シロガネやまのアズキさん
シロガネやまに着きました!ナッペ山みたいに真っ白で、それでいてかなり険しい。麓なのに緊張感が伝わってくるぞ。
「………」
「ん?あそこ…小屋?」
レッドさんが指差した先には、和風の小屋が建っていた。暖簾や看板もあるから、何かのお店なのかな。あ、レッドさん入っていった。
「おぉ……」
中はとっても穏やかで暖かい雰囲気。木で造られた店内に緑色を基調とした和風の装飾が心地いい。でもこういうのって街中にありそうなものだけど。
「あらぁ、レッドはんやないの」
「………」
カウンターの奥から出てきたのは、和風メイドさんみたいな女の人。すっごい綺麗で可愛らしくて、なんだかアニメのキャラみたい。
「あら、お連れさん?レッドはんが誰かを連れてくるなんて珍しい」
「初めまして、アマネです。えっと…」
「あぁ、ええのええの。ひとまず座り、お客さんをいつまでも立たせとくほどうち気ぃ遣えへんわけちゃうよ」
お姉さんにカウンターに座らせてもらった。するとお姉さんはいい匂いのお茶を出してくれた。
「うちはアズキ。ここで茶屋を営んどるお姉さんよ」
「シロガネやまってあんまり人が来ないって聞きましたけど…お店、大丈夫なんですか?」
「あら、優しい子やね。でも心配せんでええよ、道楽でやっとる店やさかい。はい、お品書き。せっかく来てくれはったんやし、何かお食べ」
「………」
なるほど、レッドさんもお墨付きか。お品書きを見ると、綺麗な筆文字でメニューが書かれていた。どれも和風なメニューばかりで、思わず目が輝いてしまう。
「じゃあ抹茶と…お汁粉ください」
「………」
「はぁい、ほな少し待っといてね〜」
アズキさんが厨房に消えていく。店内はお香が焚かれているのか落ち着く匂い。全体的にリラックスできる空間になってて心地いいな。
「はい、アマネくんは抹茶とお汁粉、レッドはんはあんみつね。」
「うわ〜…美味しそう」
お汁粉のお餅を口の中に入れると、小豆のほんのり優しい甘みとお餅のつるっとした食感がマッチしていてとてもおいしい。さらに抹茶を飲むと、抹茶の苦味がその甘みをさらに際立たせてくれる。これが“和”……!!
「ふふ、ええ顔しはるねえ。うちは美味しいもの食べたときの人の笑顔が大好きなんよ」
「わかります、美味しいものは人を幸せにしますからね」
「………」
「そんで?どうしてレッドはんはアマネくんをシロガネやまに連れて来はったん?」
「………」
「へえ、特訓……珍しい、あの子にはつれない態度やったんに」
あの子?もしや、今までにもシロガネやまに来た人がいたのかな。つれない態度って……多分レッドさんがいつも通り無口&無表情で対応しただけじゃないのかな。
「………」
「ふふ、まあええわ。そういうことならうちも大歓迎。特訓の間に甘いもん食べたなったらうちの所来てええからね」
「ありがとうございます!」
「レッドはんと仲良しなんやから、きみもええ子やろ。レッドはんと仲良くなれる人なんて限られてるからなぁ」
「それはそうだと思います」
「………」
不服そうな顔をしているけど、無口かつ無表情なレッドさんと仲良くなれる人はほんとに少ないと思いますよ。
「………」
「ん、もう行ってまうの?淋しいわぁ」
「えっと…美味しかったのでまた来ます!」
「ふふ、ありがとさん。ほな、おきばりやす」
アズキさんに見送られながら、僕たちはシロガネやまを登ることになった。かなり険しいけど…頑張るぞぅ。
アマネ
甘いものも普通にいける。
レッドさん
コミュ障。
アズキさん
緑色の和風メイド。コガネ弁を喋る。囁き系ASMRで稼げそうな喋り方と声。かわいい。こよなく“和”を愛している。なおレッドさんに聞いてもアズキさんが何者なのか知らないという。