救いようのないダメ人間
「やっほー、アマネくん!来ちゃった⭐︎」
「帰ってください」
「ひどい!!」
ガラルでのジムチャレンジを終えた僕・アマネを待っていたのは……
「なんでいるんです?」
「ナナカマド博士からダイマックス現象について調査してほしいって言われてね。ちょうどいいから会いに来たのよ」
「だからって僕のところに来なくても……シロナさんならVIP待遇でいいホテルとかレストランとかあるでしょ?」
「……ないの」
「はい?」
「そういう諸々の申し込み……忘れちゃったのよ〜〜〜!!だからガラルで寝泊まりする場所がないの〜〜!!お願いアマネくん、泊めて!!じゃないと私野宿するはめになっちゃう!!」
「………」
いったい、今の僕はどんな顔をしているだろうか。今目の前にいる見た目“だけ”はいいダメ人間を、心の底から哀れんでいるのか、それとも軽蔑しているのか。少なくとも慈悲深い顔をしていないのだけは確かだ。
「……いいですよ、僕の部屋でいいなら」
「ほんとう!?アマネくん、いえアマネさま!!感謝するわ、命の恩人よ!!」
「やめてください、シロナさんに崇められてもいいことないので」
「とにかく本当に助かったわ!!今のシーズンってガラルのホテルはどこも満員だったから…」
「もしかして僕のところに来たのって」
「助けてもらう気満々だったわ!!」
「帰ってください」
「待って〜〜〜!!」
なんていうやりとりをしつつ、両親にシロナさんを泊める許可をとった。両親は驚きつつもOKしてくれたので、シロナさんには僕の部屋で寝てもらうことにした。おじいちゃんの部屋だったとこはもう物置になってるし…僕の部屋しか空いてないんだよな。
結局その日はシロナさんと一緒にワイルドエリアを巡って、ダイマックス現象について調べて回った。途中でシロナさんはソニア博士とも意見交換をしたりした。その時だけはやっぱり美人でかっこよかった。
「あいよ、ハンバーグカレーお待ち!」
「わあ〜、美味しそう!いただきます!」
「ごはんまで食べてるし…」
「んふふ、美味しい〜。ガラルはカレーが有名って聞くけど美味しいわね!」
「当たり前ですよ、お母さんの腕前はトップですから」
「やだねぇ、アマネったら。うちはぼちぼちやっていけたらそれでいいの!」
「でも本当美味しいわ〜、誰かの手料理なんて久々!」
誰かの、とか関係なく手料理をまず食べないでしょ。と思ったけど言わないことにした。これ以上ツッコんでも僕が疲れるだけだからだ。ちゃっかりカレーをおかわりして、シロナさんはうちを満喫してるみたいだった。
「お風呂上がったわよ〜、アマネくん!」
「はーい、今入ります……シロナさん、それってパジャマですか?」
「そうよ!ガブリアスの着ぐるみパジャマ!かわいいでしょ」
「前にお家行った時はなかったですよね」
「え?そうだったかしら……?」
「また流行り物だからって買ったんですか」
「だって!ガブリアスは私の相棒なんだもの!ガブリアスグッズは買いたくなっちゃうの!仕方ないでしょ!」
「買うのはいいんですよ、でもシロナさんの場合整理整頓ができてないじゃないですか!大事にもしてないし!」
「うわーーん、アマネくんがいじめる!」
「事実です!!」
それからお風呂に入って、髪を乾かして。床に布団を敷いて寝ようと思ったら。
「あら?アマネくんが床で寝るの?」
「はい、一応女の人を床で寝せる訳には」
「やーねぇ、そんなの気にしないわよ!私は床でいいから、ね?」
「いやいや、一応お客さんですから」
「むぅ……らちが空かないわね、じゃあこうしましょう」
「えっ?」
シロナさんがぽんぽんとベッドを軽くはたく。……まさか、一緒に寝ろというのか。
「嫌ですよ、シロナさん寝相悪そうですもん」
「いいじゃない、ガラルは寒いしお互い温もりを感じて寝ましょうよ」
「えぇ……」
半ばシロナさんの圧に負けて、僕はシロナさんとベッドで一緒に寝ることになった。横を見ると、シロナさんが目を閉じてスヤスヤ眠っている。寝付くの早いな。
「……だけど、あれだな」
こういうドラマみたいなシチュエーションだけど……かけらもドキドキとかしないな。なんだろうな、確かに眠るシロナさんは美人なんだけどそれらをかき消すレベルでダメ人間なのを知っているからだろうな。
シロナさんがどれだけガラルに滞在するのか知らないけど……しばらくの間、この人の面倒を見なきゃいけないのか。
「困ったなあ……」
そう考えながら、僕は眠りについたのだった。
アマネ
シロナさん=ダメ人間。女性として?見れる訳ないよね。
シロナさん
この小説にかっこいいシロナさんはいない。