fate/grand order 神域立証遊戯トータス   作:KAZ1421

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前回、本格的な戦闘と言ったな。
















あれはAUOジョークだ!!


はっはっはっはっはっはっはっは!!






本当にすみませんでした!!







ちょっと説明して戦闘しようと思いましたが説明だけで結構描く事になったので区切ります。


ご理解の程、お願い致します。





オルクス大迷宮③

 

 

─── ???? ───

 

 

 

 エミヤがこの先にある部屋に向かっていると、そこにはある人物が佇んていた。

 

 その人物は一目で見て女性である事が分かり、全身に黒い甲冑を着ている女性だ。髪はくすんだ金髪で、その手には黒い剣を持っている。 だが、その剣からは邪悪な力ではなく聖なる力を感じる。

 

 

「……戻ったか、アーチャ。」

 

「ああ。 早速だが悪い知らせだ。 あの部屋に封印されていたのは『アレ』を倒す手段ではなかった。」

 

 

その言葉を聞き、セイバーは“そうか”と言う。

 

 

「ただ、もう一つ知らせがある。 その封印を解いたのはオレじゃない。 彼ら、『星見の者達』だった。」

 

 

その言葉を聞き、セイバーは驚くと同時に理解する。

 

 

「なるほど、私達が『あの記憶』を持っているのはその縁か、それとも。」

 

「どちらにせよ、彼らとはまた戦う事になる。 『あのキャスター』もこの迷宮にいた。」

 

「……あの時の再現という事か。」

 

 

エミヤの言葉にセイバーオルタはあの特異点の出来事を思い出しながら語る。

 

 

「一応、キミのことも教えておいた。 今後もマスターとして、そしてあの子を助けるというのなら我らを退ける力は無ければ力不足。 最もあのマスターには『記憶』が無いようだがな。」

 

「……手の内を読ませるとは意外だな。 いや、あのマスターだからか?」

 

「……フ、オレもあのマスター相手だからか、ほっとく事が出来なくてね、本来なら漏らさないのだが咄嗟に言ってしまった。」

 

 

 

エミヤが自身の失敗を口にするが、どこか笑っている様に見える。

 

そのまま彼はこの先の部屋の中へ入っていくのだった。

 

 

 

 

─── オルクス大迷宮 ───

 

 

 これから戦うであろう敵の正体を聞いた藤丸とハジメは驚きを隠せなかった。

 

 

「アーサー王、あのブリテンの王で円卓の騎士の1人。」

 

「色々なゲームや小説などの創作の元ネタにもなる程有名な英雄!! そんな人が僕達に敵対してくるなんて!?」

 

 

2人の反応を見て、ユエは疑問に思う。

 

 

「? そんなに有名なの?」

 

「ああ。 有名だよ。 僕たちの世界なら多分、人生で一度は聞いたことはあるんじゃないかな?」

 

「騎士の王にして、聖剣の担い手。 伝説の一つにはドラゴンを討伐したって伝説もあるよ。」

 

 

2人はユエにアーサー王の伝説を話し、その言葉を聞きユエは驚く。

 

 

「ドラゴンって、ハジメの世界にもいるの?」

 

 

ただし、アーサー王の事ではなく、ドラゴンについてだったが。

 

 

「あー、いや。 僕達の世界にはいないよ。 もしかしたら、昔は存在したかもしれないけど、とにかくそんな強い奴が敵として立ち塞がっているって事だ。」

 

 

 ハジメはそうユエに話すと同時にこれから行われるであろう戦いに緊張する。 こちらにはマシュとクー・フーリンがいるとはいえ、乗り越えられるのか不安なのだ。

 

ふと、ハジメはあることに気付く。

 

 

「あれ? でもなんでク………キャスターはアーサー王の事を知っているんだ?」

 

「そういえば。」

 

 

 キャスターのクー・フーリンは有名な英雄ではあるが、アーサー王と関わったという伝説に心当たりがない。

 

だが、先程のエミヤという人物は自分とクー・フーリンが知っているセイバーと言った。 故に気になったのだ。

 

 

「もしかして、伝説にはないけど会った事があるとか?」

 

「むー二人共、さっきから何の話をしてるの?」

 

 

ハジメと藤丸の話についていけず、ユエは質問する。

 

 

「あ、そうか、ユエはマシュやキャスターがどんな存在なのか知らないっけ?」

 

「なら、此処に来た経緯も踏まえて説明した方がいいかな? ユエのことはさっき聞いたからね。」

 

 

