サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!!   作:DestinyImpulse

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 皆さん、お待ちかなジョーイさん戦が始まります。


ポケモンリーグ・セキエイ大会・準決勝・前編

 

 あの後、全ての準々決勝が終わり結果はやはりAブロックがサトシとジョーイさん。Bブロックがリーフとシゲルになり、準決勝の対戦カードが決まった。

 

「うーむ、仕方の無い事とは言え、マサラタウンの選手が確実に敗退する事は残念じゃのう」

 

「まぁまぁ、お爺様。予選で当たる事なく準決勝で鎬を削るまで勝ち進んだ事は喜ばしい事ですよ。…まぁ、勝利は僕が貰うけどねリーフ」

 

「ふふ、勝ちは譲らないよ!……でも」

 

 Bブロックの準決勝ではリーフとシゲルが戦う事になり仕方のない事とはいえ、此処まで勝ち進んだマサラタウンのトレーナーが戦いどちらかが敗退する事にオーキドは残念そうにするが、シゲルは自信満々に己が勝つと言いリーフも望む所と笑みを浮かべるが……

 

「心配なのはサトシだよ……」

 

 リーフが観客席から見下ろすのは今まさに始まろうとしている準決勝第一試合のバトルフィールドのサトシだ。これからサトシが戦うのはリーグ捜査員のジョーイさん。伝説のポケモンであるラティアスを使い、その圧倒的な強さで優勝候補と言われている。果たしてサトシは勝てるのか…リーフは心配そうに見つめていた。

 

「大事な弟子なんでしょう?アドバイスとかしなくても良かったの?」

 

 そして、そんなサトシを特別室で仁王立ちして見下ろすシバにカンナが笑みを浮かべて語りかける。如何にサトシが将来有望といってもトレーナーになって半年。流石に伝説のポケモンを相手にするには分が悪い…可愛い弟子にアドバイスの一つもしなくて大丈夫かと問いかけるが……

 

「ふ、勝ち目が無い訳ではない。それに見ろ…」

 

 それにシバは笑みを浮かべてサトシを指差す、バトルフィールドに立つサトシの目には闘志が宿っており、負ける気などサラサラ無い、相手を喰い破る事しか考えていないチャレンジャーが其処に居た。

 

「容易くいかぬ事は百も承知。故に心が躍る、アイツはどうやって勝利を掴むのかがな…」

 

「ふーん……なら、私も楽しませてもらいましょうか」

 

 それを聞いたカンナも興味深そうに笑みを浮かべてサトシを見る。彼がどうやって伝説のポケモンを討ち破り勝利を掴むのか……楽しみだ。

 

 

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『さぁ、いよいよ今リーグも終盤戦に差し掛かりました!準決勝・第一試合!サトシ選手 VS ジョーイさん!伝説のポケモン、ラティアスを相手に、様々な活躍を見せてくれたサトシ選手はどの様に立ち向かうのか、興味が尽きません!」

  

 実況の解説に会場の熱狂が俺の全身にビシビシ伝わってくる。世にも珍しい伝説のポケモンのバトルなんて興奮ものだろう。

 

 しかし、俺は負ける気などサラサラ無い。

 今回俺がエントリーしたのはピカチュウ、リザードン、ミロカロス、ドサイドン、ゲンガー、フシギダネだ。相棒のピカチュウも、エースのリザードンも、温存していたドサイドンにゲンガー…タイプ補完も兼ねたミロカロスとフシギダネ。

 

 このパーティーで勝利を捥ぎ取る。目をギラギラさせて対戦相手のジョーイさんを見ると、向こうも俺を探る様に見ている。審判の指示の下にポケモンを繰り出す。

 

「いきなさい、ラティアス!」

 

「キューン!!」

 

「ピカチュウ、君に決めた!」

 

「ピッカ!」

 

 ジョーイさんの先発はラティアス。これはジョーイさんが本戦でラティアスを繰り出した時から全試合変わらず先発にラティアスを出して相手を蹂躙して適当なタイミングで他のポケモンに交換していた。

 

 故に先発はラティアスだと踏んでピカチュウを先発にした、相手が伝説だろうと倒してやるとピカチュウはバチバチに電気を迸らせる。

 

 バトル開始の合図がフィールドに響くとラティアスが“ミストボール”を放ってくる。“ミストボール”はラティアスの専用技で五割で当たった相手の特攻を一段階下げる効果がある。伝説のタイプ一致なんてまともに喰らいたく無いので“でんこうせっか”で駆け出して回避する。

 

「ラティアス!“サイコキネシス”で捉えーー「ピカチュウ、“エレキネット”で目眩しだ!」ーー…っ!」

 

