嵐を呼ぶぼっち・ざ・ろっく! 昼メシの流儀 編 作:tatararako
3話を投稿させて頂きます。
今回はリョーたんこと、山田リョウ。
オレの名前は野原ひろし、35歳。
ふたば商事に勤務するサラリーマンだ。
「ん、んん~~……午前の仕事、終了!!」
そんな午前の仕事を終えたオレは、時計を見て、もうすぐで良い時間であると分かる。
……そう、良い時間とは、昼メシの時間だ。
さて、次の取引先に向かう前に、今日の昼メシは何にするかな?
「……あっ。」
「うおっ!!?」
とか考えていたら、リョウちゃんを見かけたため、マグロ丼とかで海鮮丼を食べたことや『旨井茶屋』に連れて行って欲しいと言われたことを思い出し、つい身構えてしまう。
……まあ、高桐くんに良い店を連れて行けたから助かったけどさぁ。
「………。」
「ア、アレ?」
けど、リョウちゃんは何故か下に俯くのであった。……それが気になったオレは、ついどうしたのか?と聞いてしまう。
「ど、どうしたんだ?リョウちゃん?」
「い、いや、何でもないです……。」
すると、リョウちゃんは「何でもないです……。」と言うけど、
「……ハァ。」
ため息を吐きながら、下に俯いていた……な、何だろう?すごく気になる。
「そうか……まあ、元気出せよ。何時までもクヨクヨしててもしょうがないだろ。」
「………ハイ。……ハァ。」
あ~…全然ダメだ。……しょうがない。
「ヨシ!今日の昼は何かリョウちゃんの好きな物を奢ってやる!」
何か昼メシを奢ってやろう。……そう思い、リョウちゃんに言うと、
「……え?無理しなくて良いですよ?」
……アレ?
「ホントは私と行きたくないんじゃないですか?」
お、おかしいな?……確か、虹夏ちゃん辺りから聞いた話によると、奢ってもらうの好きらしいのに?
「……私より、研修中のフレッシュな新人と一緒に行った方が良いんじゃないですか?」
と言いつつ、リョウちゃんはオレに高桐くんのSNSを見せてきた。
「連れてってくださいね。……と言ったのに。」
……こ、コイツ、自分よりも先に高桐くんと『旨井茶屋』に行ったことを根に持ってるのかぁ?
いや、んな訳ないか。こっちはおっさんだし。
「というか、可愛い女子高生の私よりも、高桐さんを選ぶなんて……。」
根に持ってるようだった。
そんで、リョウちゃんは自分のことを"可愛い女子高生"と言っていた。……自分で言うなっ!!!
「……もしかして、ひろしさんってホ〇なんですか?」
そして、リョウはオレに女子高生の自分よりも高桐くんを選んだことを同性愛者か何かかと聞かれた。……ちげぇよ。
「この『旨井茶屋』の銀座本店も美味しかったから、ひろしさんと行きたかったのになぁ……。」
そう言いながら、目に涙を溜めながら言うリョウちゃん。……というか、高桐くんから教えてもらったけど、お前も銀座本店の方を食べてるのかよ。
「ハマグリが開いたのを見ながら『ヒライタ!』『ヒラキマシタネ!』とか言い合いたかったなぁ……。」
そんなことしたかったのかよっ!!……まあ、実際、高桐くんとそんなことしたけど。
「……最近は両親とそういうことしてないし。」
……ああ、なるほど。両親と上手く行ってないとか、そういった経緯が有ったのか。コレはかなり重症だな。
……まあ、ひとりちゃんの友達だから、ほっとけないし、それに、このままだと、ホ〇だ何だと言われて、それを聞いた高桐くんや川口から距離を取られるかもしれない。……そう思ったオレは、
「分かった!!……今日は何でも好きな物を食っていいぞ?」
リョウちゃんに何でも好きな物を奢ってやると言った。
「……え?私の好きな物ですか?」
「おう!!」
「何食べても良いんですか!!?」
「お、おう。(……食い気味だな。)」
「……ホントに?」
「ま、任せとけっ!!」
……いや、言ってしまった。『旨井茶屋』の銀座本店みたいにお高い店じゃありませんように!!!
「……あっ、良いんですか?それじゃあ、近くに行きたかったのが有りますので、付いて来てください。」
……何と言うか、リョウちゃんの「あっ、良いんですか?」みたいな軽い言い方にイラッとするところは有るが……大人としてガマンしないと、アレは多分、きっと、自分のお父さんに甘えられない衝動というか、反動みたいな物だろう。……きっと、多分。
こうして、オレはお高い店じゃないことを祈りつつ、リョウちゃんと一緒にその店へと向かうのだった……。
「――――ココです。」
そうして、オレ野原ひろし35歳は、リョウちゃんが行きたいと言っていた店の前へと来ていた。……そこは???
