サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!! 作:DestinyImpulse
次回からは毎日…もしくは一日空けて投稿できたらと考えています。
翌日の午後、俺はニビジムの前に立っていた。いよいよ、ジムに挑戦するのだ。
え?午前中に挑まなかったのかって?
確実に勝てるとは言えないが、俺はそもそも新米トレーナーだ。勢いに任せて挑むのも時には必要だ。やる事やって負けたら、次を考えればいい。
「すいませーん」
「ピッカ!」
ピカチュウと共に中に入るがジムの中は暗くなっている……もしや、まだ準備中だったのか?
「…ジムの挑戦者か?」
そう思って焦ったが、威厳のある声と共に照明がつく。逆立った髪型と糸目が特徴的な、浅黒い肌の10代半ばくらいの男性が大きな石の上に居た。
あれがニビジムのジムリーダーの“タケシ”さんか…
ジム戦に来たと伝えるとバッジの数を聞いて来る。
ジム戦は持っているバッジやトレーナーの経験などで、使用するポケモンのレベルや技を合わせてくれるらしい。
ゲームだとルートが多少決まっているので、進むごとにレベルが上がるが、此処は現実、どの地方でスタートしても問題ない様に配慮されてる。
不正がない様に調べる為にトレーナーカードを内包した図鑑を差し出し、潔白を証明できたので、いざジム戦だ。
「サトシ、ファイト!」
「まぁ、せいぜい頑張んなさい」
因みに観客席である2階にはリーフとカスミが観戦している。リーフは俺がどうジムを攻略するかの興味、カスミは多分お節介なのだろう。
「……あの子達はお前のガールフレンドか?」
「?、リーフは同期の幼馴染で、カスミは………よく分からない奴です」
「ハァ!?この世界の美少女カスミちゃんの紹介を雑にするんじゃないわよ!」
「………ハーレムを築いていたゼニガメのトレーナーといい、マサラタウンは進んでいるな。……悪いが見せ場はやらん!」
ハーレムを築いたゼニガメのトレーナー……間違いなくシゲルだ。アイツまさかジム戦にあのチアリーダー達を参加させた訳じゃないだろうな?
男の嫉妬と本音を漏らしながらタケシさんはイシツブテを繰り出してくる。
「バタフリー…君に決めた!」
「フリー!」
此方の先発はバタフリーだ。岩タイプが四倍弱点のバタフリーを出して「タイプ相性が分からないのか?まぁ、新米トレーナーだしな」っと顔に出して残念そうにするタケシさん。
「バタフリー…しびれごな!」
「ほう…」
故に先手は譲ってくれたので遠慮なく、“しびれごな”で麻痺にして動きを封じる。それを見てタケシさんは少し感心した声を出す。俺は相性が不利なら他で補えば良いとバタフリーに“しびれごな”を使わせるが、新米トレーナーは大抵の場合、攻撃しかしてこず、変化技を使うのは珍しい。
昨日バトルした奴等も攻撃技しか使ってこなかったしな…
イシツブテが麻痺で動けないので即座に“ちょうのまい”でステータスアップさせ“サイケこうせん”で攻撃する。
タケシさんがイシツブテに声をかけているが麻痺で上手く動けない、それを逃さず一気に戦闘不能へと持っていく。
「タイプ相性を理解していない初心者かと思ったが…中々やる様だ」
無傷で突破した事に観客席のリーフが喜ぶ一方で、タケシさんが俺達を称賛しつつ「今度はそう簡単にはいかないぞ?」っと不敵に笑い、繰り出したのは蛇の様な姿に岩の身体を持つポケモン……“イワーク”。
「……デケェ」
その大きなに思わず口から言葉がでるが、勝負に集中せねばとバタフリーに“しびれごな”を指示する。
「甘いぞ、イワーク。“あなをほる”だ!」
しかしタケシさんの指示と同時にイワークは穴を掘って地面の中へと消え“しびれごな”を躱わす。そしてバタフリーの下から飛び出しバタフリーを“たいあたり”で吹き飛ばす。
「っ!バタフリー、とにかく“しびれごな”をばら撒くんだ!」
バタフリーに下手な鉄砲数撃ちゃ当たると“しびれごな”を連発させるが地面に潜り回避するイワーク。
「相性の差を補う為に変化技に着目したのは良い判断だ。だが、変化技に頼ってばかりでは通じない相手を前にした時に手詰まりになる!」
そうして再び出てきたイワークが今度は“いわおとし”でバタフリーを地面に叩き落とす。
「戻れ、バタフリー!」
既にイシツブテを倒した戦績があるし、これ以上の無理は禁物だ。バタフリーをモンスターボールに戻す。
「戻したか、さて次はどうする?」
どんなポケモンでもかかってこいと意気込みを感じる中、こちらはピカチュウを出す。バタフリーだけに良い格好はさせないと言わんばかりにヤル気を出してくれる。
「ピカチュウ、10まんボルト!!」
「な、地面タイプも持つイワークに電気技は効かないぞ!?」
そんな事は百も承知だ。ニビシティのトレーナーとバトルする傍ら、ジムの情報も集めてたんだよ!
