「おはようさーんのおおごえと~、きらきらきら~のおひさまと~」
フルーツの缶詰をパカンと開けシロップを切る。バナナをちぎって、牛乳を計量カップできっちり量る。
「それにゆ~べのこわいゆめ~みんなミキサーにぶちこんで~」
最後に、氷と蜂蜜を少々。
全部まとめてミキサーにぶちこんだら、スイッチオン!
「あーさーはー」
ぶおんぶおんと唸るミキサーに負けじと元気よく歌いながら作るのは、そう──
「みっくすじゅーす、みっくすじゅーす、みっくすじゅぅ~すぅ~」
朝の定番、ミックスジュースだ。
今や大人気アイドルであるお姉ちゃんは、学業に仕事にと毎日大忙し。
せめて家事くらいは代わりにやって、負担を少しでも減らしてあげたい。
それに、こうやってコツコツ好感度を稼いでいくのが後々ボディーブローのように効いてくるのだ。同居のメリットをどんどん活かしていかないとね。
まぁ、本音を言えば、居候の身で家事くらいはしないと気まずいってのもあるんだけど……。
生活費は払うって言ったのに、お姉ちゃん頑なに受け取らないんだもんなぁ。
「こいつをググッと──」
「……おはよう初華」
がちゃり、と廊下の扉が開いてお姉ちゃんがリビングにやって来た。
同時にあたしの歌も止まる。
「おっはよ~。朝ご飯出来てるよ、座って座って!」
「うん……」
寝ぼけ眼のまま、素直にとすんと椅子に座るお姉ちゃん。
さすがにトップアイドルとはいえ、朝からアイドル魂全開とはいかないらしい。
可愛いなぁもう!
そうこうしているうちに、ミキサーの騒音が徐々に収まってくる。中を見ると、固形物が液状になり、綺麗なクリーム色のジュースが出来上がっていた。
「かんせーい」
さっそくグラスに注いでテーブルの上にお届け。
もちろんこれだけじゃない。ちゃんとメインディッシュも用意してある。
キッチンに戻ったあたしは、大きめの袋をむんずと掴んで持ってきた。
「はい! どーん!」
「えぇと、これ……」
「やっぱり朝と言えばこれだよね。コーンフレーク! 砂糖がけのいっちばん甘いやつ!」
テーブルに鎮座したパッケージ。そこに描かれたトラのキャラクターのポーズに合わせて、あたしもびしっとグーサインを決める。
あと必要なのは、お皿と、牛乳と……。
あれやこれやと忙しなく動き回ってから、ようやくあたしも席についてふぅと一段落。
「いただきまーす。ほら、お姉ちゃんも食べて食べて」
自分のぶんのフレークをじゃらじゃら入れ終えてお姉ちゃんに袋を渡すと、お姉ちゃんがよそったのは、皿の底が見えるくらいにちょろっとだけ。
えぇ……絶対にお腹空くと思うけどなぁ……もしかすると、体型管理のために食べないようにしてるのかもしれない。
お姉ちゃんは「いただきます」と手を合わせた後、フレークをちびちび食べながら恐る恐る口を開いた。
「……これから毎日、初華がご飯を用意してくれるの?」
「うーん。出来るだけそうしたいと思ってるんだけど、あたしもなんだかんだで忙しいからなぁ……あっちの家と行ったり来たりすることになると思うし」
今朝だって、本当はネットで見た完璧な朝ご飯を作るつもりだったんだけど……時間とスキルがね、ちょっとね。
「ぜんぜん無理しなくていいからね。私も手伝うよ」
「えー、でもなー」
「ほ、ほら。私、仕事で家にいる時間が決まってないから、作ってもらっても冷めちゃうの申し訳ないし……。むしろ、帰りにテイクアウトしてくるよ」
「まぁ、その方がいいかもねぇ……」
言われてみて、たしかにと思った。
実際、キッチンの使用感を見るに頻繁に自炊しているような感じではなかったし、外で食べてきたり買ってきたりすることが多いのだろう。
それに、芸能人にはケータリング? っていうのがあるんだっけ。下手にあたしが自炊するよりも、持って帰ってきてもらったほうがよほど節約になるのかもしれない。
「じゃあ、そこは臨機応変にってことで」
「そうだね。……ごちそうさま」
「ごちそうさま~」
ぱちんと手を合わせ、食器を軽く洗ってから食洗器へ。のんびりしている時間は意外とない。
今日は平日で学校がある。つまり、私にとっては新しい学校の初登校の日となるわけで。学校側からも早めに来るようにと言われている。
「じゃあお姉ちゃんおっさき~。いってきま~す!」
「いってらっしゃい」
ばたばたと支度をして家を飛び出す。
のんきに電車を待っていたら、やってきたのはすでにサラリーマンをこれでもかと満載した鉄の塊。
え、これに乗るの? 物理的に隙間なくない?
