サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!! 作:DestinyImpulse
ルギアの反響が良くてホッとしています。
オレンジ諸島編も残り僅かとなりました。
ルギアの映画を乗り越えて無事に旅を再開した俺達は遂にオレンジリーグの会場であるカンキツ島にたどり着いた。
のだが……
「いやー久々にカンキツ島に来たわねー!」
何故かフルーラも付いてきたのだ。
聞けば祭りも終えて暇なので、せっかくだから俺のオレンジリーグを観戦しようと思ったらしい。
「今のオレンジリーグはヘッドリーダーが変わってから一度も殿堂入りを許していないって、もっぱらの話だけどサトシ君なら絶対に勝てるわよ!」
「あ、ああ…サンキューな」
「「……………………」」
それは良いのだが…カスミとセレナが恐ろしくて堪らない。何も言わずにハイライトの消えた目で俺とフルーラをジッと見つめている。そのあまりの恐ろしさにケンジは距離を取るしピカチュウとイーブイは娘イーブイを連れてケンジの元に逃げる。
周りの住人達もソッと距離を取って俺達の前に立とうとはしていない。
「やーねお二人さん、そんな怖い顔して…それじゃ一緒に居るサトシ君にまで迷惑がかかるじゃない」
そんな二人のプレッシャーに臆するどころか笑みを浮かべるフルーラ。まぁ、確かに今のカスミとセレナを見たら受付の人も困るだろう…
「……………そうね」
「………ええ、リーグの出だしを崩したくないもの」
フルーラの言葉に一応の納得を見せた二人のプレッシャーが幾分か落ち着いていく。その事に安堵しつつオレンジリーグの受付に行って手に入れた四つのバッジを提出し出場権を手に入れる。
「試合は明日ね…ねぇ、試合はフルバトルだけど、どんなパーティーで戦うか決めてるの?」
「ああ、オレンジ諸島での旅の集大成だ。総力戦でいく」
試合は明日の午前中に行われる。フルーラが戦うパーティーについて聞いてくる。試合は六対六のフルバトル…ピカチュウやリザードンを含めた主力にオレンジ諸島での旅で育てたガチゴラス達を加えて戦う予定だ。
そう考えているとケンジがカンキツ島の至る所に設置されたカイリューの石像について質問を始める。実を言うと、この島に来る時にも遠くでカイリューが飛んでいるを見かけたのだ…
受付のおじさん曰く、カイリューはこの島の守り神として神聖視されておりヘッドリーダーもカイリュー使いで有名なのだと言う。
「そいつは好都合だ…リーフへのリベンジの良い予行練習になる。そうだろ、ピカチュウ?」
「ピッカ!」
現在リーフは二回戦を無事に勝利して三回戦へと進んでいる。カイリューもエースとして活躍しているし、ヘッドリーダーのカイリューともなれば強さは保証されているだろう……練習台にしてやるぜと笑みを浮かべればピカチュウもバチバチと戦意を高めていた…
「ははは!威勢のいいチャレンジャーだ、殿堂入りを目指して頑張っておくれ」
そんな俺達を微笑ましそうに見つつ受付のおじさんは最後に殿堂入りについて説明してくれた。曰く、ヘッドリーダーに勝利すると、殿堂入りとしてウィナーズパレスなる場所に、写真と手形が飾られるらしい。ただ、今のヘッドリーダーになってからは、まだウィナーズカップに勝利したチャレンジャーはまだいないようだ。…これはフルーラに先程聞いたな。
「なら、記念すべき最初の一人はサトシね!」
「イブイ!」
それを聞いたセレナが自信満々に俺の勝利を信じてイーブイも同意して笑みを浮かべる。そう言われれば必ず勝たないとな…まぁ、負ける気などサラサラないが。
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ホテルで体を休めて翌日、試合が行われるカンキツスタジアムは満席で大いに賑わっていた。どうやら、ウィナーズカップが行われるのはかなり久しぶりの事らしく島はお祭り騒ぎだ。
「島の人達は皆んなサトシが負けると思っているみたい…少しアウェーね」
「しょうがないよ、ヘッドリーダーであるユウジさんは強く島の皆んなに愛される人格者って話だし…この島の人達にとってはヒーローなんだよ」
セレナが島の人達がヘッドリーダーの応援一色でカイリューのバトルを見たがっている事に少し不満そうだが、ケンジの言う通り、ヘッドリーダーのユウジと言う人は島の人達に愛された人格者だ…島の人間が応援するのも至極真っ当だ。
「確かにヘッドリーダーはアーシア島でも有名だけど…私の操り人様だって負けてはないわよ!」
「……何が私のよ。ほら、そろそろ試合が始まるわよ」
