チャンプルタウンのジムリーダー・アオキさん。リーグの会社員でありながらジムリーダーと四天王を兼任しているすごい人だ。そんな人と僕は今。
「…いただきます」
「いただきます」
一緒にごはんを食べていました。
遡ること数分前。
セルクルジム、ボウルジム、ハッコウジム、カラフジムを制覇した僕は、次なるジムであるチャンプルジムに挑戦すべくチャンプルタウンを訪れていたんだけど。
「チャンプルジムのジムテストは、宝食堂の秘密のメニューを注文せよ!!です!!」
というお題に挑むべく街中にいるトレーナーさんを蹴散らして、宝食堂の常連さん…アオキさんに話を聞いた時だった。
「…ここの焼きおにぎりはうまいです。レモンをかけてもうまいですよ」
「焼きおにぎりにレモンかぁ、美味しそう…」
ぐぅ〜〜
「…元気な音が鳴りましたね」
「すみません!!」
「…よかったら、隣どうぞ。自分も今から飯を食うところだったので」
「え、いいんですか?」
というアオキさんのお誘いに乗って、ひとまずごはんを食べることにしたのだ。仕方ない、人は美味しいものには抗えないのだよ。
「あいよ!かけそばに焼きおにぎりね!」
「いきなりかけそばを選ぶとは……食事になかなかのこだわりがあると見ました」
「アオキさんこそ……カツ丼ですか」
「ええ。ここのカツ丼は並でもボリュームが多いんです。では」
「「いただきます」」
そして、今に至るというわけ。かけそばはどれどれ……う〜ん、このシンプルなだしの旨み……それにこの風味は、ミガルーサの出汁かな?麺もつるつるで美味しい……これは七味をかけずにはいられない!!
「ほぅ……」
やっぱりシンプルイズベストだよなぁ。辛いものは別としても、変に方向転換とかしようとするとかえって美味しく無くなったりするんだから。では焼きおにぎり。アオキさんのおすすめ通りにレモンをかけて…っと。
「!!」
あまりの美味しさに、勧めてくれたアオキさんの方を見る。するとアオキさんは満足そうに頷いた。
いやこれほんとに美味しいよ。こんがりとした焼きおにぎりの面にレモン汁がかかっていることで爽やかになって、レモンの苦味でお米の甘みが際立って……なるほど、さすがはチャンプルタウンのジムリーダー。食事を見る目も一流というわけか……!!
「はぐ、はぐ……」
「おぉ……」
アオキさんはというと、夢中になってカツ丼を食らっている。側から見ても分厚いカツとぷるぷるの卵は美味しそうだ。まだ食べれるっちゃ食べれるんだけど…流石に眠くなりそうだ。
「「ごちそうさまでした」」
「お会計…一緒でお願いします」
「え、自分の分は払いますよ!」
「いえ、これでも大人なので…それに、お礼と言うなら…バトルで見せてください」
「!! わかりました!」
宝食堂の座敷がバトルコートに変身して、いざアオキさんとバトル!!
「…さすがトップが認めるだけはありますね」
「アオキさんこそ……ムクホークの強さを思い知らされました」
「ではこちら…ジムバッジです」
「やった!ありがとうございます!あ、あとこれ…さっきのお礼と言ってはなんですけど」
「…マホイップ印のマカロンですか」
「はい、ほんのり甘くて美味しいですよ」
「ありがたくいただきます。それと…」
「?」
「……ぜひ、宝食堂をごひいきに。きみの食べっぷり、見ていて気持ちよかったですよ」
「!! はい!」
アオキさんは去っていった。これが大人の背中だろうか……