サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!!   作:DestinyImpulse

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規格外なカビゴンと四天王カンナ

 

 ネーブル島のジムをクリアしてバッジを手に入れた翌日。

 俺達は次のジムがあるユズ島に向けて出発しザボン七島近辺に辿り着いた。

 

「ん?」

 

 休息の為にもザボン七島に上陸しようと近づくと巨大な何かが此方に迫って来ていた。一体なんだとよく見ると……

 

「カンビー!」

 

「な、何あれ?」

 

「か、カビゴンだ!?」

 

「うっそー!?」

 

「避けろ、ラプラス!」

 

 大食いポケモンのカビゴンが猛スピードで此方に泳いでくる、しかもバタフライでだ。余りに現実離れした光景に目を疑うがこのままでは激突するのでラプラスに回避させるとカビゴンは俺達に構うことなくザボン島の一つに急行した。

 

「か、カビゴンってあんなポケモンなの?」

 

「ち、違うよ!カビゴンは重量級ポケモン。あんな機敏にバタフライで海を泳げる筈がない!」

 

「何なの!?あのカビゴン!?」

 

 今の光景が信じられないのか大騒ぎするセレナ達。するとボートに乗ってザボン七島の係員と思わしき人達がやって来た。彼らの話を聞き整理すると、この時期に収穫するザボンを嗅ぎつけた野生のカビゴンが既に幾つかの島のザボンを平らげてしまい困っているそうだ。

 

「ザボン七島から他の島まで距離がある、あのカビゴンは長時間海を泳いで来たのか……自分で言ってて信じられないよ」

 

「だが、事実だ。相当凄いカビゴン……いいね、ゲットしたくなった!」

 

 リーフがワタルさんの元で強くなってるんだ、俺も負けてはいられない…!必ずゲットしてやるとカビゴンを追いかける。

 

「す、凄い食いっぷりね」

 

 島に辿り着くとカビゴンが凄い勢いでザボンを食い荒らしておりカスミが少し引いてた。確かに見ているだけで腹が膨れそうだ…

 

「悪いがそれ以上、ザボンを食い荒らさせる訳にはいかない。ガチゴラス、君に決めた!」

 

「ゴラア!!」

 

「カンビ…!」

 

 ゲットしてやるとガチゴラスを出せば雄たけびを島に轟かせるガチゴラス。それを喧しく思ったのか食べるのを止めて此方に敵意を向けるカビゴン。先手必勝と“こおりのキバ”で食い掛かるガチゴラスだったが軽やかなステップで攻撃を回避したカビゴンが“アームハンマー”で殴り返す。それによって地響きを上げて地面に叩きつけられるガチゴラス。

 

「ゴラア…!?」

 

「ああ、ガチゴラスが!?」

 

「あのカビゴン、ガチゴラスよりもレベルが高いわよ!」

 

「そうらしいな、ハッサム、オコリザル、頼む!」

 

「サム!」

 

「ブギイ!」

 

 進化して日が浅いとは言えガチゴラスを叩き伏せるカビゴンに一対一は不利とハッサムとオコリザルに助太刀を頼む。ハッサムがバレットバンチ”の連打を叩き込みオコリザルが“あばれる”で飛びかかる。

 

 二体によってタコ殴りにあうカビゴンも…これには流石に苦しいのか表情を歪めた。

 

「カンビ!!」

 

「サム!?」

 

「ブギィ!?」

 

 しかし”じたんだ”でハッサム達の攻撃を無理やり止めて、動きが止まった隙に両手を使った“アームハンマー”で二体を殴り飛ばす。戦闘不能にはなっていないがダメージがデカく苦しそうにしており、それを見たセレナ達は唖然としている。

 

 無論、俺もだ。

 このカビゴン、準決勝で戦ったジョーイさんのカビゴンよりも強い!

 

「ゴラァァア!」

 

 ピカチュウに任せようと思ったが殴られたガチゴラスが起き上がって”もろはのずつき”を放つ。“アームハンマー”で迎え撃とうとしたカビゴンだったが流石にガチゴラスの“もろはのずつぎ”の方が強く近くの岩石に叩きつけられる。

 

 これでどうだと思ったら、大きく息を乱しつつも、激突の衝撃で砕かれた岩石を押しのけてカビゴンが立ち上がる。

 

「ガチゴラスの“もろはのずつき”を喰らって立ち上がるなんて」

 

「泳いで島を渡る位だスタミナだって相当なものの筈!」

 

「でもあと少しよサトシ!」

 

「ああ、ピカチュウ!“でんじは”!」

 

「ピッカ!」

 

 今ので大きく消耗したのは間違いない。ピカチュウに”でんじは”を指示してカビゴンを麻痺にする。これで戦闘の消耗もあって満足に動けない。今がチャンスとモンスターボールを投げ、数度の揺れを起こしてポンっとゲットされた。

