今回はちょっとした日常回と次回に繋がる大事なお話である。
ゲノム・セクシャル・ハラスメント・・・・・・通称ゲノハラ。
本来は遺伝子的優位という遺伝子マウントのこと指している・・・・・・否、正確に言うと、指していたと言った方がいいだろう。
とあるスケベな寮長によって、その言葉の意味は変わってしまったのだ。
そして今回はそんな匂いにまつわるお話である。
「「スーハースーハースーハー!!!」」
「何しとんねん!!お前ら!!」
「「へぶっ!!!」」
マックイーン、オグリは必死にトレーナーの使用済みタオルに顔面を擦りつける勢いで、匂いを嗅いでいたところ、部屋に戻ってきたタマの「ロンズデーライトパワー」と書かれたハリセンによってしばかれる。
「一話のトレーナーみたいなことしやがってさかいに!!お前らホンマに反省してきたんか!?ああん!?」
「こ、これは違うんですの!!久々のトレーナーさんの匂いを嗅いでいましたら・・・体が勝手に!」
「そないな言い訳はサクラ大戦の大神はんだけにしときや!!」
「ネタが限りなく古いですわ!!!」
唐突な古いネタをかますタマとマックイーン。
すると、タマは奥の畳スペースでスマホを弄っているミラ子に視線を移す。
「ん、ミラ子・・・は普通そうやな・・・?」
「あ、私さっきトレーナーさんと抱きつきながらお昼寝したんで大丈夫です」
「さっそくかいな・・・」
「な、ずるいぞ!ミラクル!」
「う、うらやましいですわ!!」
呆れるタマと羨ましそうに唸るオグリとマックイーン。
「それにしても・・・・トレーナーの奴、今日はこってりな気分やったんやな・・・」
「え、何タマちゃん・・・喧嘩?」
タマの突然の言葉に喧嘩を売られたと思い、体型いじりのことか、静かにキレるミラ子
「ちゃうちゃう・・・前(一話)にトレーナーの奴が言うてたんや・・・なんやうちらの匂いには特徴があるって」
「特徴・・・ですか?」
「ああ、うちはたこ焼き風味、オグリは炊きたてご飯、マックイーンはスイーツみたいな甘い香り、ミラ子は揚げ物って言うてたな」
「炊きたてご飯・・・トレーナーは分かってる・・・あれはとても良い香りだ」
「わ、私・・・そんなに甘い香りなんでしょうか・・・」シッポカクニンチュウ
「待って!!タマちゃんはともかく私はおかしいでしょ!!」シッポカクニンチュウ
タマの言葉を聞いた3人はそれぞれの反応を示しかえす。
「そういえば・・・匂いと言えば・・・反省部屋でフジキセキさんを見かけましたわね・・・」
「あいつ、最近寮で見ないと思ったら・・・・・・・・因みに何で捕まったん?」
「確か・・・フジトレさんの匂いがついたタオルやシャツ、下着を取っていたことがバレたとのことで・・・」
「アホか」
罪状を聞いて、冷たく一言放つタマ。呆れて物も言えないとはこのことである。
「あいつの意味深な言葉がトレセン学園の生徒達のうまぴょい欲に勢いをかけたからな・・・」
「ゲノ・・・なんだっけ?」
「ゲノム・セクシャル・ハラスメント・・・・ゲノハラですね」
「それは美味しいのか?」
「アホか」
マックイーンの説明にオグリが理解してないからか、天然発言をかます。
「本来の意味とは違いますが・・・フジさんが言うには匂いが良いとされる方とは相性も良いとのことでしたわね」
「それならトレーナーの匂いが好きな私は相性が良いんだな!」
マックイーンの補足説明を聞いたオグリが元気よく答える。
「そなら うちかてトレーナーの匂いすきやで・・・特に夏場の汗かいた時の匂いとか・・・」
「あ、わかる~~練習中にタオル貰う時のフワッとくる時が良いんだよね~~♪」
「わ、私は・・・その・・・おタバコを吸い終わった後にトレーナーさんのとおタバコの絶妙な匂いが好きですわ・・・」カアァ
「「それな!」」
呑気に話し合うタマとミラ子に対し、多少淑女の部分も残っていたマックイーンが恥ずかしそうに答え、タマとミラ子が同調する。
「ねえふと思ったんだけど・・・例えばファミレスとか映画館の席とかで、トレーナーさんの間に私達を挟むとするじゃん、そうなるとトレーナーさん的にはどういう状況になるのかな?」
「え、どういう意味や?」
ミラ子の突然の言葉に理解が追いつかないタマ。
「え~とね、例えば私とマックイーンちゃんがトレーナーさんを挟む様に座るとして、その時とトレーナーさん的には私達の混ざった香りになると思うの?つまりその時トレーナーさんには甘い揚げた匂い・・・・ハニートーストみたいな香りを感じるのかなって~~」
「ミラ子、そんなに揚げ物の匂いがやだからって・・・マックイーン巻き込むなや」
ミラ子の言葉に納得はしつつも、微妙そうな顔をするタマ。