……乗るしかないんですよね、はい。あ、後ろから押さないでください。
押して押されて満員電車。ぎゅうぎゅう詰めの車内でなんとかパーソナルスペースを確保しながら、扉が開くたびにホームに吐き戻され、新宿乗り換えで迷いかけ、また満員電車に乗り、おりますおりますと人をかき分けた末に、やっとこさ目的の駅にたどり着くことができた。
……東京、やばい。ナメてた。これからは自転車通学にしよう。ってか絶対する。じゃなきゃムリ(なお、この数十分後に中等部は自転車通学禁止と知る。どういう校則?)。
乱れた服を整え、気を取り直して改札を抜ける。
通学路には、同じ学校らしき女子たちの姿がちらほらと確認できた。
中高一貫の女子校で制服はなく自由──ということなのだが、見かける生徒たちはなんちゃって制服みたいな服装が多い。校章さえ隠せば前の学校の制服でもいいということだったので、とりあえず様子見で無難に制服を着てきたが、これなら浮くこともなさそうだ。自由にしては服装の縛りも厳しいし、大方こんな系統の服装に落ち着くもんなんだろう。
しばらく歩くと、徐々に学校の姿が見えてくる。
人工芝の校庭、フェンスに囲われたテニスコート、ビニールハウスのある広い畑……。
そして、その奥に聳える前面がガラス張りになっている巨大な校舎。
都会の私立中学なら当たり前のことなのかもしれないけど、やはり前の中学とは何もかもが違った。
敷地面積的にはたぶん同じくらい?
でも、校庭ばかりがだだっ広くて中身がスカスカな島の中学とは違って、こちらは中身がぱんぱんに詰まっている感じだ。
ここに転入できたのはラッキーだったな、と思う。
何故かはわからないが、ちょうど三年生だけ募集があったのだ。
ずっと前から、通うならおしゃれな女子校だと思ってたんだよね。
別に校風とかには興味ないんだけど……なんだっけ、面接のとき言われた──「
正面玄関を抜け、職員室に入る。担任の先生に挨拶しもろもろの説明を受けたのち、まずは毎朝の礼拝があるということで講堂に案内された。
毎朝全校生徒が集まるという広い講堂には、もうすでに生徒が隙間なく座っている。「はい」と聖書を手渡され、空いている一番後ろの列──先生用の席──に座るよう促された。そのまま、担任の先生もあたしの隣に座る。おそらくは、サポート役ということなのだろう。
ほどなくして礼拝が始まった。左手奥の荘厳なパイプオルガンの前奏からスタートして、聖書朗読、生徒の発表、讃美歌を歌いながらの献金……。
なるほど、これが毎朝か。……ちょっと面倒かも。
礼拝が終わり、生徒たちがぞろぞろと退場していく。少し遅れて、あたしも担任の先生の背中について教室へと向かった。
緊張は特にない。
正直、あたし的にベストな選択はお姉ちゃんと同じ花咲川に通うことだった。ここはしょせん次善のプラン。もしお母さんとお姉ちゃんが和解すれば高校は変えるつもりだし、そんなに長く付き合う予定の相手じゃない。
教室のドアは開け放たれていて、生徒たちのかしましいおしゃべりの声が廊下にまで漏れている。
足を踏み入れると、ざわっと半分くらいの生徒がどよめいた。「えっ」「ウソでしょ」「マジ?」という空気がさざ波のように広がる中、先生が名前を告げたのがとどめになって、黄色い悲鳴が上がる。
すぐに注意が飛んで静かになったけど、沸々とざわめきは残ったまま。
これなら入る前に一度説明してもらったほうがよかったかもしれない。ちやほやされること自体は悪い気しないけど、勘違いでがっかりされるのもなぁ。
「はじめまして、三角初華です。えーと、みなさんの期待を裏切るようで申し訳ないんですが──」
苦笑いしつつ、事情を説明する。
あたしは初華であって初華でないこと。お姉ちゃんがあたしの名前で芸能活動をしていること。あたしの存在をあまり広めないでほしいこと。
