サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!! 作:DestinyImpulse
後編です。
このssのオリジナル設定が登場する事をご理解ください。
「海の神…ルギア…」
唖然とするフルーラの口から漏れた言葉…それこそが目の前に現れた海の神と語り継がれる伝説のポケモンだ。フルーラも自らの島に代々伝わる伝説のポケモンを間近で見られるとは思わなかっただろう…目を大きく見開いている。
『久しいなホウオウ…古き友よ』
「ショォォォォ…」
かく言う俺もルギアに圧倒されていたがルギアから声が聞こえてきた。ミュウツーの同じテレパシーだ……てかホウオウの知り合いだったのか。
『…彼が今代の“勇者”。お前が選んだ“優れたる操り人”か…』
ホウオウと一通りに会話したルギアが俺に視線を向ける。どうやらホウオウが選んだ人間として興味を持ったらしい…
『ふ、相変わらずお前は人を見る目があるな。……名を聞いても良いか?』
「俺はサトシ。コイツは相棒のピカチュウとイーブイ」
「ピッカ!」
「イブイ!」
どうやらお眼鏡に適ったらしい。自己紹介をしつつ現状を確認する。どうやら三鳥が怒りに任せて暴れ、その影響は世界中に広まりつつあるらしい。
「だからホウオウも駆けつけたのか…」
『そうだ。私とホウオウなら彼等を無理矢理黙らせる事はできるだろう。しかし、それでは根本的な解決にはならない。三つの宝を祭壇に捧げて巫女の笛の音で初めて彼等の怒りは収まる』
まぁ、元を正せばジラルダンという身勝手な人間が引き起こした事だ…人間がケツを拭かなきゃ通りは通らないな。
「分かった!残る宝は一つ、直ぐに取りに行くよ!」
俺がそう言うとルギアも笑みを浮かべて頷く。その時だ海に沈められた三鳥が飛び出して俺達に攻撃してくる。
『頼んだぞサトシ、そして巫女よ。此処は私が食い止める』
そう言ってルギアが三鳥を迎え撃つべく飛び出していく。とは言え流石に一対三は厳しいのでホウオウにルギアの援護をお願いする。宝の場所はフルーラが居るので分かるし、リザードンが居るので飛んでいける。
「だから宝は俺達に任せてくれ!」
「ショォォォォ!」
俺の言葉に頷いたホウオウが俺達を降ろしてルギアの援護に向かう。やはり三対一は厳しい様でサンダーがルギアの背後を取って抜群の“ほうでん”を放とうとした所にホウオウの“ブレイブバード”が直撃して墜落していく。
「よし!行こう皆んな!」
「ええ!」
「ピッカ!」
「イブイ!」
これなら問題はないとリザードンを呼び出して皆んなで乗り込む。二人と二匹だがこれまでの修行の成果でバトルは兎も角、移動するだけなら問題ない程に飛ぶのに慣れたウチのリザードン。
「よし頼むリザードン!」
「グオオン!」
準備はオッケー、勢いよく飛び立つリザードン。後方を見ればルギアとホウオウのタッグに阻まれて三鳥は此方に攻撃できていない。
「キャッ!」
「大丈夫か?」
「ええ……世界が荒れている。くだらないと思っていたけど…伝説は本当だったんだわ…」
このまま行けると思ったが鳴り響く雷鳴に吹き荒れる突風。正に世界の破滅と言える程に荒れた天候を二人と二匹を乗せて飛ぶのはキツイ様で氷の島に着いた時にはリザードンもバテテしまった。
「お疲れ様リザードン。ゆっくり休んでくれ…ガチゴラス、君に決めた!」
「ゴラァス!!」
リザードンをボールに戻してガチゴラスを出す。ガチゴラスの巨体のパワーなら突風も、それによって木や岩が薙ぎ倒されて荒れた島を進むのも怖くない。
「このまま道沿いに真っ直ぐ進めば祭壇よサトシ君!」
「よっしゃ!進め、ガチゴラス!」
「ゴラス!!」
そのままガチゴラスの背に乗って氷の島を突き進んでいく。道中で突風や薙ぎ倒された木木が行手を阻むがガチゴラスのパワーで薙ぎ倒していく。
そうして突き進んでいくと遂に祭壇に辿り着く。氷の島だけあり凍りついて取り辛かったが無事に最後の宝を取る事に成功した。
これで後は本島の祭壇に捧げてフルーラに笛を吹いてもらうだけだ。と、思ったのも束の間ホウオウとルギアを抜けたファイヤーが俺達目掛けて“ブレイブバード”で突っ込んでくる。
「ゴラァス!!」
「ガチゴラス!!」
それを見たガチゴラスが“もろはのずつき”で受け止める。相性がガチゴラスの方が格段に有利で普通なら競り勝つのが当たり前だが、神と呼ばれるだけありファイヤーが次第にガチゴラスを押し込んでいく。