 ハジメと藤丸はこれまでの経緯も踏まえて藤丸の力の事、そしてサーヴァントの事を話す。

 

 自分達が地球という異世界から召喚された事。 そして上の階層で魔物と戦った際、クラスメイトの1人に意図的に狙われてハジメが落ち、そのハジメを助けようとした藤丸も共に奈落に落ちた。

 

 その際、藤丸の召喚の力でマシュを召喚。 その後キャスターも召喚し、此処まで辿り着いた事を。

 そして藤丸が召喚した2人はサーヴァントといい、過去の英雄や偉人が精霊として昇華された存在である事も。

 

 2人の経緯を聞いて、過去の自分にも重なるので嫌な顔をしていたが、ユエは気になる事を質問する。

 

 

「……2人はマシュとキャスターのことは知っているんだよね? でも()()2()()()()()()()()()()? 聞いた事もない。」

 

 

その言葉にハジメと藤丸はようやく気付く。

 

 確かにクー・フーリンやアーサー王は有名な英雄だ。 様々な伝説があり、知らない人が少ないだろう。

 

 

 

 

 だが、それはあくまで2()()()()()()()()。 この世界では無名の様な存在だ。

 

にも関わらず、なぜトータスで地球の英雄を召喚することが出来たのだろうか?

 

その情報を聞き、キャスターは藤丸に質問する。

 

 

「……そういえば、マスター。 どうやってオレ達を召喚したんだ? 何か聖遺物とかあったのか?」

 

「聖遺物? どうしてそれが関係しているのか知らないけど、俺がこの世界で手に入れた能力だよ。」

 

 

藤丸は自分の能力を説明する。

 

 

「俺の召喚には絆、繋がりが必要でしかも呼ばれてもいいと思う程の信頼関係、そしてその対象を思い浮かべる必要があるんだ。 魔法陣を出すだけは出来るよ。」

 

 

そう言い藤丸は魔法陣を発動する。

 

それを見たキャスターはその魔法陣を見て、話す。

 

 

「いや、この魔法を見たが、これじゃあ()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「──え?」

 

 

その言葉に藤丸は驚きを隠せなかった。

 

 

「仮に召喚は出来ても呼び出せるだけ、この魔法だけじゃすぐにサーヴァントの魔力が底をついてすぐに消えるだろうよ。」

 

「で、でも。 キャスターやマシュは俺の魔力で動いているんだよね?」

 

 

藤丸は2人に確認すると頷く。 そしてキャスターはある事実を話す。

 

 

 

「おそらくだが、今マスターが持ってる令呪や魔力を供給している技術はこの世界の魔法じゃねえ、()()()()()()。」

 

「「地球の──魔術!?」」

 

 

キャスターの言葉に2人は驚愕する。

 

 

 

「その事を説明する前に一つ質問をよろしいでしょうか?」

 

「? どうしたの、マシュ。」

 

 

マシュの質問したい事とは何かを聞く。

 

 

「マスターの世界で2()0()0()4()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「2004年?」

 

 

マシュの言葉に藤丸は考えるが思いつかなかったが、ハジメは思い出す。

 

 

「もしかして、()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

これはオタクのハジメだったから思い出した事だ。あの事件は様々な噂が今も流れる事件だ。

 

ガス爆発ではなく、超常の存在があの事件を引き起こしたとか、学校の生徒全員が気絶したガス漏れ事故も本当は違う理由ではないのかなど様々な噂があり、ハジメの様な創作などのオタクなら知らない人は少ない。

 

 

 

だが、その言葉を聞いたマシュとキャスターは確信する。

 

 

 

「間違いねえな。 『()()()()』だ。」

 

「聖杯──」

 

「戦争?」

 

 

初めて聞くその言葉に藤丸とハジメは訳が分からなかった。この世界の住民であるユエはもっと分からないだろう。

 

そんな3人にマシュは質問する。

 

 

「…皆さんは『聖杯』というのを知っていますか?」

 

「いや、詳細は知らないよ。 ゲームやアニメでは聖なる杯って扱いされてるって程度。」

 

 

ハジメの言葉にマシュは答える。

 

 

「考え方は近いでしょうか。 聖杯はキリスト教における神の血を受けた杯で、最高位の聖遺物です。 聖杯に魔力を注ぐことで()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「例えば、巨万の富を願えば一生使いきれない富が手に入れ、自身の体質、病気を治す事を願えばそれを治る。 そして死者を蘇らせる事を願えば蘇らせることが出来る奇跡の願望器、それが聖杯だ。」

