ヨスガジムのバトルコートをお借りして、シロナさんとバトルすることに。と言ってもシロナさんチャンピオンなんでしょ?なんだか一瞬で倒されそうな気がしちゃうよ。
「それじゃあ審判はわたしがやります!2人とも位置について……バトル、スタート!」
ヒカリさんの合図で、僕とシロナさんがポケモンを繰り出す。シロナさんはガブリアス、僕はフラン。思いっきりミスったなあ……ガブリアスってじめんタイプ入ってるし。
「さあ、どこからでもかかってらっしゃい!ガブリアス、どくづき!」
「フラン、とける!」
「なっ!?」
フランは体をぐにゃんと溶けさせて、そのままガブリアスに近づいた。遠くからでも届く攻撃だけど、光源は近い方がダメージは出るからね。
「マジカルシャイン!」
「ガウッ!!」
「なるほど、よくバトルを分かっているわね。マジカルシャインは強い光で攻撃する技……範囲が広いぶん、離れていると威力は下がる……そしてマホイップはお世辞にも素早くない、けれど溶けて移動すればすぐに近づけるし防御も上がる。やるじゃない!」
「ありがとうございます」
「でもまだ私のガブリアスは元気よ!つるぎのまい!」
「そういうことなら…フラン、デコレーション!」
「え?デコレーションは相手の攻撃や特攻を上げる技じゃ……」
ヒカリさんが不思議そうにそう呟く。そう、普通のマホイップならね。あいにく僕のフランはげきからフレーバーなんだ。
「ギャウッ!!………ガァ……」
「ガブリアス!!大丈夫、声が聞こえる!?」
「グゥ……」
ガブリアスはフラフラして苦しんでいる。シロナさんの声も届いていないようだった。
「今のデコレーション……やっぱりげきからフレーバーだから効果も違うのかしら?」
「はい、といっても個体差がありますけど…基本的には相手の防御をがくっと下げて、やけど状態にするんです。」
「……手強いわね!」
そういうシロナさんだけど、言葉とは裏腹に口角はニヤッと笑っていた。不利な状況なのに笑うのか……
「そういうことならこの子だわ、ミロカロス!」
ひとまわり大きいミロカロスが繰り出される。かなり鍛え上げられていて美しい。でもそれだけじゃない。
「…ふしぎなうろこ、ですか」
「正解!すでにこの子はやけど状態、それでいて特性が発動しているから防御もアップ中よ。さあ、どう突破するかしら?」
「なるほど……それじゃあ、僕も交換します」
フランをボールに戻して繰り出すのは。
「っちゃーーー!!!」
「……ピチュー?」
2人揃って、目を点にしている。まあそりゃそうだ。普通はミロカロス相手にピチューなんて繰り出さないからね。え?なんでピカチュウに進化してないんだって?それはね、断固拒否されたからだよ。ピチューことアマリ(アマリはニックネーム。唐辛子の名前ね)に。なんか今の自分が1番カワイイと思ってるらしくて、かわらずの石を装備しているんだ。
まあそれは置いておいて。アマリは胸を張ってアピールしまくっている。レッドさん以外では初めてのバトルだからね、楽しいんだろう。
「耳の形以外は普通のピチューに見えるけど……その子でミロカロスを突破するつもり?」
「もちろん。ね、アマリ」
「ちゃ!!」
「それじゃあ……やっちゃえ、アマリ」
その瞬間。眩い光がアマリを包んで……
ドゴッッ!!
シロナさんが振り向く。壁に叩きつけられている、ミロカロスがそこにいた。
「な……!!」
「今のは……なに?」
ヒカリさんがスマホロトムを確認して、口をあんぐりと開く。そして見たものを、シロナさんにも共有する。
「これは……!!」
そこに映っているものは、まあ分かる。簡単に説明すれば、今のはアマリの攻撃だ。それにミロカロスが吹っ飛ばされたんだ。
「…すごい威力ね、今のはボルテッカーかしら?」
「いえ、今のは“でんこうせっか”です」
「ウソ!でも確かに電撃が……」
「レッドさんとの特訓で、普通の攻撃に電気を纏わせるのを発明したんです。じめんタイプに効かないのはたまにキズですけど」
「……ふふ、あっはは!!そう、そうなのね!!それはびっくり!でもまだミロカロスは立っているわよ!」
まあ流石にでんこうせっかじゃ倒せないか。でもそんなのは分かってる。あくまでも今のはジャブみたいな感じ。
「そうですね、でもシロナさん。まさかでんこうせっかの効果を忘れたわけじゃないですよね?」
「!! ……なるほど、でんこうせっかは必ず先制する技……この威力を何回も、先制して出せるなんて……ふふ、インチキね」
「この子はとことん素早くて、他の技だって先制で出せますよ。」
「ふふ、そうなったらミロカロスは絶対に倒れちゃうわね。でもあなたのその口ぶり……まだ威力の高い技があるのよね?」
「もちろん」
「だったら……それを見せてちょうだい!あなたのポケモンの力を、もっと見たいの!」
シロナさんの目は、ギラギラしていた。すっごく興奮しているみたい。そういうことなら、応えた方がいいかな。
「そういうことなら…アマリ、アレをやるよ」
「ちゃ!」
「やっちゃえ、獄炎ボルテッカー!!!」
アマリが電撃と炎を纏って……まっすぐに、ミロカロスに突っ込んでいった。ミロカロスは電撃と炎の攻撃で、丸焦げになって倒れてしまった。
「今のは……炎?」
「はい。僕のポケモンたちは、皆辛いものを食べ続けてます。その結果、辛いものから生まれる熱エネルギー……激辛エネルギーを炎に転換することに成功したんです!!激辛ってすごいですよね!!」
「………」
「………」
アレ、2人とも黙っちゃった。激辛エネルギー、画期的な発明だと思うんだけど。辛いものを食べて熱を生み出す!まさに次世代のバイオマス!!