「ですが面白いですわね♪そうなると、私とオグリさんならおはぎでしょうか?」
理解したマックイーンは早速自身とオグリを混ぜた匂いを思いつく。
「炊きたてのオグリが半殺しにされてるやん・・・」
「な!半殺し!?そんな危ないことはやめてくれ!!」
「オグリさん。半殺しとははおはぎの中のお米のことですわ」
「まあミラ子の言いたいことは分かったわ・・・つまりうちとオグリなら、たこ焼き定食いうわけやな」
「炭水化物に炭水化物・・・ですか?」
タマの発言に少し引き気味になるマックイーン。
「炭水化物と炭水化物は正義やで!!」
「え、でもお好み焼きは流石の私でもごはんと一緒に食べないよ・・・」
「お前ら・・・・次、阪神レース場に行くことがあったら絶対食わせてやるからな・・・!!」
2人の言葉を聞いて大阪の人間、基ウマ娘としての誇りが疼くタマ。
「ふむ・・・そうなるとタマとミラクルは揚げたこになるな」
「「銀だこだね(やん)」
「そうなるとタマモさんと私は・・・チョコ焼きでしょうか?」
「たこの代わりにチョコか・・・ちょっと美味そうやな・・・」
「待って!私とオグリちゃんって何?」
「「「う~~ん」」」
ミラ子が遮って声をあげると頭を悩ませる3人。
「ソースカツ丼とかか?」
「ごはんを揚げたりはしませんし・・・」
「炊きたてのご飯を揚げるのだろうか・・・?」
「カレンちゃんあたりならしそうだよね・・・」
「「「確かに」」」
最早ウマチューバ―の会話みたいなノリで話し合う4人。
「そう言えばトレーナーさんどこ行ったの?」
「なんや理事長に呼ばれてるらしいで・・・何でも感謝祭での催しに関してトレーナー全員お呼ばれ掛かっているみたいや・・・」
「そうですか・・・もうそんな時期でしたね・・・」
「今年は何するんだろうね?」
「きっと美味しい物がいっぱい食べれるんだろうな♪」ワクワク
その頃、トレセン学園体育館にて・・・・・・
「な・・・・・!!」
「う、うそ・・・だろ・・・!?」
「なんだ、これは!?」
体育館内にて集められたトレーナーたちは本日の感謝祭の発表にどよめきつつあった。
そこで1人の男が声を上げる。
「血迷ったかあぁ!!!!ロリ事長ォォォォ!!!!!」
「憤慨!!ロリ事長と呼ぶな!グレトレ!!!」
地上最強の生物の様な顔で叫ぶグレトレに対し、どこからともなく出した「憤慨」と書かれた扇子を前に出して、怒鳴り返すトレセン学園理事長秋川やよい。
「ふざけんな!!!だったら何で今度の感謝祭のプログラムにトレーナーが含まれてんだよ!!!!」
そう、トレセン学園名物、春の大感謝祭とはいわば普通の学校で行う学園祭の行事であり、ファン感謝祭も兼ねている大切な行事だ。
即ちウマ娘がメインで行う行事であり、裏方のトレーナーは決して出ることなど許されないウマ娘がメインの行事なのだ。
「そうだそうだーーー!!」
「業務外だろ!!こんなの!!」
「こんなことの為に俺たちはトレーナーになったんじゃないんだぞーー!!!!」
「たづなさん!!こんなことが許されていいんですか!!??」
「・・・・・・」
グレトレの言葉を皮切りに多くのトレーナー達が怒声をあげる。
それを聞いていた秘書のたづなは目をそらす。
いつもならこんなことを許すはずもない彼女が目を瞑る理由がある。
それは・・・・・・
「(ただでさえ、最近の中央トレーナーの就職率の低さと離職率の高さも相まって・・・トレセン学園は別の意味で存続危機になっています・・・それもこれも世間からのトレセン学園の印象は「婚活会場とは名ばかりの狩場」・・・今一度、このイメージを払拭しなければなりません・・・私も、毒も喰らう覚悟で私も了承したんです!!!)」グッ
日本最難関の大学である東京大学を優に超える程の倍率を誇るトレセン学園の中央トレーナー資格。
文字通り人生を捧げたトレーナーたちがやっとの思いで受かった先に待っていたのは
最早ウマ娘とトレーナーの関係は捕食者と餌という関係になっていた。
今一度、トレーナーたちはこんなにもすごいんだぞという所を見せることで、中央レーナ―を増やすことこそが学園幹部達の目論見であった。
こうして今年の感謝祭は例年以上の混沌の幕開けとなるのであった・・・・・・・・
次回から感謝祭編が始まります。
次回予告
喰う者と喰われる者・・・そのおこぼれを狙う者・・・
牙を持たぬ者は生きていけぬ場所
ここは日本トレセン学園・・・多くの欲望に晒されてトレーナー達はその瞳に何を写すのか・・・
魂なきトレーナー達が己の生存を賭けて激突する。
次回、「トレセン学園感謝祭、開幕」
カフェトレの飲むコーヒーは苦い。