「──なので、あたしのことは是非、苗字のほうで呼んでください。色々とお願いが多くてすみません。これからよろしくお願いします」
ぱちぱちぱちと控えめな拍手。
これで当分は大丈夫かな。
根は真面目そうな子が多いし、そんなやたらめった噂が拡散することはないだろう。
明言したわけではないけれど、事務所のことも持ち出して若干脅しもかけた。初華が芸名であることが広まるにはまだ時間がかかるはずだ。
そもそも、先に広まる可能性が高いのはお姉ちゃんの学校のほうなんだけどね。
偽名であるという情報より、実際の本名の情報のほうが確実にインパクトがあるわけで。
むしろ、なんで今までバレていないのか不思議ではある。
……まぁ意外とそんなもんなのかな。芸能人とかの本名って意外と表に出てこないし。
指定された席に座る。隣の子と小さく会釈を交わす。わたわたと準備をしていたら、こそっと一時間目の科目を教えてくれた。お礼を言って、新品のテキストを開く。
チャイムが鳴り、先生が教室に入ると授業が始まった。
◇◇◇
結論から言うと、授業のレベルは想定の三倍くらい高かった。
先生が黒板に書くスピードも、説明の密度も、島ののんびりした授業とは別次元。
グループワークのときなんかは生徒たちも相応にはしゃいでいたけど、先生が話し始めると一斉に静かになるのが印象的だった。
とはいえ、そこはまだまだ中学生。
休み時間には席をぐるりと囲まれて、質問攻めにあう。
聞かれることといえば、お姉ちゃんのこと、お姉ちゃんのこと、お姉ちゃんのこと。
危うく放課後にまで侵食してきそうになったので、架空の手続きをでっち上げ、なんとか学校を抜け出して電車に乗った。
向かうは──お姉ちゃんの事務所、Win-Wing-production。
都心の駅に降り、高層ビルが立ち並ぶオフィス街を歩く。
約束の時間の10分前まで時間をつぶしてから、都内の一等地にあるビルに足を踏み入れる。入館受付をして、改札みたいなゲートを通ってエレベーターで社長室まで。
ノックをする。「どうぞ」という壮年の女性の声。
「失礼します。三角“初華”です。……いつもお世話になってます。勝浦さん」
「こちらこそ、いつも助かっているわ。どうぞ座って」
「ありがとうございます」
促されるまま、革張りの高級そうなソファーに腰を下ろす。
こちらの緊張をほぐそうとしてくれているのか、社長がくだけた口調で飲み物をすすめてくれた。
紅茶を頼むと社長が手ずから淹れてくれる。恐縮しつつ受け取り、口を湿らせた。
「こうして会うのは初めてかしら。……お姉さんからちらっと聞いたのだけれど、東京に引っ越したのよね?」
「はい。その……姉が有名になってから、島に居づらくなってしまって」
当然、社長には三角家の事情は伝えてある。
お姉ちゃんが連れ子で前の父親とは連絡が取れないこと、お姉ちゃんが家出をしたこと、初華というのはあたしの名前であること……。
お姉ちゃんと相談して豊川関係こそ伏せているが、それ以外はほぼ知っているといっていいだろう。
現状、あちら側の認識としては、お姉ちゃんは複雑な家庭で育ち、家出している子供──くらいになっているはずだ。
「そう……。お母様はお元気?」
「身体的にはだいぶ良くなったと思います。ただ、精神的にはちょっと……引っ越したのは、環境を変えるためでもあるんです」
社長の表情に、僅かに気遣いの色がにじむ。
よしよし、狙い通りだ。お姉ちゃんの活躍が、あたしたち家族にとっては悪影響である以上、事務所にも罪悪感を抱えてもらわないとね。
「それで……今日はどうしたの? 相談があると言っていたけれど」
──来た。
「はい。ひとつお願いしたいことがあって来ました」
すぅ、と小さく息を吸う。
