舞台が輝き始め、観客たちが歓声を上げる。期待通り、ビジョンにはコンテスト開始、の文字が映し出された。
「さあ始まりましたスーパーコンテストライブ!!今回エントリーした皆さんが競うのは…ズバリ“うつくしさ”!!多種多様なポケモン、わざを使って、各々うつくしさをアピールしていただきます!」
司会が大声を出して、コンテストの始まりを告げる。ルチアの計らいで最前列をゲットしたユウキは、アマネの健闘を祈るのみであった。
「さあ、これにて3人のアピールが終了しまして…いよいよ次が最後のトレーナーさん&ポケモンになります!それでは参りましょう、エントリーナンバー4、ホット・スイート・ガール!アマネさんだぁーーー!!」
スモークが晴れ、舞台から出てきたのは……ふわふわなリボンやフリルに身を包んだ、なんとも可愛らしいアマネだった。カメラでアマネがアップされるが、恥ずかしいのか顔は真っ赤だった。
うおおぉぉぉーーーーー!!!!
その可愛さに、会場から割れるほどの歓声が響く。かくいうユウキもその可愛さにメロメロだった。
(アマネさん……かわいい、可愛すぎる!!かわいさコンテストならもう優勝してる!!)
しかしこれはうつくしさコンテスト。そしてアピールするのはアマネと同じ衣装を着たフランだった。恥ずかしさに潰れそうなアマネとは対照的に、フランは笑顔で観客に手を振ったりと余裕だった。
「それではアマネさん、アピールをお願いします!」
「は、はい……」
今にも消え入りそうな声で、アマネが答える。その様子にユウキは心配になるが…次の瞬間、その心配は無駄だったと思い知らされた。
「ほみ〜!」
“デコレーション”で、舞台を真っ赤なクリームで彩る。そして。
「フラン、クリームを混ぜてマジカルフレイム!」
げきからクリームの混ざったマジカルフレイムを、フランは上に向けて放つ。炎が上空へと上がり……
ドカァァァァン
……巨大な、花火が上がった。あまりに強大で、美しい一撃に観客は魅了される。
しかしまだアピールは残っている。なんとアマネはクリームで彩られた舞台をまるでフィギュアスケートのように滑り、フランと立派なダンスを見せる。さらにげきからクリームとはじけるほのおを混ぜて、小さな花火を連発するなど、自分たちの持ち味を活かしたアピールを続けた。
アピールがひと段落し、ユウキは感動のあまり泣いてしまいそうだった。
「それじゃあ最後に……いくよ、フラン!」
「ほみ!」
ビジョンにアップで映し出されたのは、アマネのキーストーンとフランのメガストーン。その2つが意味するものは…もう分かるだろう。
「フラン、メガシンカ!!」
虹色の眩い光が、フランを包む。やがて光のオーブを割って現れたのは。
「ふわ〜〜ふぁ!!」
巨大ホイップカレーのような姿の、メガげきからマホイップであった。
「フラン、最後はド派手に……ホットクリームいっぱい!!」
大量のげきからクリームを、上空に向けて放つ。そして。
「ほみ〜!!」
空中で、クリームはハート型へと形を変えた。真っ赤なクリームが空中で、無数のハートを魅せている。
そして、2人一緒にお辞儀をして、アピールは終わりを告げた。割れんばかりの拍手が、2人に送られる。
やがて結果発表の時。審査員と観客の投票によって最も素晴らしいアピールをしたコンビが選ばれるが……
「今回の優勝者は……アマネさん&マホイップ!!なんと満場一致です!おめでとうございます!!」
審査員も観客も、皆がアマネとフランのアピールに感動していた。他の参加者たちも、あのアピールなら仕方ないと言った様子だった。優勝記念のリボンと花束を授与するため、司会がアマネのもとに歩いてくる。
「アマネさん、フランさん!優勝おめでとうございます!こちら記念のリボンと花束です!」
「ぁ、ありがとうございます……よかったね、フラン」
「ほみ!」
「アマネさんはルチアさんがスカウトしたと聞いていましたが……さすが、ルチアさんの目に狂いは無かったようですね!」
「そ、そうですね……ものすごく緊張しました、けど……その、フランの魅力をアピールできてよかったなって、思います……」
「何か言いたいことなどはありますか?」
「あ、それなら……僕たちが入場する時のあの…肩書きみたいな、あれって……」
「ああ!ホット・スイート・ガールですか?あれはアマネさんやフランさんの見た目からイメージしたもので…」
「でも……」
「僕、男なんですけど」
「……え?」
会場が静寂に包まれる。
「も、も〜、アマネさんったら冗談がお上手!そんなかわいい衣装を着てそれは無理ですって!」
「いや、これはルチアさんに無理やり着せられたもので……僕は正真正銘の男ですよ」
改めてアマネが声にする。自分は男だと。
「………へぁ?」
ユウキの脳は情報を処理できず、ユウキはその場に倒れてしまった。