サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!! 作:DestinyImpulse
ジョーイさんとの激闘を終えポケモン達をポケモンセンターで回復してもらい、観客席に戻ってきた俺達を母さん達が出迎えてくれた。
「おお、サトシ!準決勝、凄まじかったぞ!」
「ほんと、凄いわサトシ!今夜はご馳走ねー!」
「結構ギリギリだったけどな…。リーフ達は?」
「もう始まってる……今の所は互角だね」
オーキド博士と母さんの称賛に笑みを浮かべて返しつつ、ヒロシに試合の状況を聞く。バトルフィールドで準決勝・第二試合を行うリーフとシゲル。
「ラプラス!“じしん”!」
「此方も“じしん”だ!」
リーフのラプラスとシゲルのニドクインが互いに“じしん”を放ち、大きな衝撃がフィールドを揺らす。
「ラプラス!“こおりのつぶて”!!」
「キューン!!」
ラプラスが先制技の“こおりのつぶて”でニドクインの弱点を攻めるが倒れる事なく堪えたニドクインがラプラスとの距離を詰めて…
「“ばかぢから”だ!」
「ニドー!!」
「キューン…!?」
格闘タイプの大技の“ばかぢから”をラプラスに叩き込む。弱点である格闘の大技を喰らったラプラスが戦闘不能になる。
『決まったぁ!準決勝・第二試合、リーフ選手のポケモン三体を先に倒したシゲル選手が優位に立った!!』
シゲルが先にリーフをポケモンを倒した事で五分間のインターバルに移るのでその隙にヒロシからバトルの流れを聞く。
序盤はシゲルが親分プテラ、リーフがニドキングで流れを掴もうと激突。技の豊富なニドキングが電気技で迫るも、プテラの素早さに翻弄されてダメージを与えつつも戦闘不能。
リーフが次に出したドードリオを見てシゲルはプテラとゴローニャを交換。しかし、リーフは怯む事なくドードリオで突っ込み、高い素早さと格闘技で見事に相性差を覆してゴローニャを撃破し追いつく。
ドードリオの素早さを厄介と思ったシゲルは素早さの高い親分プテラを再び繰り出して勝負に出る。そうして高い素早さを持つ二体の激突は相打ちで幕を閉じ、三体目に両者が出したラプラスとニドクインのバトルはニドクインに軍配が上がり…ニドキング、ドードリオ、ラプラスを失ったリーフが若干の不利と言った所だ。
「準決勝でライバル同士だ。お互いのパートナーであるフシギバナとカメックスは確実にパーティーに入っている。…今はリーフが少し不利だが幾らでも巻き返せる範囲だし、パートナー同士の相性も彼女が上だ」
「これは、まだまだ勝負も分からないわね」
大まかな話を聞き終えたタケシとカスミが、バトルはまだまだ分からないと言うが俺も同意だ。ポケモンの数はシゲルが上でもニドクインはラプラスとの戦いでボロボロだし、間違いなくお互いのパートナーをメンバーに入れている。ならば、リーフのフシギバナの方がシゲルのカメックスにタイプ相性で有利だ。
「リーフ、君には悪いが勝利は頂くよ!そして決勝でサトシを倒し、マサラの一番星、オーキド・シゲルの名を轟かせる!いけ、カメックス!!」
「ガメー!」
五分のインターバルが終わりバトルフィールドに戻ってきたシゲルが繰り出したのは相棒のカメックス。リードはシゲルが持っている。そのリードを広げる為に手持ちで一番強いカメックスを出したんだ。
「……悪いけど決勝でサトシと戦うのは私。シゲルには譲らない!お願い、カイリュー!!」
「バウー!」
それに対してリーフが繰り出したのはセキエイ高原で再会した時に見たカイリューだ。このリーグが始まって一度も見てはいなかったが、俺がドサイドンとゲンガーを温存していた様にリーフも600族であるカイリューを温存していたのだ。
「カイリュー、“しんそく”からの“かみなりパンチ”!!」
「バウ!」
「ガメー!?」
「カメックス!?」
先手を取ったカイリューが“しんそく”からの“かみなりパンチ”でカメックスを殴り飛ばす。
この世界はゲームと違って、覚えるからと言ってポンポン技を覚えられる訳ではなく、技の難易度が高ければ高い程に覚えるのに一苦労する。俺のリザードンやピカチュウも“ブラストバーン”や“ボルテッカー”を覚えるのに相当苦労した。
ハクリューをカイリューに進化させただけに留まらず、先制技の中でも最上位と言える“しんそく”を覚えさせているなんて…それだけリーフの一ヶ月の育成とカイリューの才能が凄まじいと言える。
神速の速度が加わった“かみなりパンチ”がカメックスを容赦なく殴り飛ばす。シゲルの最初のポケモンであるカメックスが鍛えられているのは一目瞭然だ。シゲルも先手は譲ってカウンターを決めるつもりだったのだろう、実際それは正しい判断だと思う。