「あたしを、ここで働かせてください」
「……あら」
社長が目を丸くする。困ったような大人の苦笑い。
当然の反応だ。中学生が突然芸能事務所に押しかけて「働かせてください」なんて、普通なら門前払いされて終わりだろう。
……でも、この人はそうしない。できない。
なぜなら、あたしという存在を簡単には無視できないからだ。
そもそも、社長とあたしとの関係は、お姉ちゃんのデビュー前から続いている。当時、まだ中学生だったお姉ちゃんが単身で上京し、アイドル活動を始める──その最大の障壁はお母さんだった。未成年者が契約を結ぶには親権者の同意が不可欠だけど、絶縁状態のお母さんが首を縦に振るはずがない。
そこでお姉ちゃんが選んだ手段が、“親権停止”の申し立て。
家庭環境やお母さんの精神状態を理由にお母さんから法的に親権を取り上げる。そうすれば、未成年後見人をたてることができてお母さんに煩わされることもない。
とはいえ、親権停止は強力な法的措置。裁判所に認めてもらうには、それ相応の根拠が必要になる。
その決定的な証拠を用意したのが、他ならぬあたしだった。
家庭内の実情を証言し、お母さんをえらーい弁護士先生に指定された病院に連れていき、診断書をもらい……。
そうして、今の“アイドル・三角初華”が誕生したってわけ。
いわば、あたしはお母さんと事務所とを繋ぐパイプ役であり、監視役。
親権停止だって永久じゃない。治療が終われば親権を復活することもできるから、事務所としても切り離すわけにはいかない。
だからこそ社長は、さっきお母さんの状況を気にしていたし、急なアポイントメントにも関わらず時間を作ってくれたのだ。
「働きたいといっても、あなたはまだ中学生よね? たしかに、芸能関係なら労働の許可はおりやすいけれど……来年には高校生なのだし、そのときにウチ以外の選択肢を探したほうがいいんじゃないかしら」
「そうできたら、いいんですけど……」
社長の口から発せられたのは、想定済みの反論。
シミュレーション通りに少しだけ顔を伏せ、膝の上でぎゅっとスカートを握りしめる。
「……お母さんが仕事ができない状態で引っ越しをしたので……家計がなかなか厳しくって……。あ! もちろん、生活の心配はないですよ。今すぐにどうこうってわけじゃないんです。ただ、お恥ずかしい話なんですが、お小遣い……的な、あたしが自由に使えるお金がなくて……」
頬をかいてから「それに」と言葉を継いだ。
「高校生になってからのバイトも、あたしが“初華”である以上、難しくて。接客業なんかはトラブルを招く可能性もありますし……。あたしの事情を知っている人のところで働きたいんです」
ちら、と視線だけを上げて社長の様子を窺う。
返ってきたのは、こちらを値踏みするような鋭い経営者の眼差し。
……こんな小娘を一人雇うくらい、なんてことないと思うんだけどなぁ。
もしかすると、駆け引きをして発言を引き出し、あたしに裏がないかを見極めたいのだろうか。
例えば、これを機に業界に入ってタレントになろうとしているんじゃないか……とか。
そういう野心は一切ないんだけどね。
お姉ちゃんの件とは関係なく、
あと一押しだけしておこうかと考え始めたところで、社長の唇がにこっと弧を描いた。
「……そうね、分かったわ。あなたの事情に関しては、うちの事務所が関わっている面もある。これまでのやり取りからあなたが信頼できる人物だということは分かっているし、ここで働いても問題はないでしょう」
合格。でも、まだ表情筋は緩めない。
雇われること自体は前提条件。問題は次、何の仕事を割り振られるか。
ここで希望通りにならなければ、さらに交渉する必要がある。
……でも社長。未経験の学生に出来る仕事なんてたかが知れてるし、複雑な事情がある以上、社長の目が届く範囲がいいですよね?
