またまたいくぜ!!
トレセン学園内にあるとある会議室
そこには異様な雰囲気を身に纏った5人のウマ娘たちがレース前の様なオーラを放ちながらテーブルに座っていた。
「ではこれより・・・トレーナー略奪会議を始める!!」
覚悟の籠もった言葉を放ったのは・・・我らがトレセン学園の生徒会長シンボリルドルフであった。
「「「「・・・・」」」」コクリ
残りのメンバーであるドリームジャーニー、ダイワスカーレット、デュランダル、ナイスネイチャたちは静かに頷いた。
まずこのトレセン学園でのトレーナーと担当バたちの状況を説明しよう。
この爛れた学園ではウマ娘の卒業後にトレーナーと結婚するウマ娘も少なくはない。
既に婚約寸前の子達であるウオッカやキングヘイロー、トランセンド、マンハッタンカフェ、カルストンライトオといった「ぴょい婚」勢。
そしてチームで牽制、又は囲ったほうがよくね?といった「アオハル(意味深)」勢。
次に現状、トレーナーに彼女、又は婚約者のいる「下克上」勢
そして、トレセン内でも最悪と言われる既に結婚済みのトレーナーを愛してしまった「ゲート不備」勢と4つの勢力に分かれている。
そしてこの部屋にいるメンバー達は「ゲート不備」勢。
すなわち恋のレースにすら出走できなかった哀れなウマ娘たちであり、
彼女達はその中でも、トレーナーの真剣な言葉に一喜一憂し、勝手に自分を終生のパートナーだと思い込んでいた哀れなウマ娘たちである。
「それでは・・・今回は現状報告から始めようと思う・・・まずは私からだ・・・・・・・・・彼の妻である
「「「「!!!!!」」」」
ルドルフの言葉に4人は驚きの余り、声の発生すらも忘れる。
「・・・・・・・ははっ・・・・・・」ツー
ルドルフは小さく笑うと、一筋の涙を流す。
「これはもう・・・・・・逆ぴょいして私も妊娠するしかないようだ・・・」
背に腹どころか色々な物を投げ出す覚悟を持つルドルフ。
彼女の目には愛するトレーナーが既婚者と知った日から、光は消え失せていた。
そんな中、ジャーニーが静かに手をあげる。
「そうですか・・・実は私も・・・覚悟を決めまして・・・」
「何?」
「どういうことですかジャーニー先輩?」
ルドルフとスカーレットが聞き返す。
ジャーニーはかけているメガネを外し、レンズをメガネ拭きで静かに拭う。
「いえ・・・この間、彼の奥さまと初めてお会いしまして・・・何でもその日、奥さまは何となくでお弁当を作ったらしく・・・一緒に食べようと学園にやって来たそうで・・・」
ジャニトレの奥さんはジャーニーとは真逆の体型・・・すなわちボンッキュッボンッな人だったらしい・・・
しかも彼女の神経を逆なでしたのは・・・それだけじゃなかった・・・
「あの女・・・わざわざ私の反応を楽しむかのように・・・イチャイチャしだして・・・しかも弁当を間接キスどころかわざと舐る様に食べ合って・・・しまいには・・・」
『ジャーニーちゃんも食べるかしら?フフッ♪』
ジャニトレ妻はそう言ってジャニトレが口を付けたあとの箸でだし巻き卵を目の前に持ってきたとのこと・・・
「傾国の雌狐・・・彼女を屠り、彼の隣に座ることが私の使命だと痛感しました」
なおこの顔を見たオルフェーヴルは恐怖のあまり彼女のトレーナーのところに避難したという。
「奥さまを屠る・・・ですか・・・」
その言葉に反応したのはデュランダルであった。
「・・・・何度・・・・何度・・・そのことを考えたでしょうか・・・手を下そうと思えば出来るでしょう・・・・・・または奥さまの前で、不貞を働き、別れさせるなど・・・何度思ったことか・・・!!!」
「デュランダルさん・・・」
涙を流しながら吐露するデュランダルの姿に胸を痛めるジャーニー。
「でも・・・!!・・・・・・・そんなことをしても・・・あの方の心がこちらに傾くとは限らない!!!!」
