fate/grand order 神域立証遊戯トータス   作:KAZ1421

5 / 9
お久しぶりです。

先週の土曜日に携帯の修理が完了しました。


しかし、これまで書いていた作品の制作途中だった最新話の情報が消えてしまったので、その事実に落ち込んでしまった KAZ1421です。



とりあえずこの作品の最新話は書けました。



今後ともよろしくお願いします。


他作品も流れを復習する必要があるので遅くなると思いますがご了承下さい。


オルクス大迷宮④

 

─── オルクス大迷宮 ───

 

 

ユエが封印されていた部屋から出て3日。

 

マシュ、キャスター、ユエの力を借りて順調に進んだ。 

 

 

「……遂にここまで来たね。」

 

「……ああ。」

 

 

そして、藤丸とハジメは奈落に落ちてから百階層となる場所へ続く道の前にいた。

 

 

「ハジメ、体調は大丈夫?」

 

「ああ、大丈夫だよ。 ───ユエの事以外は。」

 

 

そう言いながらハジメは隙あらば血を吸おうとしているユエを呆れる様に見る。

 

 

ユエを助けたあの日、ハジメの血をユエに吸わせたのだがこれがなんととてもユエ好みの味だったらしい。

 

 

一度味わった事でその味を忘れる事が出来ず、常に血を吸おうとしてくるのだ。

 

 

 

 

 

ちなみに一度、興味を持った藤丸が少し血をあげたのだが、ハジメの方が美味しいと言われて少し落ち込み、それを励ましたマシュの『先輩の血は素晴らしい物だと思います!』という発言に対しても色々とあったがそれは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むう、ちょっと疲れた。 ハジメの血いい?」

 

「……さっき吸ったばかりだろうがよ。」

 

 

相変わらずハジメの血を欲しているユエに対してキャスターはツッコミを入れる。

 

そしてキャスターは4人に話す。

 

 

「ここから先から強い反応だ。 おそらくサーヴァント。 それも2騎だ。」

 

「……って事は、次の階層が最下層って事か。」

 

 

以前エミヤという人物が【最下層にある部屋から地上に出れる。】 

 

【その目前に私と彼女がいる】と言われたので、下の階層が最下層であることを理解する。

 

 

 

「……みんな、準備はいい?」

 

 

藤丸の言葉にマシュ、ハジメ、キャスター、ユエの4人は頷き、下の階層へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

─── オルクス大迷宮 100階層 ───

 

 

その階層は、無数の巨大な柱に支えられた広大な空間だった。

 

柱の一本一本が直径5メートルはあり、一つ一つ彫刻が彫られており、この迷宮が自然に生まれたのではなく、人為的に作り出された物だと証明している。

 

 

「……ユエが封印されていた場所から何となく予想はしてたけど、やっぱりこの迷宮は人為的に造られた迷宮みたいだ。」

 

「確か、【反逆者】だっけ? その内の1人が作ったって言ってたよね。」

 

 

藤丸とハジメの言葉にユエは頷く。

 

 

【反逆者】とは神代に神に挑んだ神の眷属の事でこの世界トータスを滅ぼそうとした者達だ。

 

その計画の結果は失敗。 この世界の神によって見破られ、反逆者達は世界の果てに逃走。

 

その【反逆者】がこの迷宮を作ったと言われている。

 

 

 

「…ユエの話じゃ、世界を滅ぼそうとした連中。 一体どういう目的でこんな迷宮を造ったんだ?」

 

 

そんな藤丸の疑問に答える様に、ある女性の声が聞こえる。

 

 

()()()()()()()()()()。」

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

突然扉の向こうから2人の人物が姿を見せる。

 

 

 

1人は以前戦ったエミヤという人物。 もう1人は──、

 

 

「……来たか、セイバー。」

 

「久しぶりだな、キャスター。」

 

 

アーサー王のオルタナティブ(別側面)

 

アルトリア・ペンドラゴンのオルタだった。

 

 

 

 

 

 

 

「…あの人が、アーサー王?」

 

「…話からして女性だって分かってたけど、あのアーサー王が本当に女性だったなんて。」

 

 

藤丸とハジメ目の前に現れた女性の剣士があのアーサー王である事に驚きと共に何処か納得する。

 

アーサー王は伝説上、男性であると書かれている。 にも関わらず、目の前に現れたアーサー王は女性だ。

 

多少伝説を知っている藤丸とハジメからすれば信じる事ができないはずだったが、その女性が手に持っている黒く染まった剣を見て納得する。

 

 

見た目は聖剣というより魔剣と言われてもいいのだが、その剣を見た時、藤丸もハジメも心の底から理解する。

 

 

あれは【()()】だと!!