 

 

その言葉に3人は驚きを隠せなかった。 

 

 

「ちょ、ちょっと待って。 え? そんな空想上な話を今するって事は、聖杯って俺達の世界にあるって……こと?」

 

()()。 多くの魔力が必要だが、実在はするぜ。そして聖杯戦争はその聖杯を巡って行われている()()()()()。」

 

「こ、殺し合いだって!?」

 

 

マシュとキャスターは聖杯戦争について更に語る。

 

 

 

 聖杯戦争はあらゆる願いを叶えるとされる万能の願望機・聖杯の所有をめぐり、一定のルールを設けて繰り広げる争いの事で、聖杯を求める7人のマスターと彼らと契約した7騎のサーヴァントが行う殺し合いを前提とした魔術儀式。 それが聖杯戦争だと言う。

 

 

「聖杯はサーヴァントを複数生贄にする事で起動する。 だが、マスターやオレ達英雄がその覇権を譲ろうってことは絶対にないだろうよ。 だったらどうするか? 簡単だ。 ()()()1()()()()()()()()()()()()()()。 そして生き残った1人のマスターと1騎のサーヴァントが聖杯を手に入れて願いを叶える。 サーヴァントが現実に現れるのも、その願いを叶える聖杯を求めているからだ。」

 

「……それが、聖杯戦争。 でも、それが本当だとして、最初に質問したキャスターがアーサー王を知っている理由と俺が2人を召喚している事がどう繋がっているんだ?」

 

 

聖杯戦争の事を聞き驚く事ばかりだが、最初に質問した内容と2人がまだ存在できる理由はまだ聞いていない。

 

 

「本来、聖杯戦争に参加したサーヴァントが消えた場合、それまで持っていた記憶は消える様になっている。 仮に同じ英霊をまた召喚したとしてもそれは同じ姿をしているが全くの別人だ。 ()()()()。」

 

「ですが、稀に強く心に残って何度現れても記憶を持ち続ける場合があります。 今回の場合、キャスターさんとエミヤさんはその記憶を持っている程聖杯戦争でアーサー王と何かがあったのでしょう。」

 

 

つまり、聖杯戦争での記憶を一部持っており、その記憶をキャスターとエミヤの2人が共有できる程覚えていたので分かったという事だ。

 

 

「……キャスターがアーサー王の事を知っている理由は分かったよ。 なら藤丸の召喚だけじゃ2人を召喚出来ないってどういう事?」

 

 

ハジメは藤丸に与えられた“召喚”ではサーヴァントは召喚出来ないと言ったキャスターに質問する。

 

 

「……マスターが与えられた魔法じゃ召喚は不可能。 ならどうしてオレ達を召喚出来たのか? それは正式な手順を踏んだからだろうよ。」

 

「……手順?」

 

 

藤丸はその言葉に疑問を持つ。 いつの間にか自分はマシュやキャスターを召喚する手順を踏んでいた事に驚いたのだ。

 

 

「マスター、本来サーヴァントを召喚するのに最低限必要なのは『魔法陣』、『聖遺物』、『詠唱』が必要なんです。 『詠唱』に関しては例外もありますが。」

 

「魔法陣はこの力で出せるのは分かるけど、『聖遺物』と『詠唱』は覚えが無いよ。 マシュの時は『詠唱』はしていないし。」

 

 

藤丸は二つの要素については心当たりがない答える。 

 

 

「これらの要素はあくまで『安定的』に行う場合だ。 マスター、嬢ちゃんを召喚する前、怪我をしなかったか?」

 

 

キャスターの質問に藤丸は答える。

 

 

「えーと、確かに少しだけど血が出る擦り傷はしたよ。 それがどうしたの?」

 

 

その言葉にキャスターは理解する。

 

 

「……なるほどな。詠唱に関してはおそらくだが、魔法陣を出した時、マスターの血が魔法陣に接触したんだろう。 体液や血液は魔力を帯びてる。 それが魔法陣に触れて詠唱の代わりになったんだろうよ。」

 

「なら『聖遺物』は?」

 

 

ハジメの疑問にキャスターは答える。

 

 

「マスターがこの世界で得た“召喚の力”。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「俺の力が……聖遺物の代わり?」

 

 

キャスターの推測に藤丸、ハジメ、ユエの3人は驚く。

 

キャスターが何故この様に考察したのかを説明する。

 

 