「ご、ゴラ…!」
「ピカチュウ、“ボルテッカー”!イーブイ、ブースターに進化して“フレアドライブ”だ!!」
「ピカピカピカ!ピッカー!!」
「イブイ!ブース!!」
このままでは不味いのでピカチュウに“ボルテッカー”を、イーブイをブースターに進化させて“フレアドライブ”を叩き込ませる。流石に技を繰り出してる最中に横から二つの大技を喰らえば一溜まりもなく壁に叩きつけられ瓦礫に埋もれるファイヤー。
『サトシ、巫女よ!宝は!』
「バッチリだ!」
ファイヤーを追いかけて来たのだろうルギアが駆けつけてくれて宝はと聞いてくるのでゲットしたと氷の宝玉を見せつける。
『よし、乗れ!』
「ああ!ガチゴラス、戻ってくれ。ピカチュウ、イーブイ!」
「ピッカ!」
「イブイ!」
ガチゴラスをボールに戻してピカチュウを肩にイーブイを頭に乗せて…
「フルーラ!」
「うん、サトシ君!」
フルーラの手を取ってルギアに乗り込む。俺達を乗せたルギアが上空を舞い宝を捧げる本島を目指す。サンダーとフリーザーはホウオウに抑えれており、このまま何事もなく辿り着く……
「っ、避けろルギア!」
『むっ!?』
その時だった。
雷の島で墜落していた飛行艇からサンダー達を捕獲した謎の捕獲装置が放たれ此方に迫る。ジラルダンの奴、この騒動に乗じてルギアを手に入れる腹積りか!
俺の声に反応したルギアがバリアを展開して捕獲装置を弾き飛ばす。それでも飛行艇から次々と飛んでくる捕獲装置…これじゃあキリがない。
「ショォォォォ!!」
その時だ、ホウオウが“ぼうふう”でサンダーとフリーザーを弾き飛ばして俺達に迫る捕獲装置に激突させた。それによってルギアではなく、サンダーとフリーザーを捕獲してしまい此方に余裕が生まれる。
「今だ!」
『ああ!』
「ショォォ!!」
ジラルダンを野放しにはできない。三鳥達の動きも封じ奴の対処に集中できるルギアとホウオウが飛空挺目掛けて必殺技を放つ。
ホウオウがミュウツーの時に見せた虹色に煌めく美しき絶対の炎…“せいなるほのお”を放ち。
ルギアは口元に凄まじい風を取り込み巨大な空気の渦へと集約させ、光線の様にして解き放つ…“エアロブラスト”を放つ。
伝説のポケモン二体にやる強力な一撃はジラルダンの飛空挺を木っ端微塵に吹き飛ばす。安否はどうだが分からないが、木っ端微塵にぶっ壊されればジラルダンも悪事は働けまい。
「アイツはこの騒動が終わった後に警察に引き渡そう……今は祭壇に宝を捧げるのが先決だ」
『うむ』
三鳥も動けない今が絶好のチャンスだと。本島に移動すると人間の言葉を喋るヤドキングが宝を祭壇にセットしろと喧しいが、その通りなので三つの宝を其々の位置にセットする。
三つの宝玉が眩い光を放ちフリーザーの影響で積もった雪を吹き飛ばしエメラルドグリーンに輝く美しい水が祭壇から流れて祭壇の真の姿へと変化させる。
「よし、フルーラ!」
「オッケー!任せて!」
これで後は笛を吹いてもらうだけであり、遂に出番だとフルーラがルギアの声に似た笛の音を奏でる。フルーラの笛の音に合わせて祭壇の柱が光り輝く…
歌が広がる度に嵐が止み、暗雲が消えて眩い太陽の光が海を照らす。そして祭壇の水が海から世界へと広がり……
「………終わった」
こうして世界の破滅は回避されたのだ。
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その後、俺達はホウオウとルギアによって破壊された飛行艇から、ボロボロになって気絶していた、今回の元凶であるジラルダンをふん縛って拘束した。コイツみたいに触れてはならない物に無闇に触れる馬鹿を野放しにしたら、また同じ事が繰り返されるからな…
「そう言えばホウオウとルギアは知り合いなんだよな?」
『ああ、ホウオウが世界中の空を飛び回り、私が世界中の海を泳ぎ回る。しかし私達とて生物、身を休める場所は必要不可欠…故に私とホウオウは昔…ある都で人と共に一時期暮らしていたのだ…』
丁度良いので、ホウオウとルギアの関係について聞いてみる事にした。世界中を移動すると言っても生物である以上、住処と言える場所は必要だ。そして住処は一つとは限らない。
このアーシア島の海域もルギアの住処の一つなのだろう、オーキド博士が前にホウオウもカントー地方にある“てんせいざん”と言う山で生息していた言い伝えがあると言っていた。