 ラティアスが“サイコキネシス”でピカチュウを捕らえようとするが、“エレキネット”でラティアスの視界からピカチュウを隠す。ミュウツーの一件から考えたエスパー対策の一つで、“サイコキネシス”は対象を認識しないと命中しない、現に対象を見失ったラティアスの攻撃は外れる。

 

「今だ、“でんこうせっか”で飛び上がって“アイアンテール”だ!」

 

「ピッカ、チュウ!」

 

 その隙に“でんこうせっか”で加速してラティアスまで飛び上がり“アイアンテール”で顎をカチ上げられ顔を苦痛に歪めるラティアス。

 

『おおっと!先制攻撃を制したのはピカチュウ!流石はサトシ選手、伝説相手でも黙ってやられない!』

 

「ラティアス!“ドラゴンクロー”で叩き落として!」

 

「キューン!」

 

「ピッ!」

 

 しかし、即座に立て直して“ドラゴンクロー”でピカチュウを叩き落とそうとするので“アイアンテール”を振るうが、パワーが段違いで地面に叩き付けられる。

 

「大丈夫か!ピカチュウ!?」

 

「ピッカ!」

 

 俺の声にピカチュウは問題ないと返すが、今ので四分一は削られた。明らかに従来のポケモンとは別格…

 

 だが……

 

「ミュウツーやシバ師匠程じゃないな!」

 

「ピッカー!」

 

 ミュウツー程の理不尽さも無ければシバ師匠の厚みもない。苦戦はする、負ける可能性も高い……でも勝てない相手じゃない!

 

 俺の言葉にその通りと言わんばかり笑みを浮かべて飛び出すピカチュウ。ラティアスが“サイコキネシス”を使おうとするが、“アイアンテール”で土砂を巻き上げて視界から消える。

 

 サイコキネシスが土砂を捕らえてピカチュウには当たらずに“でんこうせっか”で飛び出すが…

 

「ラティアス、“ドラゴンクロー”!!」

 

「っ!」

 

 それでもラティアスを出し抜けない。最初は不意を突けたから先手を取れたが、対応されれば上手くいかない。先制技だと言うのにラティアスに対処される、“でんこうせっか”で五分なら“しんそく”でも使わないと出し抜けない。

 

 迫るラティアスに“エレキネット”をばら撒くが当たる事は無い。“ドラゴンクロー”が当たる直前に唯一ピカチュウが勝ってる小回りの良さでギリギリの所で回避して…

 

「ピカチュウ、“でんこうせっか”!」

 

「無駄よ!距離を取ってもジリ貧になるだけ!」

 

 “でんこうせっか”で飛び出す、ジョーイさんは距離を取る為と思って無駄だと言う。そりゃそうだ、距離を取っても状況は好転せずに“サイコキネシス”の対策も通用しなくなる。

 

「そんなも百も承知だ!」

 

「っ!さっきの“エレキネット”に!?」

 

 故に攻めるしか無い。

 “でんこうせっか”で飛び出したピカチュウの先には先程放った“エレキネット”。電気の網に勢い良く突っ込んだピカチュウは多少のダメージは受けるが電気ネズミだ、問題は無い。

 

 勢いよく飛び込んだピカチュウを“エレキネット”は捉え次の瞬間、その勢いを倍にしてトランポリンの如くピカチュウを跳ね飛ばす。

 

 その速度は“しんそく”と同等だ。自身が放つ“エレキネット”に自分から飛び込んで跳ね返るなど夢にも思わなかったジョーイさんとラティアスは面食らって動いていない。

 

「そのまま“ボルテッカー”だ!!」

 

「ピカピカピカー!!」

 

「っ、ラティアス!!」

 

 そのまま最後の技に“ボルテッカー”を発動させて雷の弾丸となってピカチュウはラティアスに突撃する。神速の攻撃に今更、回避も迎撃も不可能。我に返ったジョーイさんの指示で咄嗟に“ドラゴンクロー”を展開して防御するが、神速の速度も加わった“ボルテッカー”に容易く割られラティアスに直撃する。

 

「よし!良くやったぞ、ピカチュウ」

 

「………ピッカ…!」

 

 “ボルテッカー”は“フレアドライブ”と同様に威力が高い程に反動ダメージを受ける技。大きく消耗したピカチュウに労いの言葉をかける。ピカチュウの消耗が激しいと言う事は、それだけのダメージをラティアスに与えたと言う事だ…

 

「…キューン!!」

 

「ピッ!?」

 