「「!!!!!!」」
「「・・・・・」」
スカーレットとジャーニーは驚き、ナイスネイチャとルドルフは静かにうつむく。
「ごめんなさい会長・・・皆さん・・・私は今日限りで抜けさせて頂きます」
デュランダルはそう言って、座ったまま静かに頭を下げる。
「・・・それもまた、一つの答えですね・・・私はあなたを尊敬しますデュランダルさん・・・」
ジャーニーは少し羨ましそうなぎこちない笑顔で返す。
「でもそんなきれい事で!!!」
「スカーレットさん・・・」
「あんな・・・あんなに・・・一番だって言ってくれたのに・・・うう・・・うえ~ん・・・」
納得のいかなかったスカーレットは声を挙げて涙を流す。
そんな彼女をデュランダルはそっと立ち上がり、後ろからやさしく抱きしめる。
「・・・うまぴょい(意味深)に正しいも悪いもありませんよ・・・」
「ナイスネイチャ・・・」
ぽつりと語るネイチャにルドルフが返事をする。
「アタシは・・・結局レースでも恋でも・・・一着になれませんでした・・・今だって本当はあの人の隣でお料理食べて貰いたいし・・・だから決めたんです・・・アタシ・・・」
虚ろより虚ろな目をしたネイチャはニチャアと不適に笑いながら、言葉を放った。
「アタシ・・・トレーナーに逆ぴょいして、証拠を奥さまに見せつけて・・・コワします・・・何もかも・・・全部ッ!」
その時だった・・・・・!!!!
ガンガンガン!!!!
「開けろ!!うまぴょい警察だ!!」
フェノーメノの凜々しい言葉が教室の扉の向こうから響き渡る。
『!!!!!!!!!!』
突然の出来事に同様する5人。
さらに反対側の扉からも大きな音が鳴り響く。
「開けんかい!!!!大阪や!!!!!・・・・・・・・・・・ちごたっ!!府中やあぁ!!!!」
明らかな言い間違いと汚い叫びからかタマモクロスも居ることが確認出来た。
「ゴルシィ!!やったれ!!」
「りょ」
ギュイイィィィィィンンンン!!!!!
その瞬間、部屋の扉から電動ノコギリの刃が入ってきた。
そして丁寧に扉の鍵の部分だけ切り取られ扉が開けられる。
「ルドルフ!!年貢の納め時や!!!」
「く、タマモクロス!!何故君が!!」
「うちら主体の小説でうちらのうち、一話に一回、誰かが登場せえへんといかんのや・・・しゃあないやろ!!」
滅茶苦茶メタな理由で登場したタマはメノ、ゴルシに他のウマ娘と共に雪崩れ込むように部屋に入り、中にいた五人を確保していく。
「待って!!デュランダル先輩は違うの!!!」
「なんやと・・・?」
スカーレットの悲痛な叫びがタマの耳に届く。
しかし・・・・
「いえ、・・・・私も同罪です・・・沙汰は受けます」
「そんな!!!いやぁ!!」
デュランダルの諦めたかのような言葉を聞き、悲鳴をあげるスカーレット。
「話は取り調べ室で聞きます・・・連行して下さい!」
ル~ル~ル~~~ル~♪ ルルル~~ル~ルル~~~♪
(某死神の名探偵のBGM)
連行されていく5人を見ながらタマがいつの間にか蝶ネクタイとメガネをかけたゴルシに質問をする。
「これでよかったんかな・・・ゴルシ・・・いっそのこと、逆ぴょいさせてやった方がよかったんやろか・・・?」
「バーロー・・・相手の合意も得ずに逆ぴょいする担当バなんて殺人者と変わんねえよ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや殺人者は言い過ぎやねん・・・」
「それにあいつらは、あいつらのトレーナーが救ってくれるさ・・・」
「せやな・・・・」
ゴルシの言葉にタマは小さくニヤリと笑いながら返事をした。
こうしてまた一つ、事件の幕が下りたのだった。
後書き
先程の話題にでた4つの勢力の比率ですが・・・
ぴょい婚勢・・・15%
アオハル勢・・・50%
下剋上勢・・・25%
ゲート不備勢・・・10%
となっています。