スグリが転入してから少し経ち、オレンジアカデミー宝探し部では。
「辛いラーメンにクリームチーズ入れて食べるの、わや美味しい!やっぱりアマネのオススメは間違いねえな!」
「でしょー?」
スグリとアマネが、仲良くラーメンを食べていた。
「アマネくんもスグリも仲良しだね、よかったぁ」
「ねー、最初はスグリもちょっと人見知りっぽかったけど心配いらなかったね」
「あ、ねーちゃんから電話…ごめんなアマネ、ちょっと出てくる」
スグリが電話を取ると、耳が取れそうなレベルのゼイユの声が響いた。
『スグ!!あんた全然連絡よこさないじゃない、何かあったら連絡するようにって言ったわよね!?』
「う、ごめん…ねーちゃん。でも楽しくやってるから大丈夫」
『そういうの言ってんじゃないの!なんかこう出来事とかないわけ?あたしも補習続きで暇なの!なんか情報よこしなさいよ!』
「情報って言ってもな……あ、新しい友達さ出来た!」
『ウソー、スグに友達!?どんなヤツよ、写真とかないの?』
「ちょっと待ってな、写真送る…」
スグリがアマネとのツーショットを送ると、すぐにゼイユから返信…というか電話がきた。
『ちょっと!!何このゆるふわ女!!まさかあんた、いい仲なんじゃないでしょうね!!』
「ん?まあ確かに仲良しだべ、一緒にラーメン食べたりするしな。あとアマネは男だべ」
『………は?』
アマネの性別を伝えると、ゼイユは別人のように静かになった。一瞬スグリはゼイユが気絶してしまったのかと心配したが、そんなことはなかった。
『はあぁぁーー!??!ウソでしょ、これが男!?あたしには及ばないけどタロ並には可愛いじゃないの!!世界は広いわね〜』
「ねーちゃんよりかわいいべ」
『うっさい!!』
「ごめんごめん。でもアマネってほんとにいい子なんだ、優しいし明るいし料理も得意だし…自慢の友達!」
『ふーん、スグがそこまで言うってマジなのね。でも男かあ……あたしはもうちょっとキリッとしたのがタイプかしら』
「ねーちゃんと付き合えるのなんてケンタロスくらいだべ」
『うっさい!!(その2)』
「にへへ、ごめんってば」
『…あんたも変わったわね、あたしに対してもこんな風に喋ってさ』
「まあ、それはそうだな。前のおれだったらねーちゃんにもアオイにもこんなふうに話せなかった」
『アオイ……そうだ!アオイとの仲はどうなのよ、進展してるの?』
「いやいや…まだ留学したばっかだから!」
それから少し話して、電話は切れた。相変わらずの姉パワーを浴びて若干疲れながらもスグリが部室に戻ると。
「ぽにおー!」
「おお、オーガポンも辛いの好き?よかったあ」
オーガポンが、笑顔でアマネの激辛ラーメンを啜っているのが見えた。その光景に、スグリは若干驚きながらも席に戻る。
「わやじゃ、オーガポンが辛いの食べてる」
「ね、わたしも意外。このラーメン結構辛いのに…」
「ふふ、オーガポンも辛いの好きだもんね〜。僕たち辛いの仲間だ!」
「ぽにお!」
「にへへ、めんこい」
それから宝探しの話になり、宝探し部は今日のところは解散となった。
「にへへ、今日も楽しかったなあ……オーガポンが辛いの好きだったのは意外だったべ」
そう思い返しながら、スグリはアマネとのツーショットを見返した。先日アマネとポケモンバトルをして、引き分けになった記念の写真だ。
「アマネは本当にいいやつだな……」
何か忘れている気がしないでもないが、スグリはそのまま眠りについたのだった。
スグリ
完全に目的を忘れている。同じくらいの男友達ができて嬉しい。