僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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家族みたいに

 

今日も今日とてレッドさんとの特訓。今日はサビナの特訓だ。特性もタイプも関係ない、圧倒的な高火力で相手を焼き尽くすパワーisパワー。

 

 

「ヴァオ!!」

 

「おお!カビゴンになかなか効いてる!」

 

「……いいね」

 

「あらぁ、頑張ってはるねぇ」

 

 

この甘くて艶やかな声は。振り返ると、アズキさんがいた。メブキジカが何か荷物を持っているけど、どうしたんだろう。というか1人でシロガネやまを登ってきたのか?

 

 

「アズキさん!こんにちは」

 

「はい、こんにちは。なんやえらい頑張ってるなぁ、無理したらあかんよ?」

 

「大丈夫です、ちゃんと休憩もあるので!」

 

「そやったらええわ、レッドはんも…元気そうでなにより。」

 

「………」

 

「それで、アズキさんはどうしたんですか?」

 

「アマネくんが頑張ってるか見にきたんと……あと差し入れ。七輪持ってきたさかい……熱々のお餅、食べへん?」

 

「食べます!」

 

 

メブキジカが背負っていたのは七輪とお餅。それからお餅につける調味料やら海苔やらいっぱい。さすがアズキさんだ、美味しいものに関するこだわりを感じる。

 

お餅がぷくーっと膨らんで、まるでフワンテみたいだ。お餅の焼ける匂いがうちわで扇がれて飛んできて、心地いい。

 

 

「はい、あとは砂糖醤油と海苔で……どうぞ、磯部餅よ」

 

「うわあ、美味しそう!」

 

「レッドはんも、はいどうぞ」

 

「………(ペコリ」

 

 

お餅を口に入れると、砂糖醤油の甘みとしょっぱさが同時に広がって美味しい!!それに海苔のパリッとした食感がメリハリを生んでくれる。お餅もふんわりで所々パリッとしてて美味しい……これが「幸せ」……

 

 

「ちゃーーっっ!!」

 

「ピチュー!お餅食べたいの?」

 

「ちゃ!!」

 

「あら、元気な子。アマネくんのポケモン?」

 

「はい、レッドさんからもらったタマゴから孵った子なんですよ!すごい元気というか、落ち着きがないというか…」

 

 

ピチューは相も変わらず飛び跳ねて走り回っている。元気なのはいいけど心配になっちゃうなあ。

 

 

「ええやないの、元気がいちばん。はい、ピチューちゃんもお餅どうぞ」

 

「ちゃ!!」

 

 

小さいお口でお餅を食べるピチュー。かわいい!!それにほっぺもお餅みたいに膨らんで。本当に可愛いんだから。

 

 

「それにしても…ほんまびっくりやわぁ、レッドはんがここまでべったりな子なんて。初めてとちゃう?」

 

「そうですか?レッドさんは優しい人ですけど」

 

「………」

 

「んふふ、アマネくんがそのこと分かっとるから、っちゅうんもあるやろなあ。なんにせようちも嬉しいわぁ」

 

 

僕たちがお餅を食べるのを見届けて、アズキさんは去っていった。あの人何考えてるかわかんないんだよな。

 

 

「ふう……美味しかったですねえ。そういえばレッドさんとアズキさんっていつ知り合ったんですか?だいぶ仲良さそうですけど」

 

「……だいぶ、前。恩人でも……ある」

 

「恩人……まあ確かに助けられてそうですよね」

 

 

だって街中でお腹空かせて倒れるレッドさんだもの。初めてシロガネやまに来た時も倒れたんじゃないの。それでアズキさんに助けてもらったとかでしょ絶対。

 

 

「ちゃーー!!」

 

「あ、食べ終わった?ピチュー」

 

「ちゃ!!」

 

 

ピチューは走り回って、レッドさんのピカチュウに諌められていた。さすがはパパ、手懐け方を分かってらっしゃる。

 

 

「ふふ、それにしてもなんか……」

 

「?」

 

「こういうの言うと変ですけど、なんか家族みたいな感じしますよね。一緒にごはん食べて寝て、ピチューを育てて。」

 

「……家族」

 

「はい、仲良し家族って感じしません?」

 

 

その瞬間だった。レッドさんの目から、大粒の涙がぽろぽろと溢れてきた。

 

 

「!??!レッドさん!?大丈夫ですかどうしたんですか嫌でしたか!?」

 

「ううん、違う、違う……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ただ嬉しかった、だけ」

 

 




アマネ
レッドさんのことは師匠かつお兄さんみたいな感じ。

レッド
何やら訳あり。

アズキさん
“和”をこよなく愛するお姉さん。レッドさんの恩人らしい。


次回!レッドさん回!乞うご期待!!
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