 

「カビゴン、ゲットだぜ!」

 

「ぴ、ピカチュウ!」

 

 いや~強敵だったと皆で安堵していると、戦闘の激しさから離れて見ていたザボン島の係員達が大喜びで俺達に感謝し、お礼と戦ってくれたポケモン達の休息の為に食事会を開いてくれた。

 

 有名なだけあって、名産のザボンの皮の砂糖漬けは滅茶苦茶美味く、セレナやカスミが目を輝かせ、カビゴンにボコボコにされたガチゴラス達も美味しそうに食べていた。

 しかし食事会の最後に、いつぞやのプリンが乱入し“うたう”で全員眠ってしまい落書きされてしまった。

 

 ん?あのプリンはどうやって此処に来たんだ?……まさか泳いで?

 

 それとカビゴンが食べた後のザボンの種が地面から実っており、より良いザボンの実る木になると係員達が喜んでいた。

 

 

 それから数日後にマンダリン島という島に寄ったのだが、滅茶苦茶バトルが盛んだった。

 正に目と目が合えばである...。まあ、売られた喧嘩は買うのが礼儀なのでガチゴラスとトゲチック、新人のピジョットで手当たり次第にボコボコにしていく。

 

 申し込まれたバトルを粗方片付けてガチゴラス達を労っている間にケンジがこの騒ぎの原因を調べてきてくれた。

 

 どうやら四天王のカンナさんがこの島へ講演会に来ているらしく、そのせいで一種のお祭り状態になっていた。

 

「こうしちゃいられないわ!カンナ様に会いに行きましょう!」

 

 と、カンナさんに憧れているカスミがテンションMaxでカンナさんのいる所へ行くと人混みが激しく、とても会えるような感じでは無かったので一旦様子を見ようと昼飯を食べに喫茶店に向かう。

 

「カスミってカンナさんの大ファンなんだね?」

 

「当然よ!強く美しい、水と氷のスペシャリスト!水系トレーナーとして憧れるわよ!」

 

「セキエイ大会でも滅茶苦茶、質問攻めしてたよな」

 

「え?もしかして会った事があるのかい!?」

 

 喫茶店で寛ぎつつも、話題はやはりカンナさんになるのでセキエイ大会で会った事を詰す。ついでに俺がシバ師匠の弟子な事もカスミが話したので滅茶苦茶驚かれた。

 

「因みにリーフはワタルさんの弟子でシゲルはキクコさんの弟子だ。他言無用で頼むぞ」

 

「………なんか凄い事を聞いちゃったような気が…」

 

「確かにカントーは四天王の枠が空いているけど、その穴埋め候補に選ばれるなんて、凄い事だよ!」

 

「そう言えばアンタ、カンナ様に弟子にならないかって誘われてたわね!」

 

 そうして話していると俺がカンナさんに弟子に誘われいた事を思い出してカスミが凄い剣幕になる。それを聞いたケンジとセレナがチャンピオンリーグが近いのに此処に来たのは俺を弟子にする為なんじゃないか、と言ってくる。

 

「おいおい、そんな訳がーー「あると言ったら」ーー……え?」

 

 呆れた様に二人に返す俺の言葉に合わせた人物……それは正に、今話題の四天王のカンナさんだった。

 

「久しぶりねサトシ君」

 

「お、お久しぶりですカンナさん」

 

 前触れもなく現れたカンナさんに俺達は言葉を失った。カスミは憧れの人が再び目の前に現れた事に、セレナにケンジは四天王と言うの上の存在を前にだ。

 

 しかも、セレナ達の言葉を肯定して、本当に俺を弟子にする為にオレンジ諸島に来たのかよ、フットワーク軽いな!

 

「てか、シバ師匠はどうしたんですか?」

 

 

 俺は一応シバ師匠の弟子でセキエイ大会の時にシバ師匠と揉めていたけど…確か続きはバトルで…おっかないのと、リーグの疲れで見ずに帰ったけど。それを聞くと俺のピカチュウを愛でながらカンナさんは清々しい笑顔で語る。

 

 あの後にワタルさんとキクコさんの監修の元でバトルが勃発した様だが。弟子を取られたくないシバ師匠と弟子にしたいカンナさんのガチンコバトルの結果はカンナさんの紙一重の勝利だったらしい。

 

「あんなに悔しそうなシバを見るのは初めてだったわ。と、言うわけでサトシ君、私の弟子になってくれる?」

 

「えぇ……」

 

 一応、俺を弟子にする事をシバ師匠に伝えたらしく、その事に関してシバ師匠は何も言わなかった、つまりは容認したという事だ。

 

