僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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ひなあられおいしい


シロナさんの本気

 

ヒカリさんに詰め寄られる。これは、まずいぞ……

 

 

「わたしだってシロナさんの交友関係を縛るようなことはしたくないんだけどねー……アマネくんが想定外すぎたよね」

 

「あ、あの……」

 

「別に何か危ないことしようってわけじゃないよ?ただちょーっと自重してほしいなって」

 

コクコク、「わ、分かりました」

 

「もし破ったら……エンペルトのハイドロポンプでジュッ!……だからね?」

 

「ハイ……」

 

 

ヒカリさんにきっちり脅迫されて、僕はシロナさんとの距離を考えざるを得なくなったのでした。

 

 

「あらヒカリちゃん、お話は終わった?」

 

「はい!ちゃんと“お話”できました!」

 

「………」

 

「それなら良かった、それじゃあアイスでも食べに行きましょう!」

 

「シロナさんアイス好きですもんね!行きましょう!」

 

 

ウキウキ気分のシロナさんとは裏腹に、僕は冷や汗をかきまくっていました。だってヒカリさん、ずっとこっちを見てくるんだもの。お前の行動はわかっているぞという意志を感じる。

 

 

「さぁ、何を頼む?なんでもいいわよ!私はレモンアイスとソーダアイスのダブル食べちゃう!」

 

「じゃあわたしはいちごアイス!アマネくんは?」

 

「僕は……あ、じゃあこのハバネロアイスで」

 

 

テラス席に座って、アイスが来るのを待つ。シロナさんとヒカリさんが隣の席に座って仲良くしている。本当にシロナさんのことが好きなんだなあ。

 

 

「そういえばシロナさんとヒカリさんってどうやって知り合ったんですか?」

 

「え、聞いちゃう〜〜!?えっへへ、シロナさんは本当に強くてかっこよくて素敵でね、旅の途中で助けてくれてトゲピーのタマゴをくれたこともあるの!その子は今立派なトゲキッスとしてパーティにいるんだよ!」

 

「それから一緒にやぶれたせかいでアカギの野望を阻止したわね……懐かしいわ」

 

「懐かしいなぁ……どれも素敵な思い出です!」

 

 

2人の思い出話を聞いているうちにアイスがやってくる。ヒカリさんのやつはハートのチョコも乗ってて可愛くて、シロナさんのアイスはボリュームたっぷりで重そう。ちなみに僕のはハバネロソースを練り込まれた真っ赤なアイス。

 

 

「アマネくんの……すっごく辛そうね」

 

「はい!でも辛いの好きなので!」

 

「まあそれはさっきのバトルで散々知ってるけど……」

 

「それじゃあ食べましょ!いただきまーす!」

 

 

スプーンですくって、ひと口ぱくり。口の中を支配するような辛さ!そして冷たい辛いものは新鮮で美味しいね!

 

 

「んふふ、おいしい」

 

「シロナさん、わたしのいちごアイス食べます?……シロナさん?」

 

「……ねえアマネくん、そのアイスひと口もらっていい?」

 

「えぇ?ダメですよ、これ辛いんですから」

 

「それはわかってるけど!アマネくんがあんまり美味しそうに食べるから私も食べたくなっちゃったの!つまりアマネくんのせいよ!」

 

「なんて鮮やかな責任転嫁なんだ……でもダメです、責任取れませんよ」

 

「そうですよ、シロナさん辛いの苦手でしょ」

 

「う〜……じゃあ勝手に食べるわ」

 

「あっ」

 

 

僕のスプーンを奪って勝手にハバネロアイスを食べる。ああ……シロナさんの顔がどんどん赤くなっていって…

 

 

「ああぁぁ!!辛い、辛すぎよこれぇ!!お、お水……」

 

「あ、辛いもの食べてる時に水を飲んだら……」

 

「うぁぁ、痛い痛い!」

 

「言わんこっちゃない……」

 

 

しばらく悶えたあと、アイスをバクバク食べてシロナさんはようやく落ち着いた。

 

 

「ふう……2度と好奇心に身を任せないわ」

 

「僕ちゃんと言いましたよね」

 

「それはそうだけど……」

 

「もう、シロナさんったら。わたしのいちごアイスあげますから」

 

「ヒカリちゃん……ありがと〜〜」

 

 

しみじみといちごアイスを食べるシロナさんを宥めながら、ヒカリさんがこっちを睨んでくる。いやこればっかりは僕悪くないでしょ。シロナさんが勝手に食べたんだから。

 

 

「そういえばアマネくんはいろんなところを旅してるのよね、何かきっかけとかはあるの?」

 

「きっかけというか……ただ逃げてきただけですよ、マホイップの新種発見って騒がれてマスコミやら学会の人やらに毎日詰められて…それにいじめも重なって……色々限界になってガラルを出たんです」

 

「……そう、だったんだ。大変だね」

 

「そう……」

 

「あ、でも旅先でいろんな人とかと交流して今は元気ですよ!なんか変な空気にしちゃってすみません。」

 

「アマネくんも大変ね……まだガラルには戻らないの?」

 

「うーん、そろそろ戻ろうとは思ってますけど……」

 

「そう……じゃあこれからどうするかとかも決めてないのね?」

 

「そうですね、なんかガラルでのこと色々ぶん投げてきちゃいましたし……」

 

「それじゃあ……」

 

 

シロナさんから何かを手渡される。これは……ネックレス?

 

 

「アマネくん……シンオウリーグに来ない?これは私からの賄賂兼マーキング……みたいなもの」

 

「あはは、シロナさんたら…」

 

「あら……」

 

 

シロナさんが僕の手をがしっと握る。そしてまっすぐに見つめてくる。

 

 

「私は、本気よ?」

 

「シロナさん……」

 

 

嬉しいよ、ありがたいんだけどもね。

 

 

「………(ニコニコ」

 

 

 

ヒカリさんの視線が怖いよーーーー!!僕殺されちゃう!!




アマネ
死にそう。

シロナさん
かっこいいけどダメな大人。

ヒカリ
やばい。
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