な、何だ!?この店はっ!!?凄いメルヘンチックだぞ!!?
「……此処は?」
「パンケーキのお店です。」
そのため、リョウちゃんに何のお店か聞くと、パンケーキのお店らしい……え?何で?さっきの会話からして、うどんすきとかそんな感じの鍋物だと思っていたから、意外と言うか、何と言うか。
「一回、郁代から聞いて行ってみたかったんです。……女一人で行くの、なかなか無理じゃないですか?」
女一人で行けるよ!!?若い女子の行列を見てそう思わないのか!!?
というか、それを考えたら、スーツ姿のおっさんと女子高生の二人が来てる方が問題有りだよっ!!?ミスマッチにも程が有るだろっ!!?
……唯一居る"男"と言えば、カップルで来ている外国人だけ。
それに加え、リョウちゃんは女子高生の制服のままだし。……こんなの耐えられない!!
「こ、此処は辞めとかないか?結構並んでるみたいだし?」
「えぇ~?」
嫌そうな顔をしないでくれリョウちゃん!自分で誘っておいてソレは無いのは分かるけど!!!
「……じゃあ、フレンチ・ド・リュクスのランチでも良いですか?」
「フレンチ・ド・リュクス……。」
確か、リョウちゃんが言うフレンチ・ド・リュクスのランチコースは5000円以上する高級フレンチ……。
「ヨシ!並ぼう。……並んで腹を空かした方がランチを楽しめる。」
二人で一万円は払えんっ!!!!!!
「――――大変お待たせしまし……たぁっ!!?(……え?何であの私の匂いを嗅いでたお客さんが来てるの!?私、四杉遥のアルバイト先がもう嗅ぎ付けたってことっ!!?)」
こうして、20分も経ってようやく席に着けた。……ふぅ、やっと座れる。
「彼女の方が背高いらしいよ?」
「えーっ?ソレちょっと引くかも?」
……ほう。
「ネイル可愛くない?」
「ヤバイね~!」
「何処でやったの?ソレ。」
店内もやっぱり若い女子だらけ。……スーツ姿のおっさんと制服姿の女子高生は浮きまくっているぅ。
(……やっぱ、あの人、えんこ……パパ活おじさんなんじゃあ?というか、もう違う娘に手を出してるのっ!!?)
「遥ちゃん?」
現に、店員さんも怪訝な目で見ているし……ま、まあ、とりあえず何かメニューを見るか。
パンケーキ以外に食う物が無いようだが?果物とか、トッピング出来るんだな?
……何も無しのパンケーキのみも良いが、折角来たんだし。オススメのイチゴをトッピングだ!!
「ご、ご注文はー…。(遥、パパ活という日本社会の闇を見たぐらいで挫けちゃダメよ!どんな時でも笑顔を出さないと!!)」
「私は……妖精のパンケーキに、バナナとナッツをトッピングで、ソースはチョコレート。バニラアイスも乗せてください。ドリンクは羊のカフェラテをアイスで。」
「か、かしこまりましたー…。」
うおっ!!?リョウちゃん?初めてなのに慣れた注文をするじゃねーか?
……来たいって言ってただけのことはあるな。
「あ!ひろしさんは?」
「あ、じゃあ、イチゴのパンケーキとアイスコーヒーを……。」
そして、リョウちゃんがオレに振ってくれたお陰で、店員さんに注文を出しやすかった。……コレは助かる。
「あ、あ、ただいまパンケーキは15分程お時間を頂いておりますが、よろしいでしょうか?(とりあえず、注文を聞いたら離れよう。)」
「あ、ハイ。」
15分かぁ……15分もこの可愛らしい空間に居なきゃいけないのかぁ……。
とりあえず、リョウちゃんと何か話してみるか。
「どんなのが来るか、楽しみだな。」
「郁代が言うには、美味しいパンケーキ屋さんらしいです。」
「……郁代?」
「あっ、同じバンドメンバーの喜多郁代です。……一番女子高生らしい娘です。」
リョウちゃんがそう言うと、スマホの写真を見せて、指を指しながら喜多ちゃんがどういう娘か教えてくれた。
……へぇ、如何にもイマドキの娘って感じだなぁ。
しかし、意外だな。
てっきり、リョウちゃんはこういうイマドキの娘が好みそうな感じしなかったし。
「へぇー……リョウちゃんもこういうのに興味が有るとか?」
だからか、オレはリョウちゃんに聞いてみた。
「いえ、私は"変人キャラ"が崩れるから、興味ありません。」
……すると、リョウちゃんは変なこと言い始めた。
何なんだコイツッ!!?