 此処に来たのはオーキド博士に俺の居場所聞き、島育ちの経験から俺達の航路を予測したとのこと。因みにセレナとケンジは話に付いていけずに困惑し、カスミはシバ師匠の時のタケシの様に滅茶苦茶羨ましそうにしていた。

 

「まぁ貴方は義理高そうだし、いきなり弟子に…なんて言われても困惑するでしょう。だから見せてあげるわ、シバの極めた武とは違う、私の氷の技を……だからバトルしましょう」

 

 申し出は有り難いが師が二人居てもいいのか、と考えていた俺にカンナさんがバトルを提案する。どうやらバトルで自身の強みを見せる腹積もりらしい。まあ、弟子云々は置いといても四天王と戦えるチャンスを逃す訳はない。

 

「はい、是非お願いします!」

 

 臆する事なくそう言うとカンナさんは笑みを浮かべて立ち上がり近くのバトルフィールドまで案内してくれる。特に特徴もないスタンダードなバトルフィールド、フィールドで向かい合うと寒気がした…何だと思えば目の前に立つカンナさんは先程とは違う氷の様なプレッシャーを放っていたのだ。

 

 それは俺だけが感じている訳ではなく、カスミ達も緊張した様子で見ている。

 

「ピカチュウ、君に決めた!!」

 

「ピッカ!」

 

 俺はピカチュウを繰り出す、相性的にリザードンの方が良いかもしれないが、今回はパワーよりもテクニックを重視する事にした。気合十分とピカチュウは頬の電気袋をスパークさせる。

 

 それに対してカンナさんはバルシェンを出してきた。水・氷タイプのパルシェンが相手なら相性的にもいいだろう

 

「それでは…始め!」

 

ケンジがバトル開始の合図を出す。

 開始と同時にカンナさんがパルシェンに“からをやぶる”を指示する。攻撃、特攻、素早を二段階上げる最高クラスのバフ技だが、防御と特防を一段階下げるデメリットがある。

 

 それに対して此方は“でんこうせっか”からの“アイアンテール”で先手必勝を狙う。パルシェンが“からをやぶる”頃には懐に飛び込んで勢いを殺す事なく鋼の尻尾を叩きつける。

 

 防御が下がった状態で弱点技を喰らえば唯では済まない。

 

「……“でんこうせっか”の勢いを殺さない良い一撃、流石はシバの弟子ね。悪くないわ」

 

 しかし、その考えは甘かった。ピカチュウの一撃をパルシェンは容易く受け止めていた。如何に防御が硬くても防御が一段階下がった状態で弱点を受ければ多少なりともダメージはある。

 

「シェン!」

 

「………氷の鎧?」

 

「ピッカ…!?」

 

 しかし、パルシェンは何ともないと言わんばかりに余裕の笑みを浮かべている。その答えはパルシェンが全身にコーティングする様に惑わせた氷の鎧にあった。

 

「…凄い、ピカチュウの攻撃が当たる瞬間の前に全身に氷をコーティングさせるなんて…!」

 

「アレなら“からをやぶる”のデメリットも補える!流石はカンナ様!」

 

 カスミの言う通り、ピカチュウの“アイアンテール”を防いだ事からも強度も高い…一段階アップはあると見るべきだ。

 

「つまり実質デメリットなしか…ピカチュウ、“かげぶんしん”!!」

 

「大きなステータスの差を縮める良い手ね…でも甘い!パルシェン、“つららばり”よ!」

 

 影分身で的を絞らせない様にしたが、パルシェンが“つららばり”で次々と分身が消されて本体が絞られる。

 

「そこね…“こごえるかぜ”!!」

 

「シェン!!」

 

 そこにすかさず“こごえるかぜ”が放たれる。ピカチュウに迫る冷気の風、その中に冷気に作られた刃が混じり咄嗟に“アイアンテール”で迎撃したが、砕く事は叶わずに吹き飛ばされる。

 

「………純度が違い過ぎる…!」

 

 相性が良い筈の鋼技で砕けない氷……それ即ち、パルシェンが作る氷の純度がピカチュウの鋼を遥かに凌駕している事に他ならない。

 

「そのパルシェンの氷の鎧も“こごえるかぜ”の冷気コントロールで生み出したんですよね?」

 

「ええ、そうよ。器用でしょ?」

 

 器用で済まされる技じゃない。冷気をコントロールして実戦でも使える造形を生み出すなど上記を逸している…何処ぞの妖精魔導士じゃないんだぞ!