『その都には天にまで届く程の塔が二つあり片方に私が…もう片方にホウオウが住み、私達は都の人と共存していた』
「ショォォォ…」
語るルギアとホウオウが懐かしむ様に夕日の空を遠く見つめている…きっとその時を思い出しているのだろう…
『だが、災害によって二つの塔が火事となった。私が風と雨で炎を払った時には……既に塔は焼け果てていた。それを見た私達は悟ったよ、都を離れる時が来たのだと…』
「…………」
『都の者達は私達と守り神と崇め友好な関係を築いていた。しかし、私達の噂を聞きつけた悪き者達が我々や都を襲う事もあった……住処である二つの塔の消失を潮時と捉え私達は都を去った』
ジラルダンの様な悪人は昔にも存在していた……消えないものだな、欲深い悪人ってのは…
『お前はその時に火事で命を落とした三匹のポケモンを生き返らせたのだったなホウオウ。……彼等は元気か?』
「ショォォォォ…!」
旧友の様に話し合うルギアとホウオウ。
と言うか、この話って確実にオーキド博士が言っていたジョウト地方の伝説だよな。
「な、なんか私達…今、凄く歴史的価値のある話を聞いてない?」
フルーラも冷や汗を流して俺に同意を求めてくる。世界中の学者が血眼になって求める伝説の真相を、その伝説の当事者から聞いているのだ…とんでもない事である。
オーキド博士に言ったらマジで腰を抜かしそうだよな。リーフとシゲルの図鑑が捉えたミュウツーとホウオウのバトルの映像を出した時なんか興奮して高血圧になってナナミさんに怒られてたし…
そんな事を考えたいると旧友の話を終えたホウオウとルギアがこの場を去ると言ってきた。確かに、いつまでも伝説のポケモンが二体も留まっていれば注目を集まってしまう。
嵐も止んだ今、人も集まりそうだしな…
『では…さらばだサトシ、そして巫女よ。お前達二人の活躍で世界は救われた。…ありがとう、また会おう』
「ショォォォォ!!」
「ルギアとホウオウこそ、助けてくれてありがとう!元気でなー!!」
「ピカチュウ!」
「イブイ!」
そうしてホウオウが虹を描いて空に、ルギアが笛の音と共に海へと消えていき。今回の騒動は完全に幕を閉じた…
「いやーくだらない恒例行事だと思ったのが…世界を救う大冒険になるなんてね」
「全くだ…体もクタクタだし戻って休みたい」
リザードンやガチゴラスも休ませないといけないしな。そう思って戻ろうした時だ、突然フルーラに声を掛けられて何だと振り返ると…
チュッ!
俺の頬にフルーラの口づけが添えられた………え?
「ちゃ〜!」
「イブイ〜!」
突然の事に困惑する俺。ピカチュウとイーブイは野次馬の様に声を出し、口づけをしたフルーラはしてやったりと笑みを浮かべていた。
「世界を救った操り人様に報酬も無いんじゃ可哀想だから…私からのお礼よサトシ君!」
………世界を救った報酬が美人な巫女の口づけか、悪くはーー「サトシ?」ーー………っ!?
そんな事を考えてきた俺は背後から聞こえてきた声に悪感が全身を走り振り返る。
そこには俺達が心配で駆けつけてきたのだろうカスミ達が居た。しかし、フルーラが俺に口づけをした場面を見ていたのだろう。何故か目のハイライトが消えたカスミとセレナ…ケンジは二人のプレッシャーが怖いのだろう冷や汗を流して距離を取っていた。
「………泣けるぜ」
諦めを宿した俺の言葉が風に乗って海の彼方へと消えていった。
・海の神ルギア
海の神なのに水タイプじゃない伝説ポケモン。
本来だと三対一で色々と苦労していたがホウオウも居るので比較的に楽ができた。
優れたる操り人たるサトシについては好印象に捉えている。
・ジョウトの伝説
このSS独自のオリジナル設定。
ホウオウとルギアはジョウトの地方に語り継がれる伝説の当人であり昔は人間と共に都に住み交流していた。
しかし、当時の悪人に狙われる事も多く火事で済んでいた塔が焼け焦げた事をキッカケに都を去った。以来、ホウオウは空を駆け、ルギアは海を泳ぎ世界を巡る事になった。
なお、アーシア島はルギアが都に住む前に暮らしていた場所であり故にアーシア島の守り神として崇め畳まれた。
ホウオウとは盟友の間柄。
と言う訳でルギア爆誕でした。
ホウオウとルギアが盟友の間柄でジョウトの伝説の当人と言うオリジナル設定ですが、矛盾とかがあったらスミマセン。
もう少しでオレンジ諸島編も終わります。