「マスターの召喚は絆や繋がり、信頼関係があれば呼べるって言っただろう? だが、この力だけじゃオレ達サーヴァントを召喚しようとしてもサーヴァントの格が大きくて完全に召喚するのはほぼ不可能だ。」

 

 

そこまで話してマシュは気付く。

 

 

「! それでも思い浮かべて行ったことで一部は召喚しようと魔法は動く。 その一部が『聖遺物』として役割を担うという事ですね!」

 

「そうだ。 つまりオレ達がサーヴァントとして動けているのはこの世界の魔法と地球の魔術、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

更にいえば、魔法陣はこの世界のエヒト神からの力で出したもの。 

 

本来なら霊脈など様々な条件が必要だが、この世界の神からもらった力である為魔法陣そのものには魔力があり、そこに藤丸の血液が触れた事でサーヴァントの召喚も問題なかったのだろう。

 

 

正にこのトータスの魔法と地球の魔術。 この2つの力によって藤丸はマスターとなったのだ。

 

 

「……なんとなくだけど、理解したよ。 今までの話を聞いてもう一つ疑問に思ったんだけど、ならあのエミヤって人とアーサー王はどうやってこの世界に現れたの?」

 

 

藤丸はマシュとキャスターに質問するが、

 

 

「……その点は推測は出来るが、確証は無い。 それにこれ以上話しても混乱させるだけだと思うから話さねえ方がいい。 それより今はあのセイバーとアーチャーのやろうをどうにかするのが先決だ。」

 

「それもそうだね。 藤丸、まずはアーサー王とエミヤの2人をどうにかするのを考えよう。」

 

「うん。 2人とも、アーサー王とあのエミヤって人2人、正面から戦ったら勝てる?」

 

 

藤丸の質問に2人は考え、重々しい表情で話す。

 

 

「……おそらくだが、正面からやり合うと勝算はかなり低いだろうな。 オレがランサーとして召喚されれば良かったが、キャスターだからな。」

 

「私もアーサー王の攻撃を防ぐ事は出来ますが、倒すとなると今の戦力では決定打にかけます。 ましてや『宝具』が使えるかまだ試していませんし。」

 

「宝具って?」

 

 

初めて聞く言葉にハジメは質問する。

 

 

「英霊の持つ伝承・偉業にちなんだ特殊な技能です。」

 

 

マシュはそのまま宝具について説明する。

 

 

「宝具はサーヴァントの切り札でもあり、真価──つまりは必殺技です。」

 

「使うには相当な魔力が必要。 おそらくだが今のマスターじゃ、宝具を発動出来るとしても一度が限界、対して相手は普通に使ってくるだろう。」

 

「……完全にこっちが不利って事か。」

 

 

藤丸はそう状況を理解するが、キャスターは“だが”と言う。

 

 

「こっちも有利な状況がある。 それはマスターがいる事だ。」

 

「俺が?」

 

 

自分がいる事で有利になっていると言うキャスターに疑問を持つ。

 

 

「マスターと契約したサーヴァントと契約していないサーヴァントでは基礎能力は全く違う。 基礎ならばこっちが有利だ。」

 

「……契約していないサーヴァントにはデバフが掛かっているって事か。」

 

 

ハジメはキャスターの話を聞いて、敵サーヴァントがゲームで言うデバフ状態となっている事を理解する。

 

 

「ですが、先程も言ったようにサーヴァントとは宝具です。 今のマスターのでは戦闘をしつつ宝具を発動するのは厳しいでしょう。対して相手は宝具を使えます。」

 

「要は宝具を使わない闘いならオレ達が有利、宝具を使われて仕舞えばこっちが不利になるって事だ。」

 

「……どうにかしてこっちも使う事は出来ないかな?」

 

 

藤丸の疑問にマシュは苦しそうに答える。

 

 

「……方法はあります。 ですが、マスターにはその方法を使って欲しくありません。」

 

「? どうして、その方法が使えるなら使った方が───」

 

 

藤丸がそう教えて欲しいと頼もうとした時、ハジメは気付く。

 

 

「──もしかして、『令呪』?」

 

「……はい。」

 

 

マシュの肯定に2人は理解する。

 

令呪を使えば今の藤丸でも宝具は使える。 しかし、魔術回路に魔力を流す事になれていない状態で令呪を使えば命を落とす可能性があると以前説明された。

 

つまり、マシュとキャスターどちらかが宝具を使うという事は藤丸が命を落とすことになる可能性があるという事だ。

 

 

「そんなの駄目だ! 全員で地上に帰らないと意味がない!!」

 

 

ハジメはそう言いながら藤丸に対して目で訴える。

 

