初めてあのひとを見たのは、タマムシシティ行きの電車の中。ロケット団に占拠されていた電車に乗り込んできて、颯爽とロケット団を制圧していった。
ひと目見て、わたしはレッドさんに恋をした。
それからレッドさんに関するあらゆることを調べた。レッドさんは強いトレーナーで、カントーでもジムを次々と制覇していってるんだって。
わたしも、あんなふうになりたいな。あのひとに、追いつきたい。
わたしは、ポケモントレーナーを目指すようになった。バトルの勉強をして、ポケモンに詳しくなって。そうしていつか、レッドさんに会いに行くんだ。
けれどレッドさんは、いつの間にか姿を消していた。ニュースでも連日報道されたけど、結局レッドさんは見つからなかったらしい。
それでも必ず、わたしがあなたを見つけ出す。
レッドさんがカントーを制覇して3年後。わたしはようやく旅に出た。ジョウト地方を旅して、いろんな人と出会って。それでもレッドさんより素敵な人はいなかった。
ジョウトのジムも制覇して、ロケット団の残党も倒して。ポケモンリーグで優勝して。
レッドさんは、いなかった。
ワタルさんに聞いても知らないって。でもカントーにはレッドさんの幼馴染がいるから聞いてみるといいって。
それから、カントーに行った。そこでブルーさんに出会って、レッドさんの話を聞いた。昔から無口で無表情で、よく分からない人だったんだって。
最後のジムで、グリーンさんに会った。そうしてようやく、レッドさんの情報を聞けた。レッドさんは、シロガネやまにいるって!
急いで会いに行った。道中のポケモンは強かったけど、関係ない!急いで、ひと目見なきゃ!!
「…あ、あぁ……」
帽子の下から覗く目はとても鋭くて、ひと目でこの人は強いんだと理解させられた。無言でモンスターボールを差し出してくる。ああ、トレーナーなら勝負で語ろうってことね!
結局、ポケモンバトルはボロ負けだった。でもどうでも良かった。だってレッドさんに会えたんだから!!でも足りない、もっと話したい、あなたに触れたい。どうすればいい?
「レッドはバトル脳だからね。あなたが負かしてやれば少しは話を聞くんじゃない?」
ブルーさんに言われて、ハッとした。レッドさんは、強い人を求めてるんだ。だから危険度の高いシロガネやまに籠って、修行をしていた。だったらわたしのやることはひとつ。
もっと強くなって、レッドさんを超える!!
どれだけ負けても、時間が経っても。わたしは諦めない、めげない。あなたが好きだから。
……だった、のに。ようやく新しい戦術が整って、ブルーさんやグリーンさんにもお墨付きをもらったから会いに行ったら。
知らない女の子に、きのみをあーんされていた。距離も近かったし………すごく、幸せそうだった。あの子は誰?でもシロガネやまに行けるなら強いはず、レッドさんに勝ったの?いつの間に?
それに、可愛かった。ピンク色で、ふわふわしてて。まつ毛だってぱっちりしていた。ああいう子が好みなの?一瞬で脳が拒んで、その場を離れた。
気づいたら、トキワジムに来ていた。いつもブルーさんとグリーンさんと話して、特訓する場所。
「ようコトネ!レッドには勝ったか、よ……」
「どうしたのよ!?ボロボロじゃない!」
鏡で見た顔はひどかった。涙が出っぱなしで、顔も真っ赤。そんなことはどうでも良かった。レッドさんとあんなに近い子なら、2人も知ってるはず。聞かなきゃ。
「はぁ!?レッドに女!?しかも……」
「きのみをあーんされてたですって!?あいつが!?嘘でしょ……」
「……2人はその子のこと、知らないんですか」
「知らねえよ!あいつとそんな仲になる女子なんているわけねえ!」
「でもシロガネやまの頂上にいるってことは相当の実力者よね、どこかのチャンピオンかしら……」
2人も知らないみたい。だったら尚更納得いかない。突然現れてレッドさんとあんなに仲良くしてるなんて。許せない、許せない、許せない!!
「……わたし、シロガネやまに行きます」
「え?コトネ、でも……」
「もう1回、あの子を見るの。全部知らなきゃ、納得いかない……!!」
「……分かったわ、じゃああたしも行く」
ブルーさんと一緒に、シロガネやまに行く。いつもより大きく、険しく見える。絶対負けない、勝ってみせる……!!
コトネ
ご存知HGSSの主人公。つよい。レッドに憧れている。
ブルー
リーフ枠。強気で勝ち気な美人。
グリーン
ご存知バイビー野郎。
レッドさん
他人の目から見てもデレデレだった。デレッドさん。