「狙いはイワークじゃない!」
ピカチュウが放った“10まんボルト”がイワークの近くに落ちたバタフリーの“しびれごな”に着火!
「ま、まさか!イワーク地面に潜ーー「もう遅い!」ーーっ!?」
次の瞬間、大爆発がイワークを襲った。それによって巻き起こる衝撃と土煙が俺達に襲い掛かる。
「な、なんなのよ!一体!?」
「これって昨日のバトルでの…!」
それは観戦していたリーフとカスミにも伝わり、それぞれの反応を示す。ニビジムを攻略する為に俺達が考えた策が粉塵爆発だ。
昨日のリーフとのバトルでの爆発を見て、あれの規模を大きくさせ相手に直撃させれば大ダメージになると考えた。故に早朝のトレーニングで試して手応えを感じたので挑んだのだ。
バタフリーで、できる限り“しびれごな”をばら撒いてもらい、ピカチュウの“10まんボルト”で着火させての大爆発。“しびれごな”が素直に効けばそれで良し、効かなければ起爆剤にする……二段構えの戦法よ!
土煙が晴れると不意の大爆発で大ダメージを負ったイワークが苦しそうに倒れ伏している。戦闘不能間近って所だ…この機は逃さない!
「今だピカチュウ!勝負を決めーーーっ!?」
ピカチュウに指示しようとした、その瞬間いきなり体が重くなってしまい、驚きで声を出すことが出来なくなってしまった。
一体何事かと自分の体を見てみると、タケシさんと似たような顔をした子供達が俺の体にしがみついていた。
どうやらタケシさんの兄弟達の様で、タケシさんが負けそうになって居ても立ってもいられずに妨害に来たらしい……マジか。
リーフ達の時は来なかったのかと思えば、先程の大爆発なんて奇想天外な方法でズルいとの事……
「やめろお前達!確かに想像もつかない方法だが、キチンとポケモンの技を組み合わせた末の現象だ!彼は不正なんて行っていない!」
タケシさんが怒って説明するが、幼い彼等にとっては受け入れられないのだろう。そうこうしてたらイワークが起き上がってしまった……
「………戻れ、ピカチュウ」
どうすればいいと、オロオロするピカチュウに戻る様に言うと、困惑して首を傾げていた。良いさ、もうバトルどころじゃないし、次に文句の言われない勝ち方をすれば良い。
俺がそう言うと「ピッカ!」っと鳴き声をあげて戻ってくるピカチュウを連れて俺はニビジムを後にした。
去り際に隠れて見学していたムノーさんが「良いバトルだった、想像力豊かなのだな」と称賛の声をかけてくれたので、一応礼を言ってポケモンセンターに向かう。
ポケモンセンターで暫く待つと治療を終えたバタフリーが戻ってくるので、頭を下げる。せっかくお前が身体を張って頑張ってくれたのに、すまなかった。
「フリー!」
バタフリーは特に抗議する訳でもなく、俺の周りを飛び回る。……気にすんなって事か。
バタフリーに感謝すると、俺を追ってポケモンセンターにリーフと共に来たカスミがコレからどうするのか、と聞いてくる。うーむ、あの粉塵爆発戦法が使えないとなると今の俺達には打つ手がない。……ヒンバスを無理矢理戦わせる訳にはいかないからな。
ニビシティに着いた時に行った連絡でピカチュウは“なみのり”を覚えるとオーキド博士から聞いたが流石に一朝一夕では習得できない。
頭を抱えるとリーフから次のジムがあるハナダシティに向かわないかと提案がきた。ハナダジムは水タイプのジムなのでピカチュウが相性が良い。今は旅を続けて岩タイプに相性が良いポケモンをゲットして、別の機会に挑めば良いと……
「………それが一番かな」
途中で投げ出す様で悔しいが、打つ手のないバトルにピカチュウとバタフリーを放り込む訳にはいかない。此処は相性の良いジムに挑み、対抗策を見つけるとしよう。
何故かカスミがハナダシティに向かう事に猛反対して困惑すると、タケシさんがポケモンセンターに現れた。一体どうしたと思えば…なんとジムバッジを手渡してくれた。
「え…どうして?」
「あの試合、勝ったのはお前だ。弟達の邪魔がなければピカチュウの攻撃で俺は負けていた。確かにあの粉塵爆発には度肝を抜かれたが、ポケモンの技が組み合わさって起きた立派な作戦だ。相性の悪いポケモンしか居ない中で必死に策を考え実行したお前は、このバッジを受け取る資格がある。受け取ってくれ」
真剣な声でそう言ってくるタケシさん。そう言う事なら遠慮なく受け取らせてもらおう。
「グレーバッジ、ゲットだぜ!」
「ピ、ピカチュウ!」
「フリー!」
ピカチュウとバタフリーも嬉しそうにグレーバッジを見つめ、リーフも「おめでとう!」と称賛してくれる。
これで心置きなく次のジムに挑めると思えば、タケシさんがジム戦を台無しにしたお詫びがしたいと言ってきた。…うーむ、幼い子達がやった事だしバッジも貰えたから特に無い……あ!