しかし、それをカイリューの速度とパワーが真正面から殴り倒したのだ、目を見開き驚くシゲルだったが、タコ殴りにされては堪らないと“れいとうビーム”を指示。四倍弱点の氷技がカイリューに直撃するが、カイリューは怯む事なく耐え抜き…
「カイリュー、“りゅうせいぐん”!!」
「バウー!!」
「っ、カメックス!“ハイドロカノン”だ!!」
「ガメー!」
ドラゴンタイプ、最強の“りゅうせいぐん”を叩き込む。シゲルもこのままではやられると究極技の“ハイドロカノン”を放つが打ち破る事は敵わず、相殺が限界だった。
反動で動けないカメックスをカイリューが再び“しんそく”からの“かみなりパンチ”のコンボを叩き込みカメックスは吹き飛ばされて戦闘不能に落ちる。
「カメックス、戦闘不能!カイリューの勝ち!!」
「……流石にラティアス程じゃ無いが厳しい相手だな」
「……ああ、“しんそく”だけではなく“りゅうせいぐん”まで覚えているとは、リーグ前に見て、良く育っていると思ったが、ここまでの強さだとはな…」
カイリューの強さに思わず声を漏らす。“しんそく”だけではなく“りゅうせいぐん”まで使えるカイリュー…タケシも苦戦は必至と苦い表情を浮かべている。
「……そう言えばカイリューは“ある人”に手を貸してもらったってリーフ言ってなかったっけ?」
するとカスミが思い出した様に口を開く。確かに…リーグ前にそんな事言っていたな。ちょっと気になるが今は試合に集中しよう。
差を広げようと繰り出したエースがやられた事に動揺したんじゃないかなとチラリとシゲルを見ると案の定動揺していた。しかし、シゲルは両手で頬を叩いて気を引き締め直しウインディを繰り出した。
「ウインディ、こっちも“しんそく”だ!」
「ワウ!!」
ウインディの特性“いかく”でカイリューの攻撃が一段階下がる。そしてウインディも“しんそく”で仕掛けた。ウインディは進化すれば“しんそく”を覚えるポケモン、カイリューの“しんそく”に対抗したか…
“しんそく”は強い技だが、ポケモンへの負荷も大きい。故にゲーム的に言えばPPと呼べる、一度のバトルで使用できる回数は基本的に五回。ゲームじゃないので、技に慣れ身体も強くなれば回数も増えるが流石に双方五回が限度だろう。
ならば先に“しんそく”を二回も使ったカイリューが不利だ。それを悟ったリーフも苦い表情を浮かべながらカイリューに“しんそく”を指示。互いに神速の速さだが四足歩行のウインディの方が素早く、まるで狩りの如くカイリューの行手を遮り、遂にカイリューが“しんそく”を使えなくなったタイミングで飛び掛かる。
「そのまま“かみなりのキバ”!!」
「ガウゥ!!」
「バウー!」
雷を纏ったウインディのキバがカイリューに突き刺さり悲鳴を上げるカイリュー。恐らくリーフのカイリューの特性は“マルチスケイル”、体力が満タン時にダメージを半減する強特性だ。だから四倍弱点のカメックスの“れいとうビーム”に怯む事なく即座に反撃できたんだ。
しかし体力が減った状態では発動しない。苦しそうにするカイリュー、更に麻痺も引いたのだろう動きが鈍くなる。
「カイリュー、ウインディにハグして!」
「バウー!」
「ワウ!?」
しかし、自分に喰いつく相手を抱き締める位は訳ない。リーフの指示に笑みを浮かべてウインディをハグするカイリューに困惑の声を出すウインディ。抜け出そうにもパワーはカイリューが上で抜け出せない、そんなウインディにカイリューが顔を向け口に水を貯める。
「っ!ウインディ、“かえんほうしゃ”!!」
「無駄だよ!“ハイドロポンプ”!!」
咄嗟にシゲルの指示で撃ち慣れた技であろう“かえんほうしゃ”を放つがカイリューが放った“ハイドロポンプ”に打ち消されて至近距離で炸裂。相手をハグした状態で撃ったので少なからずカイリューにもダメージはあるがドラゴンに水は半減だ、カイリューが倒れる事はなく。
「クゥーン…」
「ウインディ戦闘不能!カイリューの勝ち!」
逆に水が弱点のウインディが戦闘不能になる。“りゅうせいぐん”で特殊が半減されても至近距離で弱点の大技を撃たれれば一溜まりもない。これでシゲルの残りポケモンは二体。しかし、カイリューも消耗が激しいがシゲルのエースであるカメックスと神速アタッカーのウインディを倒したのだ大金星である。
一方でシゲルの表情は辛いものだ、残りのポケモンは二体。その内の一体はラプラスで消耗したニドクインだ。対してリーフにはカイリューの他に健在なポケモンが二体、その内の一体は相棒のフシギバナだ。