 

 

「……アーサー王。 希望を残す為とは、どういう意味なのでしょうか?」

 

「…マシュ・キリエライト。 その答えはこの奥の部屋にある。まだお前達はその答えを知る権利はない。 故に全てを話す事は出来ないが一つ言うならば、彼ら【()()()】は()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「【解放者】?」

 

「君たちが【反逆者】と読んでいる彼らの事だ。」

 

 

アーチャーの言葉に続く様にアーサー王は語る。

 

 

「私も、アーチャーも彼ら【解放者】達に敬意を評している。私は騎士として、アーチャーは世界の守護者としてな。」

 

 

その言葉に全員が驚く。 

 

 

もし、アーサー王やアーチャーの言葉通りならば、彼ら【反逆者】達は世界を滅ぼすという目的では無かった可能性が高い。

 

 

「……お前らがそう言うならそうだろうよ。 だがそれは後回しだ。」

 

 

そう言いキャスターとマシュは臨戦状態になる。

 

 

「正直驚いたぜ、アーチャー。 テメェの事だろうから奇襲や宝具を事前に展開するかと思ったんだが正面から戦うとはな?」

 

「私もその方が効率が良いと思ったのだがね。 まだ聞いていないのにそれをするのは流石の私も気が引けるというものだ。」

 

「聞くって、何を?」

 

 

アーチャーのその言葉に藤丸達は疑問を抱く、そしてその質問の内容をアーチャーから聞く。

 

 

「改めて聞こう。君たち、その吸血鬼を置いて行け。 そうすれば戦う事なく出口まで案内しよう。」

 

「──仮の話だけど、もしユエを置いて行ったら2人はどうするつもりなの?」

 

 

藤丸がその提案を呑んだ場合ユエはどうなるのか、それを聞く。

 

 

「……可哀想ではあるが、殺すしか無いだろうな()()()()()()()()()()()()。」

 

「……え?」

 

 

エミヤの言葉に藤丸達は驚愕する。 ユエが生きている事がこの世界と地球が滅びる事に繋がると彼は言ったのだ。

 

 

「……それは、どういう意味?」

 

 

ユエはその意味が分からず、エミヤに質問する。

 

 

「……残念だが、全てを知るには力が必要だ。 この迷宮を攻略する程の実力を持った者にのみ、この世界の真実を知る事ができる。 とはいえ、そこの吸血鬼を殺さなければいけないという考えは私とセイバーが推測し、実際にあの部屋で会った事で確信した事だがね。」

 

 

エミヤがそう言うと同時にセイバーと共に臨戦体勢となる。

 

 

「もし、彼女と共にこの迷宮から出る事を望み、事実を知りたければ我々を倒す事だ。 元々この階層にいた竜は()()()()()()()()。 この戦いで邪魔をする者はいない。」

 

 

アーチャーのその言葉に驚きつつ、ハジメ達が2人が出て来た扉の奥を見るとわずかにだが複数の首をした竜の死体が見えた。

 

 

「ッ! (あんな大きな魔物を2人で倒したのか!?)」

 

「(……2人には戦いの傷とか無い? それほどの実力って事か!)」

 

 

アーサー王とアーチャーの2人を見るに、目立つ様な怪我は一切無い。

 

もしかしたら、無傷だったかもしれない。

 

 

 

「……では、君達の答えを聞こう。」

 

 

アーチャーの言葉を聞き、ハジメと藤丸は互いに見つめて頷く。

 

 

答えは最初から決まっているからだ。

 

 

 

 

 

 

「「それは出来ない。」」

 

 

 

 

 

 

2人はそう、ユエを置いて行く事を拒否する。

 

 

 

「……その理由は?」

 

 

 

アーチャーの質問に2人は答える。

 

 

「ユエと約束した。 この迷宮から一緒に出るって。」

 

「だから、それは絶対にできない。」

 

「──それが、世界を滅ぼす選択になるかもしれないのにか?」

 

 

 

アーチャーのその言葉に2人は頷く。

 

 

「そもそも、ユエが生きている事がこの世界と地球を滅ぼす事になるなんてお前たちが言っているだけだ。」

 

