ホウエンからガラルに帰ると、もう夜だったけどお母さんが待っていてくれた。そしてお母さんは笑顔で迎えてくれたんだ。
……マンムーを連れて。
「おかえりアマネ!あぁ久しぶり、会いたかった!」
「うん、あの……お母さん、そのマンムーどうしたの?」
「ああこの子?こないだワイルドエリアを散歩してたら暴れてたからちょっとシメたの!そしたらついてきちゃってね!」
「そんな軽い用事みたいに言わないで」
「とにかく!長旅疲れたでしょ、いっぱいごはん作ってるからね!」
お母さんと一緒に家に戻ると、お父さんがテーブルいっぱいにごはんを作ってくれていた。ナポリタンにハンバーグ、それからサラダにカレーライス。もちろん全部辛口!
久しぶりに食べると……懐かしくって泣きそうになった。やっぱり家族の味は沁みるなぁ。
「ふふ、なんだか見ただけでわかるわ。アマネ、成長したわね」
「もぐ……そんなもの?もぐ…ありがと」
「そんなものよ、お母さんの目を舐めないで」
「ほみ、ほみ!」
フランも久しぶりにうちの味を食べられてご満悦みたい。口いっぱいに頬張っちゃって、かわいいなぁ。
「アマネくーーん!!!」
「ごほっ、ユウリさん!?」
「ああ、さっき電話したんだけど……まさかこんなに早く来るなんてね」
「うぅ〜……無事でよかった、ほんとに目の前にアマネくんがいる〜……」
ユウリさんが抱きついてくる。嬉しいけど……痛い。あとハンバーグ食べたいから離してくれないかな。
「アマネくん、帰ってきてくれて良かったぁ!!もうほんとずっと心配してたんだから!」
「もぐ……ごめんなさい、ありがとうございます」
「いいの、アマネくんが無事なら!はいこれ、お疲れ様って意味のプレゼント!」
ユウリさんから何やら分厚い封筒を渡される。中を見るとお札が入っていたので、丁重にお断りした。
「結構です」
「えー、でもお金はあって損はないよ?」
「だったら自分で稼ぎますから……このお金はユウリさんのために使ってください」
「も〜」
も〜じゃない。それはそれとして、この話はしておかないとな。
「でも少し休んだら、アローラに行きますよ」
「アローラ!?なんで?」
「それが……」
ユウリさんにルセちゃんのことを話した。イッシュまで追いかけてきたこととか、彼女のヤバさを色々。そして、今彼女がアローラで僕のことを待っているということを。
「なるほど……そういうことなら、わたしも行く!ちょうどリーグの視察でアローラに行く予定が入ってるの!」
「え、でもユウリさんに迷惑をかけるわけには…」
「迷惑なんかじゃないよ、わたしもアマネくんの力になりたい!それに戦力は多いに越したことないでしょ?」
「まあ、それは確かに」
「じゃあ決まり!ガラルチャンピオンとして、アマネくんのこと助けるからね!」
ユウリさんがドンと胸を張る。さすがチャンピオン、頼もしい。
『ケテー!電話ロト!』
「電話?誰からだろう……」
電話番号を見てみると……知らない番号だ。間違い電話か何かかな?
「はい、もしもし」
『……もしもし』
「レッドさん!?え、スマホ持ってなかったですよね?」
『……買った。アマネくんと電話、したいから』
「なるほど、そうだったんですね」
『……えっと、今、どこ?』
「今はガラルに帰ってきてます!レッドさんはどうですか?」
『僕は……今、アローラ』
「アローラ!?」
レッドさんの口からアローラの名前が出てきたことに衝撃を受ける。まずレッドさんがシロガネやまから出たことに驚きだし、いきなりアローラに行ったことにも驚きだしで。
『バトルツリーって、言う所でね。招待……された』
「そうなんですね、さすがレッドさんです」
『……うん、それでだけど……えっと、その……』
「?」
『あーもう!まどろっこしい!!どうもアマネ、ブルーよ。今あたしたちアローラにいるんだけどね、なんだか様子が変なの』
「様子が、変?どんなふうに?」
『何ていうのかしら……人に生気がないというか、虚な感じなのよね。まだ違和感の段階だけど、どうしても気になって……』
「そうなんですか……」
ルセちゃんの待ち構えているアローラだから、何もないわけないとは思っていたけど……すでに様子がおかしいのか。いや全てをルセちゃんに絡ませるのもダメだとは思うけど。
「実は、僕ももうすぐアローラに行くんです。かくかくしかじかで……」
『ふーん、アナタも色々あるのねえ。とにかくそういうことならこまめに連絡するわ、じゃあね』
ブルーさんはさっぱりしてるなあ。レッドさんと付き合っていられるのもさすがというか。でもアローラで様子がおかしい、か。それこそ人によるからどうしようもないなあ。とにかく、僕は僕にできることをしよう。
アマネ
ガラルに帰ってきた。家庭の味は激辛の味。
ユウリ
貢ぐ系女子。ちなみに封筒には100万円入れていた。
アマネマミー
片手間でマンムーをシメる女。