メロコちゃんに連れられて、僕はオレンジアカデミーまでやってきました。地獄の階段、マジでやばい。2度と上りたくない。でもエントランスはすごく広くておしゃれで、本がいっぱい。うわあ、これが歴史ある学校の重みかぁ。
「よし、それじゃあ美術室に…」
「あれ?メロちゃん!」
何やらでっかいお姉さんが声をかけてきた。うちのお母さんみたいだ。手足がめっちゃ鍛え上げられてる。
「ビワ姉!」
「よかったぁ、美術室出て行ったっきり戻ってこないから心配してたんだよ?スター団のグループトークにも参加しないし!」
「え?うわ、マジだ。ごめんなビワ姉…でも課題については心配いらねえぜ!こいつのおかげでな!」
「わあ、かわいい子!メロちゃんのお友達?」
「初めまして、アマネです。メロコちゃんには色々お世話になってて…」
「ほみ〜!」
「この子は僕の相棒、フランです。えっと…」
「わたしはビワ!メロちゃんとはスター団の仲間で友達だよ!よろしくねアマネちゃん!」
アマネちゃんとな。この人も僕のこと女の子だと思ってるクチかな。それとも年下のことはみんなそう呼ぶのかな。
「そうだ!今スター団のみんなでお菓子持ち寄ってパーティしてるの!メロちゃんはもちろん、アマネちゃんもどう?」
「え、いいんですか?」
「もちろん!メロちゃんの友達ならいい子だもん!メロちゃんもいいよね?」
「おう!でもこいつやべー辛党だからその辺気をつけろよ」
失礼な。ただ純粋に辛いものを愛しているだけなのに脅威みたいな扱いされるなんて心外だな。というわけでビワさんの勧めでスター団のみなさまのお菓子パーティに参加することになりました。
「みんな〜、ただいま〜!」
「ビワ姉、おかえり。あれ、その子だれ?」
かなり個性的な人たちが集まってるな。でもメロコちゃんの言ってたフェアリー使いの子は大体わかるぞ。確かに見た目はかわいいけど生意気感が隠せてない。
「初めまして、アマネです。ガラルから旅行にきました」
「僕はピーニャ!メロコが認めるならきみもいい人だよね、よろしく!」
「拙者はシュウメイ。それにしてもなんともフェアリーでゆるふわな……ふふ」
「オレはオルティガ。まあ中々かわいいんじゃない?」
「あとスター団を作ったマジボス…ボタンちゃんもいるんだけど、今はリーグのお仕事手伝ってていないんだ〜。さっ、座って座って!」
ビワさんとメロコちゃんの仲介もあって、僕はするりとスター団の皆さんのお菓子パーティに参加できた。みんなスナックから駄菓子、さらには高級そうなクッキーまで色々持ち寄っている。
「そういえば!メロちゃん課題は大丈夫って言ってたけど、絵が描けたってことだよね?見せてほしいな〜〜」
「おう、いいぜ!見ろ、これがオレの自信作だ!」
メロコちゃんが自信満々に絵を見せる。するとみんなが「おぉ〜」と声をあげた。
「いいじゃん!アマネちゃんとポケモンの笑顔がバッチリ!」
「ふむ、喜びの感情がよく表れているでござる。感情の表現はメロコ殿の得意分野でござるからな」
「かわいい〜!」
「まあ、いいんじゃない?」
「よかったねメロコちゃん!」
「おう、アマネのおかげだぜ!」
いやあ、友達が褒められているのを見ると気持ちがいいね。それにフランの可愛さも表現できてる絵だからね、素敵じゃないわけがないのだ。
「そういえばさ、メロコとはどうやって知り合ったの?言っちゃ悪いけど正反対な感じするけど」
「あぁ、メロコちゃんがヤンキーに絡まれてて…見てみぬふりはできなくて、助けたんです」
「そうなんだよ、こいつあざとい見た目してるくせして結構度胸あるんだぜ!」
「メロコ殿は話さなければ大人しめ女子でござるからな…それにしても乙女たちの仲睦まじい光景は目の保養でござるな!」
「シュウメイくんったら、アマネちゃんは男の子だよ?」
「「「「………え???」」」」
おっと、空気が凍ったぞ。というかやっぱりビワさんは分かってたのか。やっぱり鍛えてる人は違うなあ。
「だって…確かに華奢だし顔もかわいいけど、体格はちゃんと男の子だもん。足の形とか、そういうので分かるんだ〜」
「まあ特に隠してはないですけど…すごいですね、ビワさん」
「すごいですねじゃねぇーーーよ!!!」
「ぎゃーー!!!」
思いっきりメロコちゃんからのパンチ!!痛い、痛い!!フラン助けて!!
