ジョーカーちゃんもかわいいので書きました
「先輩、これ先輩の落し物ですか?」
「 !そうだよ!なくちゃってて困ってたんだ。ありがとうよしざわ!」
「いえ、お易い御用です。」
見慣れたハンカチを差し出してくれた僕の後輩である芳澤
芳澤に相談しても「先輩には私がいるじゃないですか?」とニコニコ言われたので、そういう物かと今は納得している。
それに、かなり頭の悪い僕は、頭のいい芳澤が居てくれると助かる場面が多い。
ついこのまえ鴨志田先生に怒られていた時も、芳澤が助け舟を出してくれて、先輩としては情けないことこの上ない。
今二人して平常運転ではあるが、このやりとりをしている世界の空は赤い。それに校舎前でのやりとりであるが、その学びやは城となっていた。
僕は芳澤を見上げながら尋ねた。
「ね、ここって秀尽だよね?学校から出たらお城になってるとか、ありえないよね?ね?」
「え、ええ、ふつうに、さっきまで人がたくさんいましたけど……」
「だよね?よしざわと同じかんがえってことは、せいかいかな?」
間違いないだろう。芳澤はなんといっても秀才である。
それともう1つ気になることがある。
「よしざわのその格好はどうしたの?まだハロウィンじゃないよ?」
「……?この服ですか?何年か前からこんな感じなんですよね。それに、もう1人の自分も呼べます。きて、サンドリヨン。」
芳澤がそう言って顔を隠す仮面に手を添え、引き剥がすと青白く光るバレエ選手のような女性が姿を表した。美しい金髪と、黒塗りされているようなフェイスカラーのコントラストが異質さと美しさを持たせている。
ただ、誰もが見て感じるだろうが、僕は漠然と思った。
めっちゃかっこいい!
あ、あのぶわーって炎が出るのもそうだけど、もう1人の自分だなんてカッコよすぎる!!どうやったら僕ももう1人の自分を呼べるんだろう?
いずれ、いずれ会えます……
?今何か聞こえた気がする。
…………まいいや。
「よしざわ!今のかっこよかった!もっかいやってもっかいやって!!」
「ふふ。気に入って貰えて嬉しいです。」
芳澤はそう言ってニコリと微笑むと再びもう1人の自分を召喚した。ふおお……!憧れる!!
「よしざわって普段もかっこいいしかわいいけど、いつもの何倍もかっこいい!」
「あは。ありがとうございます。先輩。」
芳澤はその頬に朱を添えて微笑んだ。やっぱりあの炎って暑いんだろうか。だとしたら申し訳ない限りである。
「パレスに来ても先輩が変わらない……。だとしたら、やはり人格の分裂……。それにペルソナはもう1人の自分と言うくらいだから、ペルソナになってしまったと言うこと……?今のかわいいかわいい先輩もいいけど昔の落ち着いた先輩も捨て難いなあ……。2人に分裂しててくれたら2人とも娶ったのに……。」
「……?よしざわ、どうしたの?」
「いえ、何も」
それからは、芳澤にサンドリヨン?の技を見せてもらった。特に、コウハという技が、ピカーッ!と光ってて凄く凄かった。
そうして遊んでいること数十分すると、人の声が聞こえてきた。1人は聞き覚えがある気がする。
芳澤も何処と無く警戒した様子だったが、もしもの時は全速力で逃げようという浅い考えの元、声の発生源へ向かう事にした。
なにやら桟橋?のような場所で、奇っ怪な見た目をした4人?組が居た。ちなみに疑問符を付けたのは1人が人外だとパッと見で感じたからである。等身違いすぎでしょ。
1人はかなり芳澤ににた見た目だ。芳澤の2pカラーとかあるんだったらあんな感じだろうという気がする。それと、ドクロの仮面をした金髪猫背の人は、鉄パイプみたいなものを肩に掛けていて、いかにもヤンキーって感じだ。時代錯誤じゃない?それ。
あと、もう1人の真っ赤っかなスーツをぴっちり来た女性。目を引くプロポーションだが、それ以前に共感性羞恥とか、驚愕が勝る。それ私服とかだったら不審者だよね。
あと推定人外はやけに細い首に黄色いスカーフを巻いており、でっかい頭にヘルメット?を被っていて、ヘルメットからは猫の耳が生えている。猫耳ヘルメットとか誰に需要がある商品なんだろう。ハンドメイドなのかな。
まぁ、すごく奇妙な見た目をしているけれど、彼らから害意は感じられない。もしかしたら上手く隠してるのかもしれないけれど。
とにかく、ここがどこだか知りたくて僕は彼らに声を掛けることにした。
「ねぇ、そこのひと」
「うわっ!?な、なんだ!?」
見た目より可愛い声の推定人外は、僕に気づいていなかったようで声をかけると驚いて飛び跳ねた。あまりにも勢いよく飛ぶもんだからかくいう自分も少し驚いてしまった。
「誰?」
芳澤の2pカラーさんが落ち着いた様子で話しかけてきた。この人がリーダーなんだろうか?それにしても綺麗な人だなと思う。仮面で目元は見えないけど、鼻は整っているし仮面で隠されて唯一みえる目はすごく大きくて綺麗だ。それに肌もすごく白い。髪がすごく跳ね回っているのがチャームポイントなんだろうか。
「ぼくは、
「私は、……ジョーカー。よろしく。」
「おねーさんジョーカーっていうの!?トランプとかのジョーカー!!?かっこいい〜!!」
僕も聖川ジョーカーとかの方がカッコよさそうで羨ましい限りだ。改名しようかな。どうせ名前変えたとこで名付け親が居ないんだし。
「それでさ、ジョーカーさん。ここはなんていうの?」
「ここはパレ」
「おい待てジョーカー!そんなペラペラ喋るモンじゃねぇって!この、小学生?も、そこのジョーカーみてーな見た目してるやつ含めて、怪しくね?」
む。今僕を小学生と言ったな!!そこの金髪め!
