憑かれた俺と人類最後のマスター(偽)   作:まるまるボウズ

4 / 4

「うはははは!!ついに、儂の登場か!くーるに!かっこよく、殲滅してやろうぞ!」

「ノッブ、あなた、出番まだ先ですよ。」

「なっなにィィィィーーーッ!!」

「ていうか、前にもやりましたよね。この下り。AUOが。」





FGOの英霊って多いよね

 

 

 

 

「クソッ!クソクソクソッ!何なんだあの女は!」

 

人気の無い路地裏で憑从影(シャドウ)が、血を地面に滴らせ、壁を這うように、一歩一歩進んでいく。

肩や腕、横腹などに、銃創と思わしき傷口があり、ドクドクと血が流れていた。

 

「早く…!何処でもいい、身を隠さなければ…!」

 

「…悪いが、それは叶わんぞ。憑从影。」

 

「!?」

 

満身創痍の憑从影の目の前に立ちはだかるのは、赤い外套を着た、白髪の青年だった。しかも、その青年は悪霊だったのである。

 

「何なんだお前!?悪霊のくせして、何故俺の邪魔をする!?」

 

「…此処に来る前、橙髪の少女にあっただろう?」

 

「お前、あの女のッ…!」

 

「逃げるなら今の内だぞ?もっとも、逃がしはしないがね。」

 

白髪の青年の手には、いつの間にか夫婦剣が握られており、ゆっくりと憑从影へ歩みを進めていく。

 

「ひぃっ!たっ助けッ…!」

 

情けない悲鳴をあげ、憑从影は尻餅をつく。

 

「君は、今まで命乞いに耳を傾けたことがあったのか?」

 

「それはっ!」

 

「……。」

 

白髪の青年…エミヤは、憑从影へ向かって刃を振り下ろす。

 

「まっ待て!お前、憑从影になれよ!」

 

「……は?」

 

振り下ろした刃が、憑从影に触れる寸前で止まる。

 

「お前、悪霊なんだろ!?それもかなり強力な!俺が"上"に掛け合ってやるからさ!欲しいだろ!?肉体!あんな女に仕え続けるには勿体ねぇ!

お前ほどの悪霊なら上級者…いや、災害級だって夢じゃない!良い話だろう!?」

 

「…論外だな。私とて、仮にも英霊だ。そんな他の英霊達に、泥を塗るような真似はしないさ。さらばだ。憑从影。」

 

「ひいぃっ!!」

 

ザンッ

 

一撃で首を切り裂く。その瞬間、飛び散った血がエミヤの頬にかかる。

傷口から大量の血が流れ出て、水溜まりのようになっていた。

 

 

「…ふぅ。」

 

「お疲れ様、エミヤ!助かったよ。」

 

奥から、橙髪の少女が走ってくる。手には、サプレッサーのついた拳銃が握られていた。

 

「…マスター。いくら人気のない場所とはいえ、拳銃を持ちながら走り回るのは止めておけ。あらぬ誤解を生んでしまうぞ。」

 

エミヤは呆れたように眉間を押さえる。

 

「いやー。まぁでも、マシンガン持ち歩くよかマシでしょ!前みたいに!」

 

「言い訳にもなってないぞマスター。…! マスター、その傷はどうしたのだね?」

 

私の、頬や、肩の傷に気がついたエミヤが、何処から出したのか救急箱を取り出して駆け寄ってくる。

 

「あぁ、この傷はね、この憑从影が逃げたあとに新手が出てさ…奇襲されちゃった。 」

 

エミヤは無言で上着を脱がし、消毒綿とピンセットで傷口を消毒する。

アルコールが傷口に沁みる。

 

「イテッ…そいつはもう倒したから大丈夫だよ!アダッ!」

 

エミヤは手際よく私の肩に包帯を巻いていく。その顔は少し心配なような、怒っているような感情が読み取れた。

 

「…あれほど油断はするなと…まあ良い。終わったぞマスター。」

 

頬にガーゼを張り付け、エミヤは溜め息をつきながら立ち上がる。

 

「有り難うね。エミヤ。」

 

「今回は大丈夫だったが、奴等が狙ってくるのは決まって脳だ。油断はしないように。」

 

「解ってるって。帰ろっか!マキちゃんが待ってる。」

 

 

 

 

◇◇◇

 

-黒神家-

 

 

 

「たっだいまー!」

 

バァンッ!と勢い良くドアを開け、リビングへと入る。

 

「わーい!立香ちゃんだー!!」

 

私を見た瞬間、ミレイが勢い良く抱きついてくる。

 