……しかし、何も盛り上がらないな……こういう娘は何が好きなのか分からん。
このままじゃ、パンケーキが来ても盛り上がらずに黙々と食べるだけだぞ!!?……このままじゃダメだ!!!なんとかしねーと、
……けど、どうしたら?
「撮るよー!」
「待って待って!」
ん?隣はイソスタといったSNSをやってるのか、自撮りに励む女子大生達。
「キャーまじぃ!?」
「ヤバイって言うかヤバイんだけど!?」
何かヤバイことで盛り上がっている女子高生達。
……そうだ!コレだ!!
郷に入れば郷に従え!!
浮いてる等と悩むより、この店に溶け込むべきだ!!
「リョウちゃん!」
「はい。」
「せっかく、人気の店に来たのに、さっきからオレ達は全然喋ってないし、楽しめていない。」
「……はい?」
「それじゃあ、勿体無いし、店にも失礼だ。……だから、良いか?今からオレ達は"女子"になる。」
「……え?(……ついに狂ったか?というか、私は女子……。)」
「今から、オレは"リョウちゃん"のことを"リョーたん"と呼ぶ。オレのことは"ひろっち"と呼べ。」
オレはそう言うと、口を大きく吸って、頭の中で『オレは女子。オレは女子。オレは女子。オレは女子。オレは女子。オレは女子。オレは女子。オレは女子。オレは女子。オレは女子。オレは女子。オレは女子。オレは女子。』と呪文のように囁く。
………そうして、
「ねえねえ"リョーたん"!どんなのが来るのか楽しみだねぇ♡」
「……あ、あの、待ってください。ひろしさん?」
「ひろしさんじゃなくて、オレは"ひろっち"だ!一人でやらせるな!……オレについてこい!」
「えぇ……(困惑)」
こうして、オレ……もとい、"ひろっち"と"リョーたん"の女子トークをするのだった!
「も~~~♡妖精さんのパンケーキ、待ち遠しいなぁ~~~♡"ひろっち"、お腹ペコリーナァ!!」
「お、お待たせしましたー。」
うおっ!!?このタイミングで店員さんが来た!!
「こ、こちら、妖精のパンケーキのイチゴトッピングです。」
ぬぉ~~~~~!!?
何だコリャ!?尋常じゃねえぞ?このホイップクリームの量っ!!?凄いインパクトだっ!!?
……見るからに、ふかふかなパンケーキの上に在るイチゴのトッピングは砂糖で煮ているタイプか……これはパンケーキの中にイチゴの触感と甘さが合わさって、とても美味そうだ。
舐めていたが、オレは今パンケーキに夢中だ!!!!
「………。(それを……それをしないとダメですか?)」
……ハッ!し、しまった!ついリョウちゃんのことを忘れていた!!
「ご、ごゆっくりどうぞー。」
店員さんも去った後、もう一度トライだ!
あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。あたしはひろっち。
……そして今日、ひろっちとリョーたんはパンケーキを楽しみに……キタッ♡
「かぁ~~~わいい~~~~ん♡コレって、マジヤバくな~~い?」
「…………。(何だろう?凄い寒気が……。)」
ヨシ!掴みはOK!!このまま、行くわよんっ!!!
「ホイップクリームが山みた~~~い♡あ!リョーたんのもすっごーい!チョコがハンパな~~い♡」
(……女子みたいに喋りたいのは何となく分かるけど……地味に山みたいとか、ハンパないとか、おっさん臭い!)
「バナナにアイスさんも盛り盛りで☆アゲ~~!テンションも爆アゲ~~~~!!」
(アゲ~~~!とか言うのはおっさん世代だけなんですけどっ!!?)
アッレェ!?リョーたんテンション低いぞ~~?
