僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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オリ進化に対して割と優しい意見がいっぱいで嬉しいです。

感想いっぱいほしいな〜〜チラチラ


空への憧れ

 

 

「アマネくん、いらっしゃい!」

 

 

今日はアオイちゃんのおうちにお邪魔することになりました。なんでも面白いアニメがあるから観よう、とのお誘いだった。アオイちゃんの家はカントリー風ですごくおしゃれ。そして何よりママさんが美人。モデルかと思ったよ。

 

 

「いらっしゃい。あなたがアマネくんね。アオイと仲良くしてくれてありがとう」

 

「いえ、アオイちゃんにはすごくお世話になってます」

 

「なら良かった、ゆっくりしていってね。お茶用意するから」

 

 

そうしてアオイちゃんの部屋に上がる。アオイちゃんの部屋は広々していて開放的。テレビもあるし。いいなー。

 

 

「アオイちゃんのお母さん綺麗だね、モデルとかやってた?」

 

「特に聞いたことないなぁ、でもみんなそういうから恥ずかしいや」

 

 

そう話すアオイちゃんは、今日は制服じゃなくてワンピースだった。淡いオレンジがかわいらしい。

 

 

「アオイちゃんもかわいいけどね、やっぱりお母さん似かな」

 

「エッ……あ、ありがとう……あ、アニメ見よっか!!」

 

 

アオイちゃんが録画一覧からアニメを見つける。それはピカチュウを連れた男の子が世界を冒険するというもの。早い話が王道の冒険ストーリーだ。

 

 

「小さい頃から見てたからさー。だからわたしもこういう冒険とかに憧れちゃったんだ」

 

「冒険かぁ……」

 

 

テレビの画面では、主人公がジムに挑戦したりポケモンをゲットしたりと自由に冒険していた。だんだんと僕はその世界に食い入るようになっていった。

 

物語が進むにつれ、もちろん過酷な場面も出てくる。それでも主人公は仲間やポケモンたちと一緒に難局を乗り越えていく。それが面白くて、そして、羨ましかった。

 

 

「………」

 

 

あっという間にアニメは終わってしまった。ふとアオイちゃんの方を見ると、何かを言いたそうにしていた。

 

 

「…ね、アマネくん。アマネくんも、こんなふうに冒険してみたいって思う?」

 

「え、うーん……確かにすごいとは思うけど、僕には…」

 

「できるよ!」

 

「え?」

 

 

アオイちゃんが立ち上がる。いきなりどうしたんだろうか。

 

 

「だって、アマネくん強いもん!それに優しいし。何かあったらきっといろんな人が助けに来てくれると思うな。だからさ……」

 

 

アオイちゃんは、まっすぐに僕を見つめる。

 

 

「冒険、してみたら?」

 

「………!!」

 

 

その言葉で、頭の中がはっきりとした。ああ、そうか。僕は、憧れていたんだ。自由に生きることに。

 

 

「……できるかな」

 

「できるよ!わたしが保証する。これでもパルデアやキタカミを冒険したプロだからね!」

 

「アオイちゃん…」

 

「でも…いずれはオレンジアカデミーに通ってほしいな。アマネくんと一緒に授業とか、受けてみたいし」

 

「……うん!」

 

 

アオイちゃんの言葉に、背中を押された気分だった。なんだかそう言われたら、できるように思えてきたぞ。

 

 

「それにトドロクツキもいるし!空飛んで旅とかしちゃって!」

 

「確かに!」

 

 

休む時は野原とかでキャンプをすればいいし、お金はバイトで稼ぐこともできる。…僕がバイトできるかは別として。

 

 

「だから全力で楽しんじゃいなよ!ねっ!」

 

「アオイちゃん…ありがとう!」

 

 

こうして、僕は自由に旅をすることに決めた。ひこうポケモン用の器具をピケタウンでつけてもらって、ジョロキアに乗って旅をすることができるようになった!まさに冒険だね!

 

 

「さて。冒険することを決めたはいいけどどうしようかな」

 

「うーん…じゃあイッシュ地方は?わたしの友達の通ってる学校があってね、わたしも行ったことないから気になってるんだ〜」

 

「なるほど、いいかもしれないね!」

 

 

イッシュ地方かあ、いいところかなあ。さて、僕のイッシュ行きが決まったところで。

 

 

 

〜その日の夜〜

 

 

「え〜、それではお前らジュースは持ったか!?アマネの旅がいいものであるように!乾杯!!」

 

 

……見送り会が始まりました。メロコちゃんを始めとしたスター団の皆に、アオイちゃん、ネモちゃん、ペパーさん、ボタンちゃんも。みんながジュースやお菓子を持ち寄って、空き部屋に集まっている。いつの間にこんなに友達ができてたんだなあ。

 

 

「アマネ〜!!なんだよ、旅するんだってな!!」

 

「メロコちゃん…うん、おかげさまで」

 

「これは餞別にござる、アマネ殿」

 

 

シュウメイくんが渡してきたのは、なんとマホイップ柄のポーチ。かわいい!!

