僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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シンオウ編開幕だオラァ!!


シンオウ編
シロナさんは休みたい


 

風に揺られながら数時間。僕はカントー地方からシンオウ地方までやってきていました!とはいえ疲れたので道路でキャンプ中。

 

 

「ほみ〜!」

 

「そうだねフラン、お腹すいたしカレーでも……」

 

 

その時だった。ものすごい勢いで誰かが走ってきた。黒に身を包んだ金髪のお姉さんだ。

 

 

「キ、キミ!!ちょっと匿ってくれない!?」

 

「なにがあったんですか……?」

 

「追われてるの!!もし私を見たか聞かれても見てないって答えて!お願いね!!」

 

 

そう言って、お姉さんはテントの中に勝手に入っていった。その少し後、白衣の女性が走ってきた。

 

 

「そこのアナタ!シロナさんを見ませんでしたか?」

 

「シロナさん?」

 

「はい!シンオウチャンピオンにして考古学の権威、シロナさんです!もうすぐレポートの期限なのに逃げ出してしまって……探してるんです!」

 

 

レポートの期限から逃げてきたってこと?それは差し出しちゃってもいい気がするけど、まあ必死そうだったもんな。庇ってあげるか。

 

 

「それならあっちの方に走っていきましたけど」

 

「ありがとうございます!シロナさーん!逃げないでくださーい!!」

 

「……ふう、行ったかな」

 

「助かったわ……ありがとう」

 

「それは良かったですけど…レポートから逃げるのは良くないと思います」

 

「やめて!言わないで!せっかく逃避したのに!そうだわ……あそこの喫茶店に行きましょう、そこで詳しい話とお礼をするから」

 

 

シロナさんに連れられて、210番道路のカフェ山小屋にやってきました。なんでもモーモーミルクが絶品らしい。

 

 

「改めて…私はシロナ、シンオウで考古学を研究している者よ」

 

「僕はアマネ、こっちは相棒であり女神であり家族でもあるフランです」

 

「ほみ!」

 

「あら、げきからフレーバーのマホイップ!あなたのポケモンだったのね、かわいいじゃない」

 

「でしょう!うちのフランはただでさえかわいいマホイップの中でも頂点に位置する……」

 

「まあ、それはまた今度聞くとして。私、今とってもピンチなの」

 

「ピンチ?」

 

「そう!もうすぐ学会があるのだけど……そこで発表するレポートが全然書けていないのよ〜〜!!もう湖の3ひきについてはヒカリちゃんのおかげで終わったし、ギラティナについても終わったしで……もう大ピンチなの!!」

 

「……大変なんですね」

 

 

この人、ものすごい美人さんなんだけどなんだろう……それを丸呑みするレベルに子供っぽいな。今だってはちみつミルクを飲みながら涙目になっている。

 

 

「そのくせ他の研究者たちは偉そうに指図してくるしでもうね……ガブリアスの地震で全員一掃してやろうかってぐらいには……ふふ」

 

「落ち着いて、僕のケーキあげますから」

 

「ありがとう……それでね、このままではまずいから気分転換をしようと思ったの!もうここ2週間は缶詰でレポートとにらめっこしてたから…」

 

「2週間!?それはすごいですね……それで、気分転換をしようとしたら追われたと……」

 

「そう!ひどいと思わない、私だって超人じゃないの、休みがいるのに!」

 

「でもご自宅でもアイス食べたり寝たりしてましたよね?」

 

「それとこれとは別よ、外の空気を……え?」

 

 

びっくりした。シロナさんの背後には、さっきの白衣の女性が立っていた。能面みたいに冷たい顔をしていて、ものすごく怖いぞ。

 

 

「あ、えっとこれはね、愚痴を聞いてもらってただけで……」

 

「愚痴?元々ギリギリまでレポートに着手しなかったのはシロナさんですよね?大丈夫だって言うからわたし信用してたんですよ?そしたらやっぱり無理とか言い出して。わたしが学会の人とかナナカマド博士とかにきつく言われてるの知った上でまだ言いますか??」

 

「ぁ、えと……」

 

「………」

 

 

ダメだこの人。美人とかそういうの関係なくダメだ。根拠のない自信で宿題に取り掛からず、結局泣きを見るハメになるっていう典型的な子供ムーブをしている。そして親に怒られるんだ。困るのは自分なのにね。

 

 

「うえ〜〜ん、ごめんなさい〜〜!でもまさか全部やり尽くしてるとは自分でも思わなかったの〜〜!!お願いよ、ちょっとだけでいいからお休みをちょうだい〜〜!!」

 

「ダメです、何度も言ってますけどこれはシロナさんの信用に関わることなんですよ!いい加減レポート進めてください!!」

 

「イヤ〜〜!!もう限界なの!ないものはどれだけ搾っても出せないから!お願い〜〜!」

 

「……あのー、ちょっといいですか」

 

「なんでしょう?」

 

「僕はその…考古学とかは詳しくないのでアレですけど、シンオウ地方にはそういう神話とかが多いって聞きました。なのでリフレッシュ兼レポートの題材探しでシンオウ地方を歩かせたらどうでしょうか……」

 

 

自分で言ってて自信がなくなってきた。一応シロナさんを庇いつつお姉さんの苦労も察した……と思うけど2人は固まってしまっている。これで僕まで怒られたらやだなー。いざとなったら見捨てるか。

 

 

「…まあ、それは一理ありますね。実際シロナさんは集中力がある時とない時は天地の差ですから。いいでしょう!ただし猶予は1週間。そこまでに何かレポートの題材を見つけてきてくださいね!!」

 

 

お姉さんはビシッとそう言ってカフェを出て行った。これは……説得成功、かな?

 

 

「うえぇ〜〜〜ん!!アマネくん、助かったわ!!あなたのおかげよ!!」

 

「はは……良かったです、でも猶予は1週間ですからね、どのみち急いだ方がいいとは……」

 

「!! そうよね、休みもレポートの題材探しもしなきゃだものね!それじゃあ……行くわよ!!」

 

「え?何に!?どこに!?」

 

「決まってるでしょ、シンオウを満喫するのよーー!!」

 

 

僕はシロナさんに連れられ、なぜか一緒にシンオウを満喫することになりました。ほんとになんで??




アマネ
シンオウ編開幕。シロナさんの美人っぷりよりもダメっぷりを先に見た。

シロナさん
一応すごい人。でもこの先すごい要素はほぼ出てこないかも。
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