対世界   作:デオルスタ

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初投稿です。余りにも初投稿すぎて稚拙な文ですがお付き合いお願いします。


第1話 とある大学生の日常

「朝のニュースです、まず初めにフィエル大統領の任期が残りわずかと言うところで起きた賄賂問題について、大統領府からのコメントがーーー」

 

 ニュースが流れているテレビを横目に今日のランチをまとめ、大学へ行く準備をする。

 

 私が大学進学を機に地方都市のウェリニルに引っ越してから数ヶ月、すでにルーティンとなった朝の準備をし、荷物がまとまったのでテレビを消し戸締りを確認してアパートを出る。

 

 清々しい朝を迎え、私は「午後はカフェとか行ってもいいかなぁ」と思いながらスマホでSNS流し見して大学行きのバスを待つ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ラクロラ連合共和国 ウェリニル市 べブリットン大学

 

 

「リノア嬢!待っていましたよ!」

 

 午前の講義を終え、午後は空いていたので身軽な思いで大学のランチルームに向かおうと廊下に出た時、廊下にそんな声が響き渡る。

 

 とても…とっても聞き覚えがある。

 

「ス、スリナ教授…」

 

 ラクロラにおいては少し珍しい中央ガムラン系(中央アジア系)の初老の男性。

 

 私の所属する研究室の教授で、大学内においては行動の突飛さで有名であり、一部の噂では連合総合捜査局にマークされているとかされてないとか…私は絶対そんなことないと思ってる…はず…。

 

 そんな人物が早歩きで自分に近づいてくる。

 

「メールを何件か送ったのに既読すら無いとは!流石に寂しく思ってしまうでは無いですか!」

 

「えっ」

 

 ハッとしてカバンの中のスマホを探し出し、ホーム画面を開く。

 

 …確かに6件のメッセージが届いていた。

 

「す、すみません教授、講義中でマナーモードにしていたのとカバンに入れていたもので…」

 

「まぁ、そんな事は些細な事です!貴方にしては珍しい事だったので少し気になっただけです」

 

「す、すみません」

 

 少し周りを見ると「いつものか」と言わんばかりに避けられながらみんな通り過ぎて行く。

 

「ところでリノア嬢」

 

「な、なんでしょうか…?」

 

 気まずいと思ってるところで名前を呼ばれ、恐る恐る聞き返す。

 

「ビナンクス首長国連合共和国に興味はありますかな?」

 

「はい?」

 

午後の予定はその瞬間、霞のように消えるのを感じた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「そんなこと話してたんだ?」

 

  午後にスリナ教授の研究室にお邪魔することを約束して解放された私は、隠れてこちらを覗いていた友人のラエルを見つけランチルームでサンドイッチを頬張りながらラエルにさっきまでの話を聞いてもらっていた。

 

「そうそう…ところで、ビナンスクって言われて何が思い浮かぶ?」

 

「ビナンスクぅ〜?たまにテレビで聞くよ?ドキュメンタリーとかで」

 

 ラエルは箸を器用に使ってテイクアウトしたであろうヌードルを食べながら答える。

 

「だよねぇ…」

 

 そう言いながら私は世界的検索エンジン「テクール」を開き「ビナンスク」と不安になりながら入力した。

 

「お、検索してんの?どんな感じ?」

 

 慣れない手つきでヌードルを箸でつつきながらラエルが聞いてくる。

 

「うーん、中央ガムランの国で…部族国家で…あ!でも治安は思ってるほど悪く無いみたい」

 

「でも中央ガムランでしょ?絶対ヤバいって」

 

「でも隣がボナクシュとトレジアだよ?先進国の隣なら大丈夫でしょ、テクールにもそう書いてあるし」

 

「へー、ボナクシュはともかくトレジアの隣かぁ〜トレジアに旅行行きたいなぁー!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 ランチタイムも終わり「午後の講義がある」と言って足早に校舎に戻って行ったラエルを見送り、私は国際学部にあるスリナ教授の研究室に訪れていた。

 研究室内には大量の資料が積まれており強烈なコーヒーの匂いがしていた、そんな中にスリナ教授ともう1人男の人がいた。

 

「お、来てくれましたね!これで全員です」

 

 スリナ教授はドアの音に気づくなり、後ろを振り返り私を認識すると笑顔でそう言い放った。

 

「さて、まずは自己紹介タイムですね、紹介しますとこちらにいますのが君と同じ国際学部専攻のウェルト・ウェンル君です」

 

 ウェルト・ウェンルと呼ばれたエルラベ系(東洋系)の人物はこちらを見て「どうも」と小さく会釈をする。

 

「あ、初めまして私はクウェリナ・リノアです、よろしくお願いします」

 

 私も反射的に自己紹介をすると「よろしくお願いしますリノアさん」とウェンルさんから挨拶が来た。

 

「うんうん、ファーストコンタクトはそんなに悪くなさそうですね!一安心しました」

 

 教授が何か言ってるが正直私としては「同じ被害者か…」と少しウェンルさんに同情の念を感じていたが為の悪く無い第一印象であった。

 

「さて、まずは説明会を始めますね、2人には軽い概要しか説明してないのでここで詳細に話します。参加するかどうかは後で聞くので安心してください」

 

(あっ、参加可否聞いてくれるんだ…)

 

 スリナ教授とは確かにそれなりに関わりを持つがたかが数ヶ月の話であり、先ほどビナンスクの話が出た時に「あれ?強制…!?」と思っていた位であったが参加可否を聞いてくれた事に安心感を持つ。

 

「さて、まずはビナンスク首長国連合共和国に行く事になった経緯を話しますね」

 

 スリナ教授曰く、うちの大学とビナンスクの大学が姉妹校であり、定期的に交流会を行っており今回は共同でのビナンスクの部族研究の為に私たちがスリナ教授に選ばれたことが説明された。

 

「どうですかね?興味湧きました?」

 

「なるほど…ところで期間はいつなんですか?」

 

 ウェンルさんがそんな質問をする。

 

「今度の冬休みですね、ちゃんと単位にも加算しますよ!」

 

「私たちが選ばれた理由は?」

 

 「単位に加算する」と言う言葉に揺らぎつつ、私も気になったことを聞く。

 

「正直な所普段なら2年生とかを誘うのですが今回はビナンスク国内かつ自然公園内なので安全性が高い事、専門のガイドさんも付いてくれることも相まって「せっかくだから一年生を連れた方が為になるんじゃ無いか」と言う意見が出まして、それで私の方で優秀だと判断した2人を選抜しました。今回2人なのは近隣諸国の政情不安定の煽りを受けて小規模な交流になるからですね…管理しやすいですし。」

 

 とんだぶっちゃけである。

 最後の文言のせいで「えぇ…」とドン引きしつつ気になったことをさらに聞く。

 

「じゃあビナンスク側も含めて六人くらいで行動するってことですか?」

 

「ですね、ガイドも含めて7人で3泊4日です、ちゃんとホテルですよ?流石に部族のところで泊まりませんよ?」

 

 と、様々な質疑応答を繰り返すうちに「行ってもいいかな?」と言う気持ちも出てきた、しかしここでその気持ちにトドメを刺すように。

 

「忘れてましたけど交流会なので費用は経費で落ちますし観光するくらいのスケジュールの余裕もありますよ、後単位も結構あげます」

 

 と言う言葉により、「参加しますか?」と言う問いにOKと返してしまっていた。

 

 因みに研究室を後にする際にスリナ教授に呼び止められ、「廊下で教授が待ち伏せしていた件」について謝られた。

 どうやら他の先生に叱られたらしく、珍しく申し訳なさそうに謝っていて不思議な気分になった。

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