 

 

「いいの!?こんなにクオリティの高いもの…」

 

「うむ。アマネ殿は立派なスター団の一員。であれば旅路を応援するのも仲間の役目にござる」

 

「わたしも!わたしからっていうかオモダカさんから!」

 

 

ネモちゃん…、もといオモダカさんからは、なんと高級香辛料セット!!なんて素晴らしいんだ、金額は考えたくないな。ネモちゃんからはポケモンに使うインドメタシンとかのセット。さすがと言うべきか。

 

 

「にしてもアオイが話してたのがまさかメロちゃんの友達とは。世間は狭いなぁ」

 

「え、アオイちゃんが?」

 

「そーだよ、いっつもアマネくんの話ばっかり」

 

「ボターン!!それは秘密って言ったでしょ!?ごめんねアマネくん、気にしないで!!」

 

 

何か変なことを言っただろうか。友達の話をするのは普通だと思うけど。

 

 

「オモダカさんが言ってたよ〜。いずれはパルデアリーグに来ることも考えてくださいねって!わたしも同じ気持ちだよ〜〜。」

 

「えーっと…まあそれはおいおい……」

 

 

なんて話をしながら、見送り会は進んでいった。メロコちゃんがロックを披露したり、ビワさんとネモちゃんのバトル大会に発展したり、ボタンちゃんと推しポケトークをしたり、色々あった。あっという間に空が暗くなっていった。

 

楽しいけどさすがに疲れたので、ちょっと外の空気を吸うことにした。するとアオイちゃんもついてきた。

 

 

「あはは、にぎやかだね」

 

「うん…逃げた先でこんなに友達ができるなんて思ってなかったな」

 

「……ね、アマネくん。ガラルにいた頃の話…聞いてもいいかな?もちろん嫌ならいいけど…」

 

「そうだね…アオイちゃんにならいいかな」

 

 

アオイちゃんに、ガラル時代のことを話した。おじいちゃんからの抑圧とか、ルセちゃんからのいじめとか。冷静に話すとシンプルにえげつないこと体験してきてるな。

 

 

「……そんなことが」

 

「うん、でもフランがいたからね。それからは無敵だったけど」

 

「そういう問題じゃないよ、傷ついてきたのはほんとでしょ?無理しないで。」

 

「無理というかなんというか……諦めかなぁ。ほんと話通じないから」

 

「………」

 

 

実際そうなんだよなぁ。どっちも僕の話なんて聞いてくれなかったし、通じないし。ある意味あっちが無敵なのかもしれない。

 

 

「…アマネくん、わたしは絶対にアマネくんの味方だからね」

 

「うん、知ってる」

 

「エッ……あっ、そっかぁ…うん、そうだね」

 

「アオイちゃんのことは信頼してるからさ」

 

「エヘヘ……ね、アマネくん。イッシュ地方に行ったらさ、写真とか送ってよ。わたしもイッシュの景色を見たいし!」

 

「うん、もちろん。」

 

 

アオイちゃんと、固く握手をする。それから2人で見送り会に戻って、またみんなと騒ぎましたとさ。そして翌朝。僕はジョロキアに乗ってイッシュ地方へと旅立った。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

「…アマネくん、行っちゃったあ」

 

 

アマネを見送って、アオイはポツリと呟いた。手のひらを見ると、昨日のアマネとの握手が思い出される。アオイにとって、アマネは特別な存在。等身大の友達であり、そして、恋心を向ける相手でもある。本音を言うなら、ずっとパルデアにいて欲しかった。けれど、あの時のアマネの顔を見ると、どうしても応援せざるを得なかったのだ。

 

 

「…アマネくんには、笑顔でいてほしいもん」

 

 

先日の見送り会で、メロコの描いたアマネの絵を見た。辛いものを食べるアマネとフランはとても幸せそうで、見ている側も幸せになれるようだ。その笑顔を守りたいと思ったのだ。

 

アカデミーに戻る。美術室には、メロコの描いたアマネの絵が展示されている。アマネが頼み込んで、賞などには出さない代わりに美術室でのみ展示することになったのだ。

 

 

「いい絵ね」

 

 

声をかけられる。見知らぬ、美しい少女だった。アカデミーの制服も着ていない。来客だろうか。

 

 

「いい笑顔…ねえ、あなたはどう思う?」

 

「え、はい、素敵な絵だと思いますけど…」

 

「そうね、素敵。でも気に入らない」

 

「…どうして?」

 

 

少女は髪を耳にかける。美しいブロンドの髪は、まるで絹のようだった。

 

 

「だって」

 

 

少女が、にたりと笑う。その目は、アマネだけを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アマネがわたしのもとから離れて笑顔になるなんて、許せるわけないもの」

 

 




アマネ
イッシュ編スタートだオラァ!!

アオイ
自分の気持ちよりアマネの気持ちを優先した。いい子。

少女
お分かりいただけただろうか。
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