僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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オリジナル進化あります。


激辛によるポケモンの進化あるいは適応

 

今日はアオイちゃんがどうしても外せない用事があるとのことで、野原でピクニックをしています。

 

 

「ごめんねアマネくん!!ほんっとにごめんね!!」

 

 

なんだかものすごく謝られた。アオイちゃんが悪いわけじゃないのになあ。とはいえだ。たまにはこういう何もない日があってもいいじゃない。天気もいいしね!

 

 

「よ〜しよしジョロキア、体洗おうね〜」

 

「ギャオ!」

 

 

ジョロキアは体がもふもふだから、その分毛やら草やらを巻き込みやすい。だから定期的にシャワーで洗い流さないといけないのだ。

 

 

「このシャンプー、泡立ちがいいなぁ。さすがアオイちゃんのオススメ」

 

「ギャオ〜〜」

 

「あはは、気持ちいいみたいだね」

 

 

しっかり泡立てて、あとは洗い流して…完了!!いやあ、大きいポケモンは大変だなあ。

 

 

「よし!それじゃあご飯にしよう!」

 

「ほみー!」

 

「ギャオ!」

 

 

よしよし、みんなノリノリだ。サビナは相変わらず少し距離があるけど。たぶん獄激辛カレーを根に持ってるのだと思います。まあそう言っておきながらなんですが…今日のランチは。

 

 

「マトマのみのスライスにハムとトルティージャ、それにチリソースをたっぷりかけたサンドイッチでーす!」

 

「………」

 

「やめてってば。それになんだかんだサビナも辛いもの好きでしょ?」

 

「……ヴァ」

 

 

さあさ、みんなで食べましょう。うんうん、マトマのみのフレッシュさとトルティージャのずっしりがよく共存してる!これら全てがチリソースによって調和して……美味しい!

 

 

「みんなはどう……」

 

 

振り向いた、その刹那。サビナの体が、震えているのがわかった。寒い?いやそんなはずはない、こんなポカポカ陽気で。

 

 

「サビナ、どうしたの!?いったい何が……」

 

 

「ヴァーーーオ!!!」

 

 

 

サビナが、絶叫とともに2つの頭から炎を吹く。そして、体が青い光に包まれていく……

 

 

 

そして、光が収まって。そこには……

 

 

今まで通りのレッドヘッドとグリーンヘッド、それにプラスで……イエローヘッド。さらに4足歩行になった、サビナの姿が。他にもトゲトゲの首輪がそれぞれの頭についていたり、耳みたいなものが生えていたりとあるけれど。

 

 

「これって……進化??」

 

 

でも待って、スコヴィランはこれ以上進化しないはず。まだ見ぬ進化系?あの青い光は確かに進化の光だったし間違いない。

 

 

「アマネくーーん!!仕事終わらせてきたよーー!!」

 

「あ、アオイちゃーーん!!!助けて!!」

 

「えっ、えっ!?」

 

 

僕はアオイちゃんに説明した。でもアオイちゃんも、進化だと判断したようだった。

 

 

「う〜ん、でもスコヴィランはもう進化しないはずなんだけどなあ」

 

「だよね!?」

 

「だったら、ジニア先生に見てもらおう!何かわかるかも!」

 

「え……?」

 

 

その瞬間、あの時のことを思い出す。僕を無視して、好き放題言ってくるマスコミ、学者。あの強いフラッシュ、やかましい声たち。ああ、ダメだ、怖い……

 

 

「アマネくんっ!?大丈夫!?」

 

「あ、ごめん……でも、できるだけ秘密にしててほしい…」

 

「……わかった、じゃあこっそり連れて行こう。ジニア先生にも、誰にも言わないようにお願いするから。様子は見てもらったほうがいいでしょ?」

 

「……うん」

 

 

アオイちゃんに優しく諭されながら、僕はアカデミーに向かった。ジニア先生を呼び出して、使われていない部屋に入った。サビナの姿を見せると、途端にジニア先生は真剣な顔になった。

 

 

「なるほど…確かに進化で間違いないようですねえ」

 

