サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!! 作:DestinyImpulse
前回、リーフの呼び名を【マサラの願い姫】にしましたが、
リーフがポケモンを出す時に、「お願い、〇〇」と言うので願い姫にしました。
分かり難かったらすみません。
謎のペンダントを持つ少女リコと冒険団のライジングボルテッカーズに出会ったリーフとトウコは彼女達の旅に一時的に同行する事を決意した。
リコのペンダントの謎を知るべく彼女の祖母が居ると思わしき古城を目指すのだが、その前にとある場所を訪れていた。
それは“ガラル鉱山”
ガラル地方の内陸部、エンジンシティとターフタウンの間に存在する巨大な鉱山だ
何故かと言えばロイの目的達成の為だ。
ライジングボルテッカーズには主に二つの目的がある。一つは【リコのペンダントの謎の究明】と【
ホウエン地方に伝わる伝説のポケモンである“てんくうポケモン・レックウザ”…その色違い。どれ程の価値があるかは語らずとも分かるだろう。
何故、黒いレックウザを求めているのかと言えばロイの願いだ。カントー地方の小さな島で暮らしていたロイは資材集めの為に島を訪れたライジングボルテッカーズと邂逅。そしてリコのペンダントを狙うエクスプローラーズにリコ諸共襲われる。
しかし、その時にリコのペンダントが光を放ち、それに共鳴したことでロイが祖父から貰った“いにしえのモンスターボール”が開き、中からは黒いレックウザが現れ、その場を去っていった。
そうしてロイはこのレックウザの後を追い駆けることを決意し、リコ達と共に世界へと旅に出る事になる。更に言えばリコのペンダントに反応した事からも何かしらの繋がりがあるのは間違いない。
その黒いレックウザの目撃情報がこのガラル鉱山で見つかったので急遽訪れる事になったのだ。
「ここがガラル鉱山……」
「壮観だな。探し甲斐がありそうだ」
「うんうん!黒いレックウザ……ワクワクするね!」
その大きさに全員が目を奪われる中、ロイはかつて黒いレックウザの入っていた古のモンスターボールを取り出した。因みに探索に来たのは、リコ、ロイ、フリード、トウコ、リーフの5人だ。
「トウコ、例え黒いレックウザを見つけても絶対にバトルを挑まないでよね。……ロイもだよ」
黒いレックウザに会えるかもと興奮しているトウコとロイだったが、そんな二人をリーフが真剣な面持ちで宥める。これまでに複数の伝説のポケモンと関わってきたリーフ。
彼女は今でも忘れない。
ミュウツーの圧倒的な強さを…そして、そんなミュウツーを圧倒したホウオウを……。
黒いレックウザがどれ程の存在かは分からないが、少なくともセキエイ大会でサトシが倒したジョーイさんのラティアスは確実に超えており、ミュウツークラスの強さを持っていても不思議ではない。
ポケモントレーナーとして黒いレックウザに興味はあるが、ゲットの欲に駆られて下手にバトルを仕掛けて怒らせてしまえば最悪ガラル鉱山が崩壊してしまうかもしれない。
故にバトルジャンキーなトウコと黒いレックウザに並々ならぬ渇望を持っているロイに釘を刺しているのだ。
「今の私達じゃ…黒いレックウザと戦って万に一つの勝ち目が有るかも分からないんだから」
「そうだな。ガラル鉱山には俺達以外にも炭鉱夫や観光客など…人も居るだろう。下手に黒いレックウザを怒らせて鉱山が崩壊でもしたら目も当てられない、慎重に行こう」
そんなリーフの忠告にフリードも大人として同意する。ガラル鉱山はその名の通りに鉱石や石炭などが多く眠っており炭鉱夫が発掘作業を行ったり、観光客が洞窟探検に挑んだり、エンジンシティとターフタウンの間に存在する故に単純な通り道として使っている人も居る。
もしも黒いレックウザが居たとしてゲットの為にバトルを挑んで怒らせて鉱山に致命的なダメージを与えて仕舞えば多くの人に被害が降り注ぐ。
「分かってるわよ」
「…………うん」
故に見つけても、慎重なコンタクトを取るだけだと方針を決めるフリードにバトルジャンキーでも常識は持っているトウコは素直に了承し、ロイも複雑だけど頷いた。
「ミー」
その時だ。
リコのフードに納まっていた小さなポケモンが反応を示す、“おだやかポケモン”のミブリムだ。このガラル鉱山に向かう道中に出会い紆余曲折あってリコにゲットされたのだ。