“絶対に使うな”と。

 

 

「……うん。 となると、宝具を使われない様に動くしかないか。 キャスターとマシュなら戦えるけど、宝具を使われないのは難しいって認識で良いかな?」

 

「……相手は遠距離が得意なアーチャーと最優のセイバーだ。連携をされれば厄介だし、宝具を使われるだろうよ。結局の所、分断しての対面になるだろうな。」

 

「つまり、私がアーサー王と、キャスターさんがエミヤさんと戦うという事ですね。」

 

「宝具を使われない様に常に接近して攻撃。 これが最適だろうな。」

 

「……宝具を使うにはやっぱりリスクがあるって事か。」

 

 

ゲームなどにもあることだが、強力な攻撃を放つには色々と制約がある。

 

例えば範囲や発動までの準備、必要な魔力など様々な条件をクリアして攻撃を放つ。

 

今回の宝具での攻撃も放つまでの時間が必要などあるのだろう。

 

 

「マシュやキャスターは分かった。 藤丸もただそこに居るだけで2人の力になるし、この闘いって僕は何も出来ないな。」

 

 

さっきのキャスターとエミヤの戦いを見たからこそ、ハジメは自分がこれからの戦いで足手まといにしかならないと考え、ため息を吐く。

 

そんなハジメに対してキャスターは言う。

 

 

「いや、()()()()()。 この闘いは坊主達に掛かってる。」

 

「……え?」

 

 

キャスターの言葉にハジメは驚きを隠せなかった。

 

 

「さっきセイバーとアーチャーの事は覚えているって言っただろう。 戦い方や戦術など大体は読める。 そしてそれは()()()()()()。」

 

「……はい。 間違いなくアーサー王とエミヤさんはマスターと私、そしてキャスターさんの対策をしてくるでしょう。 戦いに勝つ為に。」

 

「だが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。 これはこっちが持っているアドバンテージだ。」

 

 

 

キャスターの言葉にハジメとユエは理解する。 アーサー王とエミヤは2人が何が出来るのか、どのような戦術を行うのか一切知らない。

 

いや、正確にはハジメは錬成が出来る事はエミヤは分かっているかもしれない。 だが、ハジメがどの様な手段を持っているのか、どのような攻撃手段があるのか一切知らない。

 

 

ゲームを行う時もそうだ。 とても強い敵の情報から対策を行い、耐性やスキル、職業などを考えて攻略する。

 

 

しかし、相手は対策をするための情報が無いのだ。

 

 

 

 

「つまり、この闘いは──」

 

「そうだ。 この闘いで鍵を握るにはマスターでもオレ達でも無い。 ハジメ、ユエ、お前たち2人の行動が勝利の鍵だ。」

 

 

全員で生きて帰れるか否か、それは自分達次第だと言われハジメは重い責任に手が震える。

 

さっきの戦いを見て、キャスターやマシュ達の力になれるのか? 足手まといにしかならないのではないか? 不安と失敗すれば目の前のみんなが最悪全員死ぬ事を想像してしまったからだ。

 

 

 

 

だが、それでも。 

 

 

「……分かった。 僕に出来る事があるならそれを全力でやるよ。」

 

 

自分に出来ることがあるなら、全力でやりたい。 そう決意してキャスターに宣言する。 その身体は僅かに震えていたが──

 

 

「……良い覚悟だ。 ならこれから何が出来るか色々と整理しようぜ。」

 

 

それでもと前に進もうとするハジメを見て任せられると確信する。

 

 

「(……ハジメ。)」

 

 

そんなハジメを見た藤丸もある覚悟をする。

 

 

「(もし、どうしても宝具を使わなきゃ乗り越えられない時が来たら、その時は──)」

 

 

そう藤丸も静かに決意をするのだった。

 

 

 

 

 

 

─── ハイリヒ王国 ───

 

 

一方、ハイリヒ王国ではメルド団長が明日の予定を説明していた。

 

 

「明日からオルクス大迷宮の攻略を開始する! 戦闘に参加する者は各々準備をしっかりとし、気合を入れろよ! では解散!!」

 

 

南雲と藤丸が奈落に落ち、“死んだ”あの時から今日まで、オルクス大迷宮には実戦訓練として挑み、鍛えてきた。

 

そして明日、遂にオルクス大迷宮の“攻略”を開始する。

 

訓練と時とは違い攻略には安全性は殆ど皆無と言ってもいいだろう。

 

 

そしてそれに挑むのは()()()()()()()()()()()()()

