ユウキが目を覚ますと、そこは白い天井だった。
(俺は……どうしたんだ?コンテスト会場で……)
思い出そうとすると、頭に鈍い痛みが走る。まるで脳が思い出すのを拒んでいるようだった。
「ユウキ、大丈夫か!」
「父さん…」
「ユウキくん、コンテスト会場で倒れたんだよ!白目剥いて鼻血出して!」
「ルチアさんも…」
医者によると、脳に多大な負荷がかかったことでユウキは倒れたとのことだった。
「脳に多大な負荷……いったい何があったんだ?」
「それが、思い出そうとすると頭痛が……」
「ユウキくん!」
「ヴァ!?」
病室に入ってきたアマネを見た瞬間、ユウキは嬉しさと驚きで飛び上がってしまう。
「あ、アマネさん……」
「よかったあ、いきなり倒れちゃったから……」
(相変わらずかわいい、だけどなんだ、この頭に残るモヤモヤは……?)
「…ユウキくん、コンテスト会場で何があったか覚えてる?」
「え、アマネさんがうつくしさコンテストのアピールで優勝して、それから……ウッ」
「やっぱり……“アレ”が原因なんだね」
「アレ!?アレとは?」
「うーん……一言で言えば、残酷な真実、かな……」
「ざ、残酷な真実?何かありましたっけ?」
アマネが自覚していないということにさらなる残酷さを感じたルチアだが、いずれは知らなければいけないことだと考えた。
「あのね、ユウキくん。それから多分…センリさんも。とっても残酷な真実だけど……これは知らなきゃいけないことなの。覚悟はいい?」
「か、覚悟……?でも、知らなきゃいけないことなら!」
「ああ。ユウキが回復するなら構わない」
「そう……じゃあ言うね。」
「アマネくんは……男の子なの」
時が止まる。ユウキもセンリも、目をかっ開いて口をあんぐりさせたまま硬直している。そして当のアマネはというと。
「え?それがどうかしたんですか?」
……さすがである。
「え、は、アマネさんが男って……こんなにかわいいのに!?」
「ユウキくん……世界にはね、下手な女子よりかわいい男の娘がいるんだよ」
縋るように、ユウキはアマネを見つめる。しかしアマネは。
「はい、男ですけど」
「ヴァアアアァァァァ!!!!」
「ゆ、ユウキくん!?」
涙を流しながら、ユウキが大暴れする。当然ついさっき気絶したばかりの身なのですぐに看護師がやってきて取り押さえられたが。
「え、じゃあ、俺の、この気持ちは、想いは……ぁ、あぁ……」
「ユウキくん……」
崩れ落ちるユウキに、アマネが近づく。そして手を握って、言った。
「そんなに心配しなくても……僕とユウキくんは、ずっと“友達”だよっ!」
「………」
そう断言され、ユウキの体は砂のようにさらさらと崩れていったのだった。
アマネ
クソボケ野郎。
ユウキ
死にました。
センリ
しれっと大ショック。てっきり息子が将来の嫁を連れてきたものだと……