メガシンカしたフランの姿に、シロナさんとヒカリさんは呆然としている。あまりの可愛さと美しさに気押されたか……!!
「……ふふ、面白いわね!!ゲホゲホ……」
「何これ、目にくる!」
「ああ、すみません。メガシンカしたフランは辛さ成分もパワーアップしてるので匂いも強いんですよ」
「バトルにならないじゃんそれ!」
「いいわ、続けましょう!ガブリアス、じしん!」
「フラン、とける!」
体が大きくなったことで、溶けて広がる範囲も大きくなる。メガシンカととけるでフランの耐久はアップしているからダメージは心配なし!
「ガブリアス、避けられる!?」
「溶けたままホットクリームいっぱい!!」
「な……!!」
フランがフィールドに溶けて広がったことで、クリームをフィールド全体から噴射!!いくらガブリアスが素早くても避けられないッッ!!クリームの連射を受けて、ガブリアスは倒れてしまった。
「めちゃくちゃだよ……なんでもありすぎる」
「これこそが激辛のパワーですよ!」
「……ふふ、あははは!!」
シロナさんが突然高笑いし始めて、拍手を贈ってくる。
「素敵ね、素敵すぎる!!こんなめちゃくちゃで理不尽なバトル、いつぶりかしら!まだ抗うわよ、ポリゴンZ!!」
「シロナさん…楽しそう」
「いいですよ、まだフランもやる気ですしね!」
「ほみ!!」
「ポリゴンZ、テクスチャー2!」
テクスチャー2……自分のタイプを相手が最後に使った技が今ひとつになるタイプへ変更する技だっけ。ほのお技が今ひとつなのはほのお、みず、いわ、ドラゴン……範囲が広いな、絞るのはやめよう。
「フラン、溶けてマジカルシャイン!」
「ポリゴンZ、ほうでん!」
やっぱり範囲攻撃技はあるよなあ……まあそれはいいとして。ポリゴンZは割と防御と特防が低いからマジカルシャイン連打でいいんだけど…今のマジカルシャインが効いてないってことはドラゴンタイプじゃないと。
「フラン、ホットクリームいっぱい!」
「そう来るでしょうね……だったら正面から打ち破ってみせましょう!ポリゴンZ、はかいこうせん!!」
正面からの超威力攻撃!!これは流石のフランも……
「ほみ〜……」
「…うん、ありがとうフラン。おつかれさま」
フランはよく頑張ってくれた。さて、お次は……
「行っておいで、ジョロキア!」
「ボーマンダに似ているけど…違うわね、どんなポケモンかしら?」
「トドロクツキっていうポケモンです、強いですよ!」
「それならまだ楽しめそうね!」
はかいこうせんの反動でポリゴンZは動けない、そしてテクスチャー2の効果でほのおわざが今ひとつになってるから……
「ジョロキア、スケイルショット!」
「くっ……耐えられるかしら?」
ポリゴンZは……耐えない、か。まあどの道特殊攻撃しか持ってないだろうし大丈夫だったかな。
「それじゃあ今度はこの子よ!トゲキッス!」
「フェアリータイプですか……」
普通ならキツい。というか対策しててもキツいんだけど……
「トゲキッス、マジカルシャインよ!」
「ジョロキア、アクロバットで回り込んで!」
「素早い!」
「そのままアイアンヘッド!!」
トゲキッスは耐える、か……でも!
「トゲキッス、動ける!?」
「アイアンヘッド、もう1回!!」
「くっ……」
どうやら運もこっちに向いてるみたいだ。アイアンヘッドで怯ませることができるなんてね。そのままの勢いでトゲキッス撃破だ!
「うふふ、運まで味方につけるなんて!行ってきなさい、ルカリオ!」
「ジョロキア、かえんほうしゃ!」
「鍛え上げられているわね……でも私たちだって負けていないわ!ルカリオ、はどうだん!!」
お互いのわざがぶつかり合って、激しい煙が……どうなった?