「でも、スコヴィランは進化しないはずじゃ?」

 

「そうなんですよねえ……アマネさん、何か心当たりはありませんか?」

 

「うーん…確か、お昼のサンドイッチを食べてから体が震え出しましたけど…」

 

「そのサンドイッチの中身は?」

 

 

サンドイッチが辛さマシマシであると伝えると、さらに今までサビナに食べさせてきたものも根掘り葉掘り聞かれた。と言っても辛いものだけなんだけど…

 

 

「…なるほど、仮説なら立てられたかもしれません」

 

「えっ、なんですか!?」

 

「まず、スコヴィランは辛さエネルギーで凶暴化しているポケモンです。つまりスコヴィランにとって辛いものはとても重要なものなんですね。そして、そんな辛いものをいつも食べていた…つまり、日々辛さエネルギーを貯めていたといえます」

 

「………」

 

「そして。ここからが仮説ですが…スコヴィランのままだと、辛さエネルギーの許容量に限界があるのではないのでしょうか?」

 

「限界……?」

 

「そうです、ただでさえ凶暴化するほどのエネルギーを持っているのに、それをさらに増大させたらどうなるか……増加する辛さエネルギーに適応するために、スコヴィランは進化したのではないでしょうか」

 

 

……適応のための、進化。つまり、僕が辛いものを食べさせたせい……

 

 

「とはいえ、今は至って元気そうなので大丈夫だと思いますけどねえ。いやあ、これはすごい発見ですよぉ!」

 

「…あの、ジニア先生」

 

「はい?」

 

「これは…秘密にしてもらえませんか」

 

「アマネくん…」

 

「ワガママなのは分かってます。それでも、僕はこれ以上怖い目に遭いたくないんです……!!」

 

「……ヴァ」

 

 

サビナが、僕に近づいてくる。そして、3つの頭で僕の顔をぺろぺろと舐めてくる。見上げると、3つの顔は優しく笑った。

 

 

「サビナ……」

 

「…わかりました、ではこれは僕たちだけの秘密ということにしましょう」

 

「ありがとうございます…」

 

「ですが!せっかく進化したんですし、新しい名前をつけるべきではないですかあ?」

 

「あ、それは…確かに。もうスコヴィランじゃないもんね」

 

 

確かに。どうしたものかなあ。3つの頭に、いぬポケモンみたいな4足歩行……そうだ!

 

 

「ヴィルべロス……はどうですか?」

 

「ふむう。その理由はなんですかあ?」

 

「理由って言われるとアレですけど…ほら、伝説の生き物とされてるケルベロス…あれみたいだなって。ヴィルはスコヴィル値から。」

 

「アマネくんがそう言うならいいんじゃない?それになんかかっこいい!」

 

「では決まりですねえ、このポケモンはヴィルべロスです!」

 

 

こうして、ヴィルべロスに進化…適応?したサビナなのでした。

 

 

 

 

 




アマネ
また辛いもので新形態を生み出した。

ヴィルべロス
タイプ:くさ・ほのお 特性:ハバネロオーラ(場に登場時相手の攻撃&防御1段階ダウン)
増大する激辛エネルギーに適応するために進化を果たした姿。新たにイエローヘッドが増え、3つの頭でハバネロエキスと炎を撒き散らす。

ハバネロブレス
タイプ:くさ 範囲:相手全体 威力:70
辛いエキスの混ざった粉とブレスを相手に放つ。相手をやけど状態にすることがある。相手が辛いものが苦手な性格だと威力は2倍に。

さて。M次元ラッシュでスコヴィランにメガシンカ来たからあるわけねえだろと思っている皆さん。まさか来るとは思っていませんでした。ですがジニア先生が語った通り、今回の進化は限りなく「適応」に近いものです。さらにサビナは毎日のように激辛を摂取していましたが、まず普通の環境ではあり得ないものです。この進化は特例と言っていいでしょう。まあ何が言いたいかといえば。見逃してください。ただかわりと言ってはなんですがヴィルべロスはメガシンカできません。当然ですね。
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