「どう?リョーたん?テンション上がるよね?上がるよねっ!!?」
「え?……え?……ハ、ハイ。(もしかして、コレやらなかったら、奢ってくれないとか?)」
「もー!リョーたんったら、『ハイ。』じゃなくてぇ!」
「う……うぅん。……テンションアガルナー……。(奢ってもらうため。奢ってもらうため。奢ってもらうため。奢ってもらうため。)」
だよね!だよねぇー!アーン♡もう我慢できな~~い♡
「さっそく頂きマンモスゥ!!先ずは一口サイズに切り切りして♡ホイップクリームを乗せ乗せ♡イチゴも乗せ乗せ♡……ホラ、リョーたんも乗せ乗せしてぇ♡」
「ウ……ウゥン。ノセノセシテー……。(奢ってもらうため。奢ってもらうため。奢ってもらうため。奢ってもらうため!)」
「リョーたん上手ぅ!パチパチからのミツバチぶううううううん♡」
「ひ、ヒロッチタラヤバイー……。(奢ってもらうため。奢ってもらうため。奢ってもらうため!奢ってもらうため!)」
ヨシヨシ!リョーたんも楽しそう~~~~♡
「リョーたん。食べよぉ♡」
「ウ、ウン、タベヨー……。(奢ってもらうため。奢ってもらうため!奢ってもらうため!奢ってもらうため!)」
「ヨーシ♡妖精のパンケーキが口の中へ飛んで行きまぁ~~す♡」
何か、女子のギア、アゲアゲェ~~~~♡
(……周りの視線が痛い。物凄く痛い。)
そんな気分で食べると、ふわあ♡とした生地がホイップクリームの優しい甘さで♡そこにイチゴの甘酸っぱさが合わさって、うまみざわ純一郎♡
(……何か好きなトッピング付けまくったのに……周りの『何だアレ?』の視線が痛すぎて美味しく感じない。)
「もーどうしたのー?リョーたん。おいしくなぁ~~い?」
「……ウ、ウゥン。……ヒロッチ、トッテモオイシイヨー……。(奢ってもらうため!奢ってもらうため!奢ってもらうため!奢ってもらうため!)」
ホント~~~♡今日はリョーたんと一緒に来てよかった~~~~♡
(……見ないフリしておこう。)
(……見ないフリしておこう。)
(……見ないフリしておこう。)
何か、周りの人の声が小さくなった気がするけど、大丈夫かしらん♡
でも、コレで、このお店にも馴染めたよね?リョーたん♡
「もーどうしたのー?リョーたん。私もソレ一口ちょ~~~だい♡」
「ハ、ハハハ……ヒロッチソンナコトナイヨー。アイストチョコガアワサッテ……スッゴクオイシイヨー……。(……絶対、コレ気付かれてる。もうこの店、行けない……。)」
「ホント~~~♡なら、私のと交換しよ~~~~♡」
(……確かに、女子同士なら食べ物の交換はするけど……ひろしさんは、おっさんなんだよなぁ。……いや、消されるな、この想い。忘れるな、我が痛み。……奢ってもらうため!奢ってもらうため!奢ってもらうため!奢ってもらうため!)
後は、女子同士で食べ物の交換をしたら、私も女子の仲間入り~~~~~~♡そう思うでしょ?リョーたん?
「じゃ、同時に♡同時に♡」
こうして、私とリョーたんは、
「ハイ、ア~~~ン♡」「ハイ、アーン……。(奢ってもらうため!!!)」
お互いのパンケーキの一切れをフォークに刺して、お互いの口に運んだの♡
(……何だろう?この気持ち……何かが失ったような気がする……。)
すると、リョーたんは嬉しかったのか、涙を流していたわ♡
(え?……何アレ?おじさんが女言葉と女みたいな仕草しているというのは……パパ活……なのかな?)
それと、店員さんもこっちを羨ましそうに見てたわ♡
……嬉しいよね?リョーたん♡
「あ、ありがとうございましたー……。(……私の匂いを嗅いでたおじさんって……オカマなの?)」
こうして、オレこと野原ひろしとリョウちゃんはパンケーキ屋から出た。
「きょ、今日はありがとうございましたー……。」
「おう。」
リョウちゃんが奢ってもらうために行ったパンケーキ屋だけど、パンケーキも美味いということが知れてよかった。
……しかし、パンケーキって意外と腹が膨れるんだな。他の女子は二人で分けてたし。自撮りしていたことも考えると、今後のパンケーキ屋はSNS映えする工夫が必要かもな。
「頑張れよ。リョーたん♡」
「エ……ア、ハイ。……ヒロッチ。」
そうやって、お互いの女子っぽい言い方をしていると、
「」
高桐くんが居た。
「ア……アァ、お、オツカレサマデス……。」
み、見られたあぁーーーーー!!?
「……ボクハ、ミテマセンヨ?……ミテマセンカラ?」
や、やややややヤバイ!!コレは何とか言い訳しないとっ!!
「ナニモミテマセンカラッ!!……失礼しますっ!!!!」
……と思っていたら、高桐くんは足早に去って行った。
な、何か……物凄い勘違いをして行ったような……?
「……見られましたね。」
「……絶対見られたな。」
こうして、ひろっちとリョーたんの女子トークは終わったのだった……。
「次はカレー屋でお願いしますっ!!」
そして、リョウちゃんとの次の昼メシは確約されたのだった……。
集る気満々だな……。
喜多ちゃんが見たら羨ましがるだろうなぁ……。
喜多ちゃん、アレだよ、アレ、多分、リョウはしんのすけに近いから、自然とひろしを慕っただけだよ。
喜多「」