僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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メロコの熱

 

 

「スコヴィラ〜ン、こっちおいで〜〜、怖くないよ〜〜」

 

「グルル……」

 

 

無事スコヴィランをゲットした僕でしたが。試しにボールから出してみると、ものすごい勢いで距離をとられてしまいました。僕が何をしたっていうんだ!!

 

 

「う〜ん、捕まえたばかりとはいえ全然なついてない…」

 

「当たり前だろ、あんなやべえカレー食わされたんだから」

 

「そんなことない!ああでもしないと倒せなかったし……たぶん…」

 

「どんどん自信無くしてんじゃねーか…っと」

 

 

メロコちゃんのスマホにメールの通知音。最近話題のバンドの音だったな。戻ってきたメロコちゃんは…なんだか難しい顔をしていた。

 

 

「………」

 

「どうしたの?」

 

「あーいや、そのだな……ちょっと困った話なんだけど」

 

「困った話!?メロコちゃんが困ってるなら助けるよ!今日いっぱい助けてもらったし!」

 

「おお、そうか…助かるぜ」

 

 

もぞもぞしながら、メロコちゃんはスケッチブックを差し出してきた。中を見ると、ポケモンや風景、人物などを描いたスケッチがいっぱいだった。

 

 

「これ……メロコちゃんが描いたの?」

 

「……おう、つってもお世辞にも上手いとは……」

 

「すごいね!!」

 

「……え?」

 

「だってこのガーディとかさ、笑顔がすごく明るいもん!それにこの忍者みたいな人の絵もポーズだけじゃなくて楽しんでるのが伝わってくる!メロコちゃん、絵を描くの好きなんだね!!」

 

「………おう!!なんだよ、わかってんな!!」

 

 

メロコちゃんはご機嫌になって、照れ隠しか背中をバシバシ叩いてくる。痛い痛い。

 

 

「オレは今美術部に入ってんだけどさ。その課題でちょっと悩んでるんだよな…」

 

「課題って?」

 

「好きなものを自由に描きなさいってやつ。」

 

「あぁ〜〜、自由って1番困るよねぇ」

 

「そうなんだよ。そんで何描こうか分かんなくなって歩いてたらバカどもに絡まれて…」

 

「…なるほど、確かに難しいお題だ」

 

 

自由にしなさいって言われるのが1番困るんだ。僕も自由にレポート書きなさいって言われたから辛いきのみのレポート作って提出したら怒られたからね。ほんと分からない。

 

 

「好きなものって言ってももうポケモンとかダチとかは描いたしよ…ほんとどうしたもんか」

 

「難しいねえ、かといって好きじゃないものを描いてもモチベーションがねぇ」

 

「そうなんだよ!ほんと困ったもんだぜ…」

 

 

そう言って、メロコちゃんは固まった。なんでしょう、僕とフランはピンチョ・モルノ(チリソースぶっかけ)を食べているだけなんだけど。

 

 

「それだぁーーー!!!」

 

「えぇ!?なにごと?」

 

「オマエら、辛いもの食べるときいい顔するよな。その時の顔描かせろよ」

 

「いい、けど……でも題材にされるとなると自然にできるかどうか」

 

「いーって、今の顔は覚えたから!オマエとマホイップは辛いもん食ってろ」

 

「まあ、それなら…」

 

 

こうして僕たちはメロコちゃんの絵の題材になることが決まり、筆を向けられました。こわい。

 

 

「よし、準備できた。それじゃあ食え」

 

「それじゃあ、食べようか」

 

 

早速ピンチョ・モルノを食べ進める。うん、おいしい。でもやっぱり屋台のものだから辛さが控えめだな。手持ちのデスソースをかけて……うん、これくらいがいいな!ねーフラン。

 

 

「ほみ!」

 

「!!」

 

 

少しして。ピンチョ・モルノを食べ終えた僕とフランだけど…メロコちゃん、めっちゃ集中してるな。話しかけるのも憚られる……

 

 

「でっっ……きたぁーー!!」

 

「ほんと!?見せて見せて!!」

 

「おうよ!自信作だぜ!!」

 

 

メロコちゃんの画用紙に描かれていたのは…それは美味しそうに辛いものを食べる僕とフランの姿。特にフランなんか花開くような笑顔に輝くお目目が強調されていてとっても可愛くて愛らしくてああもう食べちゃいたいぎゃわいい……おっと。

 

 

「すごいすごい!!かわいい、すごいよメロコちゃん!食べ物もしっかり美味しさが伝わってくる!フランの可愛さもたっぷり!天才だよメロコちゃん!!」

 

「そーだろそーだろ、もっと褒めろ」

 

「うわ〜〜、すごいなぁ、これなら賞だって取れちゃうんじゃない?」

 

「まあな!それに…オマエのおかげだよ」

 

「え?」

 

「オマエ、ほんと美味そうに食べるんだもん。なんつーか、何よりも幸せな瞬間って感じ?それ見てたら、オレまで幸せな気分になるんだよ。もちろん何食ってるかは別としてな」

 

「…ありがとう」

 

「よし、そんじゃ提出するか」

 

「そっか、美術部の課題だもんね」

 

「……よかったら、アカデミーついてくるか?」

 

「え、いいの?確かに興味はあるけど」

 

「つーか、オレから頼むわ。オマエのおかげでこの絵はできたわけだし…顧問のセンコーとか、ダチとかに自慢したいんだよ」

 

「もちろん!メロコちゃんの頼みなら!」

 

「おう!それじゃあ行くぜ、地獄の階段あるけど登ってくぞ!」

 

「…地獄の階段???」

 

 




アマネ
メロコには全幅の信頼を置いている。辛いものへの執着は異常。

メロコ
1度やる気になるとものすごいエンジンがかかる。描いてる時は感覚でやるので人に教えるのは下手。

スコヴィラン
アマネには全くなついていない。一応辛いもの好きな性格だがその許容範囲は軽々超えていた。
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