僕はげきからマホイップと世界を巡る   作:三笠みくら

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あと3話くらいかな?


水母の風向かい

 

「ねえ、今の子って」

 

「ああ…アローラにいるって電話ですよ」

 

「ふうん…でも今の子、ウルトラディープシーにいるよ」

 

 

ウルトラディープシー。さっきダルスさんが教えてくれたけど、そこにウツロイドは生息しているらしい。でも待てよ、ルセちゃんがそこにいるって?どうして……

 

 

「だって、海の中みたいな音がしたもん。普通の人間がどうやってあそこに行ったのかは分からないけどね」

 

 

アマモさんに言われて、さっきの電話を思い出してみる。確かに背後で何かが漂う音が聞こえたような気がした。

 

 

「お前に電話をかけてきたのは何者なんだ?ウルトラスペースに行けるなんて余程詳しくなければ不可能なはずだが…」

 

「実は……」

 

 

皆にルセちゃんの話をする。皆みるみる顔色が悪くなっていくのがわかった。

 

 

「待て、ルセと言ったか!?」

 

「は、はい!」

 

「……いつだったかリーリエがエーテル財団の仕事である場所に出向いたあと、道端で倒れているのが発見されたんだ。話を聞くと、ルセという女に出会ってすぐに気絶してしまったと……」

 

「……え?」

 

「その際、リーリエはウルトラビーストやウルトラホールの資料を持って行っていた……そいつがもしその資料を読んだのだとしたら……」

 

「………」

 

 

最悪の事態だ。ウルトラビースト関連の資料ということは、当然ウルトラホールやウツロイドについても詳しく書かれているはず。つまり彼女はそれらを知っている……

 

 

「もしかしたら、最初からウルトラビーストの資料を読むためにリーリエさんを呼び寄せたのかもしれないねー」

 

「……最悪だ」

 

「とにかく、日輪の祭壇に行かないとなにも分からないよ!行ってみよう!」

 

「でもどうやって行くの?外に出たら絶対あの様子のおかしい人たちがいるんでしょ?」

 

「だったら……」

 

 

モンスターボールからマナフィ……フィーちゃんを出す。フィーちゃんなら、この状況を打開できるかもしれない。

 

 

「ねえフィーちゃん、海の中を渡ってポニ島に行きたいんだけど、できるかな?」

 

「ふぃ?ふぃー!」

 

 

笑顔で手をフリフリする。これはOKってことかな。そういうことなら急いで海辺に出て……

 

 

「ホエ〜〜!!」

 

「うわぁ、おっきいホエルオー!」

 

「ふぃ〜!」

 

「この子に乗って行こうだって!行きましょう!」

 

「待て、だとしても地上に姿を見せるのは危険じゃないか?」

 

「だから言ったでしょう、海の中から行くって!まあとにかく乗ってください!」

 

 

ホエルオーに乗って、海の中へ入っていく。そして完全に僕たちは海の中へと沈んだ。もちろんただ沈んだだけじゃないよ。フィーちゃんがバリアを張ってくれてるからね!

 

 

「うわぁ……海の中だ!すごーい!!」

 

「そのポケモン、なんなんだ……?」

 

「えへへ、可愛いでしょ?さあ、ポニ島に行こう!」

 

 

ホエルオーに乗せてもらって、海中を進んでいく。やがてポニ島の浜辺にたどり着いた。

 

 

「……よし、触手はいないかな」

 

 

そう周囲を見回した瞬間。何かがものすごい勢いで走ってくる音が聞こえた。

 

 

ぎゅっ

 

 

「ぎゃっ!?……レ、レッドさん!?」

 

「………(スリスリ」

 

「無事だったんですね、よかったぁ!」

 

「良くないわぁ!!」

 

 

レッドさんがブルーさんに無理やり引き剥がされる。ブルーさんも無事だったのか。ポニ島って全然建物なさそうなのによく無事だったな。

 

 

「全くもう……それよりアナタたちも無事だったのね、知っての通りアローラ全体がおかしなことになってる。わざわざポニ島に来たって事は何かあるのね?」

 

「はい、実は……」

 

 

僕はレッドさんとブルーさんにルセちゃんのことを話した。話が進むにつれ、2人とも苦虫を噛み潰したような顔になっていった。

 

 

「……なるほどね、そのヤバすぎ女が指定した日輪の祭壇に行けば何かわかるかもってことね」

 

「はい、2人ともついてきてもらえませんか、戦力は多いに越したことはないし……それにルセちゃんなので、手段を選ばないと思うんです」

 

「……そうね、あたしはOK。レッドは…言うまでもないわね」

 

「………」

 

「そういえばグリーンさんは?」

 

「あいつ?ジムの事務で忙殺されてるから置いてきたわ」

 

 

さすがというかなんというか。とにかくレッドさんとブルーさんを加えて、僕たちは用心しながら日輪の祭壇に向かった……のだけれど。

 

 

「……ずいぶんすんなり着いたわね」

 

 

そう、実はポニ島に着いてから日輪の祭壇に行くまでの間、不気味なほどに何も無かったのだ。野生ポケモンも、正気を失った人もいない。本当に恐ろしいくらい何も無かった。もしかして、わざと?

 

 

「……着いたけど、ルセちゃんは……」

 

 

探そうとした、その瞬間。

 

 

プルプルプル

 

 

「………」

 

 

また電話が鳴る。そしてまた非通知。

 

 

「……もしもし」

 

『あはは、会いにきてくれたのね。嬉しい』

 

「いないじゃん」

 

『心配しないで、アマネの事はずうっと見てたから』

 

「……それで?どこにいるの?」

 

『アマネったら、もう少しお話してくれたっていいじゃない。まあいいわ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迎えに 行くから

 

 

 

その瞬間、無数の白い触手が襲ってきた。

 

 

「ひっ……」

 

「アマネくん!!」

 

「………っ!!」

 

 

ものすごい勢いで引き摺り込まれた。

 

 

 

「うぅ……」

 

「ほみ、ほみ……」

 

「フラン……?無事だったんだ、よかった……」

 

 

フランの無事を確認して、立ち上がる。するとそこは、さっきいた日輪の祭壇とは似ても似つかない場所だった。全体的に真っ暗で、でも周りにある石はきらきらしていてガラスみたい。そして何より……

 

 

じぇるるっぷ  じぇるるっぷ

 

 

……ふわふわ漂う、クラゲのような白いポケモン。もしかして、あれがウツロイド……?

 

 

「アマネ、いらっしゃい」

 

 

彼女の声が聞こえて、その方を振り向く。そしてそのことを……激しく後悔した。

 

 

綺麗だったブロンドのロングヘアは真っ白で、目も白と黒が反対になっている。肌だって不気味なくらい真っ白だ。そして何よりも。

 

 

ぷかぷかと、浮いていた。無数のウツロイドに囲まれて、まるで女王様のように。ガラスのドームに包まれて、そこに浮きながら鎮座している、彼女がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うふふ……2人きり、だね?」

 

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