「ぼくは小学生じゃない!高校生だよ!!」
「いやウソつけおまえ」
「ぼくの着てる服が制服なのがなによりのしょうこだよ!!」
そういうと金髪くんはギョッとした顔をして、恐る恐るといったふうに尋ねてくる。尋ねてくる間も、なんか何処かを見ては震えているし、顔面蒼白になっていく。どうしたっていうのさ金髪くん
「あの、学年って……?」
「3年生」
「ナマ言ってすいやせんでしたァ!」
突然スジの通ったヤンキーみたいなことを宣い始めたぞこの金髪くん。そんな上下関係大切にするようにも見えないけどなぁ。
「分かってくれたならいいよ!あ、それと、そこの……猫?人?はだぁれ?」
「ワガハイ猫じゃねぇしっ!!ニンゲンだし!!」
「化け猫だ」
「ジョーカー!?」
どうやら化け猫らしい。にしても賑やかな人達だ。あの赤スーツの女の子は芳澤と何か話し込んでいる。
「よろしくね、化け猫さん」
「化け猫じゃねぇって!いいかよく聞けよ!ワガハイは、モルガナだ!」
あれ、モルガナだったのかぁ。
「ごめんね?よろしく。もるがな。」
「あ、あぁ。こ、こうも素直だとやりずらいな……」
「あ!それよりもジョーカーさん!ウソついたの?」
「出来心だ」
「できごごろならしょうがないか」
「なんでアンタは納得してんだよ」
いつの間にか復活していた金髪くんと、芳澤との話を終えたらしい赤スーツさんが戻ってきて、なにやらあの4人組で少し話をしてくるとの事だった。
「ね、ね、よしざわ!ぼくもあーゆーかっこいい服とか着れるかな!な!」
「ふふ、きっと着れますよ。先輩なら」
芳澤の膝に乗せられながら、あの4人が帰ってくるのを待つ。もしかしたら着いて行けるかも!!?わー!楽しみー!!はやく戻ってこないかな!
僕は4人を待っている間、ずっと足をバタつかせて待っていたのだが、だいぶ足が疲れたのですぐ辞めた。明日は筋肉痛だろう。
「ヨウだっけか?今から話すこと、絶対話さないっていう自信があるなら着いてきてくれ。」
「ある!あるからおしえて!」
口の固さには自信ありだ。そもそも話す相手がいないから固いも何も無いが。
「ホントか?センパイ、ケッコー頭ユルそうだからな……」
「バカにしないでよね!話す相手なんていないもん!」
「本当に申し訳ありませんでした」
「葉、その、強く生きてね」
金髪くんとジョーカーさんにやけに心配された。何故だろうか。とにかく僕はいま知的好奇心の塊なのだ!!
「じゃ、騒ぎすぎてシャドウが来るかもしれねぇからな。セーフルームに行こう。」
セーフルーム?と思ったが、慣れてそうな雰囲気なのと、芳澤が特になにも言っていないので僕も従う事にした。
◆
まず、このお城は秀尽学園で間違いないとのこと。
そして、ジョーカーさん。金髪くんもといスカルくん。赤スーツさんもといパンサーさんは、秀尽の生徒らしい。実名も教えて貰った。あとモルガナは実際猫らしい。化け猫じゃないの?
それと、芳澤が出していたサンドリヨンは、ペルソナと言うらしい。5人ともそれをもっていて、このお城のオタカラを盗むために芳澤以外はここにいるらしい。
そして最も衝撃的なのが、ここが鴨志田先生の心の中という事だった!!
鴨志田、確かに傲慢な人だとは思ってたけど、城だと思ってるなんて、すごい自尊心だ。
なにやら、ジョーカーさん、スカルくん。それとミシマくんは鴨志田先生に退学を宣言されたらしく、それを取り消す為にこうして奮闘しているのだとか。
それなら、許せないだろう。
僕は彼らに力を貸すことを決意した!!!
ま、力ないけどね。
できるだけ続きます