミュウツーに突っ込む。決死の俺達を嘲笑う様にサカキは、“サイコキネシス”を指示しようとする……此処だ!
「そのまま、でんこうせっか!!」
「なに!?」
どういう原理か知らんが、サカキはミュウツーをゲットしてる訳では無さそうだ、でなければ拘束具の様な物を付ける筈がない。故に信頼関係などゼロに等しいのだろう。ミュウツーも蹂躙の経験しかないのか、技の発生が遅い……其処に付け入る隙がある。
ミュウツーが腕を掲げて“サイコキネシス”を放とうとするが、先に“でんこうせっか”を使って突撃する。電撃を纏った一撃がミュウツーに直撃し、大きく後退る。
そして全身の拘束具が砕け散った。
「な、なんだと!?」
これに驚いたのはサカキである。まさかミュウツーの拘束具が破壊される程の一撃を与えられるとは思わなかったのだろう。椅子から立ち上がり、焦った表情をしている。
「ミュウツーに溺れ過ぎたな…アンタのトレーナーとして腕が鈍り切ってる……っ!?馬鹿な!」
だが俺も驚愕するしかない…ピカチュウの決死の攻撃を受けたミュウツーはダメージなどないかの様に佇んでいた。
「…うそ、全然効いてない」
「馬鹿な、今の一撃は確実に決まっていた!それが無傷なんて…」
「…………」
「ピッカ!?」
「ピカチュウ!?」
拘束具が外れ真の姿を表したミュウツーは動きを確認するかの様に腕を軽く動かすとピカチュウに向けて“シャドーボール”を放ってきた。これまでの戦闘の疲労で動きの鈍いピカチュウは避けられずに直撃、壁に叩きつけられる。
「す、凄い!凄すぎますよボス!」
「あのジャリボーイが手を足もでないなんて…!」
「世界を統べるサカキ様に相応しい力ニャー!」
その力に脱帽していたムサシ達も我に返りサカキを称賛する。周りの下っ端達も拍手喝采のサカキコール。それに機嫌を良くしたサカキが勝利の笑みを浮かべる。
「ふ、ミュウツーに一撃を入れるのは驚いたが所詮は無駄。次は何を出す?報告にあったリザードンか?」
吹き飛ばされたピカチュウを介抱しつつ、俺はモンスターボールを取り出す。確かに俺の最後の一体はリザードンだ。……だが、勝機が見えない。リザードンのモンスターボールも震えている……リザードンから見ても、勝機が見えないのだろう。
「まぁ、何を出しても結果は変わらん。……そろそろ次に移すか」
そんな俺達を嘲笑いサカキが手を上げると周りのロケット団員達がモンスターボールを構える………くそ、結果は変わらないから袋叩きにする気か!
タケシとカスミ、リーフがモンスターボールを構えるが、ミュウツーを前に萎縮している。シゲルなんか「もう駄目だ、おしまいだぁ。潰される、みんな潰される……。逃げるんだあ……勝てるわけがない…!」と、ブロリーを前にしたベジータの様に絶望していた。
「ふふふ、ミュウツーの強さに絶望したか、それも当然の事…何故ならロケット団が総力をあげて生み出した最強のポケモンなのだからな!」
「……生み出しただと?」
そんなシゲルを見て笑うサカキ、しかし奴の一言を俺達は聞き逃さなかった。ミュウツーの事を語りたくしてしょうがないのだろう、サカキは語り出す。幻のポケモンであるミュウの遺伝子から人為的に生み出したポケモン……それこそがミュウツーだと。
「ロケット団がポケモンを生み出す研究をしている……あの噂は真実だったの!?」
「なんて事を!人はポケモンを育てる事はしても、生み出す事はしちゃいけない!それは許されざる行為だ!」
まるでSF映画のマッドサイエンティストが行う様な非人道的行為にカスミやタケシが明らかな嫌悪を示す。
「なっ、グアァ!?」
「タケシ!?」
『………私の存在を否定するか』
「喋った!?…テレパシーか」
タケシの言う通り、命を勝手に生み出すなど許されざる行為だ。しかし、それはその行為で生まれたミュウツーの否定に繋がり、タケシはミュウツーの“サイコキネシス”で壁に叩きつけられる。その際にミュウツーから言葉が発せられるがニャースの様に口からではなく、テレパシーで会話をしているのだろう…
「ぴ、ピッカ…!」
「ピカチュウ!無理すんな!」
『………何故、人間の為に身体を張る?そんな価値が何処にある?』
それを見たピカチュウがボロボロの身体を起こして、俺の下がれの言葉を無視してミュウツーにガン飛ばす。そんなピカチュウを見てミュウツーは不思議そうな顔をしており、言葉には人間に対する憎悪が見えていた。
「ピッ…ピカピ!ピッカ!!