そうこう話している内にバトルフィールドの準備が整った様でイーブイを預けてピカチュウと共にバトルフィールドに向かう。バトルフィールドに行くと、ヘッドリーダーのユウジさんが握手を求めてくる。
「オレンジリーグ、ウィナーズカップへようこそ…サトシ君。君のトレーナーとしての知恵とポケモンの力、見せて貰うよ」
「ええ、俺が貴方を倒した記念すべき一人になってみせますよ」
笑みを浮かべてそう言うとユウジさんも面白いと言った顔をし、互いに握手を交わす。その後、審判からバトルのルールが説明させれる。
ヘッドリーダーは交代禁止だが、チャレンジャーは交代オッケー。そしてどちらかのポケモンが三体戦闘不能になればフィールドがチェンジされる。
ルールを把握して其々指定の位置に立っていよいよ試合が始まる。最初のフィールドは岩と水のフィールドだ。
基本的には中央にある円形の水場の周囲を岩が立ち並び、陸上適性の無い水タイプのポケモンも有効的に使える悪くないフィールドである。
「私の最初はコイツだ!ゆけ、メタモン!!」
「モーン!」
ユウジさんが最初に出したポケモンはメタモン……見るのはイミテ以来だな、アイツらも元気にやってると良いが…
「相性もクソもないな…ピカチュウ頼む」
「ピッカー!」
相性も何も関係がないので此処はピカチュウに任せる事にした。審判によるバトル開始の合図が鳴り響く…
「ピカチュウ、“でんこうせっか”!」
「メタモン、“こうそくいどう”だ!」
それと同時にトレーナーの指示が両陣営から飛びピカチュウとメタモンが行動する。ピカチュウが“でんこうせっか”で突撃するが、メタモンが“こうそくいどう”でステータスを上げて回避する。
「続けて“アイアンテール”!地面を抉って飛ばせ!」
「ピッカ!」
しかし距離は近い。
“アイアンテール”で地面を抉って土砂をメタモンに飛ばす。しかし相手も一筋縄ではいかず“10まんボルト”で迎撃される。
「フィールドを上手く攻撃に転用したか…やるなサトシ君、流石はセキエイ大会の準優勝だ」
「ユウジさんこそ、メタモンは玄人向けって聞きますけど指示に迷いがない」
イミテが前に言ってたがメタモンは知識と経験が積み重なって初めて真価を発揮する玄人向けのポケモンだ。しかしユウジさんはメタモンに対する指示に一切の迷いがない…
お互いに軽口を挟みつつバトルに集中する。ユウジさんはメタモンに必中技の“スピードスター”を指示して星形のエネルギーを飛ばしてくる。“でんこうせっか”で回避するが必中技なので追尾してくる。
「回り込めメタモン!“十まんボルト”だ!」
そうして逃げていると逃げ道を看破したユウジさんの指示で回り込んだメタモンが“十まんボルト”を放ってくる。前方から“十まんボルト”が後方からは“スピードスター”が迫る。
「っ!ピカチュウ、“アイアンテール”で電撃を受け止めて薙ぎ払え!!」
「ピッ?ピッカー!!」
その時に咄嗟に浮かんだ閃きに逆らう事なくピカチュウに指示を飛ばす。ピカチュウも一瞬動揺したが、これ迄の付き合いで即座に行動に移す。迫る“十まんボルト”を“アイアンテール”で受け止め勢いに逆らう事なく身体を一回転…
すると…
「モーン!?」
「メタモン!?」
そのままメタモンに叩きつけて地面に激突させる。そして立て直す隙を与えずに“十まんボルト”で戦闘不能にする。先手をチャレンジャーが取った事に会場は騒めき出す。
どうやら実況によると、今までこのメタモンを攻略できない奴らも居たようだ。
「……咄嗟に放ったが今の一撃…いや、考えるのは後だな」
今の…
地面タイプを保有しピカチュウの電気は効かないが、技のスロットが一つ空いているし“なみのり”で勝負しても良いが…此処は他に譲ろう。
「戻れピカチュウ。ガチゴラス、君に決めた!!」
「ゴラァス!!」
ピカチュウを戻して繰り出したのはガチゴラス。前々から言っていたオレンジリーグのバトルに戦意剥き出しのガチゴラスの咆哮がバトルフィールドに響く。
観客達もその迫力に圧倒されているがユウジさんは「威勢のいいポケモンだな」と笑みを浮かべていた。
「ガチゴラス、“こおりのキバ”!!」
「イワーク、“ロックカット”!!」
ガチゴラスが氷の牙でイワークに喰い掛かるがイワークが自身の体を洗礼させて素早さを二段階上げて攻撃を回避する。
「ゴラァ!」
ガチゴラスが果敢に喰い掛かるが悉くが回避される。こりゃ素早さを重点的に鍛えてるな…。そうして攻撃を隙を突かれてイワークの“しめつける”でガチゴラスが締め付けられてしまう。
「イワーク!そのまま締め付けろ!」
イワークの硬い身体に締め付けられて苦しそうに声を漏らすガチゴラス。しかし、このままヤラれるのを待つだけではない!
