あれから1週間。僕たちはエーテルパラダイスで休養していた。特に僕はウルトラホールを通ったということもあって精密検査を受けることになった。
「それにしてもアマネくんが無事でよかったぁ……ほんと心配したんだから!」
「うん、ありがとう」
結局、ルセちゃんは亡くなってしまった。ただクイーンとしてウツロイドを支配していた彼女が亡くなったことでアローラの人たちは正気を取り戻したようだった。
「お前たちには感謝する、おかげでアローラに平和が戻った」
「グラジオさんも無事で何よりです」
「あんたがウルトラホールに引きずり込まれてからみんな必死で探したんだから!特にレッドなんてオロオロしちゃって大変だったのよ?」
「………(コクリ」
「心配かけてごめんなさい、でもこの通り無事ですから!」
「そうですね、検査も問題なしでしたし。」
「それでも危険な目に遭ったのは間違いありませんわ、ゆっくり休んでください」
そう言って、ルザミーネさんとリーリエさんが歩いてきた。この2人とグラジオさんは家族なんだってさ。ルザミーネさんは不老だったりするのかな……でもうちのお母さんも肉体年齢18歳とか出たしたいして変わんないか。
「そうだわアマネさん、少しよろしいかしら?」
「? はい」
ルザミーネさんに連れられて、2階の保護区へとやってきた。そこで目にしたのは……ルセちゃんのポケモンたちだった。
「彼らもウツロイドの毒が打ち込まれていたようで、かなり弱っていましたの。それに何より……精神面がとても酷くって。人間をまるで信用していませんの。」
「………」
まあ、そうだろうな。ルセちゃんの育て方って愛のカケラもなかったし。それに力を引き出すために虐待みたいなこともされてたみたいだし。
「でもわたくしたちは決して見捨てません、この子たちの心を少しでも和らげることができたら……それが1番ですもの」
「そうですね……何か協力できることはありますか?」
「ふふ、ありがとう。でも大丈夫、これはわたくしたちがやるべきことですから」
ルザミーネさんに手を振って、休憩室に戻る。するとユウリさんとタロさんが熱血トークを繰り広げていた。
「やっぱりアマネくんは恥じらってる顔が1番カワイイと思うんですよ!!男の娘の恥じらいって良くないですか!?」
「わかるぅ〜〜!!でも時々見せるカッコいい顔もまたいいなって思うの!!」
「分かります〜〜!!」
……なんの話をしているんだろう。理解したくないというのはわかった。
「………」
「戻りました、レッドさん」
「………(コクリ」
「本当レッドってあんたのこと好きよねー、レッドがこんなにデレデレなのアマネ相手くらいよ」
「そうですかねぇ、結構甘えん坊ですけど」
「……絶対にアマネにしか見せないと思うけどね」
休憩室で、みんなとワイワイ話をする。ふと一瞬考える。もしも。
ルセちゃんとも、こういうことができたなら……なんて。
そう考えて、すぐにやめた。彼女はもういない。もう彼女の人生は終わったのだから。
「大好きよ、アマネ」
何度、その言葉を囁かれたか。その度に僕はこう返す。
「大嫌いだよ、きみのことなんか」