 

 

 藤丸とハジメの死を見たクラスメイト達が戦いそのものに恐怖し、戦えないという人が現れる。 

 

特に2人を死を知った愛子先生は死なせてしまったこと、全員を日本に連れ帰ることが出来なくなった事に責任感の強い愛子はその強いショックからしばらく寝込んでしまったのだ。

 

(愛子先生は当時の遠征には参加しておらず、農地開拓の方を優先的に行っていた。 その方が良いと教会側も了承した結果だ。)

 

 

 

 

 

当然だがそんな状態のクラスメイト達に聖教教会関係者はいい顔をしなかった。 毎日のようにやんわり復帰を促してくる。

 

それを愛子先生が聖教教会関係者に猛烈に抗議した。

 

彼女の天職はこの世界の食料関係を一変させる程、故に彼女との関係悪化を恐れた教会側は愛子の抗議を受け入れた。

 

 

そして現在、オルクス大迷宮へ攻略しようと参加をしたのは光輝達勇者パーティー5人と檜山を筆頭とした4人の小悪党組、重格闘家の永山 重吾をリーダーとした5人のパーティー、合計14名がこの攻略に参加する。

 

 

「──いよいよだね、香織。」

 

「うん。」

 

 

雫の言葉に香織は頷く。 香織はハジメ、そして友人の藤丸の2人が死んだとは信じていない。 いや、正確には自らの納得の為に前に進もうとしている目だ。

 

 

2人の生存は絶望的、ほぼ死んでいると考えている。

 

それでも香織はそれを見るまでは決して希望を捨てないで進むだろう。

 

 

「……2人を絶対に見つけよう。」

 

「……ありがとう、雫ちゃん。」

 

 

2人は明日の攻略に向けて覚悟を決めるのだった。

 

 

 

 

─── オルクス大迷宮 ───

 

 

「私は、魔力があれば一瞬で塵にされない限り再生できる……後は全属性の魔法に適正があって詠唱も魔法陣も無しで発動できる。」

 

「……すご。」

 

 

ユエの説明にハジメと藤丸は驚く。 本来、このトータスで魔法は詠唱や魔法陣が必須なのだが、ユエはそれらを一切介さずにしかも全属性の魔法を放つことができる。

 

一度この部屋で見せてもらったが、この世界では上位魔法でも片手間に発動できる。 命中すればサーヴァントを倒す事も不可能では無いだろう。

 

 

(その時、血が欲しいと言ったのだが藤丸はただでさえ魔力を消費し続けている状態であるが故にハジメの血を吸わせる事にした。)

 

 

「……不死身の身体か、だとしたらこれから戦うセイバーとアーチャーには充分注意しろ。 アイツらは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「アーサー王とあのエミヤって人にはユエを殺す手段があるって事?」

 

「ああ。 間違いなくな。 不可能を可能にするから英雄なのさ。 覚悟はあるか?」

 

 

キャスターの質問にユエは答える。

 

 

「うん。 あのエミヤって人、私が此処に封印された理由を知っている様な事を言ってた。 私もそれを知りたい。」

 

 

ユエはそう自身が戦う理由を話す。

 

 

「……そういえば、ユエはここから無事に出れたらどうするの?」

 

 

ハジメはユエに質問する。

 

 

「………分からない。 私には帰る所がないから。」

 

 

そう彼女は寂しそうに言う。 そんなユエを見てハジメは咄嗟に言う。

 

 

「なら、僕達と一緒に行く?」

 

「────」

 

 

その言葉を聞き、ユエは鳩が豆鉄砲を食らった様な顔をする。

 

 

「ほら、ここから出たら地上にいるみんなと合流して。 一緒に協力してさ。 それで一緒に僕たちの故郷に行くのも良いかなって。」

 

「それは良いかも。 どう、ユエ?」

 

 

ハジメの提案に藤丸も同調してユエに聞く。

 

 

「うん!」

 

 

ユエは笑顔で答えるのだった。

 

 

「とりあえず状況も整理出来たし、そろそろ行くか。 ()()()()()()()()も入手出来たし、このまま下を目指す。」

 

「そして、その道中新しい何かがあって錬成できるならする!」

 

「そして、皆で脱出ですね!」

 

 

そう5人は決意を固めてオルクス大迷宮、最下層へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?


藤丸がなぜマスターとなったのか?

それが少しでも理解出来れば幸いです。



























『令呪』については()()()()()()()()()()()

これに関してはまだ話す時ではありませんので。
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