「ガチゴラス、“りゅうのまい”で振り解け!」
「ゴラァス!!」
俺の声に目を見開いたガチゴラスがドラゴンエネルギーを放出して身体を動かしてイワークを振り解く。
「舞技を振り解きに!?」
「解き放て!“もろはのずつき”!!」
舞技をこんな様な使い方をするとは思わなかった様で驚愕する相手に向かって決め技の“もろはのずつき”を解き放つ。溢れ出るパワーを解き放ったガチゴラスがイワークに向けて突撃。
咄嗟に“まもる”で防御するがダメージは防げても衝撃迄は防げない。そのままバトルフィールドの中央にある水場に叩き込んだ。
大量の水を浴びて苦しそうにするイワークに間髪に入れずに“こおりのキバ”で喰らい付く。水で濡れた身体は冷気を受けて瞬時に凍りつきトドメの“アイアンテール”を叩き込めばイワークは戦闘不能になる。
「ゴラァァァァァァァ!!」
勝利の雄叫びをバトルフィールドに響かせるガチゴラス。
それに対して観客が動揺している。どうやらユウジさんが続けてポケモンを二体倒されるのは初の様だ。しかし当のユウジさんは特に気にした様子も無く「トレーナーの閃きと、それに対して即座に行動するポケモンとの高い信頼……素晴らしい」と、俺達を評価していた。
うーん、リーグと言ってもユウジさんは交代禁止のジム戦に近い感じだし…ユウジさんも本気だけど、あくまでもヘッドリーダーとして戦ってる感じだろう。
いつかはハンデ無しの本気で戦ってみたいな。
そうしてユウジさんが三体目に繰り出したのはゲンガーだ。ならば此方はとガチゴラスを戻してトゲキッスを繰り出す。
「ほう、トゲキッス…珍しいポケモンを繰り出したな。ならばゲンガー、“ちょうはつ”だ!」
珍しいと言いつつもトゲキッスの事を知っていた様で“ちょうはつ”で“でんじは”が封じられてしまう。
「だけど、“てんのめぐみ”が消えた訳じゃない!トゲキッス、“エアスラッシュ”!!」
「キース!!」
しかし、特性の“てんのめぐみ”が消えた訳ではない。怯みが六割の“エアスラッシュ”がゲンガーに迫る。六割と言う不安な確率に怯えたくは無いので“ヘドロばくだん”で迎撃するゲンガー。
「ゲンガー!“さいみんじゅつ”!」
「トゲキッス、“しんそく”で躱せ!」
催眠術で眠らせようとしてくるゲンガー。こっちは挑発で“しんぴのまもり”が使えないので“しんそく”で物理的に回避する。
「そのまま“つばめがえし”!」
“しんそく”のスピードを殺さぬ内に必中の“つばめがえし”でゲンガーに突撃させる。素早さはゲンガーが上でもコレなら避けられずに命中し吹き飛ばす。
そのまま体勢の崩したゲンガーに“エアスラッシュ”を叩き込む。特性で怯みが二倍になりゲンガーの動きが制限される。
「ゲンガー、“ゴーストダイブ”で逃げるんだ!」
しかし、麻痺が入っていないので辛うじて動けるゲンガーが“ゴーストダイブ”で影の世界へと逃げ…トゲキッスの後ろに現れて“ヘドロばくだん”を叩き込みトゲキッスが地面に叩きつけられる。
弱点の毒タイプの技を至近距離で無防備に喰らったトゲキッスの体力が大きく削られる。続けて喰らったら不味い…!
トドメと言わんばかりに“ヘドロばくだん”を放つゲンガーに対してコッチは“マジカルフレイム”放つ。毒がトゲキッスに、炎がゲンガーに直撃したバトルの結果は両者相打ちで終わった。
「トゲキッス、ゲンガー…戦闘不能。よって引き分け!」
審判の宣言がバトルフィールドに響く。コレでユウジさんが先に三体戦闘不能になったので五分間のインターバルが入る……
残り三体…ご自慢のカイリューも必ず倒してやるぜ!
・ついてきたフルーラ
祭りも終わり暇になったのでサトシのオレンジリーグを観戦する為についてきた。メタ的に言うと、オレンジ諸島編も残り数話で終わるので続投させた。
・ルールは交代禁止以外は公式戦と変わらない。
アニメだと10種類以上の技を使っていたが、ヘッドリーダーの交代禁止意外は特に特別ルールはなく普通の公式戦と変わらない。
所謂、ジム戦に近い形。
故にヘッドリーダーのユウジも本来の実力ではなくポケモンのレベルもグレードダウンしている。