「それにそれが本当だったとしても、ユエにそんな事は絶対にさせない。」

 

「「オレたちがさせない!!」」

 

 

そう2人はユエを殺させないし、そんな事はさせないと言う。

 

2人はユエを信じているからだ。

 

 

「──ハジメ、フジマル、ありがとう。」

 

 

その決意を聞き、ユエもこの迷宮から出る事を再度決意する。

 

 

 

「──フ、やはりソレを選ぶか。」

 

 

アーチャーとセイバーはその決意を聞き、笑う。

 

 

「見事な決意だ。 ()()()()()()()()()とその友人。」

 

「「!!」」

 

「カルデア?」

 

 

セイバーの言葉にマシュとキャスターは驚く中、藤丸とハジメは【カルデアのマスター】という台詞に疑問を持つ。

 

【マスター】という言葉から藤丸の事とは分かるが、何故藤丸をそう呼ぶのかは全く分からない。

 

 

「……お二人は、()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「それは()()()()()()()()? 故にこの世界が【異常な状況】になっている事を感じているはずだ。」

 

 

そう話した後セイバーはため息を吐き、

 

 

「戦いの前に話し過ぎたな。 お前たちは戦う事を選んだ以上、全力で戦うべき敵だ。」

 

 

その言葉と同時にセイバーは聖剣エクスカリバーを構える。

 

 

 

戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハア!」

 

 

先手はキャスターだった。

 

 

ルーン魔術で身体を強化、さながらランサーの時と変わらぬスピードで接近して杖で突き、セイバーを攻撃する。

 

 

しかし、その最速の攻撃を難なくその聖剣で受け止め、

 

 

「ふっ!」

 

 

聖剣で直ぐに反撃する。

 

セイバーの剣捌きは凄まじかった。

 

その剣筋は剣を知らない藤丸やハジメでは理解も出来ない。 何が凄いのか素人では分からないのだ。

 

仮に此処に雫がいればどれだけ凄いのか理解出来たかも知れないが、その凄まじい攻撃でキャスターを追い詰めて行く。

 

 

「ちっ!」

 

 

キャスターは防御に専念する事でどうにか対処する。ランサーの時ならば反撃等もする事が出来たかも知れないが、今はキャスターの身。

 

接近戦はやはりセイバーに分がある。

 

 

 

そんな中、アーチャーは弓を構えてユエを狙う。

 

 

「はあ!」

 

 

そして矢を放つ。  ユエに向かって放たれたその矢を

 

 

「させません!!」

 

 

マシュがその盾で防御する。その結果、矢の方向がずれるが矢の威力とは思えない程の衝撃が襲う。

 

 

「あれが矢? 大砲とかの威力じゃないのか!?」

 

「当たったらヤバかった。 ありがとうマシュ「まだです!!」え?」

 

 

藤丸がマシュに感謝を言うその時、マシュは直ぐにユエの後ろに立つ。

 

 

“ガキーン”と再び矢の攻撃を防ぐ。

 

 

「後ろから!?」

 

 

その攻撃に3人は驚くも、襲って来たその矢を見て戦慄する。

 

 

「あの矢………、あの時()()()()()!!」

 

 

後ろから襲って来たのは先程アーチャーが放ち、マシュが逸らした矢だったのだ。

 

 

「自動追尾って事?」

 

「そんな矢があるのか!! あの威力で!?」

 

 

 

アーチャーが放った矢はある魔剣を矢の形に投影したもの。

 

魔剣の名は赤原猟犬(フルンディング)

 

北欧の英雄ベオウルフが所持していたと言われる魔剣で、血の匂いを嗅ぎつけ、ただ振り回すだけで最適な斬撃を打ち込んでくれる魔剣だ。

 

アーチャーはそれを投影魔術で模倣し、矢として使うことでこちらが狙いをつけている限り追尾するだけでなく、魔剣である為威力も申し分ない攻撃手段となっている。

 

 

対してマシュは盾での戦闘を得意とするサーヴァント。守る戦いは得意ではある。

 

しかし、常身追尾する矢からユエ達を守るのは至難の業で時間が経てば経つ程こちらが不利になるのは明白だ。

 

 

何故なら。

 

 

 

「! ハジメ、あの人!!」

 

 

アーチャーが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「! まずい、2人共!!」

 

 

 

