……事態が飲み込めない。今、僕は何をされた?酔ったシロナさんが近づいてきて、それから。
「ねぇ、アマネくん……どう?私と一緒に暮らしてみない?お金で不自由はさせないわよ?」
「嫌ですよ、小間使いにするつもりでしょ」
「もう、ひどーい」
僕が断ると、シロナさんは離れてまたワインを飲み出した。それはいい、いいんだけど。
「………」
さっきから、ヒカリさんにものすごく見られている。それも笑顔で。口角だけが上がっていて、目は全く笑っていない。めちゃくちゃ怖い。
「アマネくん……シロナさんとそんなに仲良いんだぁ」
「いや…僕はただシロナさんのお家の片付けをしただけですよ。酔って適当なこと言ってるだけじゃないですかね」
「ふうん……それならいいんだけど。」
結局その日はそれ以降シロナさんが酔い潰れてしまったのでおしまい。ヒカリさんと一緒にシロナさんをベッドまで運んで、ヒカリさんはもうひとつのベッド、僕はソファで寝た。
次の日
「ふぁ〜あ、おはよぉアマネくん、ヒカリちゃん。いやぁ、昨日は飲んだわ〜」
「ほんとですよ、顔真っ赤だったし呂律は回ってなかったし」
目覚めたシロナさんは、昨日の酔いっぷりが嘘のように綺麗な顔をしていた。この人寝たら全てがリセットされるのか?
「さて、今日は何をしようかしら?コンテストの鑑賞もいいし、ミオ図書館に行くのもいいわね……」
「ねぇシロナさん、ひとつ聞きたいことがあるんですけど」
「なあに?ヒカリちゃん」
「シロナさんって、アマネくんのことどう思ってます?」
「え?かわいいし気がきくし片付けが得意だし……いい子よね!」
「……それだけ?」
「そうねえ」
「ならいいです!」
今何を確認したんだ。めちゃくちゃ怖かったぞ。
「あら、電話だわ……ごめんなさいね」
「シロナさん、黙っていれば美人なんですけどね」
「ちょっと、シロナさんはいつもかっこいいよ!」
「そうですかねえ」
申し訳ないけど、僕はかっこいいところは見たことないぞ。いつもだらしないシロナさんだ。
「はあ……全く、困ったものだわ」
「どうしたんですか?」
「リーグから苦情よ、チャレンジャーはどうなってるんだってね」
「そんなことが?でもシンオウにはジム巡りが義務化とかはないんですよね?」
「それはそうだけど……やっぱり優秀な人材は欲しいからね、そういう層はチャレンジャーの実力が低いとすぐに怒って連絡をよこしてくるのよ」
「なるほど……」
「でも実際なかなか強い人は出て来ないですよ、わたしだって殿堂入りしてからあんまり強い人に出会えてないですもん」
なるほど、やっぱりどこの地方にも実力者の問題はついて回るんだな。そしてそれにチャンピオンやジムリーダーが振り回される……大変だなあ。
「そういえば、アマネくんはバトルはどうなの?」
「ええ?特訓はつけてもらいましたけど……」
「そうなんだ!誰に?」
「レッドさんです」
「「レッドさん!??!」」
2人が驚いてのけ反る。やっぱりレッドさんって有名なんだなあ。
「嘘でしょ、あのレッドに!?というか生きてたの!?」
「ウソウソ、そんなすごい人に特訓つけてもらったとか……アマネくんって何者!?」
「でも優しかったですよ、厳しかったですけど」
何やらシロナさんがぶつぶつ呟いている。何を考えているのだろう。
「ねえアマネくん……もしよければ、私とバトルしない?」
「……シロナさんと、僕が??」
アマネ
ようやくまともなバトルの予感。
シロナさん
酔っても二日酔いしないタイプ。
ヒカリ
シロナさん大好き。