しかし、ここまで来て諦める事はせずにフーディンを繰り出す。それを見たリーフがカイリューを戻してフシギバナを繰り出す……勝負を決める気だ。
シゲルの同じ考えの様で、打ち破ると言わんばかりに交換の隙に“めいそう”で特攻と特防を一段階上げる。
「フシギバナ、“ねをはる”!」
「バナ!」
「“ねをはる”は使用後、自動的に体力を回復させるが交代はできなくなる技だ。ここで使うと言う事はリーフはフシギバナでシゲルの二体を倒すつもりだ」
タケシの解説を聞きつつ試合を見ると、フシギバナが“ねをはる”とその隙に先手必勝とフーディンが“サイコキネシス”を使う。“めいそう”でパワーアップしたフーディンの“サイコキネシス”は強烈だ。
「バナ!」
しかしフシギバナは微動だにしない。念動力が身体を襲い効いてはいるだろう、表情は少し硬い。
「サトシが、相手の視界を封じて“サイコキネシス”を封じた様に、これが私達なりの“サイコキネシス”対策だよ!」
「……っ!?まさか、“ねをはる”でフシギバナとバトルフィールドを繋げたのか!?」
“サイコキネシス”はエスパー技の代表と言うべき技で。大体の相手はエスパー技に“サイコキネシス”を使う。だから俺は対象を認識して念動力を使われる前に相手の視界を奪い対象を認識できなくさせて“サイコキネシス”を不発させる策を考えた。
一方でリーフは“ねをはる”でフシギバナとバトルフィールドを繋げる事で念動力で動かされない様にした。“サイコキネシス”自体は受けるのでダメージは有るが、浮かされてフィールドに衝突させられたり相手の優位な位置に動かされたりせずに、ダメージも回復するので、俺の策より安定性は上かもしれない。
“サイコキネシス”が大して効かないと察したシゲルが俺がゲンガーにやらせた様に“サイコキネシス”を自身に使って通常よりも速くフーディンを動かせる。
それを見たリーフが“はなびらのまい”でフィールド全体に攻撃してフーディンを捉える。それに対して“サイコカッター”で応戦するフーディン。“サイコキネシス”で移動しつつ、“サイコカッター”で迎撃とは流石はシゲルの育成と思っていると、フシギバナが“はなびらのまい”に加えて“だいちのちから”で下から攻撃する。
「バナ!」
「フー…ディン…!」
自身は動かずに“はなびらのまい”は適当に全方位にばら撒けば良く、“サイコカッター”で迎撃するフーディンを見つけて“だいちのちから”で下から狙えばいいフシギバナは思考的に楽であり。
逆に“サイコキネシス”で動きながら“サイコカッター”で花びらを迎撃しなければならないフーディンの負担は大きく、どうにか上手く避けていたが遂に“だいちのちから”が直撃して止まってしまう。
「フーディン!?」
「止まった隙を逃さないで!“ハードプラント”!!」
動きの止まったフーディンを草の究極技が襲う。流石は最終進化、俺のフシギダネの“ハードプラント”よりも強大だ。襲いくる巨木に飲み込まれたフーディンが戦闘不能になる。
後は消化試合だった。
最後に残ったボロボロのニドクインでは“ねをはる”で回復して殆ど万全なフシギバナは倒す事は敵わず戦闘不能になり、シゲルのポケモンは全滅。リーフの勝利となる。
『決着!準決勝・第二試合を制し!サトシ選手が待つ決勝に足を進めたのはリーフ選手だ!!強さと可憐さを持ち合わせる彼女はサトシ選手とどの様なバトルを見せてくれるのか!?』
実況の声を聞きつつ勝敗の決した二人を見る。膝を突いて震え心の底から悔しがるシゲル。そんなシゲルを複雑そうに見つつも、一呼吸置いて瞳を閉じ、再び目を開けて何も言わずにフィールドを去るリーフ。
「如何に幼馴染でも、フィールドで相対すれば戦う相手。そして敗者にどんな言葉を送っても慰めにはならない。……ヤマブキシティで独り立ちしたリーフの判断は間違っていなかったな」
「……そうだな」
「それも大事だけど、問題は決勝よ。……厳しい戦いになるわね」
リーフはトレーナーとして成長していると言うタケシに頷くが、カスミの言う通り、問題は明日の決勝戦だ。
……なんせ、リザードンが戦えないんだ。
・リーフVSシゲル
勝ったのはリーフ。カイリューの存在が大きかった。本筋では世界チャンピオンのメンバーになれる個体なので才能に溢れ、更にある人物の後押しを受けて流石にラティアス程ではないがメチャクチャ強くなってる。
俄かなので特性は分からないが、このssでは“マルチスケイル”にした。
・決勝に出せないリザードン
それについては次回で。