 しかし、ラティアスは健在だ。“ボルテッカー”を耐え切り返しの“サイコキネシス”でピカチュウを戦闘不能にされる。

 

「ピカチュウ、戦闘不能!ラティアスの勝ち!」

 

 

『ピカチュウの健闘虚しくラティアスが勝利ー!先手を取ったのはやはりジョーイさん!サトシ選手はラティアスを相手にどう巻き返す!?』

 

「……サンキュー、ピカチュウ。良い働きだ」

 

「……今の一撃、肝が冷えたわ。“エレキネット”を“サイコキネシス”の目眩しだけではなく、カタパルトに応用するなんて…」

 

「驚くのはこっからですよ……こっちはご自慢のラティアスを倒す気満々なんだ!リザードン、君に決めた!!」

 

「グォオオンンン!!」

 

『サトシ選手!次に繰り出したのはエースのリザードン!!果たしてラティアスを打倒できるのか!!』

 

 ピカチュウをタケシに預けて次に繰り出したのはエースのリザードン。相手が伝説ポケモンで闘志がメラメラ燃えているリザードンが雄叫びを上げてラティアスを睨みつける。一方でラティアスもピカチュウが与えたダメージが大きく、息を乱しているが、まだまだ戦える。体力は半分程と見るべきだな。

 

「ラティアス、“ミストボール”!」

 

「躱せ!」

 

「ラティアス、“サイコキネシス”よ!」

 

 ラティアスが放つ“ミストボール”を空を飛んで回避する。特訓でリザードンの飛行能力も格段に向上した。しかし、ラティアスが“サイコキネシス”で先に放った“ミストボール”を操りリザードンを追尾する。

 

 ラティアスのタイプ一致“サイコキネシス”のパワーで素早く迫る“ミストボール”に回避は不可能と判断して“ほのおのうず”で“ミストボール”を閉じ込めて消滅させようとするが、やはり打ち消す事はできずに炎の渦を突き破ってリザードンに命中。フィールドに叩きつけられる。

 

「……なるほど、今度は“ほのおのうず”で視界を封じて“サイコキネシス”を封じるつもりだったのね。大した発想だけど、何度も見れば対応も変わるわ!ラティアス、“ドラゴンクロー”!リザードンに何もさせないで!」

 

「キューン!!」

 

 

 しかし、ラティアスも伝説のポケモンのスペックを遺憾無く発揮して“ドラゴンクロー”を叩きつけようとする。

 

「リザードン!!」

 

「グォオォォォォ…!」

 

 それに体勢を立て直したばかりのリザードンには迎撃も回避もする暇がない。ラティアスの“ドラゴンクロー”をマトモに喰らったリザードンは苦痛を表情を浮かべて……

 

「……捕まえた!」

 

「えっ!?ラティアス、“ミストーー「倍返しだ、リザードン!“カウンター”!」ーー…ラティアス!?」

 

 ラティアスの右手を自身の左腕で掴み、残った右腕で“カウンター”を放ちラティアスを地面に叩きつける。“カウンター”は相手から受けた物理攻撃を二倍に返す技。ラティアスのスペックが高いのなら、それを利用すれば良いと考えた策だったが、タイプ相性で半減してもラティアスに大きなダメージを返せた様だ。

 

「…キュウ!」

 

「ラティアスがここまで……戻るのよ!」

 

 

 それでもラティアスは倒れない……それを確認したジョーイさんがモンスターボールを構える。これはフルバトル、いつでも交換は可能だ。エスパーの伝説のポケモンだ“じこさいせい”は覚えてるだろうが、無防備に回復すれば此方も遠慮なく“ブラストバーン”を叩き込んでやる。

 

 如何にドラゴンタイプで半減とは言え、無防備&至近距離で究極技を喰らえば回復するよりも先に倒される。故にボールに戻して温存させる腹積りだろう、それにバトルは序盤、技のストックも残して置きたいだろうし。

 

 

「リザードン、“ほのおのうず”だ!」

 

「自分ごと、渦に!?」

 

 だが、俺達はラティアスをここで倒すつもりだ。

ジョーイさんのボールから放つ赤い光線をリザードンの自身を巻き込んだ“ほのおのうず”が遮る。現在、ラティアスはリザードンに地面に叩き付けられた状態だ。故に自身ごと渦で囲めばラティアスも閉じ込められる。

 

「悪いけど、ラティアスはここで倒させてもらう!」

 

「…“ほのおのうず”はピカチュウの時の様に“サイコキネシス”を防ぐ為じゃなく、私がラティアスを戻させない為の技…!?」

 

「そう言う事!リザードン、分かってるな!」

 

「グォオオン!」

 