藤丸がそうハジメとユエに言うと2人は頷き、作戦どおりに動く。

 

 

 

 

 

 

─── 過去 ───

 

 

 

『この戦いの要点はどうやってアーチャーとセイバーを分断するかだ。』

 

 

キャスターの言葉にマシュ以外の3人は疑問を抱く。

 

 

『分断? 一緒に戦えば良いんじゃ……』

 

『それじゃあのアーチャーの思う壺だ。 セイバーの接近戦の能力はキャスターのオレじゃ防御で精一杯って所だろう。 嬢ちゃんと2人ならセイバーには勝てるが、その場合あの野郎は弓兵。 距離さえあれば後方から色々やってくるだろし、近づこうとすればセイバーが阻止してくる。』

 

 

キャスターはそう前提を話した後、こう結論する。

 

 

『つまり、分断するまではオレがセイバー。 アーチャーの攻撃を嬢ちゃんの盾で防ぐ必要がある。』

 

『……分断方法は?』

 

 

ハジメは質問する。 話を聞く限りマシュとキャスターだけでは分断は不可能に近いだろう。

 

故にハジメは聞いたのだ。

 

 

『そこで、坊主達の出番だ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─── オルクス大迷宮 ───

 

 

アーチャーが弓を構え、放とうとしたその時

 

 

「上か!!」

 

「“蒼天”!」

 

 

アーチャーは咄嗟にその場から回避すると先程までアーチャーがいた場所に上空から球状の青い炎が落ちてくる。

 

 

「(これがこの世界の魔法か……。 大した威力だ。 対魔力が低いサーヴァント相手ならば無視は出来ないダメージだ。)」

 

 

おそらくだが、対魔力Bが相手でもダメージは入るだろう。

 

 

「速い。」

 

 

とはいえ、ダメージを与えられる事と倒せる事は別だが。

 

ユエが放った攻撃は素早く動くアーチャーを捕らえる事が出来ず、逃げられてしまう。

 

 

「フッ!!」

 

 

そしてそのまま矢が放たれた。

 

 

「(また!)マシュ!!」

 

「はい!」

 

 

新たに放たれた矢はまたユエに向かって行くも、マシュが盾で防ぐ。

 

 

「あれ?」

 

 

そこで藤丸とハジメは気付く。

 

威力が最初の時より弱い事に。

 

 

「(もしかして、)ユエ! さっきの矢を攻撃できるか?」

 

「うん。 やってみる。」

 

 

ハジメの頼みにユエは頷き手の平を矢に向ける。

 

 

「“蒼天”!」

 

 

ユエの魔法がその矢に命中すると、()()()()

 

 

「! やっぱり、ユエの魔法で止められた。 そうか、放つ時に何か貯めが必要なんだな!!」

 

 

ユエの“蒼天”の威力はアーチャーが最初に放った威力より弱い事はさっきのマシュとのやりとりで分かっていた。

 

しかし、2度目の矢の威力はその“蒼天”で相殺できる程度の威力に落ちていた。

 

その理由をハジメは持ち前のオタク知識で察した。

 

 

1度目は構えてすぐではなく時間をかけた後放ち、2度目はすぐに矢を放った。

ゲームでいう力をためるという工程が必要ではないかと察したのだ。

 

 

 

「ハア!」

 

 

最初の放たれた矢は未だにユエを狙って動き回る。

幸いというべきか、マシュが盾で防御するたびに威力は落ちている。

 

このままいけばマシュならば矢を破壊出来るかもしれない。

 

 

当然それをアーチャーが見逃すとは思えない。

 

アーチャーはすぐに素早く矢を数発放つ。“シュパパパ!”と弓で放ったとは思えないスピードでこちらを攻撃してくる。

 

 

「ウッ!」

 

「ユエさん!!」

 

 

ユエは対応するため“緋槍”で反撃するも、そのうち一本がユエに命中する。

 

 

「マシュ、ここは私を信じて。 あの矢は私じゃ無理。」

 

「はい!」

 

 

アーチャーから受けた傷はすぐに回復する。

 

 

「(なるほど、アレがあの吸血鬼の体質か。 だがあの再生には魔力が使われている。 ということは魔力が枯渇すれば再生ができなくなるという事か。)」

 

 

とはいえ、その状態に至るまで待つつもりは無い。

 

アーチャーはユエを攻撃を回避しつつある剣を投影しつつ動く。

 