その新しい仲間のミブリムが体をブルブル振るわせ始める。
「ミブリム?どうしたの?」
「あ、もしかして、僕の強い気持ちに反応しちゃった?」
「んー、それなら鉱山に来る道中で反応したでしょ?」
ロイはガラル鉱山に到着するまでの間もレックウザに会えるかもしれない、そう考え常に興奮を隠せていない様子だった。しかし、その程度はエスパータイプのミブリムでなくともトウコ達も感じ取れる。今更、こうなるのは明らかにおかしい。
「じゃあ……」
「レックウザの気持ち?」
「……何にしても行って確かめないと」
「そうだな。ここからは気を引き締めて進むぞ」
情報が不足している為、まだ正確な答えは出せないが中に進み調査を進めれば見えてくる答えもある筈だ。そう信じてリーフ達はガラル鉱山内部へと足を進めていく。
内部は作業している人々によって整備され明るく一同はトンネルをトロッコの線路沿いに進んでいく。リコとロイは鉱山という初めて訪れる場所を興味深そうに見ながら歩いていた。
「………ねぇ、気づいた?」
「………うん」
「ああ、妙だな」
一方でトウコ、リーフ、フリードは何かに気づく。
ここに来るまでの間にトロッゴン、モグリュー、ディグダといった、鉱山のポケモンたちと遭遇したのだがその全てが、此方の反応も示さず我先にと足早に去ってしまう。
「作業員もいて人に慣れててもおかしくない筈なんだが……」
「まるで何かから逃げているみたい……」
この先に何かがある。いや、何かがいるのが正解かもしれない。そう判断し、一同は警戒を強めながらトンネルを進んでいく。
暫く進むと今までと違い、大きく開けた場所へと到達する。その周り一面にはキラキラと宝石の様に光る鉱石によって埋め尽くされていた。
「なるほど……レックウザがここに来たのはその生態に関係があるのかもしれないぞ」
フリードによるとレックウザは空に浮かぶ塵や地球に落ちてきた隕石を食べると言われているポケモンだ。故に特別な力を持つガラルの鉱石にも興味を持ったと考えればここに来たことにも説明がつく。
「詳しいんだねフリード?」
「一応はポケモン博士の資格を持ってるからな。まぁ、オーキド博士なんて超一流が身近にいるリーフに言うのも恥ずかしいが…」
フリードはライジングボルテッカーズのリーダーであると同時にポケモン博士でもありポケモンの生態に精通している。
「リーフが見せてくれたホウオウやエンテイのデータは実に参考になった、ありがとな」
「だってさリーフ……あれ?」
黒いレックウザを追うのはフリードの研究者としての探究心も関係しているだろうと思ったトウコはフリードがリーフに向けた感謝の言葉に返事がない事に気づいて振り返ればリコとロイ…そしてリーフの姿はなかった。
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「もう!慎重に行こうって言ったでしょ二人とも!」
「「ご、ごめんなさい」」
一方で鉱山の奥深くでは、激昂するリーフにリコとロイはタジタジになっていた。フリードがレックウザについて説明している時、付近を移動するポケモンに夢中になったニャオハとホゲータを追いかけたリコとロイを慌てて追いかけたリーフだったが気がつけば迷子になっていたのだ。
コレには温厚なリーフも怒りを露わにしリコとロイも誤るしかない。
何はともかくフリードとトウコと合流するのが先決だ。通信機でトウコと連絡をしようとした時だ、リコ達が何かを発見する。
「ハハ…」
「ダン…」
「ドコ…」
「あ、コロモリとダンゴロ…!」
「もう一体はドッコラーだね」
其処には小さな穴に蹲って震えているコロモリとダンゴロにドッコラーが居た。何かに怯えている様で震えている…そんな三体を見てリコはマードック特製のクッキーを差し出す。
「おいしいよ…!」
「ドコ…?」
最初は警戒していたがリコの優しい笑みとクッキーの美味しそうな匂いを嗅いで徐にクッキーを手に取って食べていると、その美味しさに笑みを浮かべて警戒を解いてくれた。
そうして皆でこの場に留まりつつクッキーを食べる事になるドッコラー達もリーフ達に心を開いてくれた様で和やかな空気が漂う…そんな時だ、鉱山の奥から“何かの鳴き声”が響いてきた。
「なに!?」
「もしかして…レックウザ!?」
「……近いね」