 俺の言葉に苦痛を浮かべつつも笑みを浮かべて、叩き付けられたラティアスを抱えて空を飛ぶリザードン。ラティアスが“サイコキネシス”で反抗しようとするが、“ほのおのうず”を再び自身ごと巻き込んで使用し、更にリザードンがラティアスを抱えた状態で高速回転する。

 

「回転で目が回って頭が回らず、半減だろうが炎の熱さで苦痛もある!そんな状態で集中力のいるエスパー技を放てるもんなら放ってみろ!!」

 

「っ、ラティアス!?」

 

 

「リザードン、“ちきゅうなげ”だぁ!!」

 

「グォオオンンン!!!」

 

 

 炎の渦を纏ったリザードンが切り札の“ちきゅうなげ”を完全に決めた。高高度から地面に叩き付けられたラティアス。更に“ほのおのうず”によるダメージや高速回転による三半規管への負荷…これなら!

 

「……キューォォォォンンンン!!」

 

「グォオ!?」

 

 そんな考えが過った時だった。動かなかったラティアスが起き上がり押さえつけていたリザードンを吹き飛ばす。今の一撃は確かに効いている、効いていない筈がない。現にラティアスはボロボロで今にも倒れそうだ、だがドラゴンタイプのプライドなのか、伝説の意地なのか、ラティアスはリザードンを睨み自分は負けていないと吠えている。

 

「貴方は強いわサトシ君!故にそのリザードンは残さない…ラティアス!!」

 

「っ!リザードン!!」

 

 ジョーイさんの言葉に相手はリザードンを何が何でも倒すつもりだと悟る。それに悪感を感じた俺は即座にリザードンに指示を出す。

 

「りゅうせいぐん!!」

 

「ブラストバーン!!」

 

 放った技は双方とも大技。

 片やドラゴンタイプ最強の“りゅうせいぐん”、片や炎御三家の究極技の“ブラストバーン”。二つの技のぶつかり合いは大爆発を巻き起こし、リザードンとラティアスを巻き込んだ。

 

「リザードン!?」

 

 舞い上がる爆煙で状況が分からないが、少しすれば爆煙も晴れて勝者が現れになる。

 

「………キュウ」

 

「グォオオン!」

 

 バトルフィールドには目を回して倒れるラティアスと、片膝を地面について大きく息を吐きつつも健在なリザードンが見えた。

 

「ラティアス、戦闘不能!リザードンの勝ち!!」

 

『な、なんと!伝説のポケモンであるラティアスをサトシ選手が下したぞぉお!!流石は準決勝!我々を飽きさせません!』

 

「………勝った…伝説のポケモンに…!」

 

 実況の声と観客の熱狂に俺の中から伝説のポケモンであるラティアスを倒した実感が湧き上がる。しかし、リザードンもかなり消耗している…少しでも休ませようと交代の為にボールを取り出す。

 

「……グォ」

 

「リザードン!?」

 

 その時だ、リザードンが辛そうに表情を歪ませる。それに反応した審判がリザードンに駆け寄り簡易的な診察を行うと……リザードンが痛そうに小さな声を漏らす。

 

「……サトシ選手。リザードンによる、これ以上の戦闘による負荷は危険と判断しリザードンを規約の基に戦闘不能にします。……よろしいですね?」

 

「………はい、お願いします」

 

 最後の大技の衝突がリザードンに安くない傷を刻んだ。軽く触れただけでも苦痛なんだ、ポケモンの技を喰らった場合なんて考えたくもない。審判に反論する事なくリザードンに駆け寄る。

 

「……グォオ!」

 

「お前は良くやってくれた。……後はチームメンバーに任せるんだ」

 

 リザードンはまだ戦えると言いたげだがトレーナーとして看過できない。リザードンは十分に役目を果たしてくれた、後はチームメンバーに任せろと言えばリザードンも大人しくなり、やって来た職員や職員のポケモンに連れられてポケモンセンターに運ばれていった。

 

 俺は四体に対して向こうは五体。更に相棒とエースを失い笑っちまいそうなピンチだが……

 

「……だからこそ燃えるな」

 

 故にこのピンチを乗り越えられたら最高だと心が熱くなる……!

 

「勝つのは俺達だ…!」

 

 さぁ、続きを始めようぜ!

 

 

 





・ラティアスを倒せ!
 
 相棒のピカチュウとエースのリザードンの二体がかり。“サイコキネシス”を目眩しで不発させるのはミュウツーの一件から考えたエスパー対策。ボールに戻さられる事も考えて“ほのおのうず”で赤い光線を遮るなど、多彩な策を講じた。


 次回もお楽しみに!

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