「おかえり藤ねぇ。…頼むからドアはゆっくり開けてくれ。あと銃も片付けてから来てくれ…。」

 

キッチンで料理を作りながら、ユウマが呆れたように言ってくる。

 

「藤ねぇ。その頬の傷は…?今日も遅かったですし、何かあったんじゃ…!」

 

「えっ!?怪我!?立香ちゃんが!?」

 

ハカとミレイが心配そうに私を見てきた。

私の任務が遅くなるのは良くあることなのだが、今回はそれに加えて、頬に切り傷があるため心配させてしまったらしい。

 

「えっ!藤ねぇ怪我して帰ってきたんですか!?」

 

マキちゃんがキッチンから走ってきた。

 

…今言うことではないが、何度聞いても、"藤ねぇ"というあだ名には慣れない。

いつも聞くたびに、どこぞのタイガーを思い浮かべてしまう…。まあ、皆が呼びやすいって言うから受け入れてはいるんだけどね。

 

「いやー。単独だと思ってたのに、憑从影が実は2人いてさー。片方に奇襲されちゃって。ごめんね、心配かけて。かすり傷程度だから安心して!」

 

「かすり傷って!もう!大ケガしたらどうするの!」

 

「その通りです!藤ねぇ、最近は単独で任務をこなしてるんですから、無理しちゃダメですよ!」

 

ミレイとマキが前後から、口をむくらせながら抱きついてくる。…ちょっと苦しい。

 

「ははっ、ごめんね!でも大丈夫だよ。いざとなれば英霊達もいるし。」

 

口をむくらせたままのマキとミレイの頭を優しく撫でる。

 

「なぁ、藤ねぇに取り憑いてる悪りy…英霊って何体いるんだ?」

 

台所から、エプロンを外しながらユウマが歩いてくる。

 

「えー?どうしたの急にー?」

 

ミレイ達の頭を撫でながら答える。

 

「いや、純粋な興味っつーか。なんつーか…。俺よりも多いってのは、アルトリアさんから聞いてるけど、具体的な数字は聞いてないだろ?」

 

「あ!それ!マキも知りたいです!知ってる人殆どいませんし!」

 

マキがキラキラした目でこちらを見てくる。

 

「私も、エミヤさん含めて、数人くらいしか知りませんし!色んな神話や物語の英雄が憑いてるんでしたよね!」

 

「そんな面白いものでもない気がするけどねぇー。まあ、隠すようなものでもないし、いっか!」

 

「やった!」

 

「えーっと確か…」

 

4人の視線が私に集中する。ゴクリ、と生唾を飲み込む音が聞こえた。

 

 

「──400体と、50?」

 

「え(は)?」

 

「…まぁ、間違いなく400体以上はいると思うよ!」

 

 

「「「えぇぇぇぇぇぇ!!!???」」」&「はあぁぁぁぁぁ!!??」

 

 

「いやいやいや!何で生きてるんですか藤ねぇ!?」

 

「おぉ…その言い方は語弊が生まれるよハカちゃん…。」

 

「400体以上って、俺の8倍いるじゃねぇか!?つーことは呪いも相当…ッ!!」

 

ユウマの顔から、心配、同様、驚愕の感情が見てとれた。

 

「いやそりゃキツいっちゃキツいけど…。二年前にも話されたでしょ?呪いを押さえてくれてる人もいるから。…まあ、がんがん呪い飛ばしてくる奴等もいるけど。」

 

「…あの、藤ねぇの"呪い"って何なんですか?いくら抑えてくれてるって言っても、400体以上もいれば、相当な負担になると思うんですが…。」

 

ハカが心配そうに聞いてくる。

憑き影には、異能力の他に副作用のような、"呪い"が必ず存在する。

例えば、マキの『冷たいものに触れなくなる呪い』や、ハカの『定期的に霊を憑依させないと身体が崩壊する呪い』などだ。

 

私の呪いは、異能力の負荷とは別に、英霊を背負う負荷を負っている。その呪いは"俺クロ"本編のユウマ…つまり、100体以上を取り憑かせているユウマと同等の負荷がかかっている。

 

アルトリアや、エミヤなど、殆どの英霊達は、かかる負荷を最小限、抑えてくれているが、一部のサーヴァントには、この状況を面白がって負荷を強めたりしているやつもいる。

 

毎晩、全身の骨が軋むような、筋繊維が1本1本千切れていくような、そんな痛みが襲ってくる。

憑依を使った日なんて───まぁ、それはいっか。

 

 

 