そしてその剣を矢の形にし、弓を引く。

 

 

「! させない!!」

 

 

そこでハジメは背中に背負っていた何かを取り出し、それをアーチャーへ向ける。

 

 

「! (あれは……ライフルか?)」

 

 

ユエの牽制の“緋槍”を避けながら矢を放とうとしたアーチャーはハジメが構えた武器に驚くと同時に警戒する。

 

サーヴァントには魔力を通さない攻撃は通じない。 にも関わらずライフルを向けてきた事を考えれば自分たちサーヴァントを傷付ける事ができるのだと想定した方が良い。

 

アーチャーは警戒しつつ、矢をユエではなくハジメの方へ放つ。 

 

どんな意図があるにせよ、相手が撃つ前に攻撃出来れば問題ない。それ故にユエではなくハジメに向かって放ったのだ。

 

 

「! やあ!!」

 

 

それに気付いたマシュは盾を矢の射線状に投げる。

 

ユエのおかげで放たれた赤原猟犬(フルンディング)は一本となり、威力も徐々に落ちている故に多少余裕ができた為に出来た事だ。

 

投げた盾は矢を弾き、ハジメに当たるのを防いだ後、盾は消滅してすぐにマシュの手に再び現れる。

 

そして再びマシュは赤原猟犬(フルンディング)の攻撃を防ぐ。

 

 

「いけ!!」

 

 

一方、マシュの行動のおかげで無事だったハジメはこの戦いの為に錬成で作成した“対サーヴァント用”ライフル、【シュラーゲン】を構えて放つ。

 

ハジメが放った弾丸は途中、燃え始めさながら炎の弾丸の様になる。

 

アーチャーは先程矢が放たれたばかり。 故にこの瞬間を逃すまいとハジメは放ったのだ。

 

 

「!」

 

 

しかし、相手は弓の英雄。 本来なら放たれた直後は大きな弱点になるというのに間髪入れずにもう一撃の矢を放つ。

 

 

そしてアーチャーが放った矢とハジメが放った弾がぶつかる。

 

 

アーチャーの矢は投影魔術で模倣した宝具クラスの剣。

 

並の攻撃では相殺する事は出来ない。

 

 

 

「! 何!?」

 

 

 

筈だった。

 

 

 

 

アーチャーが放った矢が燃え尽きる光景を見た事で驚愕する。

 

 

「(弾に当たって矢が燃えた? いや、偽物とはいえ仮にも宝具。 それを燃やすとなればそれに匹敵する威力が必要だ。 一体どういうカラクリを───。)」

 

 

そう考え、直ぐに気付く。

 

 

 

「──キャスターの仕業か!!」

 

 

 

あの炎はキャスターが使用する【ルーン魔術】の【アンサズ】だとアーチャーは気付く。

 

 

【ルーン魔術】は詠唱はいらない。 刻まれたルーンに魔力を通す事で発動し、距離が多少離れていても発動する魔術。

 

ハジメが放った銃弾にはキャスターが刻んだルーンがある。 そしてルーンが刻まれた弾は通常の弾より大きい。

 

そこでその弾を放つ様にハジメが作ったのが【シュラーゲン】である。

 

放たれた弾にキャスターが発動を意識するだけで【アンサズ】が発動可能なので、実質キャスターが生きている限りこのライフルからキャスターのルーン魔術が放たれるという対サーヴァント用の武器だ。

 

キャスターが防御に専念しているのはセイバーの攻撃を防ぐだけでなく、ハジメの銃声に合わせて発動する為である。

 

 

「もう一発!!」

 

「クッ!」

 

 

ハジメとユエの炎の攻撃がアーチャーを襲う。

 

攻撃を回避していると、

 

 

「よし、今だ!!」

 

 

藤丸が懐から何かを取り出すしピンのようなものを抜き、アーチャーに向かって投げる。

 

 

「手榴弾!?」

 

 

藤丸が投げた見た目は正に手榴弾のようなものだった。

 

通常ならば警戒する事もない武器。 だが、この手榴弾を作ったのはあのライフルを作ったハジメという少年。

 

 

サーヴァントにダメージを与える事が出来る可能性がある!!

