トレセン学園は爛れている   作:スーさんFDP

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お久しぶりです。

遅くなりすみません。

今回はヴィルシーナとヴィルトレの裁判です。

どうぞ!




第一九話「リーガルなハイ!」

 

 

 

「これよりトレセン裁判を始める!!」

 

そう力強く叫んだのは、このトレセン学園の理事長である多分合法ロリの少女、秋川やよいであった。

 

彼女の手にはいつも二字熟語が書かれている扇子はなく、裁判長がよく持っている木槌であった。

 

行われている場所はトレセン学園の体育室であり、簡易的なテーブルとパイプ椅子が適当に置かれており、傍聴席には20名ほどのウマ娘やトレーナーが座っている。

 

このトレセン裁判は普通の裁判とは違い、トレセン学園で起きている揉め事にケリを付けるためのなんちゃって裁判だ。

 

端から見ればお遊びの様に見えるが、当の本人達にとっては重要な問題であるというため、このような催しが定期的に開かれている。

 

そして今回の法廷はというと・・・・

 

「罪状を読み上げる前に!被告と原告は席へ!!」

 

理事長の言葉により、被告人こと、ヴィルシーナのトレーナーことヴィルトレは不服そうな様子で席に座る。原告側の席には少し怒った様子のヴィルシーナが席に座る。

 

傍聴席の方では一般生徒が「離婚調停かしら」「契約解除を離婚言うな」等、話を膨らませている。

 

「それでは本裁判は原告ヴィルシーナによるクソボケ裁判を始める!!!」

 

「・・・・・・・」

「ヴィルトレ・・・俺帰っていい」

「ダメですよ・・・この間のキャバクラの料金立替の件、チャラにする約束でしょう」

「ええ~~」

 

隣の席には弁護役として呼ばれたグレトレは帰って良いかと聞くが、ヴィルトレは拒否する。

 

「それに向こうの弁護側、あなたの担当でしょ!頑張ってくださいよ!」

「何でやねん」

 

そう原告側の弁護役にはタマが座っていた。

 

「ヴィルシーナ・・・同じ妹を持つ姉として、この裁判絶対勝たせたるからな!」

「はい!お願いしますタマモさん!」

「・・・そういう繋がりかよ」

 

ちょっと納得と言った様子でツッコむグレトレ。

 

「静粛に!・・・それでは原告側の申し立てを!」

 

「はい私のトレーナーさんは・・・・とても・・・・とても!・・・・とってもクソボケなんです!!!すぐすぐ他の子に甘い言葉を囁いては勘違いでウマ娘の情緒を壊す酷い人なんです!!!!でもこの人ったらそれを認めなくて!!・・・ううっ!」

 

ヴィルシーナは感極まりながら、淑女の姿はどこへいった状態で自身の弁をたたせる。

隣のタマもゴミを見るような目でヴィルトレに視線を送りながら、ヴィルシーナの肩を優しく叩く。

 

「被告は担当にも甘い言葉を囁きながらも、誕生会に誘われても、「大事な家族の中には入れない」などとぬかしており、あまつさえ「君が一番美しい」などと若い少女の心を弄ぶというクズな言葉をのさばっております!!」

「ク、クズとまでは・・・・でも非道いと思っています!!」

 

「・・・・・」

「・・・・・」

 

タマの弁論を聞いて、グレトレとヴィルトレはより一層この場から帰りたくなった。

 

「ふむ・・・原告からの言葉は受け取った!では!被告からの弁論は!」

 

理事長は木槌を被告側に向ける。

それに反応したグレトレが席から立ち上がると、髪を急に七三分けにして勢いよく語り出す。

 

「では・・・・まず!そもそも、担当を褒めないトレーナーなどこの世におりません!!俺のタマや他の担当だって可愛いし、綺麗だ・・・・それは事実である。だけど、心からの言葉を軟派の台詞の様に扱うのはいかがなものかと・・・君たちが年上の甘い言葉に情緒を焼かれたというのなら、私達トレーナーは担当の走りに惚れているのです!!容姿に惚れたわけではありません!っていうかー!!ガキに興味はありませんーーー!!!」

 

傍聴席からも「そうだそうだ!」と何人かのトレーナー達がヤジを飛ばす。

 

「それにぃ!!トレセン学園は婚活会場ではないと、どこかの芦毛チビがおっしゃっていましたが・・・ああ、嘆かわしい!」

「おう!喧嘩ならこうたるで!!このクソボケとれーなー!!!!」

「おやおや面白い稲妻が何かおっしゃってますねー!!相変わらず汚い叫び声ですこと!!」

「上等や!!!もう許さへんからな!!!!」

 

 

既に弁護し役のグレトレとタマの2人が席を飛び出し、メンチを切り始める。

 

「静粛に!!!」カンッ

 

木槌の叩く音が体育館内に響き渡る。

 