 

「磨けばこんな事もできるわ、パルシェン!」

 

「シェーン!」

 

「パルシェンから剣が生えた!?」

 

 カンナさんが笑みを浮かべた次の瞬間、パルシェンの氷の鎧から四つの剣が生えてくる。そのまま高速回転してピカチュウを切り刻もうとするので“でんこうせっか”と“アイアンテール”を使って受け身を取るが、焼け石に水だ。

 

 相手はシバ師匠と互角の勝負ができるのだ、俺達の未熟な格闘技能など通じる筈がない。ピカチュウの切り傷が増していく、“10まんボルト”を使いたいが氷の鎧を突破できずに技のスロットを使い切って終わりだ。

 

「ピカチュウ、地面を抉れ!」

 

「ピッ…ピッカ!」

 

 俺の指示にピカチュウが“アイアンテール”で地面を抉り土砂をパルシェンにぶつける。当然、パルシェンは高速回転して土砂を弾き飛ばす。

 

 だが、距離を置く隙はできる。

 “でんこうせっか”で距離を取り…再び“でんこうせっか”で突っ込む。

 

「そのまま“ボルテッカー”!!」

 

「ピカピカピカ!ピッカー!!」

 

 そして最大火力の“ボルテッカー”に繋げて勝負に出る。パルシェンの強固な氷を砕くには“ボルテッカー”しかない。コレが通じなきゃお終いだ。

 

「思い切りがいいわね。ならパルシェン!」

 

 それに対してパルシェンが冷気を操ってピカチュウとの間に何枚もの氷の壁を生み出す。多様過ぎるだろ…!しかし今更止まる事はできずに突っ込むしかなかった。

 

 雷撃を纏ったピカチュウが次々と氷壁を破壊してパルシェンに近づくが、氷壁を壊す度に“ボルテッカー”の勢いが失われていき…

 

「……遠いな」

 

「そんな事ないわ。可能性を感じる良い一撃よ」

 

 相手に到達した時には威力は落ちており、パルシェンの氷の鎧にヒビを入れるだけでパルシェン本体にはダメージが届いていなかった。

 

 “ボルテッカー”すら通じないなら俺達に勝ち目は無い……悔しいが潔く負けを認めよう。

 

「お疲れ様、ピカチュウ。……まだまだ遠いな」

 

「ピッカ…」

 

 ピカチュウも悔しそうにしつつも、手も足も出ない実力差に納得して矛を納める。セキエイ大会を経験してもまるで遠い領域…改めて四天王の厚みが良く分かる。

 

「…サトシが手も足も出ずに負けるなんて…」

 

「相手は四天王のカンナさんだ。幾らサトシでも遠い人だ」

 

「何だかんだでサトシもトレーナーになって一年も経ってないんだし…」

 

 セレナは俺が完敗した事に大層驚いているが、ケンジとカスミの言う通り俺はトレーナーになって一年も経っていないルーキーだ。頂点達との距離はまだまだ遠い。

 

「シバ師匠も言っていたが…コレが闇雲に技を撃つだけじゃ辿り着けない極地か…」

 

「その通り。技を身体に慣らし、練度を上げ、自由度を増やし、トレーナーの経験や思想で形を作る。これこそが、極地であり絶技となる。この、氷の造形こそが私とポケモン達が辿り着いた極地よ」

 

 シバ師匠の如何なるモノも打ち砕く、武を極めたモノとは違う。

 

 水と氷の如き自由性を持つカンナさんの絶技…

 

 

「それでサトシ君……返事はどうかしら?」

 

 返事…即ち、弟子になるかならないか…俺の答えば決まっておりピカチュウに視線を向けるとピカチュウもヤル気に満ちた目で頷く。

 

「こんなモノを見せられたら、答えは一つ……よろしくお願いします、“カンナ先生”!!」

 

「ピッカ!!」

 

「カンナ先生……ふふ、悪く無い響きね」

 

 俺達の言葉に笑みを浮かべて頷くカンナ先生。こうして、俺にもう一人の師ができたのだった。

 

 

 

 

 

 

「わ、私もー!!私もカンナ様の弟子になりた〜い!!」

 





・規格外なカビゴン

 ある種の特殊個体とも言える規格外のカビゴン。アニメ通りにゲットした。

・カンナ先生

 サトシの師匠ポジ・その2。
 これは最初から決めていた、因みにパルシェンはカンナが最初にゲットしたポケモンで、サトシのピカチュウポジ。

 氷で様々な物を造形するテクニシャン。

 元ネタはFAIRY TAILのグレイ・フルバスター



【ゲットしたポケモン】

・ピカチュウ

・バタフリー(離脱)

・ミロカロス(色違い)

・ドサイドン

・フシギダネ

・ リザードン

・カメール

・キングラー

・ゲンガー

・オコリザル

・親分ベトベトン

・ジバコイル

・ケンタロス

・ハッサム

・トゲチック

・ ガチゴラス

・ピジョット

・ラプラス

・カビゴン
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