サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!!   作:DestinyImpulse

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次は自分達で集めろよ

 

「ラティアスじゃと!?」

 

 オーキド博士の驚愕した声が響く。むげんポケモンのラティアス。それはエンテイと同じく伝説のポケモンに分類される、激レアかつ強大な強さを持ったポケモンだ。

 

 実況や観客の大歓声が巻き起こる中で俺は頭を抱えていた。あのジョーイさんは俺とAブロックのラストバトル。即ち準決勝で戦う事になる、如何にシバ師匠と修行したとは言え伝説に勝てるとは自惚れてはない。

 

「………ミュウツーよりはマシか?」

 

 たが、バトルに目を向ければ対戦相手を蹂躙してはいるがミュウツー程の強さはない様に感じる。そういえば伝説のポケモンにも、対戦で使えないパッケージの顔である禁止伝説、略して禁伝と、対戦でも使える準伝説の準伝に分けられていた。

 

 ミュウツーやホウオウが禁伝で、エンテイやラティアスが準伝だった筈。ならば勝ち目が万に一つも無い訳ではないだろう。

 

 そう思考している内にラティアスが相手を3タテしてジョーイさんの勝利となる。

 

「これは……厳しい戦いになるなサトシ」

 

「…………ああ」

 

 タケシの真剣さを宿した重い言葉に俺は短く返す。あの強さだ、準々決勝も楽に勝ち抜くだろう。つまり、リーフかシゲルと決勝で戦う前に伝説のポケモンを倒さねばならない。

 

 しかも、そのバトルで無茶をすればドクターストップで決勝にポケモンを出せなくなってしまう。相手が伝説だ、温存していたドサイドンやゲンガー、エースのリザードンに相棒のピカチュウ。これらを出し惜しみせずにパーティーを組む必要がある。

 

 そのポケモン達が決勝で戦えないのはかなり不利だ……。

 

「でもシゲルとリーフだって、準決勝で戦うんだし、二人のポケモンがドクターストップを受ける可能性もあるわよ」

 

「おいおい、僕がリーフにそんな苦戦をするとでも?」

 

 カスミの言う通りに、リーフとシゲルが戦えば逆に二人のポケモンがドクターストップを受ける可能性もあると言い、それにシゲルは反論するが、その目に緊張があったのを俺は見逃さない。

 

 何はともかく、Aブロックが終わり次はBブロック。その初陣となるのはリーフとロケット団だ。

 

 現れたリーフとサムライコスプレのムサシ。流石に面と向かって見れば心当たりがあるのか首を傾げるリーフにバレないかと冷や汗を流すムサシとコーチのコジロウ&ニャース。

 

 審判の指示の下で両者がポケモンを繰り出す。リーフはニドキング、ムサシはギャラドスだ。因みにアイツらは二人のポケモンを合わせて勝ち進んでおり、使用ポケモンはアーボック、マタドガス、ギャラドス、サワムラー、カブトプス、オムスターのギリギリの6体である。一応ニャースが居るが、戦力外だ……ニャースは置いてきた、ハッキリ言ってこの戦いについて来れない。

 

 コジロウが「気をつけろ!ニドキングは豊富な技を覚える。電気技は喰らうな!距離を取って戦うんだ!」と的確なアドバイスを送っている。それを聞いて早めに倒したいと思ったのだろう“れいとうビーム”で弱点を突いてきた。

 

 無論、黙って喰らう筈もなくリーフは“かみなりパンチ”を指示。両手に雷を宿したニドキングが“れいとうビーム”を弾き飛ばしてギャラドスに突撃する。距離を離そうと“れいとうビーム”を再び放つが、ニドキングはこれを“メガホーン”で切り裂きながら突き進みギャラドスへと肉薄する。

 

「……レベルの差だな」

 

 今のは下手をすればニドキングが凍る危険性もあった。しかし、ニドキングは容易く“れいとうビーム”を切り裂き、多少のダメージこそあれ軽微で然程も凍っていない。

 

 それはリーフのポケモンがロケット団のポケモンよりもレベルが高い事に他ならない。恐らく、最初に“れいとうビーム”を“かみなりパンチ”で弾いた時に問題ないとリーフは判断したのだろう。

 

 肉薄されたギャラドスがムサシの指示で“こおりのキバ”で噛みつこうとするが、噛み付かれるよりも先にニドキングがギャラドスを“かみなりパンチ”で殴り飛ばしギャラドスが地面に叩きつけられる。

 

 そのまま行動を許す事なく追撃の“かみなりパンチ”でギャラドスを戦闘不能にする。一方的にやられた事にムサシが悔しそうに顔を歪ませる。

 そもそも四回戦の時点でギリギリもギリギリだったロケット団。リーフはコイツ等が四回戦で戦った相手よりもずっと強い……流石に厳しいな。俺もリーフと戦いたいのでリーフを応援するし…

 

 ムサシが次に繰り出したのはサワムラーだ。こうしてムサシの言う事を聞いてリーグに出てる辺り、前のトレーナーよりもムサシが好きな証だな。

 

 リーフはニドキングで続行する様だ。バトルが開始すると同時にサワムラーが“ねこだまし”でニドキングを怯ませる。“ねこだまし”は出た最初のターンしか使えないが、必ず先制できる技だ。しかも喰らった相手を怯ませる。

 

「そのまま“とびひざげり”よ!!」

 

「サワ!!」

 

 ニドキングが怯んだ先に大技の“とびひざげり”を喰らわせるムサシ。“とびひざげり”は外れると自傷して体力の半分を失う博打技だが、その威力は絶大だ。多分コジロウの指示だな、良い技の組み合わせだ。

 

 顔を苦痛に歪ませて大きく後退るニドキング…満タンに近い体力も今ので半分以下になってしまった。

 