「弁護役の2人は席に戻るように!!」

「「っち!!」」

 

とても担当同士とは思えない雰囲気の中、舌打ちをしながら席に戻るグレトレとタマ。

そしてその様子を傍聴席に座ってみていたトレーナーとウマ娘がツッコむ。

 

「な、何かすごい言い合いしてるね・・・」

「あれでもこのトレセンじゃ古株の2人だからな・・・お互い容赦の垣根を知っているからこそ言い合えるんだろうな・・・」

「ん、なるほど・・・・」

 

 

「それではまず原告側に問いたい・・・そもそもこの裁判でヴィルトレのクソボケを訴えるのはよしとしよう」

「おい!」

「だがこの申し出に関しての終着点はどうするつもりで?」

「へ!その質問待ってたで!ヴィルシーナ!言ってやり!」

「・・・・うう」

 

グレトレのその言葉を待っていたかのようにタマはニヤリと笑いながら、ヴィルシーナの肩を叩く。

叩かれたヴィルシーナは顔を真っ赤にして、恥ずかしながらも口を開く。

 

「・・・・・して・・・その・・・」

 

「「ん?」」

 

「・・・・っ・・・せ、責任を取って・・・・私をお嫁さんにして下さい!!!」

『ひゅ~~~♪』

『きゃあ~~~♪』

 

「・・・・・・・は、静粛に!!静粛に!!」

 

突然のヴィルシーナの告白に体育館内のボルテージは急上昇する。

理事長が必死に木槌を叩くが声は鳴り止まない。

 

「ふふん♪」

 

タマはしてやったりといった様子でこの状況を見守る。

 

そもそも今回の裁判、ただヴィルトレのクソボケをどうにかするのが目的ではなかった。

彼女はヴィルシーナからどうにか告白し、お付き合いをしたいことを相談されていた。

だが、彼女は中等部の未成年。

高等部の最高学年である自身とは違い、法律的に確約を結ぶことは出来ない。

その上、ヴィルトレはトレセン学園で名が知れるほどのクソボケとスパダリを兼ね備えたモンスターハイブリッドである。

彼を狙うウマ娘は所々にいる。

そこで思いついたのが、今回のトレセン裁判である。

この裁判の勝ち負け関係無く、ヴィルシーナのとの関係を名実ともに記録に残すことで、既成事実を作ろうとしたのだ。

たとえ、トレセン内でのおままごととはいえ、記録には残るのだ。

 

「(うちらにとっての勝利はこの公の場でヴィルシーナの証言を残すこと・・・・これによりヴィルトレの周りから余計な小バエを排除が目的なんや・・・どやトレーナー!・・・これはよめへん展開やったろ!)」

 

タマはそう思いながら、勝ち誇った様子で向かいの席に座る2人を見る。

 

「      」

「オワタ」

 

最早言葉にならない様子のヴィルトレと、もう知らねーといった様子のグレトレ。

 

「ふふん♪どうやら、うちらの勝ちのようやな♪」

「トレーナーさん・・・・」

 

一方、勝利を確信したタマはニヤリと笑い、ヴィルシーナは真っ赤になった顔を恥ずかしそうに両手で覆いながら嘆く。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヴィルシーナ・・・・・・・」

「・・・はい・・・」

 

長い・・・長い沈黙の中、ヴィルトレが口を開き、ヴィルシーナもうるうると涙を溜めながら、返事をする。

 

 

「・・・・・・・・・・・実は・・・・・先日、婚約して・・・・・」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はいっ?・・・・・・・」

 

 

ヴィルトレの突然の告白に理解が追いつかず、変な相づちを返す。

 

 

ヴィルトレの隣に座っていたグレトレはあちゃーといった様子で頭を抱え、タマは状況が理解出来ず、宇宙ネコ状態になる。

 

傍聴席の面々はヒソヒソと騒ぎだし、理事長は既に逃げ出していた。

 

 

「その・・・・・・ごめん・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」パタリ

「ヴィルシーナ!!・・・しっかりせい!おい!」

 

現状を理解出来ず失神したヴィルシーナに向かって必死に声をかけるタマ。

 

「ヴィルシーナ・・・・敗北の似合う女よ・・・・だが、ヴィルトレに婚約者紹介したの・・・君のパパだからね・・・」

 

 

最後にとんでもないグレトレの呟きとともに・・・裁判は終了したのであった・・・

 

 

 





ヴィルトレ:ヴィルシーナのトレーナーでアプリでも色々やらかしてるクソボケ野郎。今作ではウマ娘のみならず女性トレーナーに職員とクソボケをかますモンスターと化している。
そんなトレーナーとトレセン学園が爛れている事を危惧したヴヴヴ3姉妹のパパはヴィルトレとシュバトレの2人に知人経由で女性を紹介し娘を守ろうとしました(ヴィブトレは女性の為紹介はしていない)。





次回は反省部屋の日常を書きます。

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