その声にリーフ達が身構えドッコラーとダンゴロが元いた穴に慌てて逃げる中でコロモリが思い出し様にリーフ達に何かを伝えて何処かへと飛び去ってしまう。
「あれは……」
コロモリを追いかけて進んだ先はひらけた広場であり、辺りを見回すとそこには大型のテントが張られているのを発見する。何か情報が得られると思い近づくとそこから鉱山の作業員と思われる男性数名とポケモン達が倒れていた。
「っ、大丈夫ですか…一体何が?」
「……う、うう……今朝、巨大なポケモンが現れて……何だか気力が…」
「巨大なポケモン…」
「もしかしてレックウザ!?」
慌ててリーフが駆け寄り刺激しない様に静かに炭鉱夫に事情を確認する。巨大なポケモンのワードにリコとロイはレックウザではと考えるが…
「………それは、細長い体のドラゴンタイプのポケモンですか?」
「…いや…翼を生やした…鳥のポケモンだった筈……突然の事で断言はできないが……」
しかし炭鉱夫が言うにはドラゴンタイプのポケモンではなく翼を生やした鳥ポケモンだと言う…何にせよ炭鉱夫達をこのままにはできない。キャンプに備えてあった連絡機でポケモンセンターに通達する事に…
「ポケモンセンターに連絡しました。ジョーイさんが入口に向かっているそうです」
「い、色々ありがとう……君達も気をつけてくれ」
ジョーイさんが鉱山の入り口に向かって来てくれるので炭鉱夫達をトロッコに乗せて入り口に向かわせる事にした。元気なコロモリが付き添ってくれるので大事はないだろう。
「どうやらレックウザじゃない何かが居るみたい…」
「早く、フリードとトウコさんに合流しよう!」
この鉱山にはレックウザ以外の何かが居る…一刻も早くフリード達と合流しようと動き出した3人の前に…
「お久しぶり」
「っ!?」
二人組の男女が立ちはだかる。
どう見ても好意的ではなくモンスターボールを構えており、何よりも男女を見たリコとロイが息を飲んでいることからリーフが二人を庇う様に前に出る。
「………何か様ですか?」
「新顔かい?アンタに用は何だよ」
「俺達の目的は、そいつが持つペンダント……邪魔立ては許さん」
モヒカンヘヤーの男のジルの睨みにリコは無意識に首にぶら下げたペンダントを服越しに握り締め、それを見たジルと髪色がグレーの女性のコニアは目標が目の前にある事に笑みを浮かべてポケモンを繰り出す。
ジルがサイドンを、コニアがゴルダックを繰り出す。
「リコ、ロイ……私から離れないで」
「で、でもリーフさん!」
「相手は二人なんだよ!」
「大丈夫。こう言うアクシデントは慣れっこだから。お願い…ニドキング!!」
「ニドー!!」
それに対してリーフはリコとロイを下がらせてニドキングを繰り出す。二対一の状況で自分達も助太刀するとロイは言うが、カントーで様々なアクシデントを乗り越えたリーフからすれば大した事はない。
「随分な自信だね!ゴルダック、“みずのはどう”!!」
「後悔させてやれ!サイドン、“ロックブラスト”!!」
そんなリーフの自信を後悔させてやるとコニアとジルが、“みずのはどう”と“ロックブラスト”をニドキング目掛けて放つが……
「ニドキング、“なみのり”!!
ニドキングの“なみのり”に呆気なく飲み込まれて大ダメージを負い…
「そのまま、“メガトンパンチ”!!」
「ニッドー!!」
そのまま勢いに任せて両腕に“メガトンパンチ”を展開。ラリアットの容量でゴルダックとサイドンを叩きのめして戦闘不能にする。
正に瞬殺。その光景にコニアとジルは勿論の事、リコとロイもリーフの強さに唖然としていた。
「ありがとうニドキング……どうする続けーー「グオォ〜!」ーーっ、なに?」
実力の差を見せたのでジルとコニアを追い返そうとしたリーフだったが突如として響いてきた雄叫びに身構える。その時だ、近くの谷底から赤黒い炎が立ち上り……
「グオォ〜!」
一体の巨大なポケモンがその姿を表す。
そのポケモンは赤黒く燃え盛る炎のようなものに身を包んだ非常に禍々しい姿をした鳥の様な姿をしたポケモンだ。
「レックウザじゃない……何だ?」
「共鳴…?」
その光景に一同は困惑する。
ロイは求めていたレックウザではない事に…リコは自身が持つペンダントが謎のポケモンと共鳴する様に光っている事に…
「……… ファイヤー…?」