「さ、サワ!?」

 

 しかし、唯ではやられない。リーフのニドキングの特性は“どくのとげ”、直接攻撃を受けると3割で相手を毒にする。毒で苦しそうにするサワムラー、一方でリーフはニドキングを戻してキレイハナを繰り出す。

 

 ムサシがサワムラーに指示を出そうとするが、それよりも早くキレイハナが“はなふぶき”でサワムラーに攻撃する。巻き起こる花弁の嵐にロケット団は対応できずに、戦闘不能にされる。

 

 ロケット団は残り一体に追い込まれた…対してリーフのポケモンは一体も倒されてはいない。勝利は厳しいが、それで諦める様ならコイツ等は俺達を追い回していない。

 

 ムサシが最後に繰り出したのは相棒のアーボック。純粋に弱点を突きに“ダストシュート”で攻撃する。弱点技を棒立ちで喰らう筈もなく“ちょうのまい”でステータスを上げつつ回避する。

 

「キレイハナ!“バトンタッチ”!!」

 

「ハナー!」

 

「お願い、ラプラス!」

 

「キューン!!」

 

 そのまま“バトンタッチ”で上がったステータスを引き継いでラプラスが現れる。

 

「上手いな、“ちょうのまい”は三つのステータスを上げられる変化技。それを後続に繋げて一気に勝負を決めるつもりだ」

 

 オジサンが娘にプレゼントしただけあり、あのラプラスは優秀な個体だ。リーグに向けた特訓でレベルも十分。

 

 その上で特攻と特防と素早さが上がったラプラスが“ハイドロポンプ”を叩き込む。これで終わりかと思ったが「根性見せなさいよー!」と激励するムサシの声に持ち直してラプラスに“かみなりのキバ”を食い込ませる。苦痛の声を上げるラプラス。今ので倒す気だったリーフも流石に動揺しつつも……

 

「ラプラス、“ぜったいれいど”!!」

 

「キューン!!」

 

 冷静に勝利をもぎ取った。

 ラプラスから放たれる絶対零度の一撃を喰い付いていたアーボックが避ける事はできずに戦闘不能になる。

 

 これにより3体全てを失ったロケット団が敗退する。

 一瞬負けたロケット団が暴れないか心配だったが、意外にもムサシは心底悔しそうに震えており、コーチ陣から飛び出したコジロウが肩を優しく叩き共にバトルフィールドを後にした。

 

「ニドキングも前にバトルした時よりも強くなっている。これは舐めて掛からない方がいいなサトシ」

 

「………そうだな」

 

「ん、何よ立ち上がって?二試合後にはシゲルの試合よ」

 

「ああ、ちょっとな…直ぐに戻る」

 

 リーフのポケモンは強くなってると言うタケシの言葉に頷きつつ俺は席を後にする。この二試合後にシゲルの試合だと言うカスミに、なあなあの返事を返して向かった先はポケモンセンター。

 

 そこでポケモン達をジョーイさんに預けるロケット団の姿があった。

 

「よ、まさかお前等が本戦まで行くとはな」

 

「な、ジャリボーイ!?」

 

「俺たちに気づいてたのかよ!?」

 

「相変わらずキチガイだニャー!?」

 

 俺が声を掛ければ変装がバレていた事に動揺するロケット団。慌てふためく連中だったが、リーグ戦に余計な事はしたくない、と言えば大人しくなりポケモン達が回復するまで、少し話す事に…

 

聞けば、トキワジムの騒動で相変わらずのギャグ補正で無事だった連中は、こっそり逃げ出して暫くは鳴りを潜めていたが、そろそろ捕まったボスの為に活動しようとロケット団の残党達に合流しようとした所にポケモンリーグに向かうサムライが居たので、目立ちたがりのコイツ等はバッジを強奪してリーグに出場した。

 

 バレない様にお得意の変装をしてリーグに挑めば、なんだかんだで勝ち進んでしまい、いつの間にか本気で優勝を狙う様になった。

 

「お前等って結構強かったんだな」

 

「エリートを舐めるんじゃないわよジャリンコ」

 

「まぁ、おミャーにボコボコにされてニャー達も打たれ強くなったからニャー」

 

「…………でも、アイツには少し悪い事をしたな」

 

 コジロウが言うアイツは、間違いなく自分達がバッジを盗んだ相手の事だろう。コイツ等が奪ったバッジは一人のトレーナーがリーグに出る為に死に物狂いで集めた努力の結晶だ、それを奪いリーグで戦う機会を失わせた事に罪悪感を覚えているのだろう。

 

「………ほんとお前等って良い奴なのか、悪い奴なのか分からねぇ奴等だよな」

 

「ニャー達は“悪の悪”じゃないのニャ!ニャー達は“正義の悪”なのニャ!」

 

「……そうかい。次は自分達で集めろよ」

 

 俺はそう言ってポケモンセンターを後にする。すると背後から「負けんじゃないわよ!!」とムサシの声が聞こえてくるので振り向くことなく手を上げて応じる事に……

 

 バトルが終わって、悪どい事をするならボコボコにしてジュンサーさんに突き出していたが、これなら心配はないだろう。

 

 

 そうして席に戻れば丁度シゲルのバトルが始まり無事にアイツも勝利した。これで次は準々決勝のフルバトルだ。

 

 

 

 





・伝説にビビってる。
 ミュウツーにボコられた後なのでメチャクチャ頭を抱えていたが、流石にミュウツー程の理不尽さは無いと分かったので持ち直す。

・リーフ対ロケット団
 流石にリーフが勝った。なんだかんだで勝ち進んで本気でリーグに挑んでいたので、余計な手出しをこの後はせずに屋台で金を稼いでいる。

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