「はあ……ほんとデタラメね。でもそういうことなら、私も本気出しちゃおうかしら!」
シロナさんが再びガブリアスを繰り出す。もう回復してあるのか、やけど状態も治っているようだった。そしてシロナさんが、口紅を取り出す。黒と金の装飾がシロナさんに合ってる。
「さあ、行くわよ……」
「ガブリアス、メガシンカ!!」
虹色の光が、ガブリアスを包んでいく。ああ、この眩い光を、僕は知っている。
「ギャアァオ!!」
「これが私と相棒の絆の力……メガシンカよ」
「シロナさんがメガシンカを使うなんて……」
「すごい、ガブリアスの両手が鎌みたいに!」
「でしょう、でもただ見た目が変わっただけじゃなくってよ?もちろん大幅にパワーアップ……しているんだから!!」
目にも止まらぬスピードで、ガブリアスがアマリに近づく。アマリはすぐさまぴょんと跳ねたけど……
「ギャアオ!!」
「ぢっ!!」
耳にびりびり響く咆哮が聞こえて、アマリは倒れた。今のは地震だ。跳ねて避けたけど、あまりのパワーで衝撃波が生まれたんだ。当然アマリは倒れてしまった。
「だったら……フラン!」
「大丈夫?メガシンカしたガブリアスはさっきとは違うわよ。」
「それなら大丈夫です。だって……」
上着のポケットから、あるものを取り出す。それはきらきら輝いて、フランのそれと共鳴しているよう。シロナさんもヒカリさんも気づいていないようだった。フランのリボン飴細工の片方に、“埋め込まれているもの”に。
「……僕たちも、メガシンカしますから!!」
「「なっ!!」」
僕が取り出したのは、マホイップ型の木枠のネックレスに埋め込まれたキーストーン。そしてフランのリボン飴細工に埋め込まれているのは……真っ赤なメガストーン。
「いざ……メガシンカ!!」
虹色の光が、僕とフランを繋ぐ。そうして光がフランを包んでいく。
「ふわぁ〜〜ふぁ!!」
光のオーブを割って姿を見せたのは、山盛りカレーのように姿が変わり、それでいてウェディングドレスのようにクリームをいっぱい纏ったフランの姿。ジュエリーのように、体にはハート形のニンジンや星形のジャガイモなんかが散りばめられている。
ああ、なんて美しく可愛らしいんだろう。これが、これこそが。
メガげきからマホイップ!!
アマネ
シロナさんとの初バトル。しれっとメガシンカ。
フラン
ご存知女神であり家族でもあり相棒。しれっとメガシンカ。
メガげきからマホイップ
タイプ:ほのお・フェアリー 特性:げきからきかん 身長:1.8m 体重:47kg
メガシンカしたことで今までいっぱい食べていた激辛カレーのエネルギーが現れ、激辛クリームと激辛カレーの合わさった噴火した火山のような大盛り姿に変化。カレー&クリームの体にはニンジンやジャガイモなどの具材がいっぱい。試しに食べようなんて思ってはいけない。どれも激辛だからだ。ちなみに具材は最近食べたカレーによって変わる。辛いものがさらに増えたことで周囲に激辛な匂いを放っており、近づくことも憚られる。
アマリ(ギザみみピチュー メス)
レッドさんのピカ様の愛娘。落ち着きがなく素早い。
獄炎ボルテッカー
タイプ:でんき・ほのお 威力:120
激辛エネルギーを利用して、電気と炎を纏って攻撃する強烈な技。ちなみに命名はレッドさん。ちょっと厨二入ってる。激辛エネルギーがわからないって?考えるな、感じろ。
シロナさん
デタラメな激辛パワーを見せつけられて楽しんでる。
ヒカリ
楽しんでるシロナさんとアマネから置いてけぼり。