昏き海の底へ
「着いた……アローラ!」
ユウリさんと一緒に飛行機に乗って、アローラへと辿り着いた。日差しは眩しいし、街並みも賑やか。なんだけど……
「……ユウリさん、なんか変じゃないですか?」
「変って?」
「なんというか……みんなどこか虚というか。気のせいかもしれないですけど…」
街にいる人が、なんというかおかしいのだ。ぼーっとしているのか何もせずに空を眺めたり、ただ立っていたりとさまざま。他にも歩いている人はいるけど、特に話すでもなくただ歩いている。
「でもどうしよっか、とりあえずホテルに行く?」
「そうですね、ひとまずチェックインしてから…」
僕らはアーカラ島のホテルしおさいに向かう。道中も不気味なくらいに静かだった。いくら観光シーズンじゃないからってこんなことあるか……?
僕らがホテルに入ろうとした、その時。
「あれ、アマネくん?」
「アオイちゃん!」
なんとアオイちゃんと出会った。それから……
「あびゃびゃびゃーーーっっ!!!あぁアマネくん久しぶりですね相変わらず可愛くって食べちゃいたいくらいちょっと舐めさせてもらっていいですか深刻なアマネくん不足だったんですよ本当にちょっとだけ先っぽだけですからエヘヘ」
「……タロさんも、久しぶりです」
「タロ先輩落ち着いて…オレもいるよ!アマネくん、久しぶり!」
「アカマツくん!久しぶり!」
なんとタロさんにアカマツくんも。そういえばアオイちゃんはブルーベリー学園に留学してたって聞いたし、仲良しだったりするのかな。
「実はわたしたち、アローラに旅行に来てるんだ。リーグ部の修学旅行みたいなものでね」
「そうなんだ!会えて嬉しい!」
「えっへへ、わたしも……ところでそっちの人は」
「わたしはユウリ!ガラルのチャンピオンでアマネくん推しです!」
「アマネくん推し!?わかりますいいですよねアマネくん!かわいいし優しいしそれでいて辛いもの好きというギャップがたまらなくって……わたしもアマネくん推しなんです!!仲良くしましょう!!」
「あなた分かってるね……よろしく!!」
ユウリさんとタロさんが固い握手を交わす。その様子を僕とアカマツくんは引きながら見ていたのでした。
「他にもリーグ部員はいるんだけど…ネリネさんは実家の手伝いで行けなくって、カキツバタはめんどいからパスだって!スグリとゼイユさんも誘いたかったけどブライア先生の手伝いで忙しいんだってさ!」
「そうなんだ…」
「とにかくホテルに入ろっ!詳しい話はホテルで……」
扉を開けてホテルに入ると、すぐに異様な空気に呑まれた。ホテルの中にはたくさんの人がいた。それだけなら普通だけど……その人たちは、皆棒立ちだった。スマホをいじるでもなく、ただ立っていた。
「な、なにこれ……」
「何かのイベント…じゃあないよね」
「な、なんか怖いな……うわ!」
アカマツくんが足を滑らせて転けてしまう。その時。
目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 ️ ️ 目
じっ
目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 目 ️ ️ 目 目
視線、視線、視線。虚な目が、ただじっと僕たちを見つめてくる。なにも言わず、ただ見つめてくる。その光景に恐怖を覚えて、逃げるように僕たちは外に出た。
「な、なにあれ……めっちゃ怖かった!!」
「なんかおかしかったですよね、注意もしないしなにも言わないし…まるで人形みたい」
タロさんの言葉に同意だった。ホテルの人だけじゃない、多分僕がアローラに来て覚えた違和感もそれだ。人がまるで人形のようになってしまっている。やっぱりアローラでは何か異変が起きているのか……
「ふふ……うふふ、そっかぁ、来たんだ」
「待ってるからね、アマネ」