そんな都合のいい仕事は、普通なら中々ないと思いますけど──つい最近、ちょうどお姉ちゃん関連の仕事が増えたんじゃないんですか?
「肝心の業務内容だけれど……実は、あなたのお姉さんが参加する新しいプロジェクトがあるの」
──ビンゴ。内心で小さくガッツポーズ。
笑みがこぼれそうになるのを、唇を噛んで必死に堪える。
「あなたには、そのプロジェクトのマネージャー──とはいっても、チーフマネージャーの下での補佐だから、ほとんど雑用にはなってしまうけれど……。そこで仕事をしてもらいます。学生中心のプロジェクトだから、あなたのような近い年齢の子のほうが現場にはなじみやすいと思うわ」
「ありがとうございます! 精一杯頑張ります!」
元気な声で深々とお辞儀をする。
法律に抵触しないよう、表向きはタレントの研究生──レッスンの一環で、現場研修として帯同しているという体になるらしい。詳しい話は担当のチーフマネージャーに受け継いで、追って連絡するということだった。
「終わった~」
事務所のビルの外に出て、うーんと伸びをする。
つ、疲れた……。
当然、勝つ見込みはあったけど、相手は海千山千の経営者。一切油断できなかった。
優しい人で救われたな──いや、もしかすると人がいいと相手に思わせるのも、ある意味カリスマ性の証左なのかもしれない。
それに、なーんかあたしに隠してそうなんだよな~。
お姉ちゃんが東京に出てすぐに事務所にスカウトされたって話。嘘ではないんだろうけど、その後の動きがあまりにもスムーズすぎる。
親権停止の判断も早かったし、各種手続きも的確。弁護士もベテランで、指定された病院の先生も普通なら初診予約がとれない名医。法律に詳しいわけじゃないけど、親権停止が今の状態で認められたのも妙だ。もっと差し迫った状態でないと認められない……気がする。
デビュー前の生活費もそう。デビューの華々しさもそう。
それだけお姉ちゃんの才能がすごいってこと? お金をかける価値があるってこと?
あるいは──
……まぁ、何はともあれこれでパスポートは手に入れた。お姉ちゃんとさきちゃんの領域に、これで堂々と侵入できる。傾き過ぎた天秤を平行に戻せる。
ぶっちゃけ、芸能界ってやつにも興味はあったしね~。
スマホを取り出して、お姉ちゃんに「今日は夜ご飯いらないよ」とメッセージを送信。
そのまま軽い足取りで、あたしは駅へと向かう人混みに紛れていった。
◆◆◆
「……ただいま」
「あぁ、うん。今日はこっちに泊まるよ」
「……てかさ、ちゃんとごはん食べてる? 冷蔵庫の中に飲み物すらないんだけど」
「……はぁ。あのさ、言ったよね。宅配サービスとか使えばって」
「もういいや、あたしが頼んどくよ。今日の夕飯何がいい? ユーバーで注文するから」
「あー、だいじょぶだいじょぶ。思ったより高くないし、クーポンもあるし」
「……え? お姉ちゃん? ……別にフツーだったよ。怒ってなかった」
「いや無理でしょ。そんなすぐにはさ」
「……やめて、こっち見ないで。いいからあたしに任せてよ、ね?」
「ぜーんぶ、あたしがやってあげるから」
プロフィール
名前:三角初華(音歌)
学年:中学3年生
誕生日:3月15日
好きなもの:歌うこと(すてきなうたごえ)・昆虫・お金
好きなうた:『ドレミのうた』
うた:『世界中のこどもたちが』