僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

62 / 109
げきからアイドルアマネくん

 

舞台が輝き始め、観客たちが歓声を上げる。期待通り、ビジョンにはコンテスト開始、の文字が映し出された。

 

 

「さあ始まりましたスーパーコンテストライブ!!今回エントリーした皆さんが競うのは…ズバリ“うつくしさ”!!多種多様なポケモン、わざを使って、各々うつくしさをアピールしていただきます!」

 

 

司会が大声を出して、コンテストの始まりを告げる。ルチアの計らいで最前列をゲットしたユウキは、アマネの健闘を祈るのみであった。

 

 

 


 

「さあ、これにて3人のアピールが終了しまして…いよいよ次が最後のトレーナーさん&ポケモンになります!それでは参りましょう、エントリーナンバー4、ホット・スイート・ガール!アマネさんだぁーーー!!」

 

 

スモークが晴れ、舞台から出てきたのは……ふわふわなリボンやフリルに身を包んだ、なんとも可愛らしいアマネだった。カメラでアマネがアップされるが、恥ずかしいのか顔は真っ赤だった。

 

 

うおおぉぉぉーーーーー!!!!

 

 

その可愛さに、会場から割れるほどの歓声が響く。かくいうユウキもその可愛さにメロメロだった。

 

 

(アマネさん……かわいい、可愛すぎる!!かわいさコンテストならもう優勝してる!!)

 

 

しかしこれはうつくしさコンテスト。そしてアピールするのはアマネと同じ衣装を着たフランだった。恥ずかしさに潰れそうなアマネとは対照的に、フランは笑顔で観客に手を振ったりと余裕だった。

 

 

「それではアマネさん、アピールをお願いします!」

 

は、はい……

 

 

今にも消え入りそうな声で、アマネが答える。その様子にユウキは心配になるが…次の瞬間、その心配は無駄だったと思い知らされた。

 

 

「ほみ〜!」

 

 

“デコレーション”で、舞台を真っ赤なクリームで彩る。そして。

 

 

「フラン、クリームを混ぜてマジカルフレイム!」

 

 

げきからクリームの混ざったマジカルフレイムを、フランは上に向けて放つ。炎が上空へと上がり……

 

 

ドカァァァァン

 

 

……巨大な、花火が上がった。あまりに強大で、美しい一撃に観客は魅了される。

 

 

しかしまだアピールは残っている。なんとアマネはクリームで彩られた舞台をまるでフィギュアスケートのように滑り、フランと立派なダンスを見せる。さらにげきからクリームとはじけるほのおを混ぜて、小さな花火を連発するなど、自分たちの持ち味を活かしたアピールを続けた。

 

アピールがひと段落し、ユウキは感動のあまり泣いてしまいそうだった。

 

 

「それじゃあ最後に……いくよ、フラン!」

 

「ほみ!」

 

 

ビジョンにアップで映し出されたのは、アマネのキーストーンとフランのメガストーン。その2つが意味するものは…もう分かるだろう。

 

 

「フラン、メガシンカ!!」

 

 

虹色の眩い光が、フランを包む。やがて光のオーブを割って現れたのは。

 

 

「ふわ〜〜ふぁ!!」

 

 

巨大ホイップカレーのような姿の、メガげきからマホイップであった。

 

 

「フラン、最後はド派手に……ホットクリームいっぱい!!」

 

 

大量のげきからクリームを、上空に向けて放つ。そして。

 

 

「ほみ〜!!」

 

 

空中で、クリームはハート型へと形を変えた。真っ赤なクリームが空中で、無数のハートを魅せている。

 

 

そして、2人一緒にお辞儀をして、アピールは終わりを告げた。割れんばかりの拍手が、2人に送られる。

 

 

 

 

やがて結果発表の時。審査員と観客の投票によって最も素晴らしいアピールをしたコンビが選ばれるが……

 

 

「今回の優勝者は……アマネさん&マホイップ!!なんと満場一致です!おめでとうございます!!」

 

 

審査員も観客も、皆がアマネとフランのアピールに感動していた。他の参加者たちも、あのアピールなら仕方ないと言った様子だった。優勝記念のリボンと花束を授与するため、司会がアマネのもとに歩いてくる。

 

 

「アマネさん、フランさん!優勝おめでとうございます!こちら記念のリボンと花束です!」

 

「ぁ、ありがとうございます……よかったね、フラン」

 

「ほみ!」

 

「アマネさんはルチアさんがスカウトしたと聞いていましたが……さすが、ルチアさんの目に狂いは無かったようですね!」

 

「そ、そうですね……ものすごく緊張しました、けど……その、フランの魅力をアピールできてよかったなって、思います……」

 

「何か言いたいことなどはありますか?」

 

「あ、それなら……僕たちが入場する時のあの…肩書きみたいな、あれって……」

 

「ああ!ホット・スイート・ガールですか?あれはアマネさんやフランさんの見た目からイメージしたもので…」

 

「でも……」

 

 

 

「僕、男なんですけど」

 

 

 

「……え?」

 

 

会場が静寂に包まれる。

 

 

「も、も〜、アマネさんったら冗談がお上手!そんなかわいい衣装を着てそれは無理ですって!」

 

「いや、これはルチアさんに無理やり着せられたもので……僕は正真正銘の男ですよ」

 

 

改めてアマネが声にする。自分は男だと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………へぁ?」

 

 

ユウキの脳は情報を処理できず、ユウキはその場に倒れてしまった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。