「私の呪い?えっとね…毎晩ランダムで英霊の記憶が夢として流れてきたり、もしくは英霊が現れたり。その他は…一部のわるーい奴等が嫌がらせしてくるくらい。」

 

「それ大丈夫なの!?"嫌がらせ"って言うと凄い可愛らしく聞こえちゃうけど!?」

 

「あっはっは!大丈夫!大丈夫!悪路王とかその他の悪霊のと比べたら"嫌がらせ"レベルでしょ!」

 

「いや藤ねぇのは全員が英霊、英雄の悪霊なんだから、普通の悪霊が多い俺なんかよりも相当ひでぇだろ…。」

 

「だから大丈夫だって!私はユウマみたいにあっくん(悪路王)とかしゅーちゃん(酒呑童子)以上にヤバい奴は取り憑いて──────」

 

 

 

AUO、神造兵装(エルキドゥ)、ヘラクレス、この世全ての悪(アンリマユ)闇の妖精王(ヴォーティガーン)、etc…

 

 

 

「─スゥーーーーーーーーーーーまあ、大丈夫!」

 

 

「「今の間は!?」」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

2月23日

 

三・二四の埼京事件より、1ヶ月前。

 

「ん?こんな時期に入隊なんて珍しいな。」

 

比嘉先輩が頭の後ろに手を組ながら呟く。

 

「まさか…!」

 

…あぁ、ついに、来てしまった。アイツが。

 

「本日から第四殲滅部隊に配属されました。高階(タカナシ)と言います。戦闘向きの異能力ではないので、ご迷惑をおかけするとは思いますが、よろしくお願いします。」

 

タカナシは深々とお辞儀をする。

お辞儀で隠れた顔が醜く、不気味な笑顔を浮かべていたことを、私は見逃さなかった。

 

 

「タカナシッ…!」

 

 





おまけ

~マキちゃんと邪ンヌ
      殲滅任務にて~

「来なさい、我が龍よ!」

スキル、"うたかたの夢"により自身にバフをかける。

「喰らえ!」

炎の龍と共に、憑从影へ槍の様に丸めた旗を叩きつける。

「ぐあぁあぁぁ!!」

「あら、随分と呆気ないものですね。」

「……。」

「あらマキ、どうしました?貴女の手柄を横取りしてしまったこと、怒ってます?」

ニヤニヤしながらマキに向かってゆっくりと歩いていく。

「かっ…。」

「か?」

「かっこいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」

「!?!?!?!?」

「炎の龍がぐわぁーって!紫の炎とか、炎を纏った武器とか!すっごく中二心が擽られます!」

「なっなにを!ふ、復讐に堕ちた聖女など…!あまつさえ邪龍を操る魔女なんて…醜いとは思わないの!?」

「思いません!復讐とか、邪龍とか、むしろそそります!とってもかっこいいです!!今度炎の扱い方教えてください!」

「~~っ!!!」





駄文でしたね。
今回も。ありがとうございました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

Re:憑かれた俺と人類最後のマスター(偽)(作者:まるまるボウズ)(原作:憑かれた俺と黒神心霊相談所)

憑かれた俺と人類最後のマスター(偽)のリメイクです。▼1話、2話のできと、ストーリー構成に納得がいかないのでリメイクします。相変わらず不定期は続きます。▼あと、まさかの"神様転生"タブをつけ忘れるという大失態をしたので、ここで謝ります。▼ごめんなさい。▼何処にでもいる普通の女子高生が死に、気がついたら神様を名乗る男がいて…


総合評価:9/評価:-.--/連載:3話/更新日時:2026年04月11日(土) 21:08 小説情報

七崩賢『強欲の魔女』エキドナ(偽物)(作者:魔女の茶会のお茶汲み係)(原作:葬送のフリーレン)

 フリーレン世界にエキドナ憑依系TS転生者をぶち込んで、ただただエキドナロールプレイさせるだけの愉快なお話。▼「ボクはただ、君の全てを知りたいだけさ」▼ なおスペックは、種族が魔族になった以外まんまエキドナと同程度の力を扱えるが、頭が少しばかり残念になってます。▼「お前はその好奇心を満たすためにどれだけの人間を殺したんだ」▼ ちなこの転生者は人殺したことはあ…


総合評価:4811/評価:8.38/連載:2話/更新日時:2026年04月05日(日) 22:18 小説情報

俺が死んだと思っている仲間と会うのが気まずい(作者:guruukulu)(原作:葬送のフリーレン)

何で死んだのが分身って誰も気付かないの・・・


総合評価:5815/評価:8.03/連載:6話/更新日時:2026年04月01日(水) 19:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>