そしてリーフが目の前のポケモンがカントーに伝わる伝説のポケモン、ファイヤーに似ている事に困惑していた。しかし形状こそ似ているが、あまりにも禍々しいと言わざるを得ない。咄嗟にポケモン図鑑で調べたが『データなし 謎のポケモン』…と表示されて全容が分からない。
色違いか特殊個体…様々な憶測が脳裏を過るが…
(……強い)
一つだけ分かる事は目の前のポケモンのプレッシャーはミュウツーやホウオウとはいかなくても、サトシのヒトカゲの時に出会ったエンテイを想起させる。
ファイヤーに近しい見た目からしても間違いなく伝説のポケモンと捉えていい。
「見てロイ!」
「あ、いにしえのモンスターボール!?」
険しい表情でリーフが思考する傍らでリコとロイが何かに気づく、謎のポケモンの足には黒いレックウザが入っていたと聞く【いにしえのモンスターボール】が挟まっていたのだ…
リーフとトウコはライジングボルテッカーズに加わり黒いレックウザの話の中で、とある古のトレーナーの話を聞かされる。
その名は【ルシアス】
今から約百年前に実在したとされる古のポケモントレーナーで、彼が所持していた六体のポケモンをリコ達は【六英雄】と呼称していた。
ルシアスこそが“いにしえのモンスターボール”の所持者であり、黒いレックウザは彼の相棒だと言う。更にリコ達はパルデア地方で、“いにしえのモンスターボール”を持つ、親分個体の“オリーヴァ”というポケモンと出会い仲間に加えた。
「て事はコイツもルシアスのポケモン!」
ロイが言葉を口にした次の瞬間、謎のポケモンは“エアスラッシュ”を前方に放ち攻撃を開始する。とは言え間違いなく攻撃してくると読んでいたリーフは即座にニドキングに“10まんボルト”を指示して迎撃する。
コニアとジルも当然、襲われるが二人のポケモンはリーフに倒されてどうにもならないので慌てて、この場から撤退する。
「グオォォ〜!!」
徹底した二人など眼中に無く、雄叫びと共に謎のポケモンは両翼を大きく広げて烈火の如き邪悪なオーラを放ち始める。
「っ、みんなニドキングの後ろに!ニドキング、“まもる”!!」
迫ってくるオーラから嫌な予感を感じるリーフはニドキングに“まもる”を指示してリコ達と共にニドキングの後ろに隠れる。先程の話から炭鉱夫達を襲ったのは目の前のポケモンで間違いない、恐らく彼等から気力を奪った技だと理解したが範囲が広く躱すことは出来そうにない故の行動だ。
「っ…ニドキング、大丈夫?」
「ニド!」
オーラが自分達を過ぎた後、リーフは身体が少し重くなるのを感じていた。やはり今のが気力を奪う技の様で“まもる”でも完全には防げなかったがバトルに支障はない。
「あ…力が…」
「私も…」
しかしリコとロイは身体から力が抜けた様に膝を付いており二人のポケモン達も同様だ。リーフの様に普段からポケモンバトルの特訓で体力や気力が高まっている訳でもない二人には荷が重かった様だ。
実際リーフも直撃すれば戦闘不能になっていただろう。これがサトシなら「その程度のパワーでこの俺の気力を奪う事はできぬぅ!!」とピンピンしてイレイザーキャノン(仮)を叩き込んでいた筈だ。
「ふふ」
その光景が目を浮かび思わずリーフは笑みを浮かべてしまうと同時に若干の寂しさを感じていた。
「リーフさん…?」
「ニドキング、二人をお願い」
「ニド」
そんなリーフの姿にリコは困惑の声をあげる。今は正に絶対絶命なのにリーフには怯えが無かった。そんなリコを尻目にリーフはニドキングに動けない二人を任せて謎のポケモンへと歩を進める。
「グオォ…」
「………どうしてそんなに怒ってるの?」
そんなリーフを訝しむ様に睨んでいた謎のポケモン。リーフは彼が何か強い怒りを抱いているのを感じていた。ポケモンも心を持つ生き物…理由もなく怒り狂ったりはしない。
「アナタが怒っている理由を私が知らない以上…やる事は一つ!」
しかし謎のポケモンは答える筈もなく敵意を向ける。ならばやる事は一つとリーフはモンスターボールを構える。思い出すのはサトシがトレーナーに捨てられたゲンガーを諌めた時……怒り狂ったゲンガーをサトシは受け止め心を通わせた。
「アナタの怒り……私達が受け止めてあげる!!」
「っ、グオオオオオオオーー!!!」
強い意志を宿したリーフに謎のポケモンは一瞬、誰かを重ねた様に目を見開くのも束の間、激昂の雄叫びを上げる。
六英雄・ガラルファイヤーが勝負を仕掛けてきた!!