「なんて言ってるのよニャース?」
「ニャニニャニ…【僕も初めは人間が嫌いだった。何を考えているのか分からなくて気持ち悪くて……でも、サトシと出会って、一緒に旅をして僕は世界の広さを知った】…」
「ピッカ、ピカピカ!」
「【旅をして色んな人間達を見た。君の言う通り、平気でポケモンや他人を傷つける価値の無い人間も居た。でも、ポケモンと一緒に夢を目指して笑い合う人間も居た!】」
ピカチュウの言葉をニャースが通訳する。それは最初、人間が嫌いだったピカチュウが俺と出会い共に旅をして感じた事だった。クロスの様に平気でポケモンや他人を傷つける奴も居れば、イミテの様にポケモンと共に夢を目指して笑い合う奴も居た……
「ピッカ……ピカチュウ…」
『……なんだと?【君は何も知らない?君が知る人間はサカキの様な悪人だけで、君の世界は奴が用意した小さな世界だけ……可哀想だ】……貴様の様な人間に絆された脆弱な存在が……この私を憐れむのか!』
ピカチュウの言葉に初めて感情を表に出したミュウツーが“シャドーボール”をピカチュウに向けて放つ。それも、一つではなく十数個の数を一斉に…
ピカチュウが咄嗟に“10まんボルト”を放つ。しかし、蹂躙されるのは明らかだ……故に…!
「…ったく!無茶しやがって!」
「ピカピ!?」
俺も力を貸す。
いつもはイレイザーキャノン(仮)で波導を放つが、やろうと思えば他者に波導を送る事ができる。公式戦でやれば、反則になりそうなので今まで自粛していたが、此処まで拗れたなら、もう関係ない。
伝説の超マサラ人の波導の後押しを受けたピカチュウの“10まんボルト”がミュウツーの“シャドーボール”をギリギリ受け止める、それを見たミュウツーが“サイコキネシス”で“シャドーボール”を押し込み、俺達は押し込まれる。
「「「サトシ!」」」
「お前ら…ったく、どいつもこいつも…!」
「さ、サトシにだけは言われなくないよ!」
「そうよ、そうよ!いっつも無茶して…心配するこっちの身にもなりなさいよ!」
「全くだ…!」
そんな俺の背中をリーフとカスミとタケシが支えてくれて何とか持ち堪える。…ピカチュウといい、コイツらといい、……最高の奴等だ。
『そんなもの…そんなものは無意味だ!』
「無意味じゃねえって事…俺達が見せてやる!!」
「ピッカチュウ!!」
俺達とミュウツーの一撃が拮抗する。その光景にサカキがミュウツーに檄を飛ばすがミュウツーは聞き耳を持たない。しかし、拮抗ではダメだ…こんなのが何時までも持つ筈が無い。先にこっちがバテる!!
その時だ、先程までミュウツーの強さにヘタレて居たシゲルも俺を支える様に背に手を当てる。
「君達が…君達が諦めないのに…僕が何もしない訳にはいかないんだ!僕はマサラ一番星、オーキド・シゲルなんだ!!」
「立ち直るなら、もっと早く立ち直れよ……やるぞ、ピカチュウ!!」
「ピッカ……チュウゥウ!!!!」
『ッ!!?』
立ち直った幼馴染に笑みを浮かべ俺達は力を振り絞る、爆発的に増大した電撃にミュウツーは対応できずに…
「貫けぇぇえ!!!」
「ジュウウウ!!!」
俺達の
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「や、やった」
雷撃によって巻き起こる爆発を見た、カスミの口から言葉が漏れる。ピカチュウの今まで見た事もない程に強烈な“10まんボルト”がミュウツーに直撃した。
これは効いている。効かない筈がない。信じ難いポケモンだった。本当にそれしか言えない。
しかし、勝つ事ができた。緊張の糸が解けてサトシを支えて居たリーフ達がへたり込み、サトシは限界を超えて戦ってくれた相棒を抱き抱える。一方でサカキは目の前の現実が受け入れられないのか愕然としムサシ達も慌てふためいている…その時だった。
彼等は思い知る。
自分達は、伝説のポケモンを低く見積もっていた事に…
『………今のは痛かったぞ』
「なっ!?」