「ほみーっ!!」
「じゃあなんだオマエ、男のくせしてオレに、だ、大好きとか言ってたのかよ!?」
「え、そりゃスコヴィランの件でいっぱい手伝ってくれたし…」
「〜〜〜〜〜っっ!!!!」
「なんと、男子でござったか……お得でござるな!!」
「あはは……びっくりだねぇ」
その後はひたすら顔を赤くしたメロコちゃんに追い回されて、ビワさんが止めてくれるまでずっと逃げ回ることになった。特に隠してないのになぁ。
「うん、あの…なんかごめんね?」
「………」
「メロコ、顔真っ赤にして照れてやんの。こうなったらしばらく喋らないからほっとこうぜ」
「いいのかなぁ……」
「いいよいいよ、アマネ…くんはさ、ガラルから来たんでしょ?何かパルデアで気になるものとかある?」
「う〜ん…正直いろいろありすぎてわかんないな。でもそうだな…スター団のみんなは結構なんというか…バラバラな人たちな気がするけど、どこで知り合ったりしたの?」
その質問をした瞬間、しーん…と空気が重くなった。え、なに、聞いちゃいけないことだった!?
「あー、そっか、気になっちゃうか…まあ確かに僕らバラバラだもんね」
「いいんじゃない?悪いやつじゃなさそうだし」
「いや、いいです!話したくないことなら…」
「ううん、聞いてほしいな。メロちゃんのお友達なら、話してもいいし」
それから、僕はみんなが出会って、スター団ができるまでの経緯を聞いた。皆理由は違えどアカデミーでいじめられていて、それに黙っていられなかったマジボス…ボタンさんが、みんなを集めたんだってことを。今ここにいるみんなはボスで、スター団のメンバーは他にもいっぱいいるってことを。
「………」
「ごめんね、重い話だったでしょ」
「ううん、知れてよかったと思う。でもそっか、こんな大きな学校にもいじめはあるんだね…」
「まあいじめの犯人どもはほとんど退学してるし、何より今の俺たち強いし!全然怖くないけど。」
「そうでござるな、拙者たちはいじめがなければ集うことはなかった…ある意味良いきっかけでござるな」
みんな、思った以上にカラッとしている。みんなは、1人じゃなかったからいじめに立ち向かえた……いいなぁ。
「…それじゃあ、スター団の人たちはみんな仲間なんだ」
「?当たり前じゃん、なに、友達いないの?」
「こら、オルちゃん!冗談でも失礼だよ!」
「…うん、いないんだ、友達」
「……え?」
「まあその……僕もちょっと、いじめられてて。でも友達もいなくて…」
まずい、変なこと言っちゃったな。変に気を使わせちゃう。まあ僕にはフランがいるから大丈夫だけどね!!
「……分かった」
「メロちゃん?」
「アマネ……オマエも今日からスター団だ!!」
「えっ??」
「スター団に入ったからには1人じゃねえし、いじめにも負けねえ!どうだ、いいことづくめだろ!!」
「………」
「いいね、賛成!アマネくん、入りなよ!」
「え、ええ??」
「いいんじゃない?あざとかわいいの座は渡さないけど」
「うむ、賛成でござる。それにアマネ殿のような可愛らしい男の娘がいればスター団も華やかになるでござる」
「わたしたちはみんな賛成!ね、アマネちゃんはどう?」
みんな笑顔だ……それになんだろう、圧力を感じる。でも…嫌な圧力じゃないな。
「…じゃあ、入らせてもらおうかな……??」
「よっし!それじゃあこれが…スター団の証だ」
メロコちゃんからシールを渡される。それは金色の星のマーク。これが、スター団の、仲間の証……
「…ありがとう」
「アマネちゃんの仲間入りも決まったことだし、そろそろお開きにしよっか!」
「うん、それじゃ…」
「「「「「お疲れ様でスター!!!」」」」」
みんなが体でスターのポーズを作る。だ、ださい!!もしやこれをやらなきゃいけないのか??
「…へへ、またな」
「……うん」
メロコちゃんやスター団の仲間たちと別れて、僕はフランとホテルに帰った。
アマネ
ガラルのトレーナーズスクールでいじめられていた。次回、いじめっ子登場。
メロコ
アマネのことは女の子だと思っていたのでびっくり。でも友達なのは変わらない。
シュウメイ
かわいくてついてるのはお得だよね。
ビワ
最初から性別に気づいていた。さすが鍛えてる人は違うね。