「なら、コイツの育成についてアドバイスをください」
「ホーン!」
そう言って俺がモンスターボールから呼び出したのはゴツゴツとした皮膚にサイの様な見た目のポケモン……“サイホーン”だ。
「え、サイホーン!?サトシ、サイホーンなんてゲットしてたの?」
「あの粉塵爆発戦法の練習として早朝のトレーニングの時に見つけて、良い練習相手だと思ってバトルした後にゲットしたんだよ」
「そんなら、そのサイホーンをジム戦で出せば良かったじゃない」
「ゲットしたばかりのポケモンを行き当たりばったりで使う訳ないだろ。それに相手は岩タイプのスペシャリストだ……もうちょっと考えてくれ」
「はー!?何よその可哀想な人を見る目は!?」
沸点の低いカスミを他所に、岩タイプのスペシャリストであるタケシさんに岩タイプのサイホーンの育成法を聞けば、心良く引き受けてくれるタケシさん。
そうしてタケシさんがサイホーンについて色々と教えてくれた。サイホーンはサイドン、ドサイドンと2回進化できる様で、実物のドサイドンも見せてくれた。
ゴツくて強靭な身体をしておりメチャクチャ強そうで格好よく、俺のサイホーンも憧れの眼差しでドサイドンを見ている。因みに、このドサイドンはタケシさんの本気のポケモンだそうだ。
……しかしサイホーンか…確か誰かサイホーンについて教えてくれた様な気がするんだよな。確か、母親がサイホーンのレー…サー…だっけ?
そんな事を考えていると、ふとタケシさんが言葉を漏らす。
タケシさんはバトルより育成の方が好きなようで、将来世界一のポケモンブリーダーになるのが夢らしい。だが、ジムや幼い家族を捨てられないので旅に出られないのだという。
俺達にサイホーンの育成方法をレクチャーしている内に、抑えていた渇望が膨れてしまったのか……
何て声を掛ければ良いのかと考えていると、突然ムノーさんが現れる。一体どうしてと思っていると衝撃の真実!なんとムノーさんはタケシさん達の父親だったのだ!
「な、なんだと!?」
今日一番の衝撃である。
俺達が驚愕してる間に話は進み、これからはムノーさんがジムや家族の面倒を見るから夢を叶えてこいとタケシさんの背中を押している。
そんなムノーさんの言葉に甘えて、タケシさんもまた旅に出ることにしたようだ。俺に向かって「俺もお前の旅に付き合わせてくれ」と言ってきた。当然、断る理由も無いので心よく承諾する。
「ありがとう。後、これから共に旅をするんだ、敬語なんて堅苦しい事せず気安く呼び捨てにしてくれ」
「……分かった。これから宜しく、タケシ!」
そう笑みを浮かべてタケシと硬く握手する。
こうして一人と一匹で始めた旅に新しい仲間が加わった。
追記
次の行き先はハナダシティに決めたのだが、リーフも次のジムにハナダジムを決めていたので同行する様で、タケシにポケモンの育成法を色々と聞いている。一方でカスミだが、ハナダシティは嫌だと言うので、さよならバイバイしようとしたら…「こんな美少女と別れるとか嘘でしょ!?引き留めなさいよ!」と理不尽に怒り、何だかんだで付いてくる事になった。
・サトシ(転生者)
ニビジムに挑んだ。作戦はバタフリーの粉技にピカチュウの電気で粉塵爆発で爆破する。色々あったが,無事にバッチをゲット。
ジム前の調整でサイホーンをゲットした。
シゲルがジム戦にチアガール達を呼んでいた事に戦慄するが、コイツも未来でチアガールの格好した女の子にジム戦を応援してもらう。
・タケシ
アニポケのヒロインNo. 1。
アニメ通りにサトシと旅に出た。
・リーフ
サトシがどう攻略するのか気になって見学した。サトシと同じくハナダジムに挑むので同行する事に…
・カスミ
ハナダジムには行きたくないと、タダをこねるが、さよならバイバイされそうになったので、いやいや付いていく事に…
・サイホーンの子
母親がサイホーンレーサーで昔サトシと出会った子……いったい何処のセ○ナなんだー。
【ゲットしたポケモン】
・ピカチュウ
・バタフリー
・ヒンバス(色違い)
・サイホーン