「……どうやら、ルカリオの勝ちのようね」
「ジョロキア……ありがとう」
「うふふ、一歩も譲らない展開……心躍るわ!!」
「行っておいで、サビナ!」
サビナの3つの頭が、それぞれ吠える。サビナは素早さと特攻に長けているから、素早い決着が望ましいな。
「ルカリオ、しんそく!」
「サビナ、かえんほうしゃ!」
ルカリオが“しんそく”から戻る隙を狙って、3つの頭からかえんほうしゃだ。
「やるわね……3つの頭を利用した攻撃、苛烈だわ!」
「それはどうも!サビナ、ハバネロブレス!」
「ルカリオ、ボーンラッシュで防いで!」
「無理ですよ、残りの頭でもハバネロブレス!」
これがサビナの強さ。たとえ1つの頭が防がれても、残りの頭でわざを出せる。そしてハバネロブレスで下がった防御を狙って……
「サビナ、ほのおのキバ!」
「ルカリオ……!」
ルカリオが膝をついて倒れる。これでシロナさんのポケモンは残り1匹。さてどうする……
「……ふふ、すごいわねアマネくん。こんなデタラメでめちゃくちゃなバトル久しぶり!最高よ!」
「ありがとうございます」
「さあ最後まで戦いましょう!行きなさい、ミカルゲ!」
ミカルゲ……ゴースト・あくタイプのポケモンでフェアリー以外で弱点をつけないんだよな。こうなるとフランが倒れちゃったのが厳しいけど……こうなったら、全力を尽くすまで!
「ミカルゲ、あやしいひかり!」
「サビナ避けて!」
避けて、と言ったけど……あやしいひかりって追尾してくるのか、まいったな。いやでもこれはむしろ……
「さあ続けていくわよ、あくのはどう!」
「サビナ、動ける!?」
「ヴァオ!!」
混乱して、自分を攻撃しちゃった……でもこれは!
「サビナ……やけっぱち!!」
「!!」
攻撃成功!イッシュにいた頃、アカマツくんにもらったんだ。自分が混乱やひるみで行動できなかった後にこのわざを出すと、威力が2倍になるんだ。そしてミカルゲはそこまで耐久が高くない……
「サビナ、タネばくだん!!」
「ミカルゲ、避けて!!」
大きなタネがミカルゲに降り注ぐ。ミカルゲは足が遅いから……そのまま潰れちゃった!
「……私の、負けね」
「やった、勝った!みんな頑張ってくれてありがとう!」
「アマネくん……」
シロナさんが僕に手を差し出してくる。握手か、嬉しいな。
「あなた……とっても強いのね。それにポケモンたちととっても強い絆で結ばれてる……うん、素敵!」
「ありがとうございます!シロナさんのポケモンもとっても強かったです!」
「うふふ……ねえアマネくん、シンオウリーグに来るつもりは……」
がしっ
肩を掴まれる。振り向くと、笑顔のヒカリさんがいた。でもただの笑顔じゃない、ものすごく圧を感じる笑顔だ。
「シロナさぁん、ちょーっとアマネくん借りていいですか?」
「? いいわよ!」
ヒカリさんに腕を引っ張られて、奥の控え室に連れて行かれる。めちゃくちゃ力強かったぞ、腕ちぎれるかと思った。
「……ヒカリ、さん?」
「ねえアマネくん?わたしはね、シロナさんが大好きなの。」
「……はい、」
「それはもう大好きでね、シロナさんの綺麗なところもかっこいいところもだらしないところもポケモンバトルが強いところも全部……」
あ、これはやばいぞ。目がやばい。
「でもシロナさんには笑顔でいてほしいから、アマネくんと仲良くってもまあいいかなって思ってたの。でも……」
「でも……?」
「……あのホテルでのキスで1アウト、そしてさっきのバトルで勝ったので2アウト……」
「な、何がアウトなんですか?」
「シロナさんからの好感度だよ、あんなに高くなるなんてね……全く油断も隙もないんだから」
「ねぇ、アマネくん……」
「ちょっと、見逃せないね?」
助けてーーーーー!!!!
アマネ
シロナさんに勝ったけど死にそう。
シロナさん
デタラメでめちゃくちゃなバトル、楽しい!
ヒカリ
何やらおかしい。