 

 

「ちっ!!」

 

 

咄嗟にアーチャーは距離を取る。 それと同時に爆発する。

 

 

「──やられた!!」

 

 

だがその攻撃はアーチャーに()()()()()()()()()()()

 

ただの煙幕弾だったのだ。

 

 

 

では何故“やられた”のか。 それは、

 

 

 

「やあ!!」

 

 

アーチャーの矢を破壊したマシュが盾事、接近して来たからだ。

 

 

「グゥ!?」

 

 

アーチャーはそのままマシュの盾での突進攻撃を受け、そのまま吹き飛んだからだ。

 

 

「やあ!!」

 

 

そのままマシュは盾をセイバーへと投げる。

 

 

「!」

 

 

咄嗟にセイバーはその盾を弾くも、その弾かれた盾をキャッチしつつ、セイバーを攻撃。

 

ガキィィィンと剣と盾がぶつかる。

 

 

 

「作成通りだ、嬢ちゃん!!」

 

 

それを見たキャスターがセイバーとの戦いをやめ、アーチャーへ向かって行く。

 

 

「ハア!!」

 

「“アンサズ”!!」

 

 

体勢を立て直したアーチャーはそのキャスターを見た瞬間、矢を放ち、対してキャスターは炎のルーン魔術を発動。

 

 

互いが相殺し合って、

 

 

「オラ!!」

 

 

杖で攻撃したキャスターと双剣に変えてその攻撃を受け止めたアーチャーがぶつかり合う。

 

 

「(今だ!!)ユエ!!」

 

「うん!」

 

 

アーチャーとキャスターがぶつかり合っているのを見てハジメはユエに合図をし、ユエも頷く。

 

 

ユエは魔力を操作して魔法を放つ。

 

 

「“凍獄”!!」

 

 

アーチャーとセイバーを分断する魔法を。

 

ユエはそのままキャスターと共にアーチャーに近付き、“凍獄”で自分を中心とした壁を形成。  中にはキャスターとアーチャー、そしてユエの3人。

 

 

「……なるほど。」

 

 

その氷の壁の外側にはセイバー、マシュ、ハジメと藤丸の4人がいる状況となった。

 

 

「対魔力が低いアーチャーをキャスターとあの吸血鬼が相手をし、マシュとお前たちが私を相手にするという寸法か。 特にその錬成術師、この技術が低い世界にこれほどの道具を作るとは見事だ。」

 

「……どうも。」

 

 

藤丸やユエ達以外に褒められたり認められていないハジメにとってあのアーサー王に見事と認められた事を少し喜びつつ、藤丸と共に警戒する。

 

 

「……だが同時に理解した。 あの吸血鬼のみを狙っていたがお前たちがいる限りそれも難しいと、ならば!」

 

 

そうセイバーの雰囲気が変わる。

 

 

「……不服ではあるが、お前達も倒す事にしよう。」

 

「「〰︎〰︎〰︎ッ!!」」

 

 

空気が重い。

 

藤丸とハジメは自分に襲いかかってくる圧を感じ、冷や汗を掻く。

 

 

違いはただ一つ。 セイバーは藤丸やハジメも敵として再認識した。 この一点のみ。

 

 

それだけで2人に重い重圧が襲い掛かる。

 

 

「(これが、アーサー王の気迫。)」

 

「(気迫で動けないっていうのはアニメやゲームとかでよくある場面だけど、いざ体験するとここまで身体を動かすのが難しくなるのか………。)」

 

 

この気迫を受けて2人は畏縮する。

 

当然ではある。 如何に異世界転生をしたとはいえ自分たちは戦闘経験も殆どない人間。 それが英雄とも呼ばれる人物の気迫に耐えろというのが不可能というもの。

 

 

その気迫に2人は

 

 

 

「でも、此処で止まる訳にはいかない!」

 

「ああ。」

 

 

ハジメは自分の家族、そしてユエと白崎さんとの約束を、藤丸はその恐怖に耐えながらも今も戦っているマシュのマスターとしてその圧に耐える。

 

 

 

「アーサー王、貴方達がどんな理由でユエを倒そうとしているか知らないけど、」

 

「必ず皆でこの迷宮から出るって約束したから、貴方達を倒してでも」

 

 

「「ここは通させてもらいます!!」」

 

 

藤丸とハジメの決意の言葉にマシュも頷く。

 

 

「はい、マスター!! 敵、アーサー王。 戦闘を開始します!!」

 

 

マシュの言葉を皮切りにセイバー戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




以上如何でしょうか?


次回は2人の戦局、その決着の予定。


少しでも理解して頂ければ幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。