爆煙を吹き飛ばし最強が姿を現す。サトシ達の一撃は確かにミュウツーに届いた、現にミュウツーも傷を負い息を乱している。それでも倒れる事なく“じこさいせい”で傷を癒やし、サトシ達を睨んでいる。そのあまりの光景にサトシ達は声も発せない。誰もが目を見開き、身体を震わせて見ているだけだ。
「は、ははは…!そうだ、ミュウツーが負ける筈かないのだ!!やれミュウツー!あの小癪な小僧共に絶望を見せてやるのだ!!」
「っ、サトシ!勝機はない、逃げるしかないぞ!」
「一人たりとて逃さんぞ!貴様達は一貫の終わりだ!」
もはや、勝機は無い。タケシが逃げる事に全力を注ぐしかないと判断するが、それはさせじとサカキが部下に指示を飛ばす。それを聞いたロケット団員達がムサシ達を筆頭にサトシ達に迫る。
「終わりねジャリボーイ」
「我らロケット団に逆らうからこうなるのだ!」
「最後に勝つのはニャー達なのニャー!」
「………くそったれ」
絶対絶命だ。ピカチュウは完全に戦える状態ではなく、リザードンや他の手持ち、リーフ達のポケモンを出しても数十人いる下っ端達では他勢に無勢。さっきの“10まんボルト”に波導をかなり消費してしまい、イレイザーキャノン(仮)も放てない。
それにサカキも本気のポケモンをまだ隠しているだろう……詰みだ。しかし、それで諦める様なサトシではない、何か逆転の手はないか試行錯誤していた時、首のネックレスから光が漏れている事に気づいた。
「………まさか」
ネックレスを手に取りケースを開けると保管されていた“虹色の羽”が今まで以上の眩い光を放ち周囲を照らす。サトシを除く全員が“虹色の羽”の輝きの強さに後退り手を掲げて顔を守る。
「これって…!」
「“虹色の羽”よ!でも、何で?」
「それにこの輝き……今までで一番強いぞ!」
「ま、眩しくて直視できない!さ、サトシは何で何ともないんだ!?」
「ちょ、ちょっと何よこれー!?」
「お、俺が分かる訳ないだろー!?」
「ま、眩し過ぎるニャー!?」
「“虹色の羽”だと!?バカな、あれは下らない伝説ではないのか!?」
『なんだそれは…!ソレから迸る力は…!誰のモノだ!?』
皆が各々が思った言葉を放つ中、ミュウツーもまた“虹色の羽”の光に動揺していた。“虹色の羽”から感じる力…その強大さは誰のモノだとサトシに詰め寄ろうとする。
しかし、それよりもサトシの行動が早かった。ミュウツーの力は強大だ、恐らくは、前に会ったエンテイすら超えているだろう。ならば、ミュウツーに勝てる存在など、サトシには一つしか思い浮かばなかった。
(……アンタが俺に何を期待して羽を渡したのかは分からない……だけど、頼って良いのなら頼らせてくれ!)
“虹色の羽”を掲げるサトシ。
それが何を意味し、何を齎そうとするのか…察しのついたリーフ達がまさかと目を見開き、サカキが止めさせろと、できもしない命令を部下に飛ばし、ミュウツーがサトシに…いや“虹色の羽”に手を伸ばすが…
「こい!ホウオウ!!」
サトシの一言が周囲に木霊し、トキワジムの天井が消し飛んだ。吹き荒れる暴風が天井だったモノの瓦礫を吹き飛ばながら、現れた“ソレ”に誰もが目を奪われる。
朱色と黄色の体色に七色の煌めきを纏い佇む姿は神々しく美しい。そして感じられる存在感はミュウツーと比較しても劣る事なく、むしろ凌駕してるかもしれない。
曰く、“ソレ”は心正しき者の前に現れる。
曰く、“ソレ”は虹の麓に生息している。
曰く、“ソレ”が飛んだあとには虹が残る。
「ショオーッ!!」
【にじいろポケモン・ホウオウ】
虹の神と称されし伝説のポケモンが
・最強のポケモン、ミュウツー
強すぎるの一言。普通に考えて負けイベ確定である。
・虹色の“10まんボルト”
伝説の超マサラ人であるサトシの波導の後押しで一時的に“Z技”の域にまで到達した。反則ギリギリになりそうで、公式では使えない。
力量不足と“Zクリスタル”が無いので未完成。今後と登場するかは不明。
・助けに来たホウオウ
流石にミュウツーがヤバいのでセコムに入った。
と言う訳でサトシの解答は、【勝てる奴を呼ぶ】でした!!
次回、トキワジムの戦いは決着です。