ダイスの結果↓
【この魔法の弾丸はお前の言ったとおり本当に誰にでも当たるな!】
“ビキリッ”
暗闇の中でその音を聞いた。それは硬い何かが割れた音のようだった。
“ビキリッ……、ビキリッ……”
ひび割れる音が、連続する。
最初は遠くで鳴っているように思えた。
だが次第に、それが自分のすぐ近く、自分を包んでいるものから響いていると気づく。
それに気づいた瞬間、押し潰されるような圧迫感に襲われた。
「――ガッ!?」
息が詰まる。
胸の奥を内側から握り潰されているようで、思わず身体を強張らせる。
そのとき――
“バキリッ……!”
亀裂が、大きく走る。
暗闇の中に、細い線が生まれ、
そこから、微かな光が差し込んできた。
圧迫が強まる。
身体が、勝手に前へと押し出される。
“バキンッ!”
決定的な破砕音とともに、包んでいたものが砕け散った。
次の瞬間、
俺は硬い床の上に投げ出されていた。
「……っ!」
そして投げ出された場所は
(……岩?)
岩に囲まれた場所だった。
上も、下も、横も、すべてが同じ岩。
無骨で簡素な部屋だった。
“ピキリッ”
俺が考えにふけっているそのとき背後から音がした。
振り返ってみると、
そこにはひび割れた裂け目があった。
裂け目は先ほどと同じように、“ピキリッ”と小さな音を立てながら、ゆっくりと閉じていく。
数秒後には、最初から何もなかったかのように、完全に塞がった。
「……」
言葉が、出てこない。
ふと、自身の手が視界に入る。
五本の指。
形は、確かに人のそれだ。
だが、それは人の肌ではなかった。
その肌は黒色に染まり、闇が寄り集まって形を作っているだけだった。手を動かすと、影がわずかに遅れて追従する。
「……俺、だよな」
そんなことを独り言ちながら立ち上がり。
そして気づく。
足が、ない。
正確には、足首から先が形を保っていなかった。そこには影が床に“溶け込んでいる”ように広がっていた。
それでも、先程の肌の件といい不思議と不安も恐怖も混乱も、どこか遠い場所にあるかのように消えている。
“その代わりに”と言って良いのかわからないが、肩に感じる重さがあった。
視線を向ける。
そこには、一本の銃があった。
古い様式の
だが、妙にしっくりくる。
まるで最初から、そこにあるべきものだったかのように。
無意識に手を伸ばす。
影の指が銃身に触れた瞬間、
『……その■はあな■■隣り■■ってくれる■』
『……私の■びを受■■れ■くれるの■すか?』
『……独■■がり■■し■をあな■は認め■くれる■■』
『……生■るっ■■も悪■ねえ■。お前■■いなや■に会■■んだか■』
「――っ!!」
様々な声が聞こえてきたかと思うと、突然頭を杭で打ち抜かれたような痛みが走る。
視界がぼけ、終点がゆれ、耳鳴りが響く。
さきほどまで聞こえていた声や音が、すべて水の中に沈んだみたく消えてゆく。
言葉。
感情。
「はっ…はっ…」
荒い呼吸が、空間に溶けていく。
「……っ、はっ……」
頭の奥が、じくじくと痛む。
思考をまとめようとすると、鈍い痛みがそれを押し戻してくる。
◆◇◆◇◆
しばらくして、ようやく痛みが一段落した。
完全に消えたわけではなく頭の奥に、鈍い重さが残っているが……
そして痛みの原因に、もう一度視線を向ける。
それはそこに変わらずにあった。
今度は恐る恐るとした手つきで触れようとする。
そうして"ピトッ"と影の指先が、ゆっくりと銃身に触れた。
今度は、何も起きない。
「……?」
さっきのような声が流れ込んでくることも、頭を貫く痛みもなかった。
ただ、冷たい鉄の感触だけが確かにそこにある。
俺は、少しだけ安心したように息を吐いた。
「はぁ、……それにしても」
周囲を改めて見回す。
岩に囲まれた空間は、相変わらず無機質で、どこまでも暗い。
「此処は一体どこなんだ?」
影の身体を、意識的に動かしてみる。
足はないが、床に溶けた影が、意思に合わせて形を変える。
そうして俺は確かな目的も、行き先も何も分からないまま、一歩、また一歩と歩みを進めるのであった。
合間合間の繋がりが下手っぴ!
レベル比較
レベル1 ZAYIN〜TETH
レベル2 TETH〜HE
レベル3 HE〜WAW
レベル4